川越奏和奏友会吹奏楽団の「カルミナ・ブラーナ」
連休二日目の昨日、娘の所属する川越奏和奏友会吹奏楽団第36回定期演奏会に行ってきた。
http://
場所は所沢市民文化センターアークホール。
曲は世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」をメインに、 奏楽2012「春のファンファーレとコラール前奏曲」オルガン付(飯島俊成)
カテドラル(K.サルフェルダー)
エピタフ(天野正道)
法華経からの三つの啓示より 平和の悦び(A.リード)
というもの。
指揮は佐藤正人さん、テノールは沼響の第九で歌っていただいたことのある高橋淳さん、 バリトン萩原潤さん、ソプラノ秋吉邦子さん。
合唱は小林研一郎氏が40年指導している武蔵野合唱団。
コバケンさんの指揮ですでにハンガリー国立フィルや日本フィルと「カルミナ」を演奏しているというアマチュアとはいえプロ並みの腕前の合唱団。
そして通常少年合唱として歌う部分は埼玉県立松伏高校合唱部。
この合唱団も昨年2年連続コンクールの全国大会出場の実績を持つという。
いわばアマチュア最高峰の三団体そろい踏みの豪華なステージだ。
ところが前日土曜日の早朝に娘から突然の電話。
「頭が痛い、熱が38度ある。練習どうしよう?」
私「とにかく病院に行き、安静にしてなさい」としか言いようがない。
そしていくばくの不安を持ちながら日曜朝、娘に電話する。
すると「治った!快調、これから練習に行くね」
私「????・・・・」
開演は3時なので10時ころにでれば大丈夫だろう、と家内と車で家を出たが甘かった。
沼津ICから東名高速、御殿場ICで降り中央高速、関央道経由で所沢までのルートとしたもののこれが大失敗。
東名御殿場ICの降り口でまさかの大渋滞。新東名ができた影響らしい。
そして山中湖までも大渋滞。
お昼過ぎても御殿場を出ることができない。
だんだん不安になってきた。 結局、所沢着は開演直前の2時30分。
ところがホールの駐車場を含め、たくさんある所沢航空公園付近の駐車場は全て満車で、どこも長い空車待ちの列ができている。
どうやらGWのフリーマーケットフェスティバルがおこなわれているらしい。
土地勘のない悲しさ。ぐるぐるとホール周辺を回ってようやく車を止め、
ホールに到着すると。
第一曲は終わっていて作曲者の飯島俊成氏がステージ上でインタビューを受けていた。しまった、このホールのパイプオルガンを聴き逃した。
席はほぼ満席で最前列の2つにようやく滑り込む。
最前列なので演奏者は前のクラリネット奏者しか見えない。
幸いにして2曲目のカテドラルでは、ブラス群がオルガン前のバルコニーに左右二つに分かれて配置されたので娘の顔は良く見えた。
ちょっとやつれているが元気そうで安心する。
「カテドラル」の冒頭は懐かしいジョバンニ・ガブリエリのカンツォーナそものだ。二群に分かれたブラスの掛け合いの中で正面の木管群が加わるガブリエリの主題による自由なファンタジー。
パイプオルガンを正面に据えた残響豊かなホール内をあたかも教会音楽のような荘厳な響きが満たしていく。
天野正道の「エピタフ」は東日本大震災の犠牲者に捧げられた曲。
静かで感情の吐露を抑えた曲。
ところが静かな場面で、赤ちゃんの泣き声が突然「ギャー」とホール内に鳴り響いた。
見ると自分と同じ最前列の3つほど離れた席に生まれて数カ月ほどの赤ちゃんを抱えた若い母親がいた。
指揮の佐藤さんも振り返る。
家内曰く「泣き声が曲のピッチと合ってたわよね」
さすがにこの母親はすぐにホールから出て行ったが、これで追悼の曲がぶち壊しだ。
リードの曲を経て休憩。さすがにこの席では娘の足しか見えないので、3階席の左側に異動。
そして後半はメインのカルミナ・ブラーナ。
席を移ったために音は多少痩せて聞こえたが、演奏は凄かった。
オケ版と異なり吹奏楽版だと響きの質そのものが丸くなる傾向はあるもののオルフのこの曲ではさほど違和感はない。
総勢百数十人の武蔵野合唱団のパンチの効いた合唱は見事というほかない。
大部分のメンバーが全て暗譜なのにも驚いた。
ソロでは高橋淳さんが傑出。沼響と共演した時とは風貌が変わりまるで別人のよう。
大きな身振りと演技を交えた第二部の「丸焼きにされた白鳥」はさすがの貫録。
高橋さんのソロに触発されたのか、このあたりから演奏は集中力が増し、しだいに白熱。
最終場面に向かって大きくカーヴを描いて高揚していくのは圧巻。
終曲では巨大な音の壁となりホールいっぱいに鳴り響いていた。
アンコールは震災で有名になった「あすという日が」が合唱と吹奏楽で歌われた。
感動しました。ありがとうございました。
その夜は娘の学生マンションに家内と一泊。
娘は気力が尽きたのか再び熱を出した。
そして今日の午後帰宅。夜はオケの練習。
長くなったので、こちらの詳細は明日。
| 固定リンク
「コンサート感想」カテゴリの記事
- チェコ・フィル・ストリング・カルテット(2023.11.23)
- パーヴォ・ヤルヴィ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団(2023.10.21)
- 日本フィルの第401回名曲コンサート、小林研一郎と髙木凜々子のヴァイオリン(2023.09.13)
- パリ管ブラスクインテットのコンサート、そして亡きWさんにホルン四重奏を捧げたことなど(2023.06.25)
- 東大オケでサン・サーンスの交響曲第3番(2023.02.13)
コメント