昨日は娘が出演する全国高校総合文化祭優秀校発表会見学のため家内と私、母と叔母、家内の両親の6人で東京国立劇場へ。
出演する下の娘は6時に学校へ集合しすでに出発している。
国立劇場は全員初めて。特に年寄り連は数日前から興奮気味で電話で盛んにやりとりをしていた。
開演は13時、座席は当日指定。
10時30分頃に国立劇場に到着すると、入場券を座席券に交換する人たちで既に長蛇の列だった。
東京在住の家内の叔母夫婦ともうひとりの娘はここで合流。
座席券に替えても劇場内に入れるのは12時半からということで、一同時間を持て余し気味となり劇場付属の喫茶店のようなところで早めの昼食。
値段が高い割にはふつう。
あまりこの店で粘るのも迷惑になるので外に出ると日差しが強い。
たまらず劇場裏にある資料館に行ってみた。
ここは冷房も効き入場無料なのがよい。しかも空いている。思わぬ穴場を見つけた気分。
歌舞伎の舞台紹介やパネル展示などを見ているうちに、筝奏者の日吉章吾さんに会った。
http://www.masumi.co.jp/350/archives/001248.html
いつもにこやかで謙虚な好青年。
話をしているうちに、雰囲気がよく似ているかるたの西郷直樹名人の顏が浮かんできた。
http://www.narrations.jp/blog/?p=281
国立劇場で演奏したことがある日吉さんから会場についていろいろと話を聞く。
先日は市川猿之助の舞台で弾いたという。相変わらず精力的にご活躍の様子。
そして開場。
ホールは横長で客席の左側は舞台から花道が伸びている。
最初に招待演奏が2校。
京華学園のマーチングと開催県富山の高岡西高による合唱が披露された。
国立劇場は、もともと歌舞伎や伝統芸能のためのホールで残響が少なく、音の不安定さは露骨に暴かれストレートに客席に直撃する構造。演奏するほうは非常にやりにくいだろう。
この二校の演奏を聴いていて娘の学校は、大丈夫だろうかと多少不安になってきた。
そしていよいよ入賞校の演奏。
文化庁長官賞の観音寺第一高校筝曲部に続き娘の出る沼津西高の登場。
沼津西高は文部科学大臣賞受賞。
曲は清水脩作曲の「三つのエスキス」。
昨年の地方予選も含め沼西の演奏は何度も聴いているが、娘が出ているという贔屓なしに、他の学校とは頭一つ抜け出た非常に良い演奏だと思った。
各楽器のピッチが高い精度でぴったり合っているので、芯のある透明な音がパート別にはっきりと聞こえてくる。
ホールのデッドな響きも全く気にならない。
繊細で細やか、フランス印象派風の爽やかさと透明さがよく出ていた音楽性の高い演奏だった。
娘に後で聞いたところ、チューニングにはいつも以上に入念に時間をかけたという。
続いて伝統芸能の部。
ここで伝統芸能というと、お祭りの笛や太鼓の賑やかなお囃子程度の認識しかなかった自分に大きなカルチャーショックが待っていた。
出演は文部科学大臣賞受賞の岩手県県立北上翔南高による「鬼剣舞(おにけんばい)」と、文化庁長官賞受賞の熊本市立高の必由館高の和太鼓合奏「肥後の鼓舞」の二校。
最初は岩手県北上翔南高の「鬼剣舞(おにけんばい)」。
1300年の歴史があるという岩手北上地方に伝わる伝統芸能。
鬼の面を着け笛と太鼓に合わせて、数十人の高校生が一糸乱れず踊るダイナミックな群舞にはただただ圧倒されるばかり。
しかも動作にストーリー性が有り、変化に富みながら終盤のクライマックスへ盛り上がっていくのがなんとも凄い。
隣の席の母などは「本当に高校生なの?」と大きく目を開いたまま固まっておりました。
長い歴史に培われ洗練され昇華された様式の伝承を見事に守り、時代を超えた普遍性を獲得しているのは見事というほかない。
よほど優れた指導者がいるのだろう。
終演直後には会場全体から大きなどよめきが起こり盛大な拍手が上がっていた。
立ち上がって拍手している人も大勢いました。
自分もこんなに感動したのは久しぶりのこと。これは是非大勢の人に見て欲しいと思う。
次の熊本の必由館高の大小の和太鼓を駆使した豪快にして繊細な演奏も素晴らしかった。ここでは現代的なアレンジと日本の伝統音楽が見事に融合していた。
高校生たちの輝くような若いエネルギーの放射と、
全力投球のひたむきな姿に本当に感動しました。
大きな力をいただきました。ありがとう。
youtubeは「鬼剣舞」
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