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2012年11月に作成された記事

2012年11月30日 (金)

ブリテン、「パーシー・グレンジャーを讃えて」

11月も今日で終わりとなりこれからいよいよ冬に突入。

鉄塔一本の倒壊による北海道登別の大停電には、電気に依存している日常生活の脆さをあらためて実感する。

衆議院選で脱原発を大きく掲げている政党を見ていると、単に自分たちが当選するための方便として取り上げているとしか見えない。原発廃止後のビジョンは見えているのだろうか?

今日聴いたのはパーシー・グレインジャーの楽しい曲の数々。

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作曲家ベンジャミン・ブリテンの指揮とピアノによる「パーシー・グレインジャーを讃えて」という作品集。
1968年録音の英DECCAのLP。

演奏はイギリス室内管弦楽団にピーター・ピアーズ(テノール)、ジョン・シャーリー=カーク(バリトン)、アンブロジアン・シンガーズ、ピアノはヴィオラ・タナードとベンジャミン・ブリテン。

曲はすべてイギリス民謡からの編曲で、ヴォーン・ウィリアムスの名作「イギリス民謡組曲」でも使われている「日曜になればわたしは17歳」のようにコケティシュな佳品や、輪唱風の壮大な合唱で歌われる「行方不明のお嬢さんが見つかった」など、テノールソロや合唱、ブラスアンサンブル、ピアノソロなどの様々な形態で聴かせてくれる好アルバムだ。

生き生きとしたブリテンのピアノと指揮も深い共感に満ちていて実によい。

Youtubeはグレインジャーの子供のマーチ

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2012年11月29日 (木)

本日の練習、合唱合わせへ向けて

曇り夜から雨、昨日は東京出張。
昨日は沼津を出るときは快晴で気温も高かったのが、正午に東京駅に到着し新幹線のホームから見上げた空は曇天で今にも雨が降りそうな気配。
気温も低くコートが欲しいほど。
目的地の本郷界隈に着いた頃からポツリポツリと降り始めた。

予定された用件は4時過ぎに終了。
帰りの地下鉄本郷三丁目駅に向かう途中で、シャッターが閉まったままの「藤むら」の前を通る。
300年以上の歴史を誇っていた老舗も数年前に閉店してしまった。

江戸を代表する羊羹として歌舞伎や落語、明治以降は「吾輩は猫である」や「草枕」にも登場する軽い甘さの上品な味の羊羹は絶品だったのだが。
http://www.gonzoshouts.com/place/1590/

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帰りは17時3分発の三島に停車する「ひかり」。着いた沼津は暖かだった。


ちょうどこの日が誕生日だった下の娘のささやかな誕生祝いは、沼津で人気の洋菓子屋「ペルル」の「ラフランス」。
軽くシロップに漬けた「ラフランス」丸ごと一個の中に生クリームとスポンジを詰めた、新作ケーキ。

「ラフランス」の酸味と生クリーム甘さが、スポンジを介して絶妙のバランスを醸し出している名品だ。

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そして今日はオケの練習で、日曜の合唱合わせのためにカンタータ「土の歌」の集中練習となった。

音程の不確かさとアンサンブルの細部の不安定は相変わらずだ。

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2012年11月27日 (火)

ボヘミアの作曲家、ヴェイヴィアノフスキーのセレナータ

激しい雨が降った昨日から一転して本日良い天気となり富士山は裾の下まで雪化粧。

昨晩は仕事関係の酒席が有り、酒豪揃いの周囲の人たちとなりゆきで二次会は伊豆長岡まで。
年齢は自分より上の世代ばかりだが、パワフルな人たち相手に今時珍しいどんちゃん騒ぎのド宴会モードとなり、カラオケは演歌のオンパレード。
さすがに日付が変わりそうな時間になったのでタクシーを呼び帰宅。
帰りのタクシー代は5,000円を超えていた。

昨日から車を職場近くの駐車場に置いたままなので本日バス通勤。

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しばらくバス停に佇んでいると、通勤時間帯にはほぼ5分間隔で来るバスが今日に限って30分待っても来ない。徒歩通勤している若い部下が挨拶しながら傍らを通り過ぎていく。

やがてバス停周辺にバスを待つ人が溜まり始めた。

さすがに異変を感じバス会社に電話してみると「500メートルほど手前の小学校前で事故があり、事故車が片方の道を塞いで大渋滞です。バスは動いています。」とのこと。

いつもならば渋滞気味の道路なのに、今日に限って通過する車が極端に少ない理由がわかった。

バスを待つ人々に事の次第を告げると、皆一斉に携帯を取り出し電話し始めた。
自分は歩いて行くことにした。

途中で何度か振り返りながら先を急いでいると、お待ちかねのバスが後ろからこちらに向かってくる。数メートル先にバス停があったのでそこからバスに飛び乗ると、バスに乗っていた先ほどまで一緒にバスを待っていた人たちから一斉に会釈をされた。

今日はさほどのトラブルもなく定時帰宅。

聴いたのは大バッハの前の世代の17世紀ボヘミアの作曲家パヴェル・ヴェイヴィアノフスキーの作品集。

彼の「セレナータ」と「ソナタ」を何曲か集めたチェコスプラフォンのLPで、演奏はリボール・ペシェク指揮のチェコフィルとプラハ響のメンバーによるもの。

使用楽譜は、ヴェイヴィアノフスキーの終焉の地だったモラヴィアのクロミェジェールの古城や修道院に保管されていたものだという。

曲の多くは弦楽合奏にクラリーノやトロンボーンが加わった協奏曲形式の曲。

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きっちり引き締まった華やかでリズミカルな楽想と美しいメロディーの数々。
時と場所を超えた普遍的な価値を持つ素晴らしい作品の数々だ。
演奏も非常に良い。

沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの交響曲第2番を聴く」にフリッツ・ブッシュの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/bra2.cgi

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2012年11月25日 (日)

ジュリーニ&フィルハーモニアの「展覧会の絵」とモーツァルト

連休最終日はよく晴れた。
2012102708190000_2外出は愛犬ポコの散歩ぐらいで一日ほぼ引きこもり状態。


今日はジュリーニが1960年代にイギリスのフィルハーモニア管を振ったDVDを見ていた。

BBC放送が収録されたもので、組曲「展覧会の絵」とモーツァルトの交響曲第40番、ファリアの組曲「三角帽子」にヴェルディの歌劇「シチリアの夕べの祈り」序曲。

ヴェルディは1968年、他は1964年の記録。

この1964年はフィルハーモニア管にとっては大変な時期だった。

L_p1003699243_2この年の3月10日にオケの実質的なオーナーであるW.レッゲが資金難を理由に突然の解散を通告。


この「展覧会の絵」の演奏は1964年の3月3日のライヴで、まさに解散通告直前の記録。

そしてモーツァルトとファリアは1964年12月2日の、ニューフィルハーモニア管に改名し自主運営組織として再出発した直後のライヴ。

ムソルグスキーとモーツァルトの間では、同じメンバーでありながらモーツァルトの演奏に緊迫感が感じられるのは曲の違いだけでないように思う。

「展覧会の絵」の冒頭トランペットソロは、若き日のフィリップ・ジョーンズでホルン首席は4曲とも名手アラン・シヴィル。

モーツァルトとファリアはこの演奏会の後にレコーディングしている。

このDVDでにはおまけとして、将来を嘱望されながら36歳の若さで飛行機事故で逝ってしまったイタリアの指揮者グイド・カンテルリのリハーサルがはいっている。

曲はロッシーニの歌劇「セミラーミデ」序曲でオケはスカラ座管、1950年エジンバラでの記録。

カンテルリが大変な才能の持ち主であったことが如実に示す凄い演奏だった。

Youtubeはそのカンテルリのリハーサル

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2012年11月24日 (土)

ナザレスの「展覧会の絵」

今日は朝から雨。

今日はこんな天気なので雨が止んだ合間に愛犬ポコの散歩に出かけたり部屋の片づけなどをしていた。

午前中はNML(ナクソスミュージックライヴラリー)の更新のために図書館へ。

先月から図書館がナクソスと契約しNMLが無料で利用できるようになった。

2週間の期限付きだが更新可能、月額1890円を払わずにクラシックを中心とした90万曲の利用が無料で利用できる画期的なサービスだ。
http://www.tosyokan.city.numazu.shizuoka.jp/oshirase/event/naxos.html


今日聴いたのはNMLではなく、手持ちのナクソスのCDでインドの指揮者ダニエル・ナザレス指揮の「展覧会の絵」その他。

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無名でありながら確かな実力のアーティストを起用し、たちまちメジャーな存在に成長した1987年録音のナクソス草創期の録音。


当時のナクソスの主要アーティストだったグンゼンハウザーやラハバリの中で、ナザレスはロシア物を担当。オケはスロヴァキアフィル

遅めのテンポでじっくりダイナミックに聴かせる好演。

フィルアップの「中央アジアの草原にて」はスロヴァキアフィルの素朴な音色が実に良い雰囲気だ。 「だったん人の踊り」の入魂のコールアングレソロが泣かせてくれる。
ナクソスの初期の録音特有の、薄く高音寄りのバランスが惜しい。

今は廃盤、NMLでは聴ける。

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2012年11月23日 (金)

本日の練習、相沢先生の指揮

今日は勤労感謝の日。働けることに感謝しつつも今日は午後から仕事。

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海沿いの路上を車を走らせるが、雨模様のため休日とはいえ釣り客は少ない。

自宅から30分ほどの会場で外部関係者との一時間余りの会議。
その後職場オフィスに戻り来週の仕事準備。

さすがにフロアには人の気配もわずかで、遠くからコピー機の音が聞こえているのみ。5時ちょいと前に帰宅。

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昨日のオケの練習は12月の本番に指揮していただく相沢先生の指揮。
http://www.aizawanote.com/

曲は「土の歌」

合唱指揮者なので最初は指揮の流れに戸惑いもあったが、慣れてくるとさすがに曲に精通している指揮。
団員もフルメンバーが揃い、曲の全貌が姿を現した趣。

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これで練習が面白くなってきた。

来月2日の合唱合わせも楽しみだ。

今日は先月の戸田公演の録音を聴いていた。
白鳥の湖やカルメン、「モルダウ」などなど。

自分の演奏を聴くのはなんとなく気恥ずかしさがあるものだが、今回の演奏はすんなりと聴けた。

いろいろと注文のつけどころはあるものの、良い出来だと思う。
当日のお客さんの反応が良かったのも納得

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2012年11月22日 (木)

11月のボエームの会は「すっぽん鍋」

今年から長大なプロジェクトの最終年の担当となり刺激的な毎日が続く。
今週もいろいろなことがあり明日もお仕事。

640x640_rect_8103763火曜の晩の定例ボエームの会と、木曜のオケの練習がまさに干天の慈雨


今回は鍋シリーズのハイライト「すっぽん鍋」。

メンバーの還暦祝いもあり数日前から皆のテンションは急上昇。
メンバーのメーリングリストには、すっぽんにちなんだ川柳、俳句が事前に飛び交うありさまだ。
そんなことでメンバーの意気込みすさまじく当日は4人全員が日本酒持参。

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場所はいつもの小料理「はちまき」

お酒は、「磯自慢」純米吟醸を筆頭横綱にして、うすにごり「磯の澤」、吟醸「奥の松」諏訪の銘酒「真澄」の4酒。

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数種のお通しの後最初に登場したのは、すっぽんの生血の日本酒割り。


昨年最初に見たときは一同一瞬逡巡したものの、もう2回目なので抵抗感はなし。
生血酒に浮かんだ淡いピンク色の心臓は、還暦祝いのご当人に食していただいた。

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そして「すっぽん鍋」。

銘酒「磯自慢」をちびりちびりとやりながらのゼラチン質の皮の部分にくせのない上品なすっぽんの肉と内臓、そしてなによりもすっぽん独特の出汁が非常に美味。
焼いたネギと焼き豆腐とのコラボも絶妙です。

最後の「すっぽん雑炊」も絶品でした。

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酒もかなりハイペースとなり「磯自慢」純米吟醸一升をとうとう4人で空け、さらに二本目の「奥の松」まで手を出し、終わるころにはメンバー一同かなり酩酊気味。


今回も楽しくも贅沢な一夜を過ごせたことに感謝。

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2012年11月19日 (月)

マゼールのブランデンブルク協奏曲

新たな週の始まりはこの秋一番の冷え込み。
朝から蕁麻疹が出て痒い、変なものでも食ったかな?

昨日観たメトロポリタン美術館展のテーマは「自然と人間」。
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エジプトや中東、メソポタミアの古代の遺物から20世紀までの絵画に留まらず彫刻、写真をはじめ刺繍や壺、彫金などの工芸品など様々なものを紹介。
http://met2012.jp/

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ゴッホやレンブラント、モネ、ミレー、ドラクロワの、日常のある瞬間を永遠の時間に固定した名作の数々の前に立ちしばし俗事を忘れる。


ルノアールの「浜辺の人々」は、あたかも南欧の海岸に吹く暖かな風の中に我が身を置いているようだ。

とはいえ今回新たな発見だったのが19世紀アメリカの画家たちの存在。
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ホッパーやウィンズロー・ホーマー、アルバート・ビアスタットらのアメリカの大自然を描いたスケールの大きさには、ヨーロッパの画家たちの作品とはまた異なる感銘を受けました。


今日は奏楽堂で芸大の学生が演奏していたブランデンブルク協奏曲第2番と、第1番をマ
ゼールがベルリン放送響を指揮した蘭フィリップスのLPで聴く。
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大編成のオケをきっちり引き締め明快なバッハ。
若き日のマゼールの名演だ。
見事なヴァイオリンソロはベルリン放送響のコンマスだった豊田耕児だろうか。

Youtubeはブランデンブルク協奏曲第2番、アバドの指揮

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2012年11月18日 (日)

旧東京音楽学校奏楽堂

金曜の夜は、市民文化センター自主事業の「クラシックレコードコンサート」の解説稼業。

開場直前まで本業で大切な来客が有りなかなか場所を離れられず、ディスクコンサートの解説はほぼぶっつけ本番。

今回のテーマは年末恒例の「第九」演奏は朝比奈隆指揮大阪フィルの演奏を紹介した。正統派の堂々たる名演に会場では感嘆の声しきり。

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そして昨日土曜日から今日まで所用で東京。
昨日はどしゃぶりの雨に遭遇しずぶ濡れ状態。

そして日曜の今日は快晴。
用足しの合間に上野公園に行ってみた。

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芸術の秋、銀杏の木も美しく色づき、園内のいくつかの美術館、博物館での力の入った展示の数々に早朝にもかかわらず数多くの人が繰り出している。


この中から三つの展示をセレクト。

ゴッホの「糸杉」やルノアール、ゴーギャンらの作品が展示されている東京都美術館「メトロポリタン美術館展」。

東京国立博物館の古代中国の「夏」「殷」最近発見された古代「蜀」から唐までの遺物を集めた「中国王朝の至宝展」、古代出雲の出土物を集めた「特別展 出雲」。

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そしてその合間に
旧東京音楽学校奏楽堂に行ってみた。
http://www.taitocity.net/taito/sougakudou/

滝廉太郎や山田耕筰らが舞台に立った美しいパイプオルガンのある音楽ホールでは、ちょうど芸大の学生さんたちがリハーサルの真っ最中。
曲はバッハのブランデンブルク協奏曲第2番。


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客席の隅でそっと聴かせていただいた。客は自分一人。

なかなかうまいもんです。ピッコロトランペットも楽々吹いている。

フレッシュで清々しい未来の音楽家たちの真剣なリハーサル。

思いがけない幸せな時間を過ごさせていただきました。

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2012年11月16日 (金)

本日の練習、カンタータ「土の歌」

冷え込みは日々に深まり昨日は家を出た後にストーヴの消し忘れに気が付き、出勤途中でUターン。
最近物忘れが甚だしく頭のボケは進行中。
今週は泊りの出張が入ったり夜に飛び込みの予定が入ったりで先の見えない毎日。

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それでも昨日のオケの練習は遅刻もせず参加できた。
余裕に乏しい日常の中で異空間に身を置ける貴重な時間は大切にしたいもの。

練習場所は沼津市民文化センター小ホール。

昨日は大ホールで大きな催し物が有り駐車場に入りきれない車があふれている。
このような時に、通勤用に借りている駐車場が文化センターまで歩いて行ける距離にあるのがありがたい。

最近の練習は12月本番がある合唱団の歌伴の曲。
メインのカンタータ「土の歌」が中心だが、今回は昨年の震災以来聴くことが多くなった「故郷」と、懐かしの「虹と雪のバラード」から始まる。

ホルンのメンバーの大部分は70年代前半に青春時代を過ごした世代。
その時代を感じさせる曲と響きの薄いレトロなアレンジがまた郷愁を誘い、演奏の合間には昭和を懐かしむ会話がぽつりぽつり。

そしてカンタータ「土の歌」。

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これが使用している楽譜が手書きのようなもので記譜に省略が多く、しかも過去の演奏時の書き込みやら訂正が乱雑に書かれているので非常に読みにくい。

誤りやスコアと違う部分もあり、演奏前に余計なストレスが多いのが困りもの。

合唱が主役の曲なので、正直なところオケだけでは演奏していて高揚感の感じられるものではない。合唱が入ればまた印象が変わってくるのだろう。
終楽章の名曲「大地讃頌」になって、ようやく合唱とオケ伴が頭の中で一致してほっとする。

実はこの「大地讃頌」の後に続く第8楽章が終楽章として作曲されているらしいが、作詞者と作曲者によって封印されているという。
まるで幻のシベリウスの交響曲第8番のような話だ。
Youtubeは北海道農民管弦楽団による「大地讃頌」


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2012年11月12日 (月)

フリッツ・ブッシュの「ハフナー・セレナーデ」

昨日以前のセクションで一緒に仕事をした職員から遠州森町の次郎柿をいただいた。
森町は次郎柿の原木が発見された地として知られる。
http://www.ma.mctv.ne.jp/~kurokuro/jiro1.html

S_pb070325さすがに存在感のある柿。

彼曰く、今年は塩害でやられて出来が良くないとのこと。
家の庭の柿も同様でいつもは100個以上実る柿が今年は10数個しか採れなかった。

昨晩から膝の痛みと背中に原因不明の湿疹が発生。
今週は泊りを含む濃密なスケジュールが週末まで控えていて病院に行く余裕もなし。

今日は先月入手したばかりのフリッツ・ブッシュ指揮の「ハフナー・セレナーデ」を聴いた。オケはスイスのウィンタートゥール管でヴァイオリンソロはピーター・リバール。

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LP初期に通販専門レーベル、コンサートホールから発売されたこの曲初の全曲録音として知られるもの。


ピーター・リバールが「生涯3つある会心の録音のひとつ」との言葉を残しているだけあって、端正にして堀の深い冗長さを全く感じさせない素晴らしい演奏だ。

入手したのはブッシュ協会盤のLP。
最近グリーンドアやGuidから同じ演奏のCDが出たこともあり、御茶ノ水ディスクユニオンの500円以下コーナーにまぎれていた。

ネットを見るとCDでの音質改善が目覚ましいとのことだが、このLPの音を聴く限りでは分離が明確でいて潤いのある音。これならば十分満足できる。

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2012年11月11日 (日)

マルク・エルムレルの20世紀ロシア作曲家の小品集

曇り午後から雨。
今年は柿は塩害で不作だったが、畑のみかんはよく実った。

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摘果をしなかったので小粒、とはいえ味は上々。最近カラスが狙い始めたので雨が降る前に急ぎ収穫。

午後はお寺の役員会。

自分は最年少なので末席で大人しくしていたが、2時間近く座っているうちに腰が痛くなってきた。

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今日はロシアの指揮者、マルク・エルムレル指揮ボリショイ劇場管による20世紀ロシアを代表する作曲家たちの小品集を聴いていた。


旧ソビエト製メロディアの2枚組LP.

プロコフィエフ、ショスタコーヴィチ、ハチャトウリアンといったお馴染みの大作曲家からグリエール、シチェドリン、カリンニコフなどの準マイナー作曲家、カラーエフ、スヴィリドフなどのマイナー作曲家などのバレエ曲や映画音楽を集めたもの。

P1010015この中で著名な作品だけをセレクトした国内盤が70年代に出ていた。

冴えたリズムでオケを豪快に鳴らしたノリの良い演奏。

幾分クサイところもあるが曲想に合っていて、聴いていてワクワクするような良い効果を上げている。
P1010019_2Toscanini_brahms_the_four_symphonie沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの2番を聴く」にトスカニーニ指揮フィルハーモニア管のライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/bra2.cgi


Youtubeはエルムレルの「カルメン」

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2012年11月10日 (土)

オケゲム「ミサ・エッチェ・アンチラ・ドミニ」

抜けるような青空の穏やかな週末。

S_pb080330_2庭には皇帝ダリアが咲き始めた。身の丈3メートルを超える巨大な草木だ。

朝、模試のため学校に行く娘を送りながら近くの千本海岸を散策。
澄んだ空気に仄かに漂う磯の香り、空気が実にうまい!
遠くの富士も良く見えた。
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ランニングやウォーキングの人々も多く平和な日常の風景が広がっている。


お昼には家内と、10月にオープンしたばかりの「らーめん 銕(くろがね)」へ。
http://ra-menkikou.net/ra-men.php?sitekbn=0&misecode=1214

結構混んでいて店の外でしばらく待ちました。
ラーメンのメニューは「あっさりの白」と「こってりの黒」の2種類。

2012111013160000結局、豚骨系の「黒」に半チャーシュのトッピングにした。
濃厚なとんこつスープで、久しぶりに本格的なラーメンを食べた気分。

特に何もしなかった一日だったが充実した感のある休日。

夜は静かに15世紀フランドル楽派の巨匠、ヨハンネス・オケゲムの「ミサ・エッチェ・アンチラ・ドミニ」を聴く。

演奏はターナー指揮プロ・カンツォーネ・アンティカによるハルモニアムンディ原盤による国内盤LP.

男声合唱と器楽伴奏による。

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各パートが独立しながら無限に続くかのように静かに流れていく。それでいて瞬間瞬間のハーモニーが深く美しく響いているのが素晴らしい。


心が洗われるような名曲名演。

悠久の時間の流れに平穏な気持ちで音楽に身を任せられる幸福。

Youtubeはオケゲムのレクイエム

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2012年11月 8日 (木)

本日の練習、30周年記念演奏会の団員投票

本日のオケの練習は前半「土の歌」。
そして後半は再来年の創立30周年記念演奏会のメイン曲の楽員投票。

通常は前年の秋にメイン曲の投票を行うのだが、来年の定演のメイン曲については楽員投票を行わずにパートトップで構成される技術委員会内でドヴォルジャークの交響曲第8番に決定済み。

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30回定演のメイン候補曲として技術委員会で推薦されたのは以下の7曲。


マーラーの「巨人」、ブルックナーの交響曲第7番、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番、ベートーヴェンの「田園」、チャイコフスキーの交響曲第4番、展覧会の絵、シェエラザード。

ショスタコ、展覧会の絵、チャイコフスキーの第4番は既に沼響の定期では取り上げている。候補曲の半分以上がロシア物なのが団員の好みがそのあたりに集中しているということだろうか。

そして結果は????

第1回の投票は「巨人」14票、「シェエラザード」10票、「展覧会の絵」とブルックナーの第7番が5票、「田園」4票にショスタコの5番とチャイコの4番が2票ずつというわけで、1位の「巨人」は過半数に達せず上位4曲で決選投票へ・・・・

そして第2回めの投票結果は、「巨人」はそのままの14票、「シェエラザード」は票を伸ばし12票、ブル7も多少増えて8票となったものの及ばず、わずか2票の差で「巨人」に決定。

去る20周年定期は井崎正浩先生の指揮でベルリオーズの幻想交響曲がメインだった。

演奏会当日が台風直撃となり、ある意味印象深い演奏会だった。

果たして30回は如何なる演奏会になるのだろうか。
練習終了後はオケの技術委員会に顔を出し、結局帰宅は23時。

Youtubeはラトル指揮ベルリンフィルの「巨人」。
沼津のホールで初めて「巨人」が鳴り響いたのは1987年の6月。
このラトルが来てバーミンガムシティ響を振りました。
この時は「チケットが売れない」とホールの担当者が苦労していましたが、現在ラトルはベルリンフィルの芸術監督。

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2012年11月 6日 (火)

ワイセンベルクとリヒテルのドビュッシー

朝から雨、気温は下がり昨晩から家では灯油ストーヴを点火。
土日仕事で先週の疲労はそのまま繰り越し火曜日にして早くも倦怠感が体を支配。

一時帰省していた上の娘は昨日帰って行った。
これから試験で弾くというショパンのエチュード作品10-1とドビュッシーの「版画」のCDを3枚持たせてやったはずが、しっかり玄関に忘れている。

8_550364帰宅後聴いたのは娘が忘れていったCD3枚。


最初はコルトーやブーランジェに学んだトルコの女流イデール・ビレットの弾くショパンのエチュード集。

ビレットはナクソスにショパンの全集録音を残している。

最初の作品10の1番からしてバリバリと男性的とも言える力強さで弾きまくっている。

だが音にナチュラルさが感じられず独特のクセがあるようだ。

これはデジタル初期の録音自体に問題があるのかもしれない。
しばらくビレットの演奏は聴いていなかったが、こりゃ娘の参考演奏には向かないなぁ。

411yb2xqw2l__sl500_aa300_続いてドビュッシーの「版画」をワイセンベルクとリヒテル。

ワイセンベルクはドイツ・グラモフォンへの1985年のスタジオ録音で、リヒテルはオルフェオから出ている1977年ザルツブルク音楽祭のライヴから。

リヒテルの演奏は当時NHKFMで放送され、エアチェックのカセットテープが未だ手元にある。

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ゆっくりと幻想的に弾き上げたリヒテルの表現の深さに一日の長があるものの、わかりやすく明晰な表現のワイセンベルクのドビュシーを娘は好んでいた。


ワイセンベルク盤にカップリングされている「アルペジョのために」の演奏も非常に良い。

リヒテルの演奏のオルフェオのCDはマスタリングの際にかなり手を加えてあるようで、エアチェックのカセットではリヒテルが踏むペダルの音がトーン・・・トォーンと音楽とシンクロして響いていて、それが「月の光」などでは独特の良い雰囲気を出していたのだがCDからはペダル音が全く消えている。

楽音以外は必要がないということだろうか。

ピアノの音も実演で聴いたリヒテルの音とは似つかぬ芯のぼやけた音だ。

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2012年11月 5日 (月)

駿河湾の日没と富士、ランパルのヘンデル

曇り後雨。11月に入り時間は飛ぶように過ぎていく。
11月3日、4日は沼津の南端戸田地区へ泊まり込みのお仕事。

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土曜日の夕方には戸田地区から駿河湾の壮大な日没を堪能。

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地元の人たちが驚くほどの雄大な眺めに職員一同しばし呆然と立ち竦む。
S_pb010313刻一刻と変わる情景はさながら一大シンフォニー。


夜はスタッフ一同、職員の実家の民宿に投宿。

赤ムツ、真鯛、鮑その他の豪華な船盛りに特大金目鯛の煮つけ。手長エビ一匹丸ごと味噌汁などの駿河湾の新鮮な魚介類に加えズワイガニその他の心づくしの料理に一同大感激。

翌日も良い天気に恵まれ、予定していたスケジュールは十分以上に消化ができ、初の試みとしては上々の出来。

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朝から夕方まで雄大な富士に見守られながら盛況に終わるという、久しぶりに達成感の有るお仕事の一日だった。優秀な職員たちの奮闘に感謝。


明けて週の初めの今日は、あいさつ回りその他昨日の後始末で一日の大半を費やす。

帰宅後は、名手ランパルの吹くヘンデルのフルートソナタ全集から数曲。
伴奏のクラヴサンはラクロワ。原盤はエラートだが手持ちは米CBSから出ていたLP2枚組。

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典雅でのびやかなランパルのヘンデル、一曲一曲の音符の隅々まで張り巡らされた神経の細やかさ、美しい音色の中に楽しさだけでなく音楽の深いところまで切り込んでいく非常な名演。


同じメンバーによる世評の高いバッハのソナタ全集よりも、こちらのヘンデルの方が両者の肌に合っていると思う。ディスク大賞を受賞している。

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2012年11月 2日 (金)

デニス・ブレイン、2度目のブランデンブルク協奏曲

このところ気温の下降が急で、紅葉をゆっくり見ることもなくそのまま冬に突入の気配。
母の部屋では夏場の扇風機を片付ける間もなくストーヴを点けている。

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今日の昼食は沼津港周辺の「にし与」の魚河岸定食。

今朝揚がったばかりの生シラスが添えられていて美味。
http://homepage2.nifty.com/koaji/shokujitokoro/numazu/nishiyo.htm

さて10月の音盤購入の続き。
10月25日の上京では渋谷レコファンを訪問。
お店ではちょうど5枚買うと1枚200円引きセール開催中だった。

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4月に来たときはエレベーター前のジャンク品常設10枚買うと1枚50円コーナーに掘り出しものがあったのだが、今回は仕事の疲れが体の底にどんより沈殿して、ジャンル分けされていない膨大な量のLPを前に一枚一枚に目を通す気力が既に萎えている。

P1010005こんな時は集中力に欠け余計なダブリ買いしてしまうこともあり、仕事を終えたらそのまま大人しく帰れば良いのだが、ついつい足はそちらの方面へむかってしまう。

ここでも新入荷コーナーで、いきなり今まで探していたディーン・ディクソン指揮プラハ室内管によるウェーバーの交響曲第1番、第2番のスプラフォン盤を発見。

さらに近衛秀麿指揮読売響による「越天楽変奏曲」。日本ビクター盤。

近衛には「越天楽」の近衛自身のオケ編曲があり、ストコフスキー指揮フィラデルフィア管の録音も残っている。

この近衛指揮の「越天楽」はその近衛版ではなく、筝奏者の大家宮城道雄の手になる箏とオーケストラのための「越天楽」変奏曲。
オーケストラ部分は近衛秀麿、直麿の二人の手になるもので、1928年の天皇陛下即位大典の際に作曲された作品だ。
http://d.hatena.ne.jp/japojp/20120214/1329215058

ジャケット解説によるとこの曲にはSP期に宮城、近衛の録音があり、その再録音とのこと。

P1010008カップリングは宮城道雄の作品の中でも最大規模の交声曲「日蓮」。
最近下の娘が筝曲部に入っている関係で、邦楽にも興味が湧いてきている。

他にはフィストラーリ指揮フィルハーモニア管によるグリーグの「ノルウェー舞曲」「ペールギュント第1組曲」の10吋EMI盤。

380円コーナーからは、アンセルメ指揮のフランク・マルタン作曲オラトリオ「地には平和」。
コンラートの吹くテレマン、ビバルディ、マルチェルロのリコーダー曲集ベーレンライター原盤による日本コロンビア盤。
クレーデル指揮による「女声合唱による珠玉のフランス合唱曲集」日本コロンビア盤。
これは学生時代からの愛聴盤で、手持ちの盤がさすがに痛んできたので買い換えたもの。

ボイド・ニール指揮のブランデンブルク協奏曲第1,2,4番ユニコーン盤。
これはダットンから出ているデニス・ブレインやオーボエのレオン・グーセンスらが吹いている復刻CDとは別のDECCAへの第1回録音。

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なぜかこのユニコーンが初出だったとの記事もあり、
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/1921/dbbbs34.html
DECCAからは一度も発売されていないらしい謎が残る盤。

このLPには第1回録音と同じオーボエのグーセンスのクレジットはあるものの、フルートとトランペット奏者は全く別人。
ホルン奏者のクレジットはないが第1番ではデニス・ブレインとニール・サンダースが吹いているという。

他にも何枚か食指の動いたものもあったものの、帰りが重くなるので以上7枚。

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2012年11月 1日 (木)

本日の練習、カンタータ「土の歌」

11月、大きな転機の年であった今年もあと2か月。
今月は土日祝日の全てに仕事や地元自治会、お寺の役員会その他の予定で全て埋まっているハードな一か月。体調は万全ではないが休んでもいられない。

夜はオケの練習に参加。

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会場の市民文化センターに到着すると小ホールから、「展覧会の絵」の終曲「キエフの大門」のピアノの演奏が鳴り響いていた。


「はて、会場を間違えたかな?とのぞいてみると」
かつて沼響で弾いていただいたこともある工藤真希子さん。
11月3日にむけてのリサイタル練習だった。
http://www.numazu-info.com/img/17/1767.jpg

煌びやかな音の豪快な演奏を、ステージ横でそっと聴かせていただきました。

今日の練習は大ホール。
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10月の戸田、三中の本番が終わり、次は12月の伊豆新世記合唱団の依頼演奏。
曲はカンタータ「土の歌」全曲その他合唱の伴奏。

「土の歌」の使用楽譜は2009年の最新版とのこと。
録音はいろいろと出ている。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2007/03/post_7731.html

ただオケの伴奏譜は演奏していてあまり面白くないというのが正直なところ。
この曲は合唱に加わった方が楽しめそうだ。

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