ワイセンベルクとリヒテルのドビュッシー
朝から雨、気温は下がり昨晩から家では灯油ストーヴを点火。
土日仕事で先週の疲労はそのまま繰り越し火曜日にして早くも倦怠感が体を支配。
一時帰省していた上の娘は昨日帰って行った。
これから試験で弾くというショパンのエチュード作品10-1とドビュッシーの「版画」のCDを3枚持たせてやったはずが、しっかり玄関に忘れている。
帰宅後聴いたのは娘が忘れていったCD3枚。
最初はコルトーやブーランジェに学んだトルコの女流イデール・ビレットの弾くショパンのエチュード集。
ビレットはナクソスにショパンの全集録音を残している。
最初の作品10の1番からしてバリバリと男性的とも言える力強さで弾きまくっている。
だが音にナチュラルさが感じられず独特のクセがあるようだ。
これはデジタル初期の録音自体に問題があるのかもしれない。
しばらくビレットの演奏は聴いていなかったが、こりゃ娘の参考演奏には向かないなぁ。
続いてドビュッシーの「版画」をワイセンベルクとリヒテル。
ワイセンベルクはドイツ・グラモフォンへの1985年のスタジオ録音で、リヒテルはオルフェオから出ている1977年ザルツブルク音楽祭のライヴから。
リヒテルの演奏は当時NHKFMで放送され、エアチェックのカセットテープが未だ手元にある。
ゆっくりと幻想的に弾き上げたリヒテルの表現の深さに一日の長があるものの、わかりやすく明晰な表現のワイセンベルクのドビュシーを娘は好んでいた。
ワイセンベルク盤にカップリングされている「アルペジョのために」の演奏も非常に良い。
リヒテルの演奏のオルフェオのCDはマスタリングの際にかなり手を加えてあるようで、エアチェックのカセットではリヒテルが踏むペダルの音がトーン・・・トォーンと音楽とシンクロして響いていて、それが「月の光」などでは独特の良い雰囲気を出していたのだがCDからはペダル音が全く消えている。
楽音以外は必要がないということだろうか。
ピアノの音も実演で聴いたリヒテルの音とは似つかぬ芯のぼやけた音だ。
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