ミュンシュのブラ1聴き比べ
2012年最後の日は快晴。
家の大掃除、買い出しその他で年末最後の三日間はいつも慌ただしく過ぎてしまう。
今年は仕事の内容も環境も激変。
今にして思えば人生の中で大きな転換の年だった。
いろいろな面で周囲の人たちに助けられていることも実感。
高3の下の娘は部活で全国優勝という思いがけない結果となり、国立劇場の披露演奏会も行くことができた。
苦労も多かったが思いで深き年。
部屋の片づけも午前中には終わり、午後は庭の掃除。
家族そろっての年越しそばの夕食後、夜はじっくりと音楽を聴いている。
最初にR.シュトラウスの16の管楽器のためのソナチネ第1番を、著名なクラリネット奏者ド・ペイエ指揮ロンドン響のメンバーによる英EMI盤のLP.
ディヴェルティメント風の明るい曲を聴いているうちにブラームスが聴きたくなった。
取り出したのはミュンシュ指揮パリ管による交響曲第1番。
1968年、創設間もないパリ管のお披露目演奏的な録音。
この曲最高の名演として名高いもの。 創設間もないパリ管を興の湧くまま自在にドライヴ。
横に流れていく音のひとつひとつが実に熱い。
あたかも曲がその場で生まれているかのようなスリリングな演奏だ。
第2楽章の後半部分に、指揮者の意図する音の流れの速度とオケの受け取りに多少の齟齬があり、メルトダウンしそうな瞬間はあるものの、直ちに立ち直るのが凄い。
フィナーレの最後に、トスカニーニやヨッフムの演奏で聴かれるティンパニの改変がある。
この改変を1956年のボストン響との旧録音と聴き比べたくなり、こちらも聴いてみた。
こちらの演奏はまるで別人のような冷静な演奏。ティンパニの改変がないのは意外だった。
確か小沢征爾が指揮したサイトーキネンオーケストラでティンパニを叩いていたボストン響のティンパニ奏者、ヴィック・ファースはこの部分をパリ管の録音と同じように改変していた。
このミュンシュパリ管のブラ1の手持ち音源は国内盤のLPが2種ある。
初出のAAで始まる番号のものと、80年代に再発されたEACで始まる番号のもの。
マトリックス番号が同じなのでさほど違いはないだろうと思ったのだが、冒頭を聴き比べてみて吃驚。
ティンパニの音の力とオケの奥行きで圧倒的に初出盤が上だった。
Youtubeはミュンシュ指揮フランス国立放送管との1966年来日公演のブラ1フィナーレライヴ。
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コメント
これはフランス国立管弦楽団の東京での演奏ですね。女性奏者が多いのでわかります。結構年配の女性がいたりします。
投稿: サンセバスチャン | 2013年1月 7日 (月) 09時25分
サンセバスチャンさん、ご指摘ありがとうございます。
確かにミュンシュ&ボストン響の来日公演ではブラ1は演奏されてませんでした。
場所は東京文化会館ですね。
投稿: 山本晴望 | 2013年1月 7日 (月) 20時07分