マリナーのブリテン
今日から5月、気温は多少低いようだ。
このところメガネのフレームがガタついてきたので、仕事帰りに大手メガネチェーン店に寄った。店員曰く「このフレームは当店で10年前に購入されたものです。」
そうか、もう寿命かと思い、レンズとセットで新しいものを購入したら意外と高価。
強度の近視の上に遠近両用の薄型レンズということで高いらしい。
安いレンズのという選択肢もあったのだが、日常使うものだし牛乳瓶の底のようなレンズの重たいメガネも苦痛なので店員の言うがままにしてしまった。
帰宅したらケータイもおかしい。
着信音にセットしている「カレリア」組曲が音が揺れて曲の形を成していない。
さらに音量を最大にしても蚊の鳴くような音だ。
物がイカレル時は連鎖的におかしくなるものらしい。
世の中スマホが主流だが3月にタブレットを購入したばかり。通常型の携帯電話を探そうと思う。
今日はネヴィル・マリナーの演奏でブリテンを聴いていた。
曲は「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」、歌劇「ピーターグライムズ」から4つの海間奏曲。そして「善意の人々」というもの。
EMIの初期国内盤CDで、オケはミネソタ管弦楽団。
マリナーがミネソタ管の音楽監督時代の1983年録音。
初期のCDなのでトラックが各曲1つずつしかついていない。
定価も3800円というもの。(もっとも手持ちは中古で数百円で購入した)
「善意の人々」はこれが世界初録音で、曲の内容は、「クリスマスキャロルの主題による変奏曲とフーガ」という趣。
この3曲にマリナーの選曲のセンスが感じられるもの。
今や世界指揮者界の長老的な存在のマリナーは、過度に感じられるほどの膨大な数の録音があるために今一つ軽く見られがちだった印象があったが、数年前のN響への客演ではかなり大きな扱いだった。
長老好みの日本の聴衆にフィットしてきたのだろうか。
マリナーは一度だけ実演を聴いたことがある。
場所は三島市民文化センターで、曲はブラームスの交響曲第4番をメインに竹沢恭子のソロでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、そして何かもう一つ序曲があったはずだ。アンコールもあったが曲は忘れてしまった。
オケはおなじみのアカデミー室内管の編成拡大オケ。
トランペットの席にはフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルでも活躍したマイケル・レアードが座っていた。
古典的なたたずまいの中に適度なロマンティックさの感じられるメンデルスゾーン、さらに厳しい佇まいも加わったブラームス、いずれも名演だった。
この演奏を聴きながら、マリナーの師匠が大指揮者ピール・モントゥーであったことを思い浮かべていた。
このブリテンも単にお国ものの演奏という単純さで収まらない見事な演奏だ。
ちょい聴きには、無為無策の堅実な演奏のようにも聞こえるが、さりげなく聴き手に充実した感銘を与える技は単なる職人芸と済まされないもの。
レコード庫のイギリス音楽の棚を見ているうちに全く同じ内容のLPが出てきた。
こちらも国内盤。
CDとLP、どちらを先に入手したのかわからなくなっているダブリ買い。
ついでだからCDとLPを聴き比べてみた。元はデジタル録音。
聴き比べると全く異なる性質の音だった。
どちらが良いかは個人の好みだろうが、クリアで蒸留水のようなCDよりも
幾分艶のあるLPの方がやはり自分の好み。
Youtubeは「4つの海の間奏曲」から「嵐」佐渡裕指揮トリノの放送オケ
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