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2013年7月30日 (火)

山田耕筰の序曲ニ長調

この土日は大きなイベントで二日とも仕事で帰りも遅かった。7日で1サイクルが子供の時からの習慣として染みついているので火曜にして早くも体の隅々に疲労が蓄積している感覚。

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1週を7日として日曜を休む習慣となったのは明治初頭のグレゴリオ暦導入時からということになっているが、尾張藩士朝日文左衛門の日記「鸚鵡籠中記」などを読むと、藩に仕えしている江戸時代の侍は数日に一日出勤で、あとは自宅研修というお気軽な日常だったようだ。

農民には休日のようなものがあったのだろうか??

雨の日が自然発生的なお休みなんだろうな・・などと仕事の合間にポケーと妄想していた。

ネット上にこんな記事があった↓
http://homepage3.nifty.com/katote/Leisure.html

「疲れたら休む、疲れがとれたら家族や友人と団らんし、好きなことを楽しむ――これが本来の日本人の生活の知恵であった」

・・・・豊かさの代償に日本人が失ったものも多かったようだ。

8_555350今日は山田耕筰の管弦楽作品を聴く。

NAXOSから出ている作品集で、序曲ニ長調、交響曲ヘ長調「かちどきと平和」、
交響詩「暗い扉」、交響詩「曼陀羅の華」というもの。
演奏は湯浅卓雄指揮、オケは序曲がニュージーランド響で他の曲はスコットランドのアルスター管。

日本人初の管弦楽作品とされる序曲ニ長調はこれが世界初録音。
3分余りの小曲ながらメンデルゾーンの作品のようなロマンティックで爽やかな一抹の涼風が吹きぬける佳品。

日本人が初めて書いたオーケストラ作品ということを思うと感動的ですらある。

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君が代のテーマに似た旋律で始まる交響曲もメンデルスゾーンの交響曲に相通づるロマンティックな作品だ。

続く二つの交響詩になると作曲のスタイルが大きく変貌。
同時代のフランスの作曲家ヴァンサン・ダンディの管弦楽作品のような重厚さとフランス的な優美さが共存した作品になっている。

明治の時代にこのような作品を書き上げたことは驚異的。演奏も非常に優れている。

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