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2013年7月 2日 (火)

カンテルリの「四季」

7月に入り連日の曇り空。湿度が高い。
先週末からの咳がますますひどくなってきた。
のど飴を舐めながらの仕事となり、いくつかの会議では咳に苦労しながらの説明。
さすがに辛くなり定時に仕事を終え、かかりつけの医院へ直行することにした。


帰宅後聴いたのは、オーマンディー指揮フィラデルフィア管によるビバルディの「四季」。現代イタリアの作曲家マリピエロの編曲と書いてある。
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手持ちは日本コロンビアのLP.

チェンバロも入り、大編成とはいえ室内オケ版とどのように異なるのかはよくわからない。
きっちりとしたアンサンブルに艶のある弦楽器の響きで、これは楽しめる。
名手ブルシュロウの弾く「冬」第2楽章のヴァイオリンソロもホロリとするようなうまさだ。

「冬」の両端楽章の独特のレガートの多用はマリピエロ版の特徴だろうか?

気になって同じ大編成オケによる「四季」の他の演奏を聴いてみた。

こちらはイタリアの名指揮者カンテルリ指揮ニューヨークフィルの演奏で、 1955年のスタジオ録音。

これは素晴らしい。

生きる喜びがストレートに伝わってくるような溌剌とした音楽運びと歌に咳も止まってしまった。

いわゆる現代の古楽器の演奏とは全くスタイルを異にする演奏だが、時代を超えた普遍的な演奏。

「春」にはオルガンが加わり、ヴァイオリンソロでは部分的にヴァイオリンを複数にしているのが珍しい。


youtubeはそのカンテルリの「四季」

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コメント

この四季、特に「春」は春の憂鬱さを表現したという点では随一の録音ですね。LP末期にCSPシリーズで初めてこの演奏を聴いたときには一種の衝撃を感じました。その後NBCとのライヴ録音もリリースされましたが、「冬」の第二楽章のテンポが倍くらい違うのには驚かされました。当時としては多分珍しいレパートリーなのだと思いますが、商業録音の他に実演で演奏されていたことにもちょっとした驚きがありました。

未聴ながら大編成の録音、オーマンディやバーンスタイン、ストコフスキーあたりは一度聴いてみたいと思っています。

投稿: ぶりちょふ | 2013年7月 2日 (火) 23時40分

このカンテルリの「四季」,
だいぶ前に購入していたのですが、最初聴いたときの印象が全く残っていなく、このたび再聴してこんなすごい演奏だったのかと驚いた次第。

濃厚なロマンと強靭なカンタービレ。

このようなスタイルのビバルディも良いものだな、と思いました。

投稿: 山本晴望 | 2013年7月 6日 (土) 06時37分

カンテルリの四季、有難うございます。豊穣でありながら爽やかな、ひょう青年の四季。この演奏はモノラルだったこともあり、イ・ムジチ以下、室内オケが次々とステレオで再録音していくなかで評価は必ずしも高くなかったような気がします。「暮しの手帖のレコードショップ」といえば、菅野沖彦さんのコスパ重視のそれなりに筋の通った音楽批評ですが、1963年だか64年だかの段階でカンテルリは極めて低い「お買い損」だったはず。推薦されたのはヤニグロ、二番手がイ・ムジチ、三番手がミュンヒンガーでした。こうやって部分と言えどアップしていただいたおかげで迷妄が晴れたとはいかないまでも、また一つ別の姿を知ることができたような気がします。

投稿: 藤原 | 2016年8月17日 (水) 23時05分

藤原さん、コメントありがとうございます。

カンテルリの「四季」、出た当初はイムジチやミュンヒンガーらの室内オケが主流だったこともあって不思議と話題になりませんよね。

今聴くと先進的な演奏にも聞こえてかえって新鮮です。

投稿: 山本晴望 | 2016年8月20日 (土) 21時22分

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