ルジェーロ・リッチ、二つのスペイン交響曲
気温が下がり、紅葉も見ぬうちに日一日と冬が近づく気配。
畑の柑橘類がいくつか実をつけ始めた。
ゆず、みかんにレモン、そして巨大なザボン。
畑作業の手間を省いているうちに、畑が手間のかからない果樹園と化してきている。
今日はイタリア系アメリカのヴァイオリニスト、ルジェロ・リッチの弾くラロのヴァイオリン協奏曲第2番、いわゆるスペイン交響曲を聴く。
リッチがDECCAに残した協奏的なヴァイオリン曲を集めたLP2枚組で、チャイコフスキーやメンデルスゾーン、サラサーテのチゴイネルワイゼンなどが入っている。70年代初頭の廉価盤。
ラロの伴奏はアンセルメ指揮のスイスロマンド管。1959年録音。
艶やかな美音と技巧で知られたリッチにはぴったりのようなラロの曲だが、この演奏は優等生的で面白みに欠ける演奏だ。アンセルメの伴奏も常識的なもの。
この演奏が常に現役なのが不思議な気がする。
リッチは1977年に米VOXにスペイン交響曲を含むラロの珍しいヴァイオリン作品の録音をいくつか残している。
ヴァイオリン協奏曲第一番の他にロシア交響曲、ノルウェー幻想曲といった柳の下に2番目のドジョウを狙ったような作品を集めている。
こちらも聴いてみた。
手持ちは他にラロの珍しいピアノ協奏曲などを加えたVOXのLP3枚組。
指揮は独逸の指揮者マティアス・クンチュ指揮のボーフム交響楽団。
こちらの演奏は非常に良い。
天駆けるような自由奔放なリッチのヴァイオリン、煌めくような美音が散乱する見事な演奏だ。
クンチュの伴奏も八方破れ的な荒っぽさが曲想にぴったり合っている。
録音も良い。
Youtubeはマルコヴィチの弾くスペイン交響曲第3楽章
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