ベームの「フィデリオ」1944年録音
新たな週明けは曇り空。
昨日ほどは冷えていないが出勤すると職場で風邪が蔓延中。
マスクをしているもの数人本日体調不良で早退が二人。果たして震源地は?
土日大人しくしていたので自分の咳は小康状態。午前中の重要な会議も無難に通過。
この土日はベイヌムのブラームスやランパルのフルートなどを聴きつつベーム指揮する歌劇「フィデリオ」を少しずつ聴いていた。
いくつかある定評のあるベームの「フィデリオ」録音中、聴いたのは1944年2月ウィーン・ムジークフェラインにおける録音で、今のところベームの「フィデリオ」中最も古い演奏。
ウィーンフィルとウィーン国立歌劇場合唱団に、配役はイルムガルト・ゼーフリート、 ヒルデ・コネツニ、トルステン・ラルフ、ペーター・クライン、パウル・シェフラー、ヘルベルト・アルセン。
手持ちは70年代初頭に出た日本コロンビアのヒストリカルレコーディングシリーズのLP3枚組。
レコードの帯には1950年の歴史的記録と書いてあるが、これは1955年のウィーン国立歌劇場の落成記念演奏と混同してしまったのだろう。
解説の福原信夫氏が来日したコネツニに聞いた話によると、この録音はR.シュトラウスの生誕80年だった1944年に、ナチに歌劇場が閉鎖された状況の中、ウィーン国立歌劇場に所属していた歌手たちがムジークフェラインに密かに集まり「オテロ」とともにレコーディングしたもので、自由を求める「フィデリオ」に共感した演奏家によって緊迫した雰囲気の中で録音されたものだという。
戦時中の録音としては比較的良質な音で途切れもなくテープ録音のようだ。
ベームの「フィデリオ」にはもっと感銘深い録音もあるけれど、ぐっと腰を落とした力のこもった「レオノーレ」序曲第3番を聴くとこれは貴重なドキュメントだと思えてくる。
歌手の中ではバスのヘルベルト・アルセンの深い声に一番共感を覚えた。
Youtubeは1977年来日時のベーム&ウィーンフィルの「レオノーレ」序曲第3番
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