マルタン神父のフォーレのレクイエム
上の娘が昨晩帰省。ちょっと早めのバレンタインデーということで、ゴンチャロフのチョコレート「カペルマイスター」を買ってきてくれた。
ホルンのパッケージと中身は音符をあしらったチョコレート。
他の楽器もあるのかなとネットで検索したら、すでに完売とのこと。この時期限定のものらしい。
本日祝日一日おいての出勤。午前中は他セクションの長と他組織同業者とを交えての重い会議。
今後わがセクションにとって大きなボリュームの新規事業となりそうな気配なので、発言は慎重にしておく。
今日はエミール・マルタン指揮聖エスタウシュ管弦楽団、合唱団によるフォーレのレクイエムを聴いた。
フランスの名エンジニア、アンドレ・シャルランの手による録音として名高いもの。オケの実体はラムルー管だという。
実はこの演奏は手元に3種の音盤がある。
というのはシャルランの録音はワンポイントマイクによる格調の高いものという世評が高いにもかかわらず、この演奏を聴いて録音が良いと思ったためしがないからで、結局何度も買うことになってしまった。
最初に聴いたのは米ノンサッチから出ていた輸入盤LP。
モヤがかかったような音でしかもユラユラと揺らめいていて、演奏奏者の低い技量がより低く聞えるのが困りもの。この演奏を初めて聞いた時の落胆は今でも覚えている。
シャルランの一連の録音は税金の形に取られて、マスターテープは大西洋に海洋投棄されたという記事を読んだことがあるので、本来の音はオリジナルLPでしか聴けないだろうと諦めていたところ、CD時代になって、トリオがシャルランの録音を1000円でまとまって出してきた。この時は驚喜したものだ。
さっそく購入し聴いてみるとノンサッチ盤のようなふらつきはないものの、必要以上に乾いたスカスカの音がまるでフォーレの干物。
しかも時々針音が聞こえるLPからの板起こしという悲惨なものだった。
それから国内盤のLPを格安で入手した。
これは今までの2つよりもずっと良い。多少響きは薄いが柔らかで品格を感じさせるもの。
このさほど優れた演奏とは思わない録音を何度も買い直してしまったのは、清楚で控えめなフォーレのレクイエムが、シャルランの録音に抱いている自分のイメージにぴったりだと思うからだが、オリジナルLPはもっと良い音なのだろう。
演奏者の技術はとても高いとは言えない。
アンサンブルは隙間だらけだし合唱もメンバーがそれぞれ自由な意思で歌っていて、とても合わせようとする気配がないように聞こえる。
このような演奏なのに、聴き手を優しく包み込むような深く敬虔な祈りの心が感動を誘う。
久しぶりに聴いたのだがサンクトウスでは涙が出そうになった。
この演奏が何度も廃盤になりながらも復活して、細々と命脈を保っている理由がようやく判ったような気がする。
Youtubeはフォーレのレクイエムから「サンクトウス」
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