ケックランの「セブンスターシンフォニー」
今日の朝はいくぶん冷えたものの日中の日差しは春を感じさせるもの。
今日はフランス近代の作曲家シャルル・ケックランによる「七大スターの交響曲」。
変なタイトルだが、映画ファンだったケックランが20世紀前半に活躍した大スター達7人を取り上げて交響曲とした作品。
交響曲とはいっても自由な組曲といった趣。
演奏はA.ミラ指揮のモンテカルロフィルハーモニー、カップリングされた「バラード」のピアノはブルーノ・リグリットが弾いている。仏EMIのLP.
取り上げられたスター達は、グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒ、チャールズ・チャップリン、ダグラス・フェアバンクス、リリアン・ハーヴェイ、クララ・ボウ、エミール・ヤニングスらの7人。
いずれも1920年代の無声映画からトーキ映画初期に活躍した名優たち。
ケックランは神秘的で掴みどころのない独特の音楽を書いた作曲家で、自分としてはホルンソナタや吹奏楽のための「民衆のためのコラール」が印象深い。
この曲ではオンドマルトノやクラヴサンも駆使した透明で繊細、そして色彩豊かな摩訶不思議な世界を聴くことができる。
オンドマルトノは数年前に家内の友人に紹介されて直接触れることができた。
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電子楽器とはいえアナログ的な楽器で、その音色に似て非常に繊細な造りと反応になるほどと唸った記憶も鮮明だ。
「グレタ・ガルボ」の楽章では、オンドマルトノのヒヨヨョーンとした独特の響きが気品のある美しさを感じさせて実に効果的。
他の楽章も変化に富んでいて、明るく楽しい中にケックラン独特の屈折した雰囲気も漂う面白い曲ばかりだ。
Youtubeはケックランの「オーバード」。
バボラクのホルンにフックスのクラリネット
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