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2014年3月に作成された記事

2014年3月31日 (月)

ヤナーチェクカルテットのハイドン

昨日の春の嵐も過ぎ去り爽やかな一日。仕事場からの富士山もよく見えた。

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明日から勤務地が変わるのでこの眺めも今日が見納めだ。

本日はほとんど残務整理。午前中、今の部署の最後の大きな仕事で立ち会った行政書士が偶然高校の同級生だった。
彼に会うのは卒業以来のこと。数十年余のブランクは消え去りしばしお互いの近況報告。

午後は休みを取り、娘を連れてお世話になった隣町にある大学の先生の所へご挨拶。
その後再び仕事場に戻り、残っている決裁書類に目を通し机回りの片づけ。 気分は既に次の勤務地へ。

帰宅後聴いたのはヤナーチェクカルテットのハイドン。

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DECCA原盤のキング国内盤LP。
曲は弦楽四重奏曲第38番「冗談」、第76番「五度」、そして今はハイドン作でなくホーフシュテッターの作となっている第17番「セレナーデ」の3曲。

まるで一つの楽器のように響く緻密なアンサンブル。
ハイドンとしては禁欲的すぎるような気がするけれども。聴きごたえのある演奏だ。

演奏が優れている分、「セレナード」とハイドンの真作2曲との音楽性の差が露わになっている。

Youtubeはハイドンの弦楽四重奏曲第76番「五度」

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2014年3月30日 (日)

沼津東高校吹奏楽部第50回定期演奏会

昨晩からの雨は午後に春の嵐となってしまった。

本日午前中は、町内の自治会総会。
今年も来年も特に役員ではないが、新築成った自治会館の中が見たくて参加。

今年は長く務めた自治会長さんが退任する年。
自治会の戸数は400戸余り、千人余りの人たちが生活する大きな自治会で、古くからの農家の30軒の所有していた農地が次第に宅地化し人口が増えていった地。

自分が子供の頃は田んぼばかりだった。

自治会の主な役員は伝統的にその農家が務めてきたが、今の自治会長さんはその因習を破り、エコを題材にして新旧の世帯の溝をうまくまとめたという大きな功績を残している。

エコ活動に関しては全国的に話題になり、NHKが特集を組んだほど。

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そして午後はわが母校、沼津東吹奏楽部の記念すべき第50回定演。

こんな日なのに春の嵐が直撃の暴風雨。JR東海道線も止まってしまった。
台風が直撃した沼響第20回定演の悪夢を思い出した。

この風雨の中を会場の沼津市民文化センターへ向かう。
客の入りを心配したが、会場に着くと入場待ちのお客さんの長蛇の列。 ほぼ満席。

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演奏は、吹奏楽のオリジナルやクラシカルな曲の第1部と、伝統のジャズステージに踊りも入ったポップス系の第3部といった高校吹奏楽部によくある構成。
今回は第50回ということでOB合同演奏が復活した。

合同の曲はワーグナーの歌劇「ローエングリン」から「エルザの大聖堂への行列」というもの。

今回自分は練習日程が自分の都合と合わなかったので、出演のエントリーはやめておいた。

自分の子どもたちより若い高校生の間に見知った同輩の顔が見える。
OB合同とはいえやたらと編成を大きくせず、バランスよくまとめていたのは顧問のK君の手腕だろう。
爽やかにしてじっくり落ち着いた感動を盛り上げていた。

そして会場にかけつけてくれた第1回定演出演の大先輩たちの花束贈呈。

青春の思い出と、50年の年輪の重みをかみしめた感慨深い演奏会。

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2014年3月29日 (土)

御茶ノ水ディスクユニオンにて

週末休み。

一日暖房の必要がないほどの暖かさとなり庭の桃の花が満開。
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この桃は実のならない花桃で、ずっと桜だと思っていた。

来月から仕事場が変わるので、午前中に出勤し机周りを片付けるつもりが、その前に寄った図書館で時間を費やしてしまい甥の家に寄りながらそのまま帰宅。

昼食も摂らず、畑に行きで旬の終わったブロッコリーを引き抜き里芋を掘り出したりしていた。冬野菜はこれで終わり。

3月16日に娘が出演する「21世紀の吹奏楽 饗宴」を聴きに行くために上京した際、久しぶりに御茶ノ水ディスクユニオンに立ち寄ってみた。

店内のレイアウトが変わりちょっぴり高級感が加わっている。

購入したのはLP13枚にCD1枚。

CDは、現在沼響のHPで聴き比べ連載中の「巨人」関連で、ワルター指揮ロンドンフィルの1947年録音のTESTAMENT盤。
これはワルターの8種類めの「巨人」。

今回は、ダブリ買い防止のために所有音盤リストを仕込んでいたタブレットを忘れてしまったので、購入LP13点中、ダブリ買い3枚という惨憺たることになってしまった。

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その3枚はアルヘンタのラヴェルに、ボールトのノーフォーク狂詩曲ほかのヴォーン・ウイリアムス管弦楽曲集のヴァンガード盤。

Sdsc00409Sdsc00411 そしてゴルシュマン指揮するロイ・ハリスのフォークソングシンフォニーのヴァンガード盤。
ロイ・ハリスはCDで同じものを所有済で、他の2枚はジャケットが所蔵盤と異なっていたので気が付かなかった。

中でもアルヘンタのラヴェルは2年前に同じ店で買ったばかりだった。ボケたものだ。
ただ今回はLe Club Francois du DisqueのオリジナルLPだったからよしとしよう。

他はロイ・ハリスの交響曲第3番とハンソンの交響曲第4番を、ハンソンがイーストマンロチェスター管を振ったマーキュリー盤。

Sdsc00413 Sdsc00421 ビーチャム指揮の「マイスタージンガー」第3幕、「パルシファル」前奏曲他のワーグナー、米コロンビア盤。

フルトヴェングラー指揮ベルリンフィルのシューベルトで「グレート」シンフォニー、1953年ライヴLAUDIS原盤のRVC盤。
このLPは音の良さで評判になったもので、今ではこのイタリア盤からの板起こしCDまで出ている。
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同じものを20年近く前に旅先の高知の中古レコード屋で目撃したのにもかかわらず、買い逃して気になっていた音盤との再会。
そしてバルトークの自作自演。
Sdsc00427Sdsc00417 これはバルトークとコダーイが収集したハンガリー民謡をバルトーク自身が伴奏をつけている国内東芝盤2枚組。
ボールト指揮パリ音楽院管によるプロコフィエフ、「キージェ中尉」ほか。などなど。

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2014年3月28日 (金)

本日の練習、大ホールで下田先生との管分奏

年度末。

残務整理もほぼ終わり今年度も実質本日で終了。

昨日あたりから、異動の決まった関係諸団体の人達から挨拶を受けたり、こちらも挨拶を返したりといった気分的に落ち着かぬ日々。

昨日はオケの練習。 仕事で多少遅くなり、雨の中そのまま練習会場へ行くと既に「巨人」の第一楽章が始まっていた。

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今回は下田先生の指導で管楽器、打楽器分奏。 場所は市民文化センター大ホールステージというちょっと贅沢な練習。

舞台裏で楽器を組み立てながら聴いていると、それなりのマーラーの音が鳴っていた。
実際吹いてみると、先週までの狭いリハーサル室と違って他の楽器の音もバランス良く聞こえ吹いていて気持ちが良い。

場所によって練習の効率もだいぶ異なるのを実感。やはり練習会場は大切だ。

S20140327_201731 金管群の出席がよければもっと面白いのだが。

今回の定演一緒に出演予定だった娘は、仕事の関係で急に出ることができなくなってしまった。残念だがまだチャンスはあるだろう。

練習後半が降り番の「未完成」だったので、実質自分の出番は1時間弱。

そして今日は、ヨッフム指揮ベルリンフィルのブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴いていた。
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ベルリンフィル100周年記念BOXの独逸盤LP。 1965年、イエス・キリスト教会での録音。

ベルリンフィルとバイエルン放送響を振り分けたヨッフムの旧全集からの一枚。
この時第1、4,7,8,9番の録音でベルリンフィルを起用している。 速いテンポで、カラヤン時代のベルリンフィルから固く剛直な響きを引き出した堅牢な演奏。

びっしり中味が詰まったカニ缶を開けたような快感。これは名演だ。

その後のドレスデンのオケとの全集が、スカスカした録音でだいぶ損しているので、この演奏の存在価値は高い。

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2014年3月26日 (水)

ゴルシュマンのショスタコーヴィチ

曇り午後から雨。異動が決まり本日、午前中は後任者への引き継ぎで午後は移動先の引き継ぎの一日。

後任は組織内でも知られた優秀な若手なので、多少不安げな表情とはいえ飲み込みが早い。2時間余りのレクチャーの後、昼食をはさんで異動先へまで車で向かう。

次の部署の自分の前任者は定年まで数年を残してここで退職。
この方も頭脳明晰、見るからにキレキレの風貌。説明にも無駄のない直截な物言いで、最近ボケ気味の自分の脳にはちょいとツライ。

この方が作成した広辞苑のような自作マニュアルを感心して眺めているうちに、猛烈な眠気が襲ってきた。

睡眠時無呼吸症候群かしらん。

帰宅後聴いたのはロシア・バレエ団の指揮者として活躍していたウラディミール・ゴルシュマンのセントルイス響時代の録音を聴く。
Sdsc00319 米コロンビアのLPで、ショスタコーヴィチの交響曲第1番と、カバレフスキーの「コラ・ブルニオン」組曲というもの。 LPジャケットがちょいと怖い。

ゴルシュマンのショスタコーヴィチでは、同じセントルイス響との第5番がCAPITOLにあり、フランクの交響曲とのカップリングのCDが手元に有って、 モダーンで洗練された演奏で、切れの良いリズムと細身で清潔な抒情性と迫力とがバランスよく調和していたのが印象に残っている。

こちらの2曲も同様の演奏だがさらに軽快で、無駄のない引き締まった演奏だった。

モノラルながら録音も良い。

Youtubeはカバレフスキーの「道化師」組曲

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2014年3月25日 (火)

静岡市立美術館、シャガール展

暖かな春の一日。今日は上の娘の卒業式。

朝早く起き馴染みの写真屋さんに行き記念撮影の後、娘と家内は東京へ。
自分は休みをいただき、環境が変わる来週に備えて気分をリセットの一日。

春一番が吹き荒れた先週の火曜日、静岡出張ついでに静岡市立美術館で開催中の」「シャガール展」に行ってみた。

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パリオペラ座の天井壁画の習作、彫刻、壺その他のシャガールの驚くほど精力的な作品群の数々。

目に入るのはシャガール独特の鮮やかな青。

オペラやバレエ関係の舞台美術の展示が多いのも嬉しい。

メトの「魔笛」、パリオペラ座の「ダフニスとクロエ」に「火の鳥」、ダフニスでは舞台衣装も展示されていた。

会場に密かに流れていたのはラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。

音の聞こえる方向に歩いてみると、場内のシアターには壁面いっぱいの大スクリーンと天井を使ってシャガールの紹介ビデオが流れている。

席に座るとパリオペラ座の客席にいるかのような錯覚に陥るほど。

最初に流れているバックの音楽はラヴェルの「マ・メール・ロア」から終曲の「妖精の園」。

それが実に感動的に流れている。
続いて「亡き王女のためのパヴァーヌ」先ほど展示会場に漏れていたのはこの音楽だったのだ。

最後に出たクレジットは「マ・メール・ロア」がアンセルメ指揮のスイスロマンド管、「パヴァーヌ」がバレンボイム指揮のパリ管というもの。

センスの良い展示と音楽にすっかりシャガールの作品に酔いしれる。

我が家の音楽部屋にはシャガールの絵の複製を飾ってある。(複製です)

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帰宅後音楽部屋のシャガールの絵を眺めながら聴いたのは、アンセルメ指揮の「マ・メール・ロア」。

Nbd00731thumb1377927800367042 手持ちはキングレコードが出していた国産LPだが、音が明瞭であるものの高音が多少キツイのはカッテッィングの原因だろうか。

シアターで聴いたしっとりとした音とはずいぶんと違っていた。

沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に録音史をアップしました。

Youtubeはアルゲリッチとブニアティシヴィリのピアノで「マ・メール・ロア」

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2014年3月23日 (日)

サッカーニ指揮ブタペストフィルのマーラー

春一番が吹き荒れた後のお彼岸は春そのものの暖かで穏やかな三連休。
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庭の片隅にはフキノトウ。

異動も決まりノンビリ過ごしたいところだが、金曜から大学を卒業する上の娘の引っ越しのため家内と埼玉に行っていた。

金曜の朝9時過ぎに家を出て東名に乗り御殿場、河口湖から中央道経由圏央道のいつもの道のりは渋滞もなく順調なドライヴ。
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途中談合坂SAで昼食の後到着は13時過ぎ。

引っ越しの日取りはかなり前から決めてあったので、ほぼ荷造りは終わっているだろうと思いつつ娘の部屋に入ると全くの手付かず状態。

唖然として家内と顔を見合す。結局深夜まで段ボール詰めにかかってしまった。
音大生専用マンションなので、あちらこちらからピアノの練習の音が聞こえてくる。

翌土曜は引っ越しの赤帽さんが予定の8時きっかりに到着。

多少年配の人の良さげな話好きの屈強な男性。娘の部屋はエレベーターなしの4階、最も重いピアノは管理人さんのご主人も入れて4人で階段を降ろす。これはキツかった。

軽トラックの荷台に、複雑なパズルの如くピアノや自転車を含めた全ての荷物を効率よくつめていく赤帽さんの手際の良さに感嘆。
聞いたら九州熊本から北海道登別までこの軽トラックで運んだことがありますとのこと。さすがにプロ。

そして4年間お世話になった管理人さんに挨拶と記念撮影を済ませ、娘を乗せて出発。

この日も快晴。埼玉からでも富士山がくっきりとよく見えた。
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中央道からはさらに雄大な富士のお山。

途中下りの談合坂SAで3人で食事の後、家に到着すると一足早く到着していた赤帽さんがピアノ以外の荷物を降ろし終わり自分の到着を待っていた。
そして手伝いを頼んでおいた弟とピアノを降ろし、音楽部屋に設置してようやく終了。

そして今日は娘に部屋を明け渡すために自分の荷物の片づけで一日が終わる。

埼玉までの往復の車中では、イタリアの指揮者リコ・サッカーニがブタペストフィルを振ったライヴ録音のセット物CD22枚組。

ブタペストフィル自主製作CD.
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この中からマーラーの交響曲第3番と巨人」、シベ2、ローマ三部作、惑星、オケコンなどを聴きながら車を飛ばしていた。

いずれもライヴながら演奏の水準が高い好演揃い。

曲の最後の音を長く引き伸ばす独特の癖はあるものの、オケを豊かに歌わせながら開放的に鳴らしていくサッカーニの手腕はなかなかのもの。

特にブタペストフィルが初演をおこなった「巨人」は熱の入った演奏で楽しめた。

Youtubeはサッカーニ指揮読響の「ローマの松」

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2014年3月20日 (木)

21世紀の吹奏楽「饗宴」

今日は朝から雨。

昨晩は現在の部門長を交えた有志の慰労会。
場所は沼津駅近くの洒落たフレンチレストラン「アイアイ」

618033574aiai06 会の開催はだいぶ前から決まっていたものの、人事異動で部門長を含む半数近くが異動となりち
ょっとした送別会の趣となった。

本日、残務整理にお世話になった団体への挨拶やら次期ポジションへの引き継ぎやらで一日が暮れていく。

3月16日の「饗宴」の感想です。

吹奏楽コンクール全国大会常連の5団体が邦人作曲家による15作品を演奏。
場所は後楽園そばの文京シビックホール。このホールで聴くのは2年前の「もうひとつの全国大会」以来のこと。

今回はちょいと早めに沼津を出発。

8時発の高速バスを使ってみたがこれが大失敗。渋滞に巻き込まれることもなく予定通りに東京駅に着いたものの。途中の裾野のバス停で乗り込んできた隣席の男性が巨漢なうえにタバコの匂いがきつく、ひたすら我慢の二時間半。
こんなことならば鈍行にしておけばよかった。

まず最初に久しぶりに御茶ノ水ディスクユニオンに寄ってみる。
ここのLP購入の詳細は別の日に書きます。

そして御茶ノ水駅前の丸善のワゴンセールで、LP運搬にちょうど良さげなトートバッグを発見、
ユニオンの帰りに購入し、オプションの肩から吊り下げベルトも購入。
ちょうどLP20枚ほどが収納。

肩から下げることができてすこぶる調子が良い。

軽く昼食を摂り、ホールへ急ぐ。
演奏されたのは、アマチュアでも演奏できる曲という条件で一般公募された作品と委嘱作品15曲。

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平成生まれの若い作曲家から名の知られた巨匠までの作品が、名だたる5団体によって演奏された。一般公募には100作品を超える応募があったという。

会場には作曲家の人たちも集合。

自分は吹奏楽とのかかわりから外れて久しいが、娘が出場するコンクールのプログラムを見ると、かつてはオケ作品のアレンジ物が多かったのが、邦人作曲家のオリジナル作品が増えているようにも見える。

今回で17回を迎えるというこの「饗宴」の果たした役割も少なくないのだろう。

出演と曲は、
・東海大学吹奏楽研究会 (指揮:福本信太郎)
建部知弘 “Catch the Sunshine!”for Band
福島弘和 「相馬流山」の主題による変奏曲
長生 淳  時に道は美しく

・川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮:佐藤正人)
清水大輔   蒼氓愛歌~三つの異なる表現で~
大嶋浩太郎  燃え上がる緑
星出尚志   ザ・レヴュー

・日部共栄中学・高等学校吹奏楽部 (指揮:都賀城太郎)
高 昌帥   雷神 春
高橋伸哉 <委嘱作品> レールウェイ 
高橋宏樹 <委嘱作品> 大地の詩

・川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 (指揮:林 紀人)
八木澤教司 「リヤン・エテルネル」~浄められた天使たちの愛 
河邊一彦 アルト・サクソフォンとバンドのための “ソング アンド ダンス” 
真島俊夫 Lento Lamentoso –すべての涙のなかに、希望がある(ボーヴォワール)
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・神奈川大学吹奏楽部 (指揮:小澤俊朗)
槇 尭史 クロックワイズ・トイズ
小長谷宗一 吹奏楽のための組曲 “ヨコスカの海と風”
酒井 格 行進曲「博奕岬の光」

というもの。

ここで演奏された作品は、全てが初めて聴く作品。

どの作品もがいわゆる難解なゲンダイオンガクではなく、アマチュアが演奏可能であることが条件ということで。耳当たりの良いものが多かった。

とはいえ2時開演で終わったのは5時半。途中で休憩をはさみ吹奏楽の作品を3時間聴き続けるのは正直キツイ。

印象に残ったのは、明治大学の学生さんだという槇尭史の「クロックワイズ・トイズ」。
限られた音列のみでモザイク風に組み合わせた短いが実験的な作品。

そしてスクールバンドプロジェクトという10数人でも演奏でき、中学生でも演奏可能な作品ということで委嘱された高橋伸哉 の「レールウェイ」、高橋宏樹「大地の詩」の2作品。
シンプルな楽器編成と平易な技術水準という制約の中での作曲の工夫が見えて面白かった。

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他の作品も100を超える作品から選ばれただけあって、いずれも個性的な秀作だと思うものの、中には職人的な作曲技術の手際の良さのみが前面に出ているように感じる作品もあり、自分としては退屈した作品もあったことは正直に告白します。

娘は川越奏和奏友吹奏楽団のメンバーとしての出演はこれで最後。

前日風邪をひいて練習を休んでしまったということを聞いて心配したが、ステージ上の様子を見ると普段と変わらない様子なので安心する。
とにかくインフルエンザでなくてよかった。

川越奏和が演奏した3曲の中では、平易な中に爽やかな感動を盛り上げた最初の曲が良かった。自分の後ろの席の中年の女性二人から「感動したわ」という声が漏れてきた。
これは優れた演奏にも助けられているとも思う。

印象派風の第2曲は軽く間奏曲風の作品。
3曲目の「レヴュー」はポップな感覚の軽い作品部分とシリアスな部分の混在が自分としては、いまひとつ焦点が定まっていない感じ。

出演5団体はさすがにうまい、それぞれの団体の個性が出ているのも立派。

演奏終了後出演した娘を連れて後楽園で夕食。
2年前に食事をしたインド料理店は撤退していた。
パスタを軽く食べ娘と別れ自宅到着は9時ちょっと前。

娘は奏和の皆さんにお別れと感謝の挨拶をした時に、ボロ泣きに泣いてしまったとのこと。

奏和の皆さん、娘を4年間ありがとうございました。

明日は娘の引っ越しで家内と埼玉へ。

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2014年3月18日 (火)

春のボエームの会は金華豚

3月も半ばを過ぎ、本日春一番。その風雨の強い中を静岡出張。

昨日人事異動の内示があり職場内は落ち着かぬ雰囲気。
自分は既に先週言い渡され異動が確定しているものの、次期新体制の構築までは自分の責任。

日曜は娘が出演する「21世紀の吹奏楽、饗宴」で東京に行ってきた。

感想が長文になりそうなので明日以降日をあらためて書くことにします。

そして昨日は定例ボエームの会。

今回も前回と同じくオリジナルの4人に和美ちゃんミミの計5名。

50x50_square_8103763_2 場所はいつもの小料理「はちまき」です。

今回は先月予定されていた金華豚。
先月は当日の大雪で金華豚が入手難となり急遽あんこう鍋となっていた。

まずは前菜は鰹とサバをメインとした新鮮なお刺身の盛り合わせ。

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そろそろ脂が乗りはじめた鰹と身の引き締まったマサバの刺身が実に美味。

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いつもながら厳選された食材、春の魚、鰆(さわら)の焼きものが心憎いばかりの気配り。

お酒はご主人自らが富士錦の蔵開きに並んで入手したという
蔵出し新酒から始まる。
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持参のお酒は銘酒「越の寒梅」(別撰)を筆頭に「越後梅」「吉野川」の越後勢に加えて越中富山の「名水の蔵」特別純米に薩摩の焼酎「メローコズル」の完璧な布陣。
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とはいえとても5人では飲みきれません。

特大茶わん蒸しも超美味。

そしてメインの金華豚のロースカツの登場。

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これは塩で食するのがポイント。白く光った脂が甘さを感じさせるほど。
食べても全くもたれないのが匠の技。

S20140317_204517 時事ネタ、世間ネタ、音楽ネタで会話は盛り上がり楽しき夜は過ぎていく。

最後はさっぱり蕎麦で〆ました。

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2014年3月15日 (土)

本日の練習、下田先生との管分奏

怒涛の一週間が過ぎて本日土曜の休みは良く晴れた。
ちょいと寝坊、床屋に行きさっぱりしたあとハードオフなんぞを覗いていたら、カートリッジで有名なELACのアナログレコードプレーヤが置いてあった。

厚みのある頑丈そうな造りでかなりの年代物。
どんな音がするんだろうか?

木曜のオケの練習は上の娘と出ることが出来た。

場所は沼津市民文化センター地下のリハーサル室。途中強烈な低気圧の接近で風雨が強く、トレーナーの下田先生はメガネを飛ばされレンズが欠けてしまうほど。

S20140313_200220 管打楽器の分奏でマーラーの「巨人」

個々のプレーヤーの音は出ているのだが、合奏としてのまとまりはまだまだの感有り。

トランペット、トロンボーンが少なかった(各1本)ので、ホルンVS木管群の練習になってしまいどうもバランスがとりにくい。

響きがデッドな部屋も影響しているのかもしれない。

昨日、夕方になって組織トップを含む上層部からの呼び出しが有り、突然の異動の通告。

ある程度の予想はしていたのだが、最近異動のサイクルが短くなってきた。
今の部署は2年、前の部署は1年だった。

かつて経験したことのない部署だけに4月からまた一年生。

昨日はプッチーニの「ラ・ボエーム」のDVDを観ていた。

1988年、サンフランシスコ歌劇場の記録、フレーニのミミ、パヴァロッティのロドルフォにキリコやギャウロウという豪華な布陣。

S087 フレーニとパヴァロッティは50代だしギャウロフもそれなりの年なのでしっとりと落ち着いた雰囲気に仕上がっている。

3幕のミミとロドルフォの二重唱はさすがに泣ける。
この二人は幼馴染で同じ乳母に育てられたのだそうだ。

ギャウロフの重厚な存在感は放浪の青年芸術家とはほど遠いが、4幕でカドリールを踊る部分の身軽さには驚いた。

Youtubeはそのサンフランシスコ歌劇場の「ラ・ボエーム」

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2014年3月12日 (水)

シドンとチェルカスキーのチャイコフスキー

日一日と春は深まり花粉症によりマスクを手放せない日々。

昨日の審議は夜遅くまでかかり結局時間切れで今日まで持越し。

火曜で山を越え水曜は多少の余裕が出ると読んだ自分の目論見は外れ午前中まで緊迫が続く。昼からはその余波で虚脱状態。

Sdsc00316 仙台に行ってきた姪が、東日本大震災で工場が被害を受けた石巻市の丸ほ保原商店の「あぶり焼きかき」土産に買ってきてくれた。

ビールのつまみに最高。

帰宅は定時、今日はチャイコフスキーの2つのピアノ協奏曲を聴く。

有名な第一番をチェルカスキーのピアノ、レオポルド・ルードウィヒ指揮ベルリンフィルのヘリオドールの国内盤LP.これはモノラルを疑似ステレオ化したもの。
Sdsc00315チェルカスキーはこの録音のあとに、第二番を指揮者をリヒャルト・クラウスに変えて録音している。

そしてもう一枚はブラジル生まれのロベルト・シドンの弾くピアノ協奏曲第2番。

ジョセヴォビッツ指揮のモンテカルロ国立歌劇場管弦楽団。

コンサートホールから出ていたLPで、指揮のジョセヴォビッツはコンサートホールレーベルのプロデユーサーだったはず。

両者とも技巧派のピアニスト。

第一番はルードウィヒ&ベルリンフィルの鋼のようなドスの効いた伴奏に、チェルカスキー独特の色気漂うピアノが絡みながら展開していくユニークにして非常に聴きごたえのあるもの。

第二番のシドンも余裕の技巧でバリバリと引きまくる堂々たる名演奏。
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この演奏を聴くとシドンの演奏をもっと聴きたくなってきた。

なおこの演奏はシロティの改版ではなく原典版を使用。

伴奏も健闘、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲のような第二楽章のソロもそつのない出来。

スクリャービンのピアノ曲で良い仕事を残していたシドンだが、いつのまにか名を聞かなくなってしまった。
ネットで拾ったお弟子さんのコメントによると本番が辛い人だったようだ。

それにしても第二番、いつ聞いても前の二つの楽章の長大さに比べ第三楽章の弱さが気になる。チャイコフスキーの弟子シロティがかなりのカットをおこなったのもわかるような気がする。

このアンバランスさがメジャーな曲になりきれない理由なのだろうな。

Youtubeはシドンの弾くスクリヤービンのピアノソナタ第10番

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2014年3月10日 (月)

シャミナードのピアノ曲集

新たな週の始まりは、仕事上では今年度最後を飾る大きな山場のある強烈な週。
本日の審議は予想より長引き今後の行く末に暗雲の漂う一日。
ピークは明日の予感。

こんな日は重い曲は避けてセシル・シャミナードのピアノ曲集。

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Perter Jacobsの弾くシャミナードピアノ曲全集第一巻。

シャコンヌほか19曲を収録。イギリスのHeliosから出ているCD.
このピアノ曲集は第3集まで出ているようだ。

この中の「オンディーヌ」を娘が子どもの頃発表会で弾くことになり、ようやく探し出した音源。

19世紀フランスの女流作曲家シャミナードは、今では愛らしい「フルートのためのコンチェルティーノ」が演奏されるくらいだが、生前はサロン風のピアノ曲で世界的に有名だった人だ。
自作自演の録音も出ている。

風貌そのもののお金持ちのご令嬢。
51zihiasd6l_sl500_aa300_ 隣人のビゼーの紹介で、パリ音楽院の先生たちに個人レッスンを受けたりといった恵まれた境遇な中で200曲におよぶピアノ曲や歌曲、大規模な舞台作品に至る膨大な作品がある。

ピアノ曲の大部分は5分以内のピアノ初級者でも弾けるような曲。
いわゆる著名ピアニストの音源は皆無。

Youtubeで探しても素人さんの映像ばかりといった状態だ。

この曲集のタイトルは、シャコンヌやスケルツォの他、「秋」「惜別」「夜の釣り人」など。なんとなくロマンティックな風情が感ぜられるもの。

この中ではやはり素朴で美しく純なメロディー「オンディーヌ」がお気に入り。

Jacobsの演奏は多少色を付け過ぎるように感じるけれども、他に良い音源がないので仕方がない。

Youtubeはシャミナードの「オンディーヌ」

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2014年3月 9日 (日)

モントゥーの「映像」

良く晴れた日曜、近所の河津桜も満開でもはや春の気分。
いよいよ花粉症の気配も出始めている。

今日は午前中に母を連れ、甥の大学入学祝いを届けに行く。
ちょうど昼時だったので、甥お気に入りの長泉町のラーメン屋「英鶴」へ弟夫婦と行くことにした。

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お店は家内の実家の近く、比較的広い店内にお客は8割ほど。店主ご夫婦と美しい娘さんらしき方3人で切り盛りしている。
自分は和風蟹ラーメンに餃子をたのんでみた。魚系出汁の上品で飽きない味が店の雰囲気と合っている感じ。

今日はモントゥー最晩年のドビュッシーを聴く。
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曲は「映像」全曲に「聖セバスチアンの殉教」交響的断章。ロンドン響を振ったフィリップスから出ていた国内盤LP.

厳しささえ感じられる曖昧さのない純音楽的な名演。澱みのない流れの中に仄かな色気が漂う全てを知り尽くした巨匠の芸。

そしてもう一枚はウィーンの音楽家たちによる、ハッセ、テレマン、ビヴァルディのフルート協奏曲集。
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こちらも70年代の廉価盤LPで、ティチクが出していたバロック名曲コレクションシリーズの一枚。
フルートはウィーン響の首席奏者だったワナウゼクのフルートに、クルト・ラップ指揮のウィーン響のメンバーによるもの。

穏やかでのんびりとした風情が初春の休日に聴くのにふさわしい。
ワナウゼクのフルートも暖かい

沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に第6回「マーラーの弟子たち」をアップしました。

Youtubeはドビュッシーの「イベリア」、ミュンシュの指揮

 

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2014年3月 8日 (土)

イワーノフの「ペトルーシュカ」

昨日は小雪まじりの朝だったが今日は良く晴れた。
朝、沼津港に寄り道しながら来週の準備のために出勤。
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昼時は関東圏からの観光客でにぎわう飲食街もまだ仕込みの状態で人は閑散としている。
富士は雲に隠れて見えない。2時過ぎに退社。

Img56248687_2 帰りに酒屋によりビフィータージンを購入。

最近ジントニックに凝っていて、ジンにトニックウォーター、そして畑で採れたレモンを絞っていただいている。
実はレモンよりもゆずの方が美味なのだが、畑のゆずは終わってしまったのでしばらくレモンの日が続く。

帰宅後ロシアの指揮者、コンスタンチン・イワーノフの「ペトルーシュカ」を聴いていた。
新世界レコードから出ていたLPでロシアメロディア原盤。

オケはソビエト国立交響楽団

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音は多少古ぼけてはいるが1966年のステレオ録音。

ずしりとした骨太の響きを生かしながらもリズムが重くならないのが驚異的。

超重量級のオケの性能をフルに引き出した豪快な名演だ。


Youtubeはストコフスキー指揮の「ペトルーシュカ」

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2014年3月 6日 (木)

ボド&チェコフィルのラヴェル

昨日の雨は夜には上がり本日快晴。

朝は冷え、車のフロントガラスには薄く氷が張っていた。

今日も続けてフランスの指揮者セルジュ・ボドの録音。チェコフィルを振ったフランス音楽集。

チェコ・スプラフォン原盤の日本コロンビアのLPで、70年代後半に出た「正統を伝える10人の指揮者たち」シリーズ第2弾のLP.

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このシリーズは当時日本コロンビアが保有していたオイロディスクやスプラフォンの音源を中心に、コンヴィチュニーやスイトナー、ケンペ、ザンデルリンク、フルネなどが出ていた。

このLPの曲は「牧神の午後への前奏曲」「パシフィック231」「ボレロ」「ラ・ヴァルス」というもの。
1964,65年のボド壮年期の録音。

この中の「ボレロ」はリヨン管との録音と重複している。
「ボレロ」から聴いてみた。

リヨン管との再録音と比べるとずいぶんと遅いテンポ。

冒頭のヴィヴラートたっぷりのフルートソロからして濃厚な味わい。

テンポを揺らしながら最後のクライマックスに持っていくところなどなかなかのものだ。

リヨン管の実力はチェコフィルの魅力には到底及ばない。高校生と大人ぐらいの差が有る。

ボドが得意としたオネゲルも力の入った名演。

Youtubeはオネゲルの「パシフィック231」、マルク・アンドレーエの指揮

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2014年3月 5日 (水)

ボド&リヨン管のラヴェル

今日は朝から雨。昨晩外部の関係団体の重鎮が集まる総会に引き続き宴席があり帰宅は10時過ぎ。週の半ばにして草臥れ状態。

世の中は内患外憂、国内外に難題山積、実体不明のアベノミクス効果の恩恵は自分の周辺には全くなく消費税8パーセントへの不安が広がるばかり。

今日も引き続きボド&リヨン管でラヴェルの演奏。

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「ペレアスとメリザンド」と同じ時期の1978年録音、ARABELLA原盤の日本ビクターのLP。

曲は「ダフニスとクロエ」第2組曲、ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ、道化師の朝の歌の4曲を収録。
このコンビの魅力を世に問うた初のアルバム。

上品で柔らかで竹林の中に佇む古い和風建築のような演奏。
アンサンブルの緻密さよりも響きの美しさと雰囲気の良さで聴かせる演奏だ。

ダフニスの夜明けの部分など理想的な音色で始まる。

Youtubeはクリュイタンス指揮の「ダフニスとクロエ」

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2014年3月 3日 (月)

ボド&リヨン管の「ペレアスとメリザンド」

3月に入り体感温度よりも春の暖かさを実感する日々。本日曇天。
帰省していた娘二人は雛祭りを前に帰ってしまった。家にはひな人形がぽつり。

今週からは来週にかけて今年度の〆となる重要な週、夜には仕事関係の宴席も有り、気が重い一週間。

昨日の日曜は一日雨。わずかな晴れの合間に親戚が畑の夏みかんを採りに来た。
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毎年自家製のマーマーレードを作ってくれている

そして自分の出た高校の後輩となる甥が高校卒業と大学合格の報告にやってきた。

本人は京都に住みたいというので、受験した大学は私学、国立とも京都の大学。
学業優秀、生徒会長をやっている甥は受験した私学は全て合格だったとのこと。
国立の発表はまだだが浪人するつもりはないので4月から大学生。

クラシック音楽の老舗サイト、林さんのHPにボド指揮リヨン管によるドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」の演奏が紹介されているのを読んで、久々に聴きたくなった。


手持ちはArabella原盤の日本ビクターのLP3枚組。

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ボド&リヨン管の演奏をFMで初めて聴いたのは大学の頃。
その時聴いた「ダフニスとクロエ」の柔らかで品格のある演奏が非常に気に入り、その頃廉価盤オンリーだった自分が、無理して発売されたばかりのレギュラー盤を買い求めたのも懐かしい思い出だ。

その後1982年にボドがN響に来演した時にNHKホールまで聴きに行ったが、
オケの機能はN響の方が上だったけれどリヨン管の演奏で聴かれたフランスの馥郁とした香りが感じられずがっかりとした記憶は今でも鮮明。

この「ペレアス」もラヴェルと同じころの1978年録音で、CDが出てきてLPが値崩れした時に中古LPを格安で入手したもの。

オールフランスキャストによるしっかりとした演奏で、声と器楽が一体となった品のあるふんわりとした響きが部屋の中に漂う。

こぢんまりとまとまった家庭的な雰囲気の録音風景の写真そのままの、暖かさが自然と伝わってくる演奏だ。

録音は各細部を明確に拾うのではなく、演奏の雰囲気そのままにバランス良く全体を捉えたもので聞き疲れのない心地の良いもの。

ボドは同じフランス系の長老格の指揮者としてプレートルと並ぶ存在だが、最近の情報が入って来ない。


沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、マーラーの交響曲の概容と、巨人と歌曲集「さすらう若人の歌」との関係をアップしました。

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2014年3月 1日 (土)

コスモスの音楽

曇り夕方から雨。4月並みの気温だった昨日ほどではないが今日も暖か。
上の娘を駅まで送った帰りに沼津で半世紀以上の老舗パン屋桃屋によって、パンと団子を購う。

Sdsc00263 買ったのはカツサンドのソースと甘いたれにメンチカツサンドの甘いたれ。自分の高校時代から続く懐かしい味のパンが人気で、昼までにほとんど売り切れてしまう。

家内工業的なこのお店は長い間おばちゃん一人で切り盛りしていたが、最近息子さん夫婦らしき人達が手伝っている。

長くこの味を伝承して欲しいもの。

その後ブックオフに立ち寄り帰宅後は畑のレモンと夏みかんを採ったりしていた。
Sdsc00267 レモンの木は鋭い棘に覆われていて、なかなか実っている中心部まで辿りつけない。トゲで手は傷だらけでジャンパーも穴だらけ。

音楽は1980年に放送されたテレビ番組「COSMOS]のサウンドトラックLP.

この番組はアメリカで製作された宇宙をテーマにしたドキュメンタリー番組。
監修者のカール・セーガンのわかりやすい解説と、今でも通用する映像効果で当時大評判になった番組だ。

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自分としては番組中で使われたショスタコーヴィッチやホヴァネスの音楽が印象深い。

このLPにはヴァンゲリスや冨田勲のようなシンセサイザー音楽に加え、バッハのシャコンヌ(グリュミオー)やパッヘルベルのカノン、ビバルディの四季といった有名曲のほか、ショスタコーヴィチの交響曲第11番(ストコフスキー指揮)、ホヴァネスの交響曲第19番、武満徹の心の宇宙」などが効果的に使われていた。

放送時には判らなかった演奏家は、このLPにはちゃんとクレジットされている。

選曲と配置の妙に、30年前の古さを感じさせない名アルバムだ。

この中のいくつかはオリジナルの同じ音源を所有しているが、番組で使われるに当たってエコーなどのエフェクトを多少かけてあるようで、ストコフスキー指揮のショスタコーヴィチなど、手持ちの音源とだいぶ雰囲気の異なるミステリアスな響きになっている。

Youtubeはその「COSMOS」

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