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2014年3月20日 (木)

21世紀の吹奏楽「饗宴」

今日は朝から雨。

昨晩は現在の部門長を交えた有志の慰労会。
場所は沼津駅近くの洒落たフレンチレストラン「アイアイ」

618033574aiai06 会の開催はだいぶ前から決まっていたものの、人事異動で部門長を含む半数近くが異動となりち
ょっとした送別会の趣となった。

本日、残務整理にお世話になった団体への挨拶やら次期ポジションへの引き継ぎやらで一日が暮れていく。

3月16日の「饗宴」の感想です。

吹奏楽コンクール全国大会常連の5団体が邦人作曲家による15作品を演奏。
場所は後楽園そばの文京シビックホール。このホールで聴くのは2年前の「もうひとつの全国大会」以来のこと。

今回はちょいと早めに沼津を出発。

8時発の高速バスを使ってみたがこれが大失敗。渋滞に巻き込まれることもなく予定通りに東京駅に着いたものの。途中の裾野のバス停で乗り込んできた隣席の男性が巨漢なうえにタバコの匂いがきつく、ひたすら我慢の二時間半。
こんなことならば鈍行にしておけばよかった。

まず最初に久しぶりに御茶ノ水ディスクユニオンに寄ってみる。
ここのLP購入の詳細は別の日に書きます。

そして御茶ノ水駅前の丸善のワゴンセールで、LP運搬にちょうど良さげなトートバッグを発見、
ユニオンの帰りに購入し、オプションの肩から吊り下げベルトも購入。
ちょうどLP20枚ほどが収納。

肩から下げることができてすこぶる調子が良い。

軽く昼食を摂り、ホールへ急ぐ。
演奏されたのは、アマチュアでも演奏できる曲という条件で一般公募された作品と委嘱作品15曲。

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平成生まれの若い作曲家から名の知られた巨匠までの作品が、名だたる5団体によって演奏された。一般公募には100作品を超える応募があったという。

会場には作曲家の人たちも集合。

自分は吹奏楽とのかかわりから外れて久しいが、娘が出場するコンクールのプログラムを見ると、かつてはオケ作品のアレンジ物が多かったのが、邦人作曲家のオリジナル作品が増えているようにも見える。

今回で17回を迎えるというこの「饗宴」の果たした役割も少なくないのだろう。

出演と曲は、
・東海大学吹奏楽研究会 (指揮:福本信太郎)
建部知弘 “Catch the Sunshine!”for Band
福島弘和 「相馬流山」の主題による変奏曲
長生 淳  時に道は美しく

・川越奏和奏友会吹奏楽団 (指揮:佐藤正人)
清水大輔   蒼氓愛歌~三つの異なる表現で~
大嶋浩太郎  燃え上がる緑
星出尚志   ザ・レヴュー

・日部共栄中学・高等学校吹奏楽部 (指揮:都賀城太郎)
高 昌帥   雷神 春
高橋伸哉 <委嘱作品> レールウェイ 
高橋宏樹 <委嘱作品> 大地の詩

・川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団 (指揮:林 紀人)
八木澤教司 「リヤン・エテルネル」~浄められた天使たちの愛 
河邊一彦 アルト・サクソフォンとバンドのための “ソング アンド ダンス” 
真島俊夫 Lento Lamentoso –すべての涙のなかに、希望がある(ボーヴォワール)
-
・神奈川大学吹奏楽部 (指揮:小澤俊朗)
槇 尭史 クロックワイズ・トイズ
小長谷宗一 吹奏楽のための組曲 “ヨコスカの海と風”
酒井 格 行進曲「博奕岬の光」

というもの。

ここで演奏された作品は、全てが初めて聴く作品。

どの作品もがいわゆる難解なゲンダイオンガクではなく、アマチュアが演奏可能であることが条件ということで。耳当たりの良いものが多かった。

とはいえ2時開演で終わったのは5時半。途中で休憩をはさみ吹奏楽の作品を3時間聴き続けるのは正直キツイ。

印象に残ったのは、明治大学の学生さんだという槇尭史の「クロックワイズ・トイズ」。
限られた音列のみでモザイク風に組み合わせた短いが実験的な作品。

そしてスクールバンドプロジェクトという10数人でも演奏でき、中学生でも演奏可能な作品ということで委嘱された高橋伸哉 の「レールウェイ」、高橋宏樹「大地の詩」の2作品。
シンプルな楽器編成と平易な技術水準という制約の中での作曲の工夫が見えて面白かった。

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他の作品も100を超える作品から選ばれただけあって、いずれも個性的な秀作だと思うものの、中には職人的な作曲技術の手際の良さのみが前面に出ているように感じる作品もあり、自分としては退屈した作品もあったことは正直に告白します。

娘は川越奏和奏友吹奏楽団のメンバーとしての出演はこれで最後。

前日風邪をひいて練習を休んでしまったということを聞いて心配したが、ステージ上の様子を見ると普段と変わらない様子なので安心する。
とにかくインフルエンザでなくてよかった。

川越奏和が演奏した3曲の中では、平易な中に爽やかな感動を盛り上げた最初の曲が良かった。自分の後ろの席の中年の女性二人から「感動したわ」という声が漏れてきた。
これは優れた演奏にも助けられているとも思う。

印象派風の第2曲は軽く間奏曲風の作品。
3曲目の「レヴュー」はポップな感覚の軽い作品部分とシリアスな部分の混在が自分としては、いまひとつ焦点が定まっていない感じ。

出演5団体はさすがにうまい、それぞれの団体の個性が出ているのも立派。

演奏終了後出演した娘を連れて後楽園で夕食。
2年前に食事をしたインド料理店は撤退していた。
パスタを軽く食べ娘と別れ自宅到着は9時ちょっと前。

娘は奏和の皆さんにお別れと感謝の挨拶をした時に、ボロ泣きに泣いてしまったとのこと。

奏和の皆さん、娘を4年間ありがとうございました。

明日は娘の引っ越しで家内と埼玉へ。

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