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2014年4月に作成された記事

2014年4月30日 (水)

クレーメルとケンペのシベリウス

4月最終日。昨晩からの雨は断続的に強くなり明日も雨の予報。

ここ数年4月は忙しいだけの記憶しかなく今年も環境は変われど同じようなもの。
今日は前任者からの引き継ぎ案件のうちイレギュラーな件がひとつ。

家のガレージ天井の蛍光灯の庇にツバメが新しい巣を作り始めている。
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場所は昨年まで利用していた古い巣の裏側。

だがそこは土台が不安定で、数年前に何度も落下事故があり卵が全滅した場所なのだ。
先人の苦労は世代が変わって伝承されていないようだ。

今日はクレーメルのヴァイオリンでシベリウスのヴァイオリン協奏曲。

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1975年8月のヘルシンキ音楽祭のライヴ。
伴奏はケンペ指揮のストックホルムフィルで裏青のCD-Rのブートレグ盤2枚組。
もう一枚は同じメンバーの「エロイカ」が入っている。

切れ味鋭い気合十分のクレーメルのヴァイオリンを、豪快にして堂々と支えるケンペの指揮が聴きもの。
ストックホルムフィルの白夜的な清潔な響きもシベリウスにふさわしい。

ついでに北欧ものをもう一枚。 NAXOSから出ているステーン=ノックレベルクのグリーグピアノ曲全集から第14集。

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収録は23の小品、自作歌曲によるピアノ曲もの、そして未完のピアノ協奏曲ロ短調の断片やピアノソナタの初稿、そして現存するグリーグの最も初期の作品ラルヴィックポルカなどのかなりマニアックな作品の数々。

どれも5分に満たない小品で、曲によって霊感の差が著しいが難しいことを言わずに素朴な抒情を気軽に楽しむ音楽。

ここではスタインウェイのピアノのほかに、オルガンやグラーフピアノと呼ばれる19世紀半ばの古風な音のピアノを弾き分けている。


沼響HPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に「版の違い、1912年版について」をアップしました。
Youtubeはグリーグの「過ぎた春」

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2014年4月29日 (火)

バッハ、三位一体の祝日のためのカンタータ集

昭和の日は午後から雨。庭の白ツツジが雨に濡れていた。
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午前中は車通勤を始める娘の車の練習に付き合い、午後は畑作業もできないので家の雑事をしながらバッハのカンタータを聴いていた。

演奏はカール・リヒター指揮のミュンヘンバッハ管と合唱団。

曲は「三位一体の祝日のためのカンタータ集」からBWV.9、187、178、105、107、179,137の7曲。
独アルヒーヴから出ていたLP6枚組の中からの3枚。

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バッハのカンタータの中でもこの曲集は祝日を祝うだけに明るい曲が多く、多くの曲でトランペットやホルンが華やかに活躍している。

リヒターの演奏はきっちり厳格なスタイルにして湧き立つような躍動感もあり、祝祭的な気分を十分に盛り上げるもの。

フィッシャー・ディースカウ、シュライヤー、ヘフリガー、マティスなどの一流どころの歌手たちと、フルートのニコレやグラーフ、ホルンのバウマン、トランペットのウイブラハムなどの名手達がリヒターの棒の下に名演を展開。

かつてバッハのカンタータといえば定番となっていた演奏だが、古楽全盛の今でも色褪せない名盤だ。

Youtubeはリヒター指揮のバッハ「ロ短調ミサ」から、ヘルマン・プライのバリトンにバウマンのホルン

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2014年4月28日 (月)

ハンソンの交響曲第4番

GWに入ったものの今年は巡りが悪く飛び石連休。

カレンダーどおりの休みの自分としては連休気分にはなれぬところ。
上の娘の通勤用の車の購入やら保険の手続きやらで連休前にして金欠状態。 車の保険の新規加入があんなに高いものだとは思わなかった。

昨日の午後は、上の娘が出た高校吹奏楽部の定演があり娘と家内と3人で聴きに行っていた。
いつもの会場の三島の「ゆうゆうホール」が改修工事中ということで、今年は沼津市民文化センター。

昨年の定演では娘を独唱者としてゲスト出演させていただいている。
開演前に楽屋へ失礼し指揮者のOさんに簡単にご挨拶。

真剣勝負の演奏。青春のこのひと時にかける高校生の姿は眩いばかり。

帰りは家内とセール中のブックオフに行き、100円均一コーナーで佐々淳行著の「ほんとに彼らが日本を滅ぼす」(幻冬舎、2011.7)を購入。


S20110808_962130_2 東日本大震災直後に書かれただけに、危機管理のプロによる当時の民主党政権の震災と原発事故への対応へのまずさへの痛烈な批判の書となっている。
当時から報道でなんとなく感じていたことだが、あの時の民主党の首脳部がこれほどひどかったとは思わなかった。

パニック状態に陥いりなす術を知らず、やたらと対策委員会と称する組織を立ち上げ不毛な時間だけが過ぎて行く。
その間に刻々と事態は最悪の状態に。

政府高官、原発関係者の自己保身の責任逃れの言動の数々・・・ 読んでいて情けなくなってくるほど。

本日は家内がファンクラブに入っている槇原敬之のコンサートが東京であり、付き合うつもりが、どうしても抜けられない会議が夕方に入ってしまいやむなく断念。
家内は下の娘の所へそのまま泊まるとのこと。

帰宅後聴いたのはアメリカの作曲家ハワード・ハンソンの交響曲第4番。

先月東京で購入した米マーキュリーのオリンピアンシリーズのモノラルLPで、作曲者自身の指揮イーストマン・ロチェスター管によるもの。
Sdsc00421 カップリングはロイ・ハリスの交響曲第3番でこちらの曲がお目当てだった。

この曲はハンソンの父を哀悼して書かれた曲。

ロマンティックにして宗教的な祈りに満ちた作品でところどころにグレゴリオ聖歌のエコーが聞こえてくる。

演奏は丁寧にして深くじっくり歌い上げた名演だ。

ところがサイトを検索していたら同じ演奏を聴いた自分の記事が出てきた。

ダブリ購入だったのであった。(^^;

以前聞いたのはオランダフィリップスの疑似ステレオ盤だったが、オリジナルのモノラルLPを聴いたら印象が一変した。
Youtubeはそのハンソン自演の交響曲第4番フィナーレ

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2014年4月26日 (土)

ボールトのウォルトンとカイルベルトの「運命」

4月も残り少なくなった週末休み。

勤務地や仕事内容が劇的に変わり、日々の仕事に追われた毎日、ひた走りに走ったこの一か月。
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今日は天気が良いので朝から耕耘機で畑の土起こしをすることにした。
高いところの取り残しの金柑は熟し過ぎている。
畑の周囲に色々な春の花。
Sdsc00518 終わった後はまだ昼前なのでノンアルコールビールにしておいた。

そして午後のひと時はウォルトン。

バッハの小品を編曲した「賢い乙女たち」バレー組曲に、「スカルピーノ」序曲、「ポーツマスポイント」序曲、「シエスタ」。


演奏はボールト指揮ロンドンフィルによる英ロンドンのLP.

二つの序曲のキレの良い鮮やかなボールトの確信に満ちた指揮が聴きもの。
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ロンドンフィルもノリノリの快演だ。 しみじみと聴かせるバッハも慈愛の心に満ちた良い演奏だ。

そしてもう一枚はベートーヴェン。。

棚から取り出したのは、カイルベルト指揮のハンブルク国立フィルの「運命」。
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この演奏は、日本キングから出ていた廉価盤LP以来のお気に入りだが、今日はワーナーから出ていたCDで聴いた。

遅めのテンポの中、重厚な響きの中で一歩一歩着実に歩みながら感動を盛り上げていく実に堂々たるベートーヴェン。


特にホルンがすばらしい。
第一楽章の最初のホルンのパパパパーンなどは、理想的な音で鳴っている。

この時のホルン首席はヘルマン・バウマンの師にして、バイロイトでクナッパーツブッシュの指揮でソロホルンを吹いていた伝説の名手ハインリッヒ・ケラー

Youtubeはボールト指揮のヴォーン・ウイリアムス交響曲第8番。
ハリーポッターの音楽のような世界。

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2014年4月24日 (木)

春宵「ボエームの会」

ここ数日のくもり空から一転今日は晴れて気温も上昇。

昨日は重い会議が4つも重なり頭がぼうっとしていた。
前日がボエームの会だったので、朝になってもアルコールが抜けていない。
しかも夜は組織トップを含めた幹部連の送別会。

自分は幹事の一人でありながら急な会議が入り会場到着は開宴間際という際どさだった。
仕事場から自分の車で直行したので、宴会でのアルコールは遠慮させていただいた。
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そして火曜は定例ボエームの会。場所はいつもの小料理「はちまき」

いつものオリジナルメンバー4人+ミミ役の和美ちゃんに加え、自分の元上司と高校吹奏楽部の後輩にして沼響メンバーの若く元気な女傑を加えたフルメンバー。

4月から勤務地が変わり、駅から遠くなったので自家用車で小雨がぱらつく中で「はちまき」へ向かう。 道は混んでいたがなんとか時間前に到着。


Sdsc00495 Sdsc00498 さて今宵は春の野菜とばら肉の鍋がメインにして、前菜には新鮮な刺身と山ウドの酢の物.

筍を薄味の出汁で煮たものなど、さりげない旬の彩りが嬉しくいずれも上品な味わい。

料理の出る順番とタイミングも良く考えられ、ぶりの煮物も絶妙な味。

前回の金華豚のトンカツに続き今回も豚肉。

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上質なばら肉に加え芹、蕪、グリーンアスパラその他の春の野菜鍋。


お酒は「越の雪月花」生酒(新潟)、「北鹿 雪中貯蔵」純米酒(秋田) 「花の舞」特別本醸造(静岡)、「東郷」純米酒(鳥取)の日本酒4種。
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7人のメンバーでにぎやかな中、おいしい季節の料理と銘酒と会話で楽しい一夜が過ぎていく。

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2014年4月22日 (火)

沼響30年目の合宿その2

合宿二日目、起床は7時。

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眼下から聞こえてくる世古渓谷の瀬の音で合宿に来ていることを実感。
雨は上がっている。
宿舎の外に出て朝食前に付近を散歩。いつも近くの山の中腹にある梶井基次郎の文学碑へ。
S20140420_073758 梶井基次郎が逗留していた「湯川屋」のご主人が寄付を受けずに私費で建立したという文学碑。
傍らには苔むした「檸檬塚」。 「白雲楼」に戻ると、古びたロビーに数人集まり談笑中だった。
昨年までなかったチェロがガラスケースに入って飾られている。
 
ここで沼響の創立者の奥様にして第一回定演から参加しているSさんと昔話。
30年前の合宿の時に、奥さんは学校を出たての私の家内と同じ車に乗ってこの白雲楼の合宿に参加したとのこと。
今私の娘がこの時の家内と同じ年齢になっていることを知り感慨しきり。
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宴会明けの朝食は湯豆腐だった。

午前の練習は下田先生の指導で管楽器分奏。 朝からマーラーはちょいと重いので、最初に初心に返って皆で基礎練習を30分ほど。
そして「巨人」の第2楽章から本格的な練習を開始する。
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結局ホルン以外の金管の出席がよくないので自然と木管中心の練習となった。 なんとなく不完全燃焼のまま午前の練習は終了。

午後は降り番の「未完成」なので、昼食の後に帰ることにした。
6c3014149a25951736c344760ff443a2 昼食は「白雲楼」恒例のカレイライスを期待していたのだが、外見は黄色いカレィでありながらなぜか中身はハヤシライスだった。

皆首をかしげながら食べているのがおかしい。
だが美味。自分も大盛りのおかわりをした。



帰りは世古渓谷を上ること500メートルあたりの日帰り温泉「いづみ園」へ。
10173714_508957335893856_4863968540 入湯料は700円。風呂はちょいとぬるめで近くの地元管理の「世古の大湯」がすごく熱かったのとは対照的だ。
ちなみに世古の大湯は入湯料100円。
こぎれいな露天風呂に休憩室。先客に同じホルンのメンバーがひとり。
そのうちスーツを着た男性3人と、旅の若者、そして30代くらいの夫婦が一組入ってきた。
風呂上りにフルーツ牛乳が飲みたくなった。だが自動販売機にも売店にもなかったのでがまんした。

ちょうど娘たちが家にいるので、「梅月」で和菓子を購うつもりが店は閉まっていた。 日曜とはいえ交通量が少ない。これでは商売にならないのだろうか。
S03ichigoplaza2 結局伊豆長岡のいちごプラザで特大いちご大福を買って家族のお土産とした。
毎年この時期にこんなことをやっていて30年。今年も合宿に参加できたことに感謝。

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2014年4月21日 (月)

沼響30年目の合宿

週の始まりは朝から雨。今日は午後から外で研修会。

先週の土日は沼響恒例の春の合宿だった。場所は天城の「白雲楼」。

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沼響30年目の合宿。沼響の合宿は毎回雨のジンクスは今年も当たり、土曜からときおり雨がぱらつくどんよりとした空。

さらに金曜あたりから気温が下がってきて、土曜の朝には暖房用の灯油を買いに近くのDIYショップに走るほど。この時サービスで白い花の小鉢をいただいた。

合宿の集合は午後一時。

国道414は修善寺を越えたあたりからかなり空いていたので所要時間は30分弱。
遅れて参加するホルンセクションの仲間の楽器を預かってきたので、着替えその他と二つのホルンでかなりの重さ。

車を降りて息を切らせながら合宿所の坂を上り下りしているうちに合宿初日の練習が始まる。

曲は横島先生の指揮で「巨人」の第一楽章から。
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トレーナーの下田先生も遅れてくるメンバーの代奏として参加していただいている。
読響コントラバスの渡辺先生にも参加していただき、ようやくマーラーらしい響きになってきた。

大広間での夕食時に昭和レトロの雰囲気漂う部屋の中をぐるりと見渡すと、ここは30年前の雰囲気のまま時間が固定されている。

かつて夕食には猪鍋が良く出たものだが今は懐石風の食事でスウィーツ付き。
大学の音楽関係のサークルが良く使う場所なので、昨今の若者の好みに合わせているのだろうか。食事は時代の影響を受けている。

夜の練習の「未完成」は降り番なので、第2練習場でホルンセクションの仲間4人と緑の表紙のホルン四重奏曲集(いわゆる緑本)で遊ぶ。

Edited2_fb6114eb45d64ec1be1950cc19a 狩の音楽やらシューマン、メンデルズソーンその他いろいろ。演奏しているうちに4人の響きが自然とまとまってくるから不思議なものだ。

そのうちにお楽しみの宴会が始まる10時に近くなったので楽器を片付けようとしたら、「未完成」を終えて部屋に入ってきたホルンの仲間に呼び止められた。


「これからオクテットの練習をやるよ」とのこと。
「????」

そういえば金曜日にモーツァルトのセレナードK.388の譜面を渡されていた。

何気なく楽譜を受け取ったのだが、どうやら知らないうちに定演の開演前のロビーコンサートのメンバーに入っていることになっていた。

心地よく乾いたノドはビールを欲していたが、宴会場に向かう他の3人を目で追いながら再び楽器を取り出す。

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二時間あまりのホルン4重奏で自分の気分は室内楽モードだったので、吹き始めると自然とモーツァルトの世界に没入。
曲はさほど複雑ではないので初見でも間に合うのが助かる。

お遊びでドビュッシーやファルカシュの曲の初見大会なんぞをやっているうちに、時計は午前零時を回っていた。

慌てて風呂にも入らずそのまま宴会の会場へ行くと、みなさん完全に出来上がっている。

すっかり出遅れてしまったぜぃ。

それなりに楽しんでいるうちに2時近くとなり、目は冴えていたがさすがに夜更かしする年でもないので翌日に備えて部屋に戻ることにした。

続く・・・

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2014年4月18日 (金)

本日の練習、合宿近し

本日朝から雨。

先週通勤途上の道路で、全国ニュースにも出た小学生が犠牲となった痛ましい交通事故があり、事故現場の付近には雨の中登校指導を続ける学校関係者の姿が見える。

行き交う車両はこの事故を契機に一挙にスピードを落としている。
今日はあいにくの雨模様でもありかなりの渋滞。
犠牲となった小学生の教頭は高校の同級だった。
運転しているうちに、テレビで見た涙を目にいっぱいに溜めた彼の記者会見の様子を思い出した。

昨日はオケの練習日。

先週は仕事で休んでしまったので、今月最初の練習。
場所は市民文化センター小ホールで横島先生の指揮。
曲は「未完成」と「巨人」第4楽章。

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沼響は、地方のアマオケの弱みとしてパートによって人数の偏りがあり、現在トランペット一人にコントラバスがゼロ。
これでマーラーは正直のところ厳しい。

幸いにしてトランペットは近隣に馴染みのトラがいるので、昨晩も応援に駆け付けてくれたもののチェロの出席率が悪く低音が薄くてどうも響きの座りが悪い。


「巨人」のホルンの定数は7。

S10264618_552548128197912_296687034 ホルンは団員が7人なので充実している部類だが、今回一人仕事の都合で急遽出演できなくなってしまった。


彼は残り少ない第一回定演からの同志なのだが、会社での地位が高くなり気楽に休める身分でなくなってしまった。 残念だ。


トラで出すつもりだった上の娘も仕事の関係で出れなくなって、ホルンもにわかにピンチ。

曲の完成度は2曲とも4割5分といったところ。 明日からの合宿に期待しよう。

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2014年4月16日 (水)

山田一雄のローマ三部作

4月から通勤距離が今までの倍になったので、生活のリズムが多少変わってきた。

仕事はディスクに座りきりで、運動不足がますます進みそうな気配。
通勤時間は渋滞がなければ片道30分余り。
車中のカーステで往復シンフォニーほぼ1曲分の距離だ。

今日は山田一雄のレスピーギ。

東武トレーディングが山田一雄生誕百年を記念して発売したCDで、ローマ三部作の3曲を収録。
1989年3月東京都響を振ったサントリーホールでのライヴ。

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演奏会は「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」の順で演奏されている。
この中の「松」と「祭」を通勤の車中で聴いた。

ヤマカズさんの実演は、強烈なエネルギーの放射が眩いほど感じられるものだったが、録音となるとだいぶその魅力が半減してしまう傾向があった。

レスピーキでは新星日響を振った同じ年6月の「ローマの松」のライヴがかつてキャニオンから出ていたが、良くも悪くも実演ならではのやぶれかぶれ的演奏で、ほころびも多く、繰り返し聴くのは辛いものがあった。http://www.numakyo.org/c_pini/18.html

だがこの都響との演奏は、実演のヤマカズさんの魅力を十分に捉えた貴重な記録となった。

晩年の演奏とはいえ衰えは全く感じられず、曲が進むにつれてヴォルテージがじわりじわりと上がっていくのがすさまじい。

中でも「ローマの祭り」が非常に良く、この曲で鳥肌が立ったのはトスカニーニの演奏を聴いて以来のことだ。

カーステの貧弱な音でも演奏の凄さは十分に伝わってくる。
運転しながら自分の気持ちもどんどんハイ状態。

これは家の装置でじっくりと聴こう。

Youtubeは山田一雄&N響の「ジュピター」フィナーレ

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2014年4月14日 (月)

フレモーのサン・サーンス

花曇りの一日。通勤時に見かける桜並木はすでに半分ほどの散り具合。
夜になって少し冷えてきた。2年半ぶりに最接近している火星が月の横によく見える。

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昨晩は久しぶりの熟睡。睡眠時間は正味5時間ほどながら目覚めは良い。
昨日のどぶさらいが適度な運動になったのかしらん。
本日の仕事は終日ディスクワーク。未だ仕事の全貌が見通せないのが無用の疲労を招いている。

今日はフランスの指揮者フレモー指揮バーミンガム市響の演奏からサン・サーンスの交響曲第3番。CD初期の国内盤CD.
カップリングはクルツ指揮フィルハーモニア管による「動物の謝肉祭」

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フレモーはプレートルやボドとならぶフランスの長老格の指揮者だが、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートにも出ているプレートルはともかく、最近ニュースを全く聞かなくなってしまった。存命ならばスイトナーやサヴァリッシュより年長。未だ現役なのだろうか?

LP初期にエラートにルネッサンス、バロック期から20世紀の音楽までのかなりの録音量のあるフレモーだが、バーミンガム市響とは70年代にEMIへ良い録音を残している。

このサン・サーンスもそんな一枚で1975年の録音。
豪快でありながら繊細緻密な演奏で、なによりもオケと同時に収録されたオルガンの響きが素晴らしい。

これはたぶんそのころ流行っていたSQ4チャンネル録音。

当時の英EMIの4チャンネル録音は焦点の閉まらないふやけた音が多かったが、フレモーの同時期の録音はいずれも例外的に良い。サラウンドで再生したら面白いかもしれない。

おまけとしてクルツの「動物の謝肉祭」。


オケはフィルハーモニア管で、解説書には1975年録音とあるが、この録音は70年代はじめのセラフィムシリーズの国内廉価盤ですでに登場しているから1957年の誤植だろう。

クルツの禁欲的なまでに引き締まった棒に応えるオケの技量はこちらが上で、ソリストたちは非常にうまい。
ピアニストはヘツィバー・メニューインとアヴェイ・サイモン。こちらは普通。

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2014年4月13日 (日)

準メルクルのドビュッシー

桜も散り始め春深まる。ツバメが今年もやってきた。

1月に松阪で負傷した右くるぶしがまだ痛み、夜中にその痛みで目が覚めた。

今日は町内のどぶさらい。 父の代まではウナギやシジミが獲れる小川だったのが、今では家庭排水の流れ込むどぶ川となっている。
8時集合で組の人たちとのこれが地域のコミュニティの貴重な場。
今年は随分と藻が多い。
 
Sdsc00455 昨日は愛犬ポコが下痢気味だったので病院に連れて行ったりしていた。
金曜は職場の歓迎会。場所は市内某ホテルの宴会場。

名簿上では承知していたものの実際に集まった人数の多さに吃驚。
着任の挨拶の後、着席すると次々にビール片手でやってくる。この日に初めて顔を合わす人たちも多い。
時間が経つうちに出歩く人も多くワイワイガヤガヤの大層なにぎわい。

自分もビール片手で一巡したら早くも一次会はお開き。料理にはほとんど手が付けられなかった。

今週は木曜に仕事上で大きな出来事が有りかなり消耗。オケの練習にも参加することができず。

そして今日は準メルクルのドビュッシーを聴く。


NAXOSから出ている全集中から、交響的断章「聖セバスチアンの殉教」、ケックランのオーケストレーションによる「カンマ」、ロジェ=デユカスによるオケ編による「リア王」 そしてカンタータ「道楽息子」からという全集の中の落穂拾い的なアルバム。
8_572297 オケはリヨン管というもの。

聴きなじんだボド時代のリヨン管の演奏には、セピア色の古写真を見るような懐かしいようなローカルな味わいはあったものの、幾分アンサンブルが甘く鈍いきらいはあった。

これが準メルクルの薫陶により機能的なオケに変身を遂げたようだ。
いくぶん軽い響きはそのままに各楽器が曖昧さのない明確な音で鳴っていて、ドビュッシーの精緻なオケの響きがよくわかる。

世界的なオケの水準の向上を実感した1枚。

沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、連載9回目「版の違いを区別するために」をアップしました。

Youtubeは準メルクル指揮のサン・サーンスの交響曲第3番

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2014年4月 9日 (水)

リヒャルト・クラウスのワーグナー

朝は多少冷えたが日中は暖かだ。
今度の自分の席は西日がモロに当たるので午後から室温急上昇。机上の温度計は30度を指していた。今からこれでは夏場はどうなってしまうのか。

今日はドイツの指揮者リヒャルト・クラウスのワーグナーを聴く。

昨日のケンペと同じオイロディスク原盤の、ドイツの家庭向け名曲シリーズのPARNASSシリーズ中の一枚。

リヒャルト・クラウスというと、独逸グラモフォンの廉価盤部門のヘリオドールレーベルに通俗名曲の録音を残した二線級の指揮者としての印象しかないが、経歴を見るとベルリン国立歌劇場でE.クライバーのアシスタントとして働いた後は、ドイツ各地の歌劇場を転々としている。

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ケルンの音楽総監督ののちにベルリン市立歌劇場の総監督。北西ドイツフィルの首席指揮者。

なんだか堅実で危なげのない芸風が、ドイツ国内の日常では重宝され尊敬されるものの、国際的には無名に近い存在であったレオポルド・ルードウィッヒや、一時期N響を振っていたウイルヘルム・シュヒターに似た経歴の持ち主だ。

現役盤では、バンベルク響を振った「ペール・ギュント」組曲のような、とても売れそうもないCDが出ている。

クラウスの父エルンスト・クラウスは、ワーグナー歌いのテノールとして19世紀末から20世紀初頭にバイロイトに出演し、「ワルキューレ」の古い録音も残していた。

リヒャルト・クラウス自身も、1942年にはバイロイトで「さまよえるオランダ人」を振っている。


今回聴いたのは、歌劇「タンホイザー」序曲に歌劇「ローエングリン」の第一、三幕前奏曲の3曲。オケはベルリン市立歌劇場管というもの。

ワーグナーはクラウスにとって特別な作曲家なのだろう。

演奏は3曲とも非常に良い。

オケを十分に鳴らし切ったスケールの大きい壮大なワーグナー。
「タンホイザー」の途中ではクラウスの気合の声まで聞こえてくる。
オケも熱く燃えた聴き応えのある名演だ。

Youtubeはテンシュテット指揮の「タンホイザー」序曲

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2014年4月 8日 (火)

ケンペの「未完成」

4月も第二週に入り次々と押し寄せる決裁書類。いつまでも新人顔しているわけにもいかない。

職場内の雰囲気とそれぞれの職員の立ち位置もだいぶ見えてきた。

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先日の強風で、畑のザボンが落下してしまった。

直径28センチの巨大な実。切ってみたら白いフワフワが大部分だったが、爽やかな独特の甘さで非常においしかった。
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グレープフルーツはザボンから生まれたものだが、グレープフルーツよりも美味。これは 来年が楽しみだ。

今日はケンペ指揮バンベルク響でブラームスとシューベルト。
曲は「ハイドンの主題による変奏曲」に今回の定演の曲目「未完成」というもの。

オイロディスク原盤のドイツの家庭向け名曲シリーズのPARNASSシリーズ中の一枚。
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これは日本コロンビアからLP時代に「正統を伝える指揮者たちシリーズ」から出ていたおなじみの音源。

手元に同じ国内盤LPもあるが、音の艶と奥行きはこちらが上だ。
ケンペの質実な指揮と、バンベルク響の渋く古風な響きがよい雰囲気を出してたように記憶していた。

P4250278ところが今回久しぶりに聴いてみると「未完成」が速いテンポのかなり過激な演奏だった。

武骨なまでのブラスの咆哮、幾分粗いが質実剛健のユニークなシューベルト。
一方の 「ハイドン・バリエーション」は渋く落ちついたいつものケンペのブラームス。



Youtubeはケンペ指揮バンベルク響のブラームス。

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2014年4月 6日 (日)

海瀬京子、音楽の贈り物

晴れ一時雷雨。4月最初の日曜日。
冷たい空気が上空に侵入し気温が下がってきた。大気が不安定となり午後に強い風と雷雨。

昨日は家内と上の娘とで午前中に御殿場時之栖に行っていた。

初めて通る伊豆縦貫道は快適。
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途中で見かけた富岳会前の桜があまりにも見事なので、車を止めて眺めていた。
沼津は満開だが標高の高い御殿場は八分咲き。

そして夜はベルリンから一時帰国している伊豆の国市出身のピアニスト、海瀬京子さんのリサイタル。

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場所は伊豆長岡のアクシスかつらぎ。
ホールに向かう道は空いていた。こちらも伊豆縦貫道開通の影響なのだろうか。

後援会の人たちが大半なので会場にはアットホームな雰囲気が漂う。

伊豆の国市の市長さんも来ていた。
開演前に京子さんの師にして娘たちも教わったピアノの先生を見つけ、近況報告と合わせてご挨拶。

曲はベートーヴェンの「月光」、「愛の夢」「メフィストワルツ」などのお馴染みの名曲を前半に配し、後半はシューベルト晩年の傑作ピアノソナタ第19番というもの。

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テクニックの冴えはそのままにひとつひとつの曲の性格分けが明快。演奏が進むにつれて登り調子となっていくのがよくわかる。

テクニック全開にしてデモーニッシュなメフィストワルツなど快調な出来だ。

休憩の後、お楽しみ抽選会を経てシューベルト。

ベートーヴェンを研究しつくしたシューベルトの総決算ともいえる4楽章の巨大なソナタへの初挑戦。
全曲に漂うシューベルトならではの美しい抒情と落ち着いた深い情感、そして突然訪れる深い闇を意識して弾いているのがよくわかる。

30分を超える長大な曲を緊張感が途絶えることなく弾ききったのはお見事。
京子さんのこの曲への深い思い入れが感じられる演奏だった。

これから一生をかけてシューベルト晩年の深い世界を追及していく第一歩。

アンコールは、ショパンの「子犬のワルツ」とノクターン、そしてラフマニノフの楽興の時。

美しく丁寧に歌い上げたノクターンが非常に良かった。

これまでの経験が着実に層を成して、表現の幅と奥行きが広くなってきているようだ。
聴くたびに成長しているのが如実にわかるのが楽しい。

帰りの道はさらに空いていて会場から自宅までわずか15分。

沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」の第8回をアップしました。
今回は「巨人」を演奏する際の使用楽譜についての考察

Youtubeはブレンデルの弾くソナタ第19番第2楽章

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2014年4月 4日 (金)

本日の練習、横島先生の指揮

雨のち晴れ。慌ただしい新年度最初の週は早くも金曜日。主要な挨拶まわりはほぼ終わり、連日年度当初の主要な会議が続く。

初めての分野なので覚えることが多く、異動直後の独特の緊張感が漂う日々。

水曜の夜は、かに料理の甲羅本店で前のセクションの歓送迎会だった。
こちらの会議が長引いたので途中からの参加。
前のセクションでは仕事は厳しかったものの、明るく優秀なスタッフ達に支えられ楽しく仕事ができた。
20年来の難しい案件を自分の任期中に解決できたのは皆彼らのおかげ。
感謝の意を込め2次会遅くまでじっくり楽しく付き合った。
そして昨日はオケの練習日。
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3月までは分奏だったのが、久しぶりに横島先生の指揮で合奏。
場所は市民文化センター小ホール。
最初は降り番の「未完成」なので軽くウォーミングアップの後客席で観戦。
 
先月が「巨人」に専念していたので、「未完成」はほぼ一か月ぶりとはいえひどい出来だ。
音程の不安定さに各楽器のバランスも凹凸状態。 皆自分の譜面を追うのに精いっぱいで合奏の基本が頭から飛んでしまっているのだろう。
それでも横島先生の入念な指導で一時間ほど経ったら響きがまとまってきた。
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そして後半の「巨人」は、第一楽章初めの部分で時間切れ。
マーラーへの道のりは未だ遠い。
Youtubeはハイティンク&ベルリンフィルの「巨人」

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2014年4月 1日 (火)

モントゥーのブラームス交響曲全集

新たな年度の始まり。

出勤後組織トップから辞令をいただき、旧セクションの部下たちに軽く挨拶の後、そのまま任地へ移動。勤務先で着任の挨拶の後、そのまま新規採用者の辞令交付式に出席する。

前職と同じ組織内とはいえ、業務内容は全く異なり職場内の雰囲気やカルチャが違うので戸惑うばかり也。

とにかく長い一日が終わり帰途につく。

これからは自宅から職場まで距離があるので、しばらく通勤の車内でCDをじっくり聴くことになりそうだ。

今日持参したのは、モントゥー指揮のブラームスの交響曲全集。
Memoriesから出ているCD2枚組

630_2 モントゥはブラームスの交響曲第2番は何度もスタジオ録音を残しているが、他の3曲は正規の録音がなかった。 

この全集は全てライヴで第1、4番をボストン響の62年と60年のバークシャー音楽祭でのステレオライヴ。第2番は53年NBC響、第3番が56年ニューヨークフィルとのモノラルというもの。

この中の1,2,3番を車中のカーステレオで聴いた。

第1番はステレオとはいえ録音バランスが金管に偏っているのが惜しい。
荒っぽいほど豪快な若々しい演奏。終演後の客席も大いに沸いている。

第2番はモノラルながらしみじみと聴かせる名演だ。
深く沈潜していきじっくりと歌い上げる第2楽章には、人生の深い重みが感じられ、運転しながらもじーんと来た。

第3番は録音が古くカーステレオで聴くにはちょいと辛い。

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