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2014年4月 9日 (水)

リヒャルト・クラウスのワーグナー

朝は多少冷えたが日中は暖かだ。
今度の自分の席は西日がモロに当たるので午後から室温急上昇。机上の温度計は30度を指していた。今からこれでは夏場はどうなってしまうのか。

今日はドイツの指揮者リヒャルト・クラウスのワーグナーを聴く。

昨日のケンペと同じオイロディスク原盤の、ドイツの家庭向け名曲シリーズのPARNASSシリーズ中の一枚。

リヒャルト・クラウスというと、独逸グラモフォンの廉価盤部門のヘリオドールレーベルに通俗名曲の録音を残した二線級の指揮者としての印象しかないが、経歴を見るとベルリン国立歌劇場でE.クライバーのアシスタントとして働いた後は、ドイツ各地の歌劇場を転々としている。

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ケルンの音楽総監督ののちにベルリン市立歌劇場の総監督。北西ドイツフィルの首席指揮者。

なんだか堅実で危なげのない芸風が、ドイツ国内の日常では重宝され尊敬されるものの、国際的には無名に近い存在であったレオポルド・ルードウィッヒや、一時期N響を振っていたウイルヘルム・シュヒターに似た経歴の持ち主だ。

現役盤では、バンベルク響を振った「ペール・ギュント」組曲のような、とても売れそうもないCDが出ている。

クラウスの父エルンスト・クラウスは、ワーグナー歌いのテノールとして19世紀末から20世紀初頭にバイロイトに出演し、「ワルキューレ」の古い録音も残していた。

リヒャルト・クラウス自身も、1942年にはバイロイトで「さまよえるオランダ人」を振っている。


今回聴いたのは、歌劇「タンホイザー」序曲に歌劇「ローエングリン」の第一、三幕前奏曲の3曲。オケはベルリン市立歌劇場管というもの。

ワーグナーはクラウスにとって特別な作曲家なのだろう。

演奏は3曲とも非常に良い。

オケを十分に鳴らし切ったスケールの大きい壮大なワーグナー。
「タンホイザー」の途中ではクラウスの気合の声まで聞こえてくる。
オケも熱く燃えた聴き応えのある名演だ。

Youtubeはテンシュテット指揮の「タンホイザー」序曲

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