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2014年5月に作成された記事

2014年5月30日 (金)

明日は本番、沼響30回定演

勤務先が異動となって2ヶ月。一週間の経つのが実に早く、明日はいよいよ沼響の第30回定期演奏会本番。
今日は花金とはいえなんとなく落ち着かない。

楽器は迷った末に今日も娘の楽器を使うことにした。

仕事は定時に切り上げ練習会場の市民文化センターへ。

会場に着くと、ホールのステージには雛段も並び雰囲気は本番さながら、エキストラも揃って見た目は完全にマーラーモード。

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さて早めのウォーミングアップを始めようと楽器を取り出したら、マウスピースを間違えたことに気が付いた。
いつものティルツではなくアレキを持ってきてしまった。

まぁ楽器もアレキだから良いだろうと吹き始めたら全然勝手が違うのには困った。
明日が本番だというのにこのトロさ。

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練習は最初に、「巨人」を始めから最後まで通した。

なにせ曲が曲だけにこれだけで練習予定時間の半分。

沼響も創立30年にしてやっとマーラーかという、この牛の歩みの如きノンキさが沼響らしさだろうか。

こんな感慨に浸りながらも、編成も充足し響きも豊かになってマーラーの世界に浸る幸せ。

オケが始まった時には20代の若造だったのが、すっかり中年オヤジになってしまったぜい。

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2014年5月29日 (木)

ペルルミュテールのモーツァルトとラヴェル

適度な風と日差しで過ごしやすい日が続く。

午前中に委託の業者さんとの打ち合わせが有り、訪問者してきた4人が全て女性だった。失礼ながら最初保険の外交員の人かと思った。

朝、出勤しようとしたら車の屋根に近所のネコの足跡が多数。
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見上げてみると、ガレージの蛍光灯の庇に危うく乗っているツバメの巣の端からヒナの頭がいくつか見えた。
知らないうちにヒナが孵っていた。数は不明。猫は車の屋根からこのヒナを狙っていたのだ。

今年のヒナはいつもの年よりも大人しく、親が餌を運んで来てもピーピーと騒がない。
明日からしばらく車を外に置くことにする。


帰宅するとHMVからCDとDVDが届いていた。
ここのところ音盤購入意欲が再燃。

きっかけは「巨人」の聴き比べを始めたのとは無関係ではなく、いろいろな巨人の演奏をネット上で物色していると購入するつもりで忘れてしまったものや、思いがけない演奏を見つけてしまう。

全く目の毒だ。

525_3 届いたCDは、ラヴェルの弟子ペルルミュテールの弾くモーツァルトのピアノソナタ全集VOXから出ているCD4枚組。

そして、スタインバーグ&ピッツバーグ響のキャピトルレコーディングズCD20枚組。

この中には既にオリジナルLPで所有しているものも多数だが、この中の「巨人」の演奏がお目当て。

この録音年1953年というのが、「巨人」の使用譜でいろいろな版が混在している微妙な時期なのだ。

469 このセットでは、他に50年代前半のミルシュタイン全盛期のコンチェルトの演奏も聴くことができる。

DVDではペルルミュテール、ルフェブール、カサドシュらのラヴェルと縁の深い往年のフランスのピアニスト3人の映像を集めた「フレンチ・ピアノ・スクール」。

ここではペルルミュテールの「左手のための協奏曲」「トッカータ」のラヴェル直伝の演奏を映像で見ることができる。ラヴェルが「この伝統を伝えてください」と絶賛したルフェブールの映像は珍しい。ここではベートーヴェンを弾いている。そしてカサドシュはフォーレ。


900 おまけとして、同世代のポリーニを凌ぐといわれながら30代の若さで交通事故死したイタリアのピアニスト、ディノ・チアーニが弾くショパンのノクターンが聴けるのが嬉しい。

DVDではボストン響の60年代の映像ライヴラリーから、ラインスドルフの「巨人」。

ラインスドルフは比較的早い時期からマーラーをレコーディングしていて、「巨人」には2種のスタジオ録音があるが、ここでは実際の映像で聴ける。

同じくミュンシュ、ラインスドルフ、スタインバーグという小澤征爾の前の3代のボストン響音楽監督の映像記録を収めたDVD5枚組。
 
これは分売されている単品2枚分の価格で5枚が買えるというのがミソ。

内容は、ミュンシュがドビュッシーの「海」と「イベリア」、そしてラヴェルの「マメールロア」。
957 ラインスドルフがチャイコフスキーの交響曲第5番ほかと、ワーグナーの「パルシファル」、シューベルトの交響曲第8番「グレート」、シューマンの交響曲第4番の2枚。

スタインバーグではベートーヴェンの交響曲第7,8番とブルックナーの交響曲第8番の2枚。

中でもブルックナーはスタインバーグ独自のカットのあるスタインバーグ版でボストン響の自主制作CDにも収録されていた。

この時期思わぬ散財。

Youtubeはラインスドルフ指揮の「巨人」

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2014年5月28日 (水)

「エグモント」の付随音楽

晴れ、午後から暑くなって夏の気分。今日は朝一番で外部委員の監査。

本部へ出勤したところ玄関脇で煙草を吸っている監査の代表委員に遭遇。
実は彼は高校の同級なのだ。
 
しばらく立ち話の後一緒に会場に入る。

仕事となれば昨日の友は今日の敵、というわけでもなかろうが優秀な彼ならではの鋭い指摘が雨あられ。
他のセクションの長と疲れた体そのままに、午後は来月再度おこなわれるさらなる監査の勉強会。今日はその前哨戦なのだ。


今日はカラヤン指揮ベルリンフィルのべートーヴェンから、付随音楽「エグモント」を聴いていた。

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ソプラノのクンドラヤノヴィッツの歌に、ナレーターのエーリッヒ・シェロワ、 グラモフォンから出ていた国内盤LP.

序曲のみ有名なゲーテの戯曲「英雄エグモント」の音楽として、ベートーヴェンは序曲を含めて10曲の管弦楽曲と独唱曲を書いている。
序曲以外は比較的軽いものであくまでも劇伴としての添え物といった趣。
終曲は序曲の終盤がそのまま使われている。

演奏はさすがに自家薬籠中のカラヤンのベートーヴェン。 つまらぬ曲も面白く聞かせてくれる。

このLPの収録時間は、両面合わせて30分ちょいでお買い得感からは程遠いLPだった. CDでは「ウエリントンの勝利」とカップリングされている。

Youtubeはホルンアンサンブル版「エグモント」序曲

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2014年5月27日 (火)

ガブリエル・マッソン金管アンサンブル

昨夜からの雨は朝には上がる。
昨日午後に組織内の大きな会議があり、そこでの課題の対応で今日は一日を費やす。

音楽部屋の電球が切れて交換。ついでに20年あまり放置していたランプのホヤを洗ったら見違えるほどきれいになった。
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こんな些細なことでも良い気分。

今日は往年のパリオペラ座管の名手を揃えたガブリエル・マッソン金管アンサンブルの演奏で中世ルネサンス期の作曲家の作品を聴く。
仏クラブ・ドゥ・フランスのLP.

曲はメルヒオール・フランクやガブリエリ、アディソン、フレスコバルディらの作品のアレンジもの。

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50年代のパリオペラ座管は、トロンボーン首席ガブリエル・マッソン、次席マルセル・ガリエグ(後のパリ音楽院管のソロ奏者)、ホルン首席がルシアン・テーヴェ(パリ音楽院管首席兼務)、トランペットがデルモットとティボー(二人ともソリストとして名を馳せる)という綺羅星の如き名人を揃えていた。

木管でもクラリネットがエティエンヌ、ファゴットのアラールというすさまじさ。

キラキラ拡散するような明るい独特の音色、音楽が躍動して生き生きとしている豪快にして華麗なブラスの世界を堪能。

Youtubeはスザートの舞曲集

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2014年5月26日 (月)

本日の練習、マーラー通し練習

5月最後の週は夜から雨。

午前中職場の近くでかなり大きな火事があり、窓から大きな黒煙が湧き上がるのが見えていた。風も強く大事に至らねば良いのだが。

昨日は午後からオケの集中練習。

出番の「巨人」は4時開始だがロビーコンサートの練習が1時からなので早めの昼食を摂り市民文化センターへ向かう。

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ちょっと早めに到着。メンバー全員が揃うまで打楽器の運搬や大ホールの会場設営を手伝う。

気が付くと、汗をかきながら作業を手伝っているのは古くからの50代のメンバーばかり。若手の団員はどこにいる?時間ぎりぎりに来るのだろうか?

アンサンブルは結局全員揃わなかったので、実際の会場の響きを確認する程度のはなはだ中途半端な練習となってしまった。
次の「未完成」は降り番なので一旦家に帰ることにした。

そして4時からは「巨人」。

10298687_572339622885429_6058568504 今回初めて最初から最後まで通してみると、演奏時間は50分ちょっと。
通してみると危うい箇所が出るわ出るわ次々と浮き彫りにされていく。

横島先生の指示は、音色や楽器のバランスまでかなり踏み込んだもの。
とにかく大勢集まっているので合わせるのは大変だ。

とはいえ大編成のマーラーは合わせていて実に楽しい。本番が楽しみだ。


今回の「巨人」の練習は、仕事で出演できなくなった娘の楽器で吹いてみることにした。

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娘の楽器はアレキサンダーで、自分の使うヤマハとは値段で倍ほどの差。
本番1週間前で楽器を変えるのもどうかとは思ったが、なかなかスリリングで楽しかった。
Youtubeは室内楽版「巨人」

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2014年5月24日 (土)

ヴォーン・ウイリアムスの弦楽四重奏曲の思い出

週末休みの今日も良く晴れた過ごしやすい一日だった。

朝、静岡市立美術館に行く母を駅まで送った帰りに図書館に寄り借りていた本を返却。
なじみの職員が沼響のチケットを買ってくれた。 ありがたいことです。

昨晩は沼津市民文化センター主催の「クラシックレコードコンサート」があり、沼響の定演のメイン曲「巨人」を中心に解説。

S20140523_182316 便乗して沼響の宣伝もしたところ、多くの人たちがチケットを買っていて「楽しみにしてます」と言ってくれた。


はたして当日はのお客さんの入りは如何?



今日はヴォーン・ウイリアムスの弦楽四重奏曲第2番「ジーンの誕生日のために」。
演奏はフィーデル弦楽四重奏団によるフォンテックのLP.1979年の録音

この曲の世界初録音だという。カップリングはラヴェルの弦楽四重奏曲。

フィーデル弦楽四重奏団は東京都響のメンバーによって1964年に結成されている。

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このLPを初めて見たのは自分が大学の卒業間近の頃。小さな楽器店の店先だった。

その店が扱っていたほんの僅かな数のレコードたちの中にあって、この白ジャケットのLPはひときわ目立っていた。


ヴォーン・ウイリアムスの曲がなんとなく良さげだし、カップリングも良いということで欲しかったのだが、2500円という値段に躊躇して結局購入せず、そしてそのままこのLPの記憶は消えていた。


それが最近ひょんな拍子でヤフオクに出ているのを見つけた。

価格は300円。

古い友に突然再会したような懐かしい気持ちと、未知の作品の好奇心で迷わず入札。

ヴォーン・ウイリアムスの弦楽四重奏曲第2番は、ヴォーン・ウイリアムス最後の室内楽作品。

「ジーン」とは友人であり、本作の初演を行った弦楽四重奏団のヴィオラ奏者の名。
ヴィオラ奏者の友人のために書かれただけにヴィオラが全編で活躍する。

20分ほどの短い曲ながら民謡風のほのぼのとした、期待通りのヴォーン・ウイリアムスの世界が広がる。
終楽章も静かな曲で、控えめに終わるのがかえって印象深い。


演奏はラヴェルでは線の細さとアンサンブルの危うさが気になったが、ヴォーン・ウイリアムスでは鄙びた歌い回しと音色が良い雰囲気だ。

沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ワルター指揮コロンビア響の演奏の感想をアップしました。
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Youtubeはヴォーン・ウイリアムスの「ひばりは揚がる」

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2014年5月22日 (木)

本日の練習、あと10日

本日快晴、昨日娘は出勤時に事故渋滞に巻き込まれ、職場到着までに1時間半かかったとのこと。
社会人一年生の娘は我が家で最も長距離通勤者になってしまった。

本日オケの練習日。30回定演本番まで残すことあと10日となった。

30thcon_small プログラムもできて10年前の第20回定演に思いを寄せる。

あの時自分は定演担当の一人だった。
それなのに大型台風がピンポイントで直撃となってしまい、開催自体が危ぶまれたほどの大変な演奏会になってしまった。

練習の前に文化センターの事務室に寄って、明日の夜に実施する文化センター主催のクラシックレコードコンサートの打ち合わせ。

明日はここの視聴覚室で解説をやらねばならない。

今回は勤務地が会場から遠くなって初めての回なので、明日の会場到着はおそらく開演時間ぎりぎり。

そこで前日の今日、オケの練習開始時間までにオーディオ装置のチェックをしておくことにした。
文化センターの職員さん曰く「今回は申込みの出足が早かった」とのこと。

仕事とは離れた趣味の領域とはいえ、遠方から来るお客さんもあり楽しみにしている常連さんもいるので気は抜けない。

今日の練習は「巨人」の1,3楽章。

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場所は沼津市民文化センター大ホールで横島先生の指揮。

10338814_645417572205303_3197079839 最初に第1楽章の舞台裏のトランペットのバランスをチェック。

なかなかいい感じだ。

本番も近くなり、ようやくマーラーらしくなってきて曲の美しさが出てきた。
自然と練習も楽しくなり、オケ全体に30周年らしき高揚感が出てきたようだ。

横島先生の指示もより細かなものになってきた。

この先生の言いつけを本番まで忘れてないで欲しい。
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Youtubeはエッシェンバッハ指揮の「巨人」

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2014年5月21日 (水)

5月のボエームの会は

夜から雨、出勤時には風雨強し。


640x640_rect_8103763 昨日は定例の5月のボエームの会、場所は三島孤池近くの小料理「はちまき」。

今回フルメンバーの予定が、和美ミミちゃんが体調を崩し痛恨の欠席。



「はちまき」の料理はいつも旬を先取りするもの。

Sdsc00707_2 今回は近づく夏にふさわしく鮎の塩焼きで料理は始まる。

お酒はオバマ大統領が来日時に安倍総理と酌み交わした広島の賀茂鶴酒造から「賀茂鶴(純米吟醸)」から始まり、一見濁り酒風地元静岡の君盃酒造の「安倍の雫 季節限定酒 もみじ」が続く。


Sdsc00703北陸の銘酒「立山(特別本醸造)」.

そして4本めの「越の初梅(辛口本醸造)」まできたところで一同力尽き、
(若干一名最年少の酒豪女性バスクラ吹きを除く)

今宵はもう限界。

あとの2本は次回に回すことになりました。


Sdsc00711 Sdsc00714 料理は、ほっくり揚げたサバフグのから揚げに続き、牛のホルモンは油がくどくないところがプロの味。


ぷっくり肥えた愛知産アサリも絶妙の塩加減。 
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そして〆ははちまき特製のカレー焼きそば。
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このコクの深い辛さは一度食べたら忘れられない絶品の味。


最初に出た鮎は夏の季語。





鮎くれてよらで過行夜半の門    蕪村

(夏の夜ふけ、釣り帰りの友人が門口に立ち寄った。鮎をみやげに置いてそのまま立ち去った。 飄然と来て飄然と去った友のあとには、川の香も新鮮な鮎だけが残っている)

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2014年5月19日 (月)

アンナ・レルケスのハープ

比較的順調だった先週から一転、今週は朝から強烈なトラブル三連発。
月曜から消耗して帰宅。
これから来月半ばまで息の抜けない毎日が続く。

今日は、女流ハープ奏者アンナ・レルケスの演奏を聴いていた。

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自分の購入記録では1991年12月5日、980円で購入。

この頃のCDは高価で、レギュラー盤は3000円代が普通。DENONから出ていた廉価盤CDも2800円。
そんな中で駅売りやデパートのワゴンセールでは、無名の演奏家や著名演奏家の板起こしの海賊盤CDが千円前後で売られていた。

このCDもそんな一枚で、演奏者の名は初めて聴く名前、ただ廉かったのとヘンデルの「パッサカリア」と「涙流れるままに」が入っていたので食指が動いたもの。

他にシュポアの「ファンタジア」やデユセックの「ソナタ」、グリンカの「魔笛の主題による変奏曲」、デユランの「ヴァルス」とかのハープのためのオリジナル曲。

そしてドビュッシーの「アラベスク第1番」「月の光」などが入っている。

090204719778 演奏はきっちり楷書風の生真面目な演奏だが音色は美しい。

このレルケス、今になって調べてみたら1997年にウィーンフィル初の女性団員になっている。

これは未だ無名時代の録音だったのだ。


Youtubeはバーブラ・ストライザンドの歌うヘンデル「涙流れるままに」

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2014年5月17日 (土)

ゴットシャルクの怪作、大砲入り行進曲

週末休み、今日も良い天気。
午前中は図書館でNAXOSのパスワードの更新の後、市民文化センターに行き週末のディスクコンサートの打ち合わせ。

今回担当者が変わり音楽にはあまり詳しくなさそうな方で、細かく説明しておいた。

午後は娘の車が増えたので、庭の一角を駐車スペースにするためにコンクリを流したりしていた。始まりが遅かったので作業が終わったのは夕方近く。


Sdsc00643 かたわらには散歩をせがむ愛犬ポコの顔。

今日は南北戦争期のアメリカの作曲家、ゴッツシャルク(ゴッツチョーク)の管弦楽曲集を聴いた。

米ターナバウトから出ていたLPで、曲は交響曲1番「熱帯の夜」、交響曲2番「モンテビデオ」、荘厳行進曲、凱旋行進曲とオペラの終曲、キューバの田園風景。

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演奏はイゴール・ブケトフ指揮のウィーンフォルクスオパー管とサミュエル・アドラー指揮のベルリン響その他数人の歌手とバンドというもの。
VOXからCDでも出てる。

ゴットシャルクは天才ピアニストとして名を派せ、16歳でヨーロッパに渡った時はショパンやベルリオーズから絶賛されたという。

アメリカで女性スキャンダルを起こして南米に逃げた後は、南米を題材にした数多くのピアノ曲やオーケストラ曲を作曲しているが、大部分が出版されてなかったために、盲腸で急死したのちは、その多くの作品は散逸してしまった。

作品はB級の匂いぷんぷんの、曲名の如く名は体を表すの典型。

ただ甘くトロピカルなメロディーと底抜けに明るいリズムは、現代の中南米音楽にも通じる楽しさがあって、ブラームスと同世代とはとても思えぬほど。

2曲の交響曲はとても交響曲の形を成してなく、ただ甘い旋律が続くのみだが、第2番ではウルグアイ国歌や、アメリカ独立戦争歌「ヤンキードゥードゥルドゥー」がそのままの形で出てきて楽しい。

荘厳行進曲など最後に実際の大砲の音まで出てくるが、これはチャイコフスキーの荘厳序曲「1812年」を先取りするものだ。

この曲の補作者の名にイーストマン・ウィンドアンサンブルを率いていた、ドナルド・ハンスバーガーの名が見えるのが面白い。

演奏はかなりオソマツで、スタジオ録音ながら音を外しているのがわかるほど。

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沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、「ワルターの使用楽譜についてをアップしました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 


Youtubeはゴットシャルクの交響曲1番「熱帯の夜」

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2014年5月16日 (金)

PCオーディオのことなど

朝から爽やかな青空が広がる。 昨日までは、多少の湿気と青葉の匂いを含んだ重い風だったのが今日の風は軽い。午後から気温は急上昇。

毎週木曜はオケの練習日だが昨晩は降り番の「未完成」の集中練習日なのでオフ。
帰宅後に職場の先輩にしてオーディオマニアのKさんの家に遊びに行っていた。


Kさんは月に数回は東京のコンサートに足を運ぶコンサートゴアーにして、自分で真空管アンプを製作するオーディオマニア。
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定年前に退職し地域の役員をしながら悠々自適のうらやましい生活の日々。

今回はマゼールが指揮するPMF東京公演のチケットをお願いしていた。

この5月のボストン響来日公演で同行するはずのマゼールは、直前にアクシデントとかで突然の来日中止となってしまった。代役はデユトワ。 今年84歳になるマゼールだけに、今のうちに是非聴いておきたい。

常に好奇心旺盛なKさんの所に行くと、ビンテージオーディオから最新のネットワークオーディオまでの深い知識と最近の若手演奏家の動向などに、いつも大いに刺激を受ける。
音楽に限らない幅広い人脈から得た情報もすごいものだ。

S_20131217_185710 昨日はいつも通される20畳ほどのオーディオ部屋ではなく、8畳ほどの書斎に通された。
部屋はグランドピアノが鎮座しているのでさほど広くは感じない。
むしろ雑然とした普通の部屋。


オーディオといえば自作の小型スピーカーに小さなプリメインアンプ。 そしてベータのビデオデッキにDAT.

はて????

いつもと勝手が違うので戸惑っていると、突然部屋の中に鳴り響いたのは、ブラームスのヴァイオリンソナタ。ネットで公開されているNMLからの音だ。

その音の生々しさに仰天。

Kさんは今PCオーディオにはまっているらしい。 Kさんのデジタルオーディオ歴は長く、いち早くPCMプロセッサーを導入しベータのビデオデッキを駆使して大量のエアチェックをおこなっていた。 これからはその時の録音テープを厳選してハードディスクにダビングするつもりだという。

いろいろ聞かされたのは、DATに録音したエアチェックテープの数々と、NMLのライヴラリーから最近の演奏などなど。

システムは、数千円のUSB-DACにアンプは岐阜のメーカー「MUSICA」のさほど高価でない小型プリメインアンプ。
ただしDATデッキはDENONの高級機。 パソコンは部品を厳選したKさん自作のデスクトップ型というもの。

NMLは沼津市立図書館が提供しているので、図書館に行って2週間のパスワードをもらってくればタダで聴きたい放題。


「日常音楽を楽しむにはこれで十分だ」にこやかな表情で語るKさん。

ハイエンドオーディオのシステムを所有しているだけに非常に説得力があった。

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自分のPCオーディオ環境は、雑誌の「STEREO」誌の付録についていたUSB-DACをリビングのAVアンプにつなげている程度だが、確かにピアノの音など良い音で鳴っている。

いつまでもアナログに固執している時代ではないのだろうか。
若手演奏家の情報もいろいろと教えていただき帰宅は11時近く。

まだまだ修行が足りない自分を痛感、いろいろと考えさせられた一夜。

Youtubeはその時話題になったアリス=紗羅=オットーのグリーグ。

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2014年5月14日 (水)

バレンボイムのモーツァルト

日中の気温差が大きく、朝と夜には鼻水とクシャミ連発。

今週は比較的余裕があるので、来週以降に控えた外部委員による監査の準備に専念。
山あり谷あり小さなアクシデント、トラブルは絶えないものの今日も平凡な日常を過ごせることに感謝。

通勤の車中でバレンボイム指揮するモーツァルトを聴いていた。

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イギリス室内管を振った交響曲第40番と41番の2曲で東芝から出ていた国内盤のCD。

1967年から68年にかけての、20代のバレンボイムがピアニストから指揮者へ比重を移し始めた時期の録音。

同時期に同じオケを振って29番以降の主要な交響曲と、ピアノ協奏曲全曲の弾き振りの録音を残している。

60年代から70年代にかけてのモーツァルトの交響曲録音といえば、ベームやクレンペラーその他巨匠の生き残り世代の大編成オケによる録音が君臨していた時代。

リアルタイムにその時期の音楽を聴いていた自分としては、この録音は小編成のオケ、しかもピアニストが振っているということで興味の対象から外れていた。

このCDは、数年前にブックオフ250円均一コーナーの半額セールで購入したもの。

各楽器のバランスも良く、小編成のオケを自在にドライヴしながら古典的なフォルムの確かさを前提にしながら、時としてかなり個性的な解釈を聴かせるのが面白い。

ゴキゲンに飛ばしていくジュピターのフィナーレでは、中間部で響きがどしんと厚く重くなり、突然音楽の流れが変わるのには驚いた。

特に軽快にして爽やかなアレグロ楽章に対比する、重くならずにロマンティックに歌う緩徐楽章が良い。

木管楽器の扱いも見事なものだ。

バレンボイムのモーツァルトでは、その後ベルリンフィルやウィーンフィルを振ったライヴをFMで聴いたことがあるが、このイギリス室内管との録音の方が良いと思う。

Youtubeはバレンボイム指揮ベルリンフィルの「ティル」ホルンソロはバボラーク

 

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2014年5月12日 (月)

ボーンマスシンフォニエッタのイギリス弦楽作品集

連休気分の残滓も昨日で終わり今日から新たな週。

連休中に大正から昭和初期にかけてのマッチ箱のラベルコレクションが出てきた。
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三冊のアルバムに美しく整理されたその数およそ三千枚。

明治半ばに創業した飲食店を経営していた親戚が、その当時集めていたものらしい。
ほぼ日本全国を網羅し台湾、朝鮮、満州国エトセトラ。 沼津のものも多い。

Sdsc00595 資生堂や三越のような今でも残る老舗もあるものの、大部分は90年近い歳月の中で消えてしまったお店。
この中には戦災で失われた店も多いはずだ。

気合いの入った一点一点の美しいデザインに大正デモクラシーの風情が漂う。
初期のミッキーマウスをあしらったものなど、著作権という感覚のなかった時代を感じさせて面白い。

いろいろ調べていくうちに、マッチラベルコレクションというコレクションの一ジャンルがあることを知り、金曜に図書館に寄ったついでにその種の本も借りてきた。
この本を開くと手持ちと同じものもあるが、地元沼津のものは見当たらない。

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この点でも、大正末期から昭和の初めにかけての沼津の風俗を探る点で実に貴重なものだ。


今日は、ジョージ・ハースト指揮ボーンマスシンフォニエッタによるイギリス弦楽作品集。
英シャンドスのLPで、エルガーの「弦楽セレナーデ」、ホルストの「セントポール組曲」、ウォーロックの「カプリオル組曲」などの、このジャンルでは比較的著名な作品にアイアランドの「牧歌的コンチェルティーノ」を集めたもの。

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すっきりスリムにして爽やかなストリングスの響き、作品への共感が躍動感に満ちた演奏に表れていて心地良い。

「牧歌的コンチェルティーノ」の第2楽章や、エルガーのラルゲットもしみじみと暖かな演奏だ。

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2014年5月11日 (日)

下地啓二の「ファンタジー・パストラール」

青い空に爽やかな空気。今日も穏やかな日曜。

東京に行く娘を駅に送りながら、千本海岸に寄ってみると、日本で最も深い湾、駿河湾は穏やかだった。
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地引網の後バーベキューを楽しむ人たち。海に遊ぶ家族連れ、釣り人そして美しい富士山。

今日は完全休息日。

オーディオ系の配線を見直したり、聴きそうもない音盤を音楽部屋から他の部屋へ移したり趣味に没頭した幸福な一日。

さらに近所のスーパーで電子マネーのカードを購入したところ、そこで一等のクジを引き当てるといったおまけつき。商品券3千円をいただいたのであった。

母の日ということで、娘が東京で京の老舗和菓子店「鶴屋吉信」の母の日バーションの和菓子を買ってきた。
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創業以来200年の繊細にして上品な味。


いろいろLPやCDをより分けながら聴いていたのは、サキソフォン奏者下地啓二の「ファンタジーパストラール」というアルバム。

曲はアルバムの表題となったボザのファンタジーパストラール 作品37、 シチリアーノ 作品78(シチリアーノ)、メンデルスゾーンの春の歌、シューマン:3つのロマンス 作品94、テレマン:ファンタジー、サン=サーンス:ソナタ 作品166、ドビュッシー:小さな羊飼い、ドヴォルザーク:ユモレスク 作品101-7

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ピアノは下地淳子というもの。全てソプラノサックスで演奏している。

穏やかで温かく美しい音色、5月の良く晴れた休日の朝にぴったりの曲と演奏だ。

録音も非常に良い。
Youtubeは東京サクソフォンサンブルのスカルラッティ

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2014年5月10日 (土)

キース・ジャレットのヘンデル

週末休み。2月に美しい花を咲かせた庭の白梅が今は実をつけている。

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Sdsc00126_2 朝晩と日中の気温差が大きく早朝からくしゃみと鼻水。


これは寒暖差アレルギーかもしれない。

午前中は車の運転の修行中の娘につきあい郵便局本局に行ったり、母を病院につれていったりしていた。


合間にケーブルテレビの技術者が来て、録画のできるコンボックスに取り換えていった。


アナログ時代から、東京局も視聴可能で画質も安定していたケーブルテレビに加入しているが、デジタル時代となってメリットは感じなくなった。
年間の視聴料を考えると、パラボラを設置する方が安いのでそろそろ切り替え時か。

GWから引き続き音盤、書籍の整理をしている。
サラリーマン生活も先が見え、そろそろ聴くもの読むものを厳選して生活をスリム化する時期だろう。

今日はキース・ジャレットの弾くヘンデルを聴いていた。

ECMから出ていたCDで、ヘンデルのクラーヴィア組曲から数曲。
平均律やゴールドベルク変奏曲の録音もあるがヘンデルは珍しい。

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キースのクラシックには、20年ほど前にチック・コレアと共演したモーツァルトの2台のためのピアノ協奏曲がテレビで放送されていた。


ジャズピアニストとして著名な二人だが、なんとなくクラシック音楽にも合いそうなタイプだったので実現したのだろうが、聴いていて違和感のみが残ったのが印象に残っている。

このCDを購入したのはかなり前だが、初めて聴いたときは音は美しいがそれが表面的なものに感じられ、やはりつまらなかった。
今日聴いて印象が変わらなければ手放すつもりだった。

ところが意外と良いのである。

今日の様な良い天気の休日にふさわしく爽やかで重くない。
音楽は揺れているが、それでいて純粋なひとつひとつの音が部屋の中に流れていく。

ここ数年で自分の感性と好みが変わったのかな・・・・。

Youtubeはキースの弾くヘンデルからヘ長調の組曲

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2014年5月 9日 (金)

朗読  高野聖

連休交じりの変則的な週は密度が濃く、実働3日にして一週間フル稼働の感覚。
仕事を終え帰りに図書館に寄り旧知の図書館長さんと話し込み帰宅は8時近く。

通勤の車中で聴いている「朗読近代日本文学大系」CDから泉鏡花の「高野聖」。
朗読は佐藤慶。

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この名作に接するのは初めてだが、幻想的な語り口と描写のリアルさに惹きつけられた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

旅の老僧が汽車の中で知り合った若者と同宿し、寝付けない若者に布団の中から語りかける若き日の不思議な体験談。

飛騨から信州へ抜ける荒れた山道に次々に現れる蛇。道を塞ぐかのように横たわっている蛇の前に観念して念仏を唱えると。ゴウという風とともに叢に消えていく蛇。
道は風の向こうに見えた深い森に続く。
その中に分け入ると昼なお暗い木立の頭上から次々から振ってくる大量の山蛭。

4041010020092 蛇と山蛭の描写がぞっとするほどのリアルさだ。
日が暮れて途方に暮れて若き僧侶が見つけた一軒家はとんでもない家だった。

その一軒家に住む妖艶な女性と白痴の主人。
ほとんど会話も成り立たないような主人が突然歌いだす木曽節の見事な歌に、若い僧は感動してポロポロ涙を流す。

その場面で朗読に被り正調の木曽節が流れてくるところなど実に効果的。

耽美的でミステリアスな泉鏡花の世界を見事に描き出した朗読だ。

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2014年5月 8日 (木)

本日の練習、あと一か月

連休も明け、なんとなく月曜のような気分の昨日水曜日は、幹部連が集合する大きな会議。

今回は自分が担当する分野が主な議題となり、連休気分は朝から遠くへ飛んでいき気分はどんより曇り気味。

内容は前年度末の会議で差し戻しになり、継続審議となった定年前に退職した前任者から引き継いだ案件。
就任後一か月が経ったとはいえ全貌は未だ見えず不安材料を抱えながら臨んだ会議.
論点を一点に絞ったのが功を奏し、鋭い追及のいくつかはなんとか躱すことができた。

山場を越えて多少軽い気分になって迎えた本日午前午後は、関連分野の長を集め会議の結果を踏まえて今後の方針を確認。

夜はオケの練習。

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場所は文化センター小ホールで横島先生の指揮。 曲はマーラーの第2、第4楽章。

勤務地が練習会場から遠くなったので、今日の練習はやむなく遅刻。
会場に入ると第2楽章がステージの袖から聞こえてきた。

やっとマーラーの響きらしくなってきたようだ。

S10296567_563350540451004_252838621 本番までいよいよ一か月を切った。
横島先生の指導は、基本的な合奏合わせから解釈の深みへ一歩踏み出した趣。

youtubeはアバド指揮ルツェルン祝祭管

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2014年5月 6日 (火)

本日の練習、ロビーコンサートのために

GW最終日。

昨晩雨が降り今日は曇りがち。吹く風は多少冷たさを感じさせるもの。
遠出をすることもなく過ごした4日間だったが、いろいろなことが出来てそれなりに休んだ手応え有り。

昨日は雨だったので書庫の棚を増設し、今日は畑のトマトやその他の苗を植え、弟も加わり庭木や庭石の移動をおこなった。
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作業をしていると植木屋を営む隣のおじさんが来て、雑談交じりにいろいろとアドバイス。 連休で仕事がヒマなのだろう。

昨晩の雨で土が柔らかく作業は捗った。

午後は沼響定演の開演前に演奏するロビーコンサートの練習のため、隣町長泉町のコミュニティ長泉へ。

集合は15時半。久しぶりだったので道を間違えさらに譜面台を忘れるというドジな自分。

ウォーミングアップもそこそこに早速の合奏は、モーツァルトのセレナーデK.388.
木管八重奏曲による有名曲だ。
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合奏は合宿の夜以来だが、ホルンの譜面はさほど難しくないので曲の形はすでにできあがっている。

とはいえやはりモーツァルト。 最初のトリルからして何度やっても合わない。

基本的な音程や入りのタイミングの合わせ方から、フォルテとピアノの対比とクレシェンドをする際の各楽器のバランスなど、いろいろ詰めているうちに一同考え込む場面が多くなってきた。

知的でスリリングな2時間弱がたちまち過ぎていく。

連休最終日にふさわしい充実した一日。

YoutubeはモーツァルトのK.388

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2014年5月 5日 (月)

シュワルツコップとフルトヴェングラーのヴォルフ

GW後半三日目。休日になるとなぜかいつも眼ざめが早く、今日も5時頃に目が覚めた。

布団から出ようとしたところで突然下からずしりとした衝撃。

「あっ地震・・・」 さほど強くはないが長く揺れている。

テレビを点けてみると、千代田区で震度5だという。 横浜にいる下の娘に電話してみると、休日はいつも昼ごろまで寝てるぐーたら娘がすぐに出た。
娘のいる10階はかなり揺れ、さすがに目が覚めたらしい。
受話器の向こうでは大きな欠伸。またそのまま寝るのだろう。

目が冴えてしまったので、愛犬ポコの散歩に行ったり、畑にトウモロコシの種を撒いたりしていた。

しだいに雲行きは怪しくなり、午後から雨。

家内は実家の母と兄と姪と一緒に芝桜を観に行った。
自分と上の娘は雨模様でもありやめておく。

雨もしだいに本降りとなり、午後は音楽部屋でシュヴァルツコップの歌うヴォルフ歌曲集を聴いていた。

1953年ザルツブルク音楽祭でのヴォルフ没後50年を記念したライヴで、チェトラから出ていたLP2枚組。
シュヴァルツコップのヴォルフ歌曲は名伴奏者ムーアとの名盤があるが、この演奏は大指揮者フルトヴェングラーがピアノ伴奏をつけている。

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前年のトリノでの「第九」公演の際、シュヴァルツコップがヴォルフの歌曲のリサイタルをおこなうことを知ったフルトヴェングラーが自ら志願して、伴奏をすることになったというリサイタルのライヴ。

この演奏会当日、カラスとサーバタの「トスカ」収録立ち合いのために聴くことができなかったシュヴァルツコップの夫であり、EMIのプロデユーサーであったワルター・レッゲのために録音されたものだという。
後にレッゲ自身がフルトヴェングラーの没後の1968年に、フルトヴェングラー夫人の許可を得て13曲をセレクトしてEMIから一般発売している。


このチェトラ盤はこのリサイタルの全貌を初めて世に問うたアルバム。

ヴォルフの歌曲は、詩と曲の関連の意味合いがあまりに深くて、自分としては苦手な部類の曲だが、この演奏の凄さはよくわかる。

演奏の最初の曲あたりは、シュヴァルツコップとしてはベストコンディションではないものの、フルトヴェングラーのうねるような雄弁なピアノに惹きつけられ、演奏が進むにつれて音楽が次第に熟成していく。

聴衆の反応もしだいに熱いものに変わっていくというスリリングな体験を実感できるアルバムだ。

フルトヴェングラーの弾くピアノとしては、1950年ザルツブルク音楽祭でのブランデンブルク協奏曲第5番のライヴがあり、第一楽章のカデンツアなど、一度聴いたら忘れられないほどロマンティックで深い音楽を展開していた。

このヴォルフのピアノ伴奏も、自由なファンタジーが飛翔していくまさにフルトヴェングラーの音楽が鳴っている。
Youtubeは1957年ザルツブルクでのシュワルツコップ

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2014年5月 4日 (日)

ストコフスキーの夜想曲

連休二日目。

S20140504_095603 娘の勤め先が見たいと突然母が言い出し、娘の運転で勤務先のある御殿場へ。

ちょっと遠回りをして伊豆縦貫道経由で御殿場へ向かう。
伊豆へ向かう反対車線は混んでいたが上りは空いている。


御殿場に着いた後は近くの裾野市運動公園のベンチへ行き、コンビニで買ったサンドイッチを3人で食べたりしていた。
テニスに興じる若者たちにランニング中の家族連れ。
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連休の平和な風景だ。 爽やかな5月の風が心地よい。

帰りはスポーツデポで娘の買い物のお付き合い。

今日はストコフスキーのドビュッシー、ラヴェルを聴く。

70年代の国内東芝セラフィムの廉価盤LPで、ラヴェルの「スペイン狂詩曲」「道化師の朝の歌」にドビュッシーの「夜想曲」というもの。
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オケは「道化師の朝の歌」はフランス国立放送管の1958年録音。
あとの2曲は1960年ロンドン響との録音。オリジナルは米CAPITOL。
 
ストコフスキーのオケを鳴らす手腕はお手の物。さほど手を加えずにスコアに官能的にして色彩豊かな演奏で聴き応えのあるもの。

録音は良好だがマスターテープの保存状態が十分でなく、「夜想曲」の祭りでは途中モノラルになってしまう部分がある。


Youtubeはドビュッシーの「夜想曲」、サヴァリッシュの指揮

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2014年5月 3日 (土)

本日の練習、巨人、ハープ入り

 GW後半の初日は良く晴れた。山の桜が実をつけている。

Sdsc00564_2 この4月から京都の大学に入った甥が帰省してきたので、母と弟夫婦も交えて家内と娘と近くの「ひょうたん寿司」で昼食。

甥は完全体育会系。

入試の時に会場まで母親が入ってきて息子の横で鉛筆を削っていたのを目撃して周りの学生がのけぞった話や、入学後のユニークな同級生の話などで大いに盛り上がる。

午後は夜までオケの練習。場所は市民文化センター小ホール。
指揮は横島先生。

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今日は出席者も多く、しかもハープが入ってきたので、ようやくマーラーらしくなってきた。

Sdsc00566 やっと形が見えてきた程度だが、第三楽章や第四楽章の中間部などハープが入ってようやく曲の美しさが実感できるほど。

休憩の合間に外に出てみるとホールの水路にひとつがいの鴨が泳いでいた。

この連休は6日にロビーコンサートの練習もありオケの練習中心となりそうだ。

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あとは畑作業と飽和状態になっているCDとLPの整理でもして過ごそうか。

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2014年5月 2日 (金)

朗読 日本文学大系

5月に入りクールビズ。爽やかな風に良い天気、明日からの4連休を控えて職場内はなんとなくウキウキした気分が漂っていた。

ところが昼前に突然冷水を浴びせかけられるようなトラブル発生。好事魔多し。

 昨日は前の部門の歓送迎会だった。

場所は現所属の歓迎会と同じホテルの宴会場で4月以来この会場の宴会は3回目。

いろいろ参加者の日程の調整しているうちに5月になってしまったとのこと。幹事さんご苦労さまです。

 仕事が長引き、会場到着は宴会開始予定時刻の数分後。

事前に遅れる可能性を幹事に伝えておいたのだが、自分の到着まで待っていてくれた。

申し訳なさと気恥ずかしい気持ちで、一同の視線を感じながら空いているテーブルに着く。お決まりの挨拶の後は今まで一緒に仕事をしてきた勝手知ったる仲間達。

すぐに席次はバラケ無礼講。二次会は出ずにそのまま健全に帰宅。

 このところ通勤の行き帰りに平凡社の「朗読日本文学大系 近代文学編」を聞いている。

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全10巻CD50枚組。1巻あたり4枚の朗読CDにプラス紅野敏郎氏の解説CD1枚付き。

 昨年ブックオフで未開封1巻あたり500円で購入したもの。

 第1巻「森鴎外、幸田露伴」に始まり、第10巻「太宰治」に終わる17人の30作品を仲代達也、日下武史、江守徹ら名優たちが朗読している。

全て著名な名作ばかりで既読のものもあり未読のものもあり。なじみの名作も名優の朗読で聞くとまた趣が変わってくる。

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 最初はわかりやすい芥川、井伏鱒二あたりから聞きはじめて、太宰、夏目漱石を経て今は初期の鴎外、露伴に樋口一葉といったところ。

 文言一致以前の露伴、一葉あたりは、活字を目にしないと言葉の意味が判然としない恐れもあり敬遠していた。

鴎外の馴染みの「舞姫」はさほど苦にはならなかったものの、露伴の「五重塔」は最初の部分に予想通りの苦戦。

amazon kindleから無料ダウンロードして文字を確認したりしていた。

 だが聞き進んでいくうちにしだいに苦にならなくなってきた。

 樋口一葉の「たけくらべ」も今ではほとんど使われない言葉の連続。

活字を見て初めて意味がわかる言葉が多いものの、美しい日本語と流れるような見事な朗読でさながら名曲を聴くような趣。

朗読は幸田弘子。

 

 

 

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