朗読 日本文学大系
5月に入りクールビズ。爽やかな風に良い天気、明日からの4連休を控えて職場内はなんとなくウキウキした気分が漂っていた。
ところが昼前に突然冷水を浴びせかけられるようなトラブル発生。好事魔多し。
昨日は前の部門の歓送迎会だった。
場所は現所属の歓迎会と同じホテルの宴会場で4月以来この会場の宴会は3回目。
いろいろ参加者の日程の調整しているうちに5月になってしまったとのこと。幹事さんご苦労さまです。
仕事が長引き、会場到着は宴会開始予定時刻の数分後。
事前に遅れる可能性を幹事に伝えておいたのだが、自分の到着まで待っていてくれた。
申し訳なさと気恥ずかしい気持ちで、一同の視線を感じながら空いているテーブルに着く。お決まりの挨拶の後は今まで一緒に仕事をしてきた勝手知ったる仲間達。
すぐに席次はバラケ無礼講。二次会は出ずにそのまま健全に帰宅。
このところ通勤の行き帰りに平凡社の「朗読日本文学大系 近代文学編」を聞いている。
全10巻CD50枚組。1巻あたり4枚の朗読CDにプラス紅野敏郎氏の解説CD1枚付き。
昨年ブックオフで未開封1巻あたり500円で購入したもの。
第1巻「森鴎外、幸田露伴」に始まり、第10巻「太宰治」に終わる17人の30作品を仲代達也、日下武史、江守徹ら名優たちが朗読している。
全て著名な名作ばかりで既読のものもあり未読のものもあり。なじみの名作も名優の朗読で聞くとまた趣が変わってくる。
最初はわかりやすい芥川、井伏鱒二あたりから聞きはじめて、太宰、夏目漱石を経て今は初期の鴎外、露伴に樋口一葉といったところ。
文言一致以前の露伴、一葉あたりは、活字を目にしないと言葉の意味が判然としない恐れもあり敬遠していた。
鴎外の馴染みの「舞姫」はさほど苦にはならなかったものの、露伴の「五重塔」は最初の部分に予想通りの苦戦。
amazon kindleから無料ダウンロードして文字を確認したりしていた。
だが聞き進んでいくうちにしだいに苦にならなくなってきた。
樋口一葉の「たけくらべ」も今ではほとんど使われない言葉の連続。
活字を見て初めて意味がわかる言葉が多いものの、美しい日本語と流れるような見事な朗読でさながら名曲を聴くような趣。
朗読は幸田弘子。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「こよみ姫~羊のフェルト」そしてリヒテルのバッハのことなど(2024.12.30)
- 月刊「レコード芸術」休刊に思ふ(2023.06.20)
- ラビ・マイカ ワイス著「この力続くかぎり 20世紀の梏桎からの自由の物語」そしてケンプの「ハンマークラヴィア」のことなど(2023.01.05)
- 村上春樹著「古くて素敵なクラシック・レコードたち」(2021.06.29)
- 明子のピアノ(2020.07.25)
コメント