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2014年5月 9日 (金)

朗読  高野聖

連休交じりの変則的な週は密度が濃く、実働3日にして一週間フル稼働の感覚。
仕事を終え帰りに図書館に寄り旧知の図書館長さんと話し込み帰宅は8時近く。

通勤の車中で聴いている「朗読近代日本文学大系」CDから泉鏡花の「高野聖」。
朗読は佐藤慶。

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この名作に接するのは初めてだが、幻想的な語り口と描写のリアルさに惹きつけられた。
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旅の老僧が汽車の中で知り合った若者と同宿し、寝付けない若者に布団の中から語りかける若き日の不思議な体験談。

飛騨から信州へ抜ける荒れた山道に次々に現れる蛇。道を塞ぐかのように横たわっている蛇の前に観念して念仏を唱えると。ゴウという風とともに叢に消えていく蛇。
道は風の向こうに見えた深い森に続く。
その中に分け入ると昼なお暗い木立の頭上から次々から振ってくる大量の山蛭。

4041010020092 蛇と山蛭の描写がぞっとするほどのリアルさだ。
日が暮れて途方に暮れて若き僧侶が見つけた一軒家はとんでもない家だった。

その一軒家に住む妖艶な女性と白痴の主人。
ほとんど会話も成り立たないような主人が突然歌いだす木曽節の見事な歌に、若い僧は感動してポロポロ涙を流す。

その場面で朗読に被り正調の木曽節が流れてくるところなど実に効果的。

耽美的でミステリアスな泉鏡花の世界を見事に描き出した朗読だ。

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