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2014年6月に作成された記事

2014年6月30日 (月)

バシュメットの「ホルベルク」組曲

6月も今日で終わり、今週は先週末に発生したトラブルの解決や外部委員を招いての会議など、いろいろと気が重い1週間。

本日午後に一つ重い会議。
今日は ヴィオラ奏者、ユーリ・バシュメト率いるモスクワ・ソロイスツの演奏で、チャイコフスキーの弦楽セレナーデとグリーグのホルベルク組曲。
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RCAの国内盤CD.

贅肉をそり落とした無駄のない音楽。

チャイコフスキーとグリーグという民族色の濃い曲を、あえて感傷を排しクールに演奏している。

人数は20人ほどのようで響きも透明で見通しの良いもの。

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沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、1947年コンセルトヘボウ管とのライヴの感想をアップしました。
  Youtubeはそのバシュメット指揮の弦楽セレナーデ

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2014年6月29日 (日)

LP,LDお宝ざくざく

休みの日に限って早く目が覚める。今日も5時に目が覚めた。
早めに畑の生垣の剪定をしようと外を見ると雨だった。
Sdsc00898 8時頃には雨は上がったが、なんとなく気が削がれ、葉も濡れているので来週に延期とする。

昨晩はお寺の役員会。市内の老舗料亭に18時集合ということで、15分前に行き会議室に入ると10数名のメンバーは既に全員揃い自分を待っている。

自分はこの年で未だ最年少、なんとなく気恥ずかしい思いで着席。

議事は30分ほどで済み、場所を座敷に移しそのまま夕食会。帰宅は9時過ぎながらなんとなく気疲れがして11時前に就寝。


今日は三島大社近くまで行ったついでに、老舗和菓子店「兎月園」寄ってみた。

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七夕にちなんだ和菓子、「天の川」と「星の・・・」(名前を失念、ゼリーの中に七つの星がある)を購入、美しい和菓子。

そのまま近くのハードオフに寄ってみた。
そこは数年前にウィンナワルツの千枚を超える凄いCDコレクションが放出されているのを目撃して、仰天したお店。

店内に入りCDコーナーを見てみると、外盤ウィンナワルツのCDはあらかた売れていて、定価を超える値付けがどう考えてもおかしいと思える10数点が売れ残っている。
ふと横を見るとLPコーナーが目に入った。

パラパラめくってみると、いきなりマルク・アンドレー指揮のR.コルサコフ&トシュマロフ編の「展覧会の絵」BASF盤を見つけてびっくり。
これが税別200円。とはいえこのLPはもっと高価な値段で入手済み。

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松浦豊明のベートヴェンや豊増昇のハイドンといった、今まで存在すら知らなかったレコードまで出てきて、気分は完全にハイテンション。

ハンス・ホッターのドイツ歌曲集の1969年東京ライヴまで出てきた。

この時の「冬の旅」は何度も再発されているが、別の日のドイツ歌曲集の夕べのライヴは、昨年ホッター没後10年としてCDで出たものの、この初出盤以来LPでは出ていない。

ついでにLDコーナーも見てみた。
LDプレーヤーは我が家で今でも現役だが、前に来たときはチェックしていなかった。

淡い期待は的中してこちらも宝の山。
オペラやコンサートもののLDがざくざく。

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中でもずっと探していたホルショフスキーの1990年カーネギーホールライヴを見つけて歓喜雀躍。しかもジャンク扱いで税別100円。

多少の不安はあったが家で中身をチェックすると驚くほどの美品。

同じく100円でリリング指揮のバッハのロ短調ミサ全曲2枚組。

ジャンクでないものでも300円。
レーグナーの来日ライヴのブラームスの交響曲第2番、ベートーヴェンの第九、G.ヴァント&NDRのブラ4、N響マエストロシリーズのホルスト・シュタイン指揮のシベ2にフランクの交響曲のカップリング、シノーポリ指揮の「巨人」などなど。

Youtubeはヴァント指揮のブルックナー交響曲第8番の終結部。

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2014年6月28日 (土)

ナヴァラとフルニエのバッハ

6月最後の土曜日は朝から小雨模様。
畑の周囲の生垣根を剪定しようと思っていたのだが、この雨で断念。

いつもは長めの剪定鋏を使うのだが、時間短縮の為に電動の剪定バリカンを買おうと思い立ち、Amazonでいろいろと検索。
手ごろなものがあったので、ポチッっと購入しようとしてふと手を止める。

待てよ、実物が見たい・・・重さと大きさも実際に知りたいし、と思い立つともういけない。

近くのDIYショップに走り、店内の園芸コナーを見る。

すると、自分がネットで買おうと決めた機種があった。

しかもAmazonと比べて価格が千円高いだけ。送料を考えるとこちらの方が安い。

しかも明日すぐにでも使えるぞ。ほとんど衝動買いに近い形で購入。

明日は晴れるかな。楽しみになってきた。

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そんなことをしている雨の土曜日。

読書をしながらバッハを聴く。

フランスのチェロ奏者二人、アンドレ・ナヴァラとピエール・フルニエの演奏で、ナヴァラは無伴奏チェロ組曲第1番など、フルニエはチェロソナタ集。こちらのチェンバロはルイージコヴァ。

豪快に嚠喨たるバッハを聴かせるナヴァラ。
若いころミドル級のボクサーだったというイメージそのままの、太い腕を想像させる力強いバッハ。手持ちはカリオペのCD。

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それに対して柔らかくもしなやかなフルニエのバッハ。曲の違いもあるが同じフランスのチェリストでも全く二人は対照的。

どちらが良いとか上という話ではなく、両者共に聞き飽きない巨匠の演奏。
これは全く好みの問題。


今宵はお寺の役員会。
自分の父ほどの年齢の名士ばかりで、夕食会もあるのでなんとなく気が重い。

Youtubeはフルニエの弾くシューマンのチェロ協奏曲、指揮はマルティノン

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2014年6月27日 (金)

本日の練習、「トスカ」2,3幕

何もないはずの金曜日は昼前に大きなトラブルが突発。

その気配は数日前からあったらしいが、ついに限界点を超えたようで報告を受け対応に乗り出す。
結局昼食も摂れずに一応の目途がつき、組織トップへの報告が終わったのが6時過ぎ。

昨晩はオケの練習日。
ちょうど職場のサッカー大会と重なり、仕事を終えて文化センターの駐車場へ車を止め隣のグラウンドへ直行。
ワールドカップは残念な結果だったが、我がチームは2対0の快勝。

自分とほぼ同年齢の同輩の一人がフル出場で大活躍。
彼は音楽に興味のない人にまで知られている著名ピアニストの叔父で、自らも趣味でピアノを弾く。まさに文武両道の鏡。

メタボな自分はベンチで観戦、この差は大きい。反省。
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試合はオケの練習開始前には終わり、そのまま練習会場の市民文化センター小ホールへ移動する。

曲は「トスカ」の第2,3幕。 先週練習した第1幕よりも難しく、何度も止まる。

ホルンセクションは、R.シュトラウスの「薔薇の騎士」の開始にも似たホルンのファンファーレで始まる「トスカ」の第3幕で大きくコケた。
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ホルンは全曲F管だと思っていたら、第3幕冒頭のみE管だったのを読み間違え、冒頭から調子はずれの音。
第3幕のチェロ四重奏もかなりの難所。

曲全体で重要な役割のカリヨンの調達にも苦労しそうな様子だ。

早くも前途多難な気配が漂う。

Youtubeは「トスカ」第3幕シノポリの指揮

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2014年6月26日 (木)

7年目のボエームの会

6月も残り少なくなり早くも木曜日。本日午前中本部で例月の定例監査。

自分の領域はさほどの質問もなく無事通過。

終了後に3月まで自分が所属していた部署に立ち寄ってみた。
いろいろ新たな問題が押し寄せ、苦慮の様子は自分の頃とさほど変わらない。
メンバーも数人入れ替わり、職場の雰囲気も多少変わったようだ。

そして昨晩は定例ボエームの会。

640x640_rect_8103763 このボエームの会は2007年の5月に始まって以来、今回でちょうど7年目。
不思議な縁でつながった4人。

その頃沼響が練習していた、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」に登場する4人のボヘミアンにちなみ、会の名をボエームの会として、一次会は三島の小料理「はちまき」、そして近くのマンションの一室にある、隠れ家的プライベートバー「梟」への二次会というお決まりのコースで数年。

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途中、人生の達人Oさんの参加で賑やかな会となったものの、Oさんはほどなく東京へ転勤。
さらに「梟」が惜しまれつつも突然閉めることになってしまい、「はちまき」のみとなって数年。

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昨晩は「梟」のミミこと和美ちゃんの参加に加え、今年4月から加わった自分の元上司とその部下にして沼響のバスクラ嬢も加わり総勢7名のフルメンバーの参加となった。

持参した酒は美酒6本のそろい踏み。 「誠鏡」(広島竹原市)のシャンパンにも似た発泡系日本酒に始まり、続いてその別誂はパリのミシュラン三ツ星レストランでも出されるという「醸し人九平次 純米大吟醸」(名古屋)、さらに「香り爛漫 純米大吟醸」(秋田)が続く。 「初亀 縁 プレミアム (藤枝)」と「竹鶴 純米 (広島 竹原)」の正統派が続いたところでもう限界。

今宵唯一のワイン、ボルドーの「シャトー・グラン・プランティ」は次回となりました。

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料理はカツオの叩きその他のお通しに続き、メインは山形金華豚のシャブシャブ。
この程よく乗った脂が絶品でした。
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  〆に出た鯵のバッテラもまた良い加減。

さらに本日誕生日をむかえるメンバーのために、バースデーケーキのサプライズ。
程良い酔い心地と腹具合の楽しい一夜。

Cd1264 沼響のHPの聴き比べコラム、「巨人」を聴くに、ワルター指揮ニューヨークフィルの1942年ライヴの感想をアップしました。
 

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2014年6月24日 (火)

スピリット・オヴ・スコットランド

曇り夕方から雷雨、箱根向こうの関東は強烈な雹が降った。
上の娘は今日明日東京へ出張中。

今日はイギリスの、というよりもスコットランドの音楽発展に身を捧げたサー・アレクサンダー・ギブソン指揮による「スピリット・オヴ・スコットランド」というアルバム。

オケはスコティシュ・ナショナル管(現ロイヤルスコティシュ管)

スコティシュ・ナショナル管は、イギリスのローカルなオケの印象が強いものの、ターリヒやセル、バルビローリといった大家が、有名になる前の若い頃に首席指揮者となっている。

これは英シャンドスのLPで、スコットランドにちなんだ序曲を5曲集めたもの。

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ベルリオーズ:序曲《ウェーヴァリー》、メンデルスゾーン:序曲《フィンガルの洞窟》、アーノルド:序曲《タム・オ・シャンター》、ヴェルディ:歌劇《マクベス》バレエ音楽、ハーミッシュ・マッカン:演奏会用序曲《山と溢れる泉の土地》Op.8

メンデルスゾーン以外の曲は馴染みの薄い曲ばかりだが、アーノルドの曲は最近吹奏楽でも演奏されるようだ。

序曲《タム・オ・シャンター》は、イギリス版「ババヤーガの小屋」といった趣で、魔法使いが飛び回る様子を描いた自由なラプソディ風の作品。
バグパイプを模した場面もあり、変化に富んでいて、今まで聴いたアーノルドの作品では一番面白かった。

ハーミッシュ・マッカンは1916年に48歳で亡くなったコットランドの作曲家。
5歳で初めて作曲し、12歳でオラトリオを書き上げたという神童。
演奏会用序曲《山と溢れる泉の土地》は18歳の時の作品で、演奏時間10分ほどの堂々たる序曲。
今やイギリス国外ではほとんど演奏されない早熟の天才の代表作。

演奏は、いずれもオラがお国の音楽だという気概と、故郷を思う深い共感に満ちたもの。
ギブソンの指揮もオケも熱い。

おなじみの「フィンガル洞窟」序曲も、大海原を彷彿させる雄大な名演だ。

Youtubeはアーノルドの金管五重奏曲、フィリップジョーンズブラスアンサンブルの演奏

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2014年6月23日 (月)

マーラーの交響曲第10番

雨の日曜日は充分に休養、明けて週の始まりは爽やかな晴れ模様。
夏が近づき午後から熱くなってきた。
本日特に大きな会議もなく今週末の監査の準備で一日が終わる。

昨日は早朝覚醒、外から美しい鳥のさえずりが聞こえていた。
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娘が「カワセミだ!」と声を上げた。
見ると隣の家の屋根に、蒼と赤茶色の鳥1羽と、茶色の見慣れぬ鳥が2羽。
カワセミと間違うほどブルーが鮮やかに見えたが、明らかに違う野鳥だ。

野鳥に詳しい友人の話によるとイソヒヨドリだという。
茶色が雌で鮮やかな方が雄。海辺に生息する野鳥らしい。じっとこちらを見ていた。

昨日の午前中は家内と、駅前の老舗寝具店「わたやす」へクッションを買いに行っていた。

音楽はマーラー未完の交響曲、第10番。

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演奏はオーマンディ指揮フィラデルフィア管によるクック第2稿と、ザンデルリンク指揮ベルリン響によるクック第3稿第1版。

マーラーの交響曲第10番は未完ということもあり、自分としてはマーラーの作品の中では、最もなじみの薄い曲だった。

最初に聴いたのは高校生の時、テレビで放送されていたハイティンク指揮コンセルトヘボウ管の来日公演の第1楽章「アダージョ」だった。
この時はトランペット奏者が、やたら高い音を長く伸ばしていた場面しか印象にない。

音盤で聴いた最初の演奏は、セル指揮クリーヴランド管のアダージョとプルガトリオの2つの楽章によるクシェネック補筆版。マーラーの交響曲第6番とのカップリングだった。

これは今でもレコード棚にあるものの印象に残っていない。

とにかく第10番は未完という思い込みに加えて、マーラーの作品の中で第9番以前の曲とはまた別種の宇宙的な広がりを持つ曲になるはずが、未完となり結局つかみどころのない曲のままになってしまった、というイメージが自分の頭の中で勝手に広がっていた。

そんな中でのオーマンディの演奏。1967年のクック第2稿初演直後の録音、

これは3年ほど前に、ヤフオクで大地の歌とのカップリングの米盤LP3枚組を300円で購入したものだが、こちらも聴いた記憶がない。

フィラデルフィア管の美しい弦楽器の音が心地よく響き、非常にわかりやすい演奏だっ腹に響く。
全曲LP2枚組を聴いていて、よくぞクックさん、曲を完成させてくれたと感謝の念が起きるほど。

録音も非常に良くて、フィナーレの大太鼓の重くドッシーン!とした音が大きなインパクトを持って腹に響く。

ここで調子に乗ってザンデルリンク指揮のクック第3稿の演奏を聴く。
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ドイツシャルプラッテンへの録音で、徳間音工が1000円で出して評判になったCDのシリーズ。

こちらはびっしり目の詰まった厳しい演奏。この曲の持つ未来性と、ある種の危うさを白夜的な美しさを伴いながら演奏している。これはこれで良いと思う。
フィナーレの大太鼓は短くドシン!!
オーマンディの第2稿とは異なる音。

「巨人」を実際に演奏し、マーラーの楽譜をいろいろと眺めているうちに、交響曲第10番の世界が突然見えるようになってきた。

不思議なものだ。


Youtubeはマーラーの交響曲第10番フィナーレ、ノセダの指揮

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2014年6月21日 (土)

ソコロフのシャンゼリゼライヴ

待望の週末休み、今宵遅くから雨の予報。

ワールドカップはギリシャとの引き分けで、急速に熱が醒めてきた気配。
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このところの高温多湿で畑の野菜は良く育ち、ナスは本日初収穫。トマトもトウモロコシも順調なる成長。
明日は母の誕生日ということもあり、昼食は近くのステーキハウス「毎日牧場」。 
お気軽な感覚のステーキとサラダバーのお店。
自家製だという小ぶりの丸パンがおいしかった。友人の個展に行きたいという母をそのまま市街まで送り、娘と家内とで洋服の青山でお買い物。

今週は水曜の夜に職場OBのKさん宅を訪ね、夜遅くまで音楽談義。
先日聴いたアリス=沙良・オットーの演奏をKさんは川口市で聴いている。

悠々自適のKさんは、退職後も生活のクオリティは落ちていない。
退職後の生活のことなど興味深い話を伺うと、Kさんは30代からコツコツと資産の運用をしていて、それが今の生活の基盤となっている。

その日暮らしの自分とは大違い。自分はもはや手遅れか・・・・

昨日も大掛かりなオーディオを揃えた大部屋ではなく、8畳ほどのデジタルオーディオ部屋で自分が持参したソコロフのDVDを視ていた。

2005年パリ、シャンゼリゼ劇場でのライヴ。 16歳でチャイコフスキー国際コンクールで優勝したソコロフも今や60代。 押しも押されぬ大ピアニストに成長した。
聴いた曲は、「田園」呼ばれるベートーヴェンのピアノソナタ第15番と、プロコフィエフの第7番のソナタに、アンコールとして演奏されたショパンのマズルカ2曲、クープランの「ティクティショク」「修道女モニカ」、そしてバッハ・ショティ編曲のプレリュードというもの。


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研ぎ澄まされた音にして深い音で聴かせるベートーヴェン、プロフィエフは一転ドスの利いた超絶技巧。
怒涛のフィナーレでは斜めから繰り出される腕の速さが尋常でなく、何本かの残像となって見えてくる。

まるで「北斗の拳」のケンシロウだ。

アンコールのショパンでは、まるで別人のような柔らかでロマンティックに聴かせてくれる。
堂々たる体躯以上に巨匠の風格に圧倒された1枚。

Youtubeはソコロフの弾くバッハ「フランス組曲」

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2014年6月20日 (金)

トスカ初見、チンバッソ現る

本日ワールドカップ対ギリシャ戦。7時キックオフということで、出かけるまでの15分ほど観戦。NHKBSのサッカー解説者の一人は、幼なじみで同級の畏友山本昌邦。
サムライジャパンが崖っぷちということもあり、彼の解説はいつもよりも力の入ったもの。

一方のギリシャも厳しい状況、試合前からなんとなく悲壮感が漂う両チーム。

ギリシャ選手の動きは、コートジボアールほど俊敏ではないように見えたが、結局決定打を欠き両者引き分け。
今日はいつもと同じ時間に家を出たが道が空いていた。ワールドカップの影響か?
本日午前中は職場の健康診断。午後は重い会議二連発。

毎週木曜夜はオケの練習日だが、昨日の午後は全身の脱力感がひどく、疲労のピークに達していた。
オケの練習を休もうかと思ったほどだが、仕事とは異なる刺激が今の自分には必要。
と思い直して定時には仕事場を出る。

いつもは夕食抜きで練習会場へ直行するところだが、駅近くの高校時代からの馴染みのお店「ボルカノ」に寄って、レバー添えスパゲティのカルーソを注文。
   
S20140619_183135 ご主人が代替わりして店の場所も変わり、味は微妙に変わったものの、食べているうちに仕事のことも忘れ、気持ちが落ち着いてきた。

そして第30回定演の熱も冷め、いよいよ歌劇「トスカ」の練習が始まる。


今回は「トスカ」の初見大会ということで、指揮はインペクのF君。2時間になんなんとするオペラの下勉強はさぞ大変だろう。
練習会場は文化センター小ホール。

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ホルンのパート割りは未定で、とりあえず練習場に到着した順に座り自分は3番ホルン。
譜面はシンプルでさほど難しい部分はない。
休みが多く、馴染みの少ないオペラなだけに、出番までの小節数を数えるのに一苦労。

振り返るとチューバ奏者が見慣れぬ楽器を構えていた。

「おぉ! チンバッソ!」


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この楽器を見ることができただけでも練習に来た甲斐があった、と思う単純な私。

あらかじめ弦楽器のメンバーはさらってあるようで、予想外に曲の形は見えている。
歌は入らずともプッチーニの美しいメロディーの数々が垣間見られて、聴いていて十分に楽しい。

とはいえ、2時間の練習で通ったのは第一幕と第二幕のごく最初の部分まで。

まずは「トスカ」山への登り道。

頂は雲に隠れ未だ見えず。
Youtubeはマリア・カラスの歌う「トスカ」

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2014年6月17日 (火)

ベルティーニのベルリオーズ「レクイエム」

適度な雨と本格的な夏の前触れの暑さが続く。

今日も良く晴れた。が梅雨明けは未だのようだ。
今年は5年に一度の外部からの大きな調査が入る年。
ここでの実務経験僅か2か月余り、只今猛勉中。
今日はイスラエルの指揮者、ガリー・ベルティーニの指揮でベルリオーズの大作、レクイエムを聴く。

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独逸ハルモニアムンディ原盤によるテイチクの国内盤LP.
ケルン放送響に、合唱団はケルンのほか、ハンブルク、バイエルン、シュトゥットガルトの放送局付属の合唱団を総動員。1984年ライヴ。

マーラーの千人の交響曲を凌ぐ規模の大編成の大曲を、 べルティーニはきっちり冷静に造形を整えながら壮大な世界を構築していく。

巨大な編成のオケと合唱団を見事にコントロールしながら、この曲があくまでも「死者のためのミサ曲」だということを聞き手にしらしめてくれる名演だ。
特にドイツの放送局の連合チームである合唱が非常に良い。

残響の多い教会での録音だが、細部も明確な優秀録音。
輸入メタルDMM原盤使用で音が非常に良い。

Youtubeはベルティーニ指揮のマーラー、交響曲第5番からアダージェット

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2014年6月16日 (月)

保科洋指揮沼津吹奏楽団

昨日は沼津吹奏楽団の創立40周年、第50回定期演奏会。
場所は沼津市民文化センター大ホール。

沼津吹奏楽団は静岡県東部で最も古い市民バンドで、創設は自分が中学生の時の昭和48年。
ちょうど自分が入っていた中学校の吹奏楽部顧問の先生が創設に深く係っていて、当時のバンドのメンバーには学校の先輩何人かが所属していた。

お披露目は、昭和48年沼津市芸術祭の合奏部門。

同年に創設された駿河管弦楽団(現三島フィルハーモニー)もこの芸術祭に参加していた。

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奇しくもオーケストラと吹奏楽団という、アマチュアの音楽団体2団体のお披露目公演となり、その時の出演者の表情や演奏の内容は、会場の雰囲気と共に今でもよく覚えている。

その日沼津吹奏楽団は、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から第3幕前奏曲、婚礼の合唱、エルザの大聖堂への行列の3曲を接続曲風に演奏し、駿河管弦楽団はベートーヴェンの交響曲第1番だった。

この時の「エルザ」に非常に感激。

それまで聴いていた中高校生の演奏とは異なる、成熟した大人の雰囲気のようなものがあって、演奏水準も県東部の名人を集めていてかなり高かったように思う。

その後しばらく沼吹の演奏会に通う日々が続いた。

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やがて自分は大学生となり沼津を離れ、社会人になって沼津に帰ってきてから知人から入団を誘われたこともあったけれど、自分の興味はオケに移っていた。

他の市民バンドもいくつかできてきて、メンバーも拡散していき沼吹の特色も他の団体と区別がつかなくなり、なんとなく魅力を感じなくなっていったのが正直なところ。

沼吹の演奏から遠ざかって30年。

ところが今回は創立40周年、さらに第50回めの定期演奏会。

沼響が今年でようやく第30回定演を迎えたことを考えると、これは大変なことだ。

しかも今回は吹奏楽界の重鎮、保科洋先生が客演し自作の「風紋」を指揮するという。

娘が世話になっているOさんがフルートのトラで出ることもあり、結局娘と二人で行くことにした。なぜか母も友人に誘われて行くことになっていた。
母は友人と食事しながら行くということで、一足先に出発。

曲は、前半が保科洋先生の指揮で、リードの序曲「春の猟犬」、「風紋」(原典版)、
保科アレンジによる「三角帽子」第1組曲、そして40年前のお披露目でも演奏された「エルザの大聖堂への行列」(今回は保科アレンジ)。


ステージに現れた長身痩躯の保科先生は御年78歳。母とほとんど変わらない歳ながら実に矍鑠たるもの。

明快にして細やか、暖かなニュアンスも感じられる素晴らしい棒だ。

全てを知り尽くした巨匠の指揮にすっかり魅了されてしまった。

「風紋」での、遠近感を感じさせながら空中を漂う清らかな響きはさすがだったし、
「三角帽子」のぴしっと引き締まったリズム感も良く出ていた。
期待していた「エルザ」は、肝心な部分でチャイムが全く聞こえず、これは残念。

いろいろ細かなことはあったけれど、沼吹の方々の真剣さと集中力が、保科先生の棒に触発されて、気持ちの良い演奏を展開している。
ファリアのメゾソプラノパートを吹いたサックスソロは見事でした。


後半は指揮者が変わってポップスステージ。

40年を振り返る歌謡曲とアニメメドレーに、ダンスも入って「パイレーツオブカリビアン」組曲。団員の皆さんの生き生きとした表情を見て、こちらも愉快になってきた。

お客さんも創立以来の大入りだそうで、盛大にして楽しい演奏会でした。
おめでとうございます。

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沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ワルター指揮NBC響との1939年ライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 


Youtubeは保科洋指揮の「風紋」

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2014年6月14日 (土)

アリス=紗良・オット、ピアノリサイタル

この土日は久しぶりにコンサート三昧になりそうだ。

今日は女流ピアニスト、アリス=紗良・オット、ピアノリサイタル。場所は富士ロゼシアター中ホール。

曲はベートーヴェンのピアノソナタ「テンペスト」
バッハの幻想曲とフーガBWV.944、同じく「シャコンヌ」
後半はリストの作品、愛の夢第2番と第3番にパガニーニ大練習曲全曲というもの。

パガニーニ大練習曲全曲は第3曲「鐘」と第6曲「主題と変奏」を入れ替えて演奏。

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アリス=紗良・オットは、既にテレビ番組の「情熱大陸」や、所ジョージの「笑ってこらえて」で紹介されていて、AudiのCMにも出ているという。

確かにビュジュアル的にもスター性は充分。
http://www.alicesaraott.com/ 

805 自分としては、先月、職場OBのKさん宅で音を聴いただけで、余計な潜入感は全くなかった。
純粋に演奏そのものは非常に良く、これはなかなか面白そうだと思いチケットを入手。

ステージに現われた時にパッとした華があるのが良いな。

最初の「テンペスト」は柔らかで美しいけれど、未だ発展途上の趣。


次のバッハが非常に良かった。

BWV.944の短い幻想曲部分が終わり、フーガの途中からピアノが力強く鳴りはじめた。
各声部も明快に鳴り切っている。
長大なフーガからシャコンヌへは休みなしに突入。

アリス=紗良・オットの表情の中に、時折凄みのある薄い笑みが浮かぶ。
まるで獲物を追う猟犬のようだ。

S20140614_134825 強靭な音に満ちた壮大なバッハに会場内は完全に圧倒されていた。

シャコンヌが終わったところで盛大なブラボーの声。自分も久々にこの曲を聴いて鳥肌が立ったほど。

演奏の途中でアリスが素足で弾いているのに気がついた。足の裏から響き全体を感じ取っているのだろうか。

そういえばベートーヴェンの途中で、自分遥か遠くの後ろの客席から微かに鈴の音のような音が聞こえた瞬間、アリスがゆっくりその音がした方に顔を向けた時があった。

自分の席からでも聞こえるか聞こえないかくらいの小さな音だったのだが、彼女には聞こえていたようだ。

鋭い感性と耳の良さが彼女の武器と見た。

後半のリストでは、「愛の夢」も有名な第3番のみでなく第2番から開始。
第3番も今まで聞いたことがないようなゆっくりとしてテンポで、深く歌い上げていく。

パガニーニ大練習曲も、純粋な水滴が落ちるようなピアニシモが秀逸。

アンコールは、シューマンのロマンス第2番とショパンのワルツ第14番。
 
シューマンが終わった瞬間、会場が水を打ったように静かになった。

私の隣の老夫婦がしきりに「こんな凄い人をよく富士に連れてきたなぁ」とつぶやいていた。

久しぶりにピアノ演奏の醍醐味を満喫。

未知の才能を秘めた将来性十分なピアニスト。これからが楽しみ。

夜、娘がお世話になった方から「八海山」純米吟醸をいただいた。
Sdsc00789_2 工場直送の特別品だという。ありがたいことです。

家内と娘と3人でおいしくいただきました。充実した一日。

明日は沼津吹奏楽団の創立40周年記念のコンサート。
毎年この時期にやるので「あじさいコンサート」と呼ばれている。

特別ゲストとして吹奏楽界の重鎮、保科洋先生が来演して名曲「風紋」を振る。


Youtubeはアリス=紗良・オットの弾く「展覧会の絵」、原典版の演奏

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2014年6月13日 (金)

シノーポリ、メトの「トスカ」

今日は日差しの強い夏の天気。このところ一日一週間が経つのが早い。

次のオペラ「トスカ」公演に向けて合唱の募集がまもなく始まる。

オケのメンバーもスコアを調達したり音源を探したりと、新たなステージへ着実にテンションが上がっているようだ。

昨日のオケの練習は、オケのメンバーを集めての「トスカ」鑑賞会。

場所は市民文化センター第3練習室 準備のために仕事を定時に終えて、そのまま文化センターへ直行。
会場は勝手知ったる隔月開催で自分が解説しているディスクコンサートの会場なので、事務室へ挨拶の後、会場へ向かいさっさと準備を開始。


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持参したソフトはベーレンス、ドミンゴ、マクニールにシノーポリの指揮1985年メトの舞台、ゼフィレッリの演出。

1992年ローマを舞台にして108か国(日本を除く)に生中継されたマルフィターノ、ドミンゴ、ライモンディにメータ指揮のローマのイタリア放送局制作のテレビ映画版、そしてカバイヴァンスカ、パヴァロッティ出演のローマ歌劇場公演。

以上3種がレーザーディスク。
そしてヴェローナのDVDなど都合4種。

S20140612_205110 どれを使おうか迷って、いろいろと見比べているうちにオケのメンバーが続々と集まりだした。
鑑賞会開始は19時開始。持ち時間は2時間ちょっと。

演奏時間も考慮して、一番短いローマ放送のメータ指揮のLDに内心決めかけていたら、集まったメンバーから実際の舞台が見たいとの声が上がった。
パヴァロッティかドミンゴかというところだが、パヴァロッティのLDは拍手とカーテンコールが長く、しかも「星は光りぬ」が絶好調で、アンコールしていたりするので、会場の使用時間をオーバーしそう。


結局シノーポリ指揮のメトの舞台にした。
こちらは、30年ほど前の舞台とはいえ古さを感じさせないゼフィレッリの演出に、メトならではの豪華な舞台。
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三大テノールとして一世を風靡する直前の、当時上り調子だったドミンゴへの観客の歓声は凄いものだが、舞台全体としてはスカルピア役のマックニールが圧巻。
ベーレンスの歌はトスカとしては重い感じもするけれど、力のある歌で楽しめるもの。

さらにサーバタのモツレクやセラフィンの「アイーダ」、フリッツ・ブッシュの「フィガロの結婚」など、往年の大指揮者たちとの録音がある往年の名歌手イタロ・ターヨが、教会の番人役で出ているのもメトの層の厚いところ。

心配していたLDは画像の乱れもなく、LDならではの柔らかめの音質も刺激が少なくてよかったかも。

初めてオペラを見るメンバーから、オペラ好きのベテランにも好評だったので、よかった。


来週からいよいよ「トスカ」の練習が始まる。

Yutubeはその1985年メトの「トスカ」、ターヨの教会の番人に注目

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2014年6月11日 (水)

ラファエル・ゾンマーのラフマニノフ

今日は朝から雨模様。
今年のPMFに来演する予定だった、ロリン・マゼールの来日が中止になってしまった。

8月7日のサントリーホールでの公演のチケットを入手し、楽しみにしていただけに非常に残念。
5月のボストン響の来日に同行する予定がアクシデントによりということで中止になり、心配していたが現実になってしまった。

1980年代にポスト・カラヤンとして名の上がっていた1930年代生まれの指揮者たちも、アバド、クライバーは没し、小澤征爾は往年の元気はなく残るはマゼール、メータのみ。

この5人の中で唯一、マゼールのみ実演に接していなかった。何とか再起して再来日を期待したい。

代役は佐渡裕ということだが、今回は払い戻しさせていただくことにした。

今日は外の雨音を聴きながら、ラフマニノフのチェロソナタをしみじみと聴いていた。

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演奏はラファエル・ゾンマーのチェロに、ダニエル・アドニのピアノ。

仏 LYRINXから出ていたCDで1987年録音。
カップリングはショスタコーヴィチのチェロソナタOP.40。

ラフマニノフのチェロソナタは、あのピアノ協奏曲第2番と同時期に書かれた作品。
メランコリックなメロディーと、厳しさが見事なバランスで共存した名作だ。

ラファエル・ゾンマーはプラハ生まれのチェリストで、パリ音楽院でトルトウリエやマルシャルに学んでいる。ミュンヘン国際コンクールでの入賞歴を持つ実力派だ。

一般的には、今年110才で亡くなったピアニスト、アリス・ヘルツ・ゾンマーの息子としても知られる。彼女は生前のマーラーに直接会っているという。

飴色の美しい音色のゾンマーのチェロはラフマニノフにふさわしい。

ピアノの役割が大きいだけに、ダニエル・アドニのピアノの雄弁さがチェロを妨げないのも良い。

Youtubeはラフマニノフのチェロソナタ第3楽章

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2014年6月10日 (火)

ルドルフ・フィルクシュニーの「皇帝」

日曜からの晴れた天気は明日から雨の予報。

ガレージの庇のツバメのヒナは大きくなって飛行訓練中。 今年のスタートは遅かったが落下もせずに無事に育っている。

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本日仕事場の冷房試運転。吹き出し口が自分の真上にあることに気が付いた。
体がキンキンに冷えすぎて鼻水が出てきた。明日から上着を持って来よう。
仕事は、昨日から今月半ば過ぎまでがこの四半期の大きな山場。


今日はチェコのピアニスト、ルドルフ・フィルクシュニーの弾くベートーヴェン。 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」を聴く。

スタインバーグのキャピトル録音集成からのCDで、伴奏はスタインバーグ指揮のピッツバーグ響。1957年録音。
フィルクシュニーは後にケンペの指揮で再録音している。

幼いころから作曲家のヤナーチェクに作曲とピアノを学んだフィルクシュニーは、チェコの至宝とも呼べるピアニスト。
469_2 このベートーヴェンは、軽くさらさらとよどみなく流れていく美しい演奏だった。

独特のクセはあるが 素っ気ないようでいて、聴き終わってからまた最初から聴きたくなるようなじわりと来る名演だ。

スタインバーグの指揮もまさに正統派、作品への忠実な奉仕に徹底していて、何もしてないようでいて堂々たるベートーヴェンを鳴り響かせている非凡なもの。
ステレオ録音なのもありがたい。

Youtubeはフィルクシュニーのヤナーチェク

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2014年6月 9日 (月)

米MURRAY HILLのマーラー、交響曲全集

昨日日曜は良く晴れて愛犬ポコも久しぶりの散歩で上機嫌。

Sdsc00752_2 途中の道筋では美しい菖蒲の花が咲いていた。 畑の茄子やトウモロコシは適度な雨と暑さで順調に育っている。

夕方に近くの牛臥山公園に行ってみると、青き空に穏やかな駿河湾。 幼き子を連れた家族連れ、若いアベックやお年寄り夫婦たちが長閑な休日の夕べを満喫していた。

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この休日はワルターの「巨人」を集中視聴。いろいろと面白かったけれど疲れました。
夜遅くに下の娘の所に行っていた家内が帰宅。
部屋の掃除やら洗濯やらで丸々二日かかったということ。全くいつまでも手のかかる娘である。


今日は帰宅したらオークションで落としたLPが届いていた。

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米murray hillが70年代初めに出していたマーラーの交響曲全集LP12枚組。

Umur_4444__84040__07022012093304572 米murray hillはさまざまなレーベルを買い取ってLPを出していた会社らしい。
手元には、フィリップスが録音したサヴァリッシュ指揮ウィーン響によるブラームス交響曲全集がある。
これは国内では発売されなかった「大学祝典序曲」「悲劇的序曲」「ハイドンの主題による変奏曲」までが収録されていた珍しいものだった。


このマーラーの交響曲全集の原盤は米エベレストであることが判っている。
第1番「巨人」がボールト、第5番がシュワルツ、第8番のミトロプーロス(ライヴ)、第9番のルードウィッヒなどは単品でも出ていてLP期には石丸電気あたりでよく見かけたものだったが、残りの2,3,4,6,7番が誰の演奏かが気になった。

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オークションの画面にも何も記載がなかったので、ネットで調べたらVaclav Jiracekというチェコの指揮者らしいということが判った。
しかも声楽はチェコ語で歌われ第3番の第2,3楽章は史上最も速い演奏だという。
「巨人」と第8番は既に所有済だったが、レオポルド・ルードウィッヒも交響曲第4番では名演を聞かせていたし、ここでヲタク心がふつふつと沸いてしまったのでした。

果たして現物を開けてみたら、やはり1,5,8,9番以外は演奏家の記載がなかった。

さて何番から聴き始めようか。

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2014年6月 7日 (土)

バイオリニストは目が赤い

今日も雨、週初めの夏の様な暑さが信じられないほど気温が下がり、しまいかけた長袖の上着で過ごした休日。

家内は昨日から下の娘の様子見に横浜に行っている。
横浜も一日雨で、娘の部屋の片づけで一日過ごしたとのこと。

こんな日は引きこもりがちだが、最寄のブックオフに行き、文庫本コーナーで見つけたN響のヴァイオリン奏者だった鶴我裕子さんの「バイオリニストは目が赤い」(新潮文庫)を購入。

41g251n2shl_sl500_aa300_ 音楽関係の本も雑誌も、最近は買ってなかったが、久しぶりに面白く、一日で全部読み終えた。

文章のうまさもさることながら、N響に客演した名匠たちのエピソードや団員たちの本音が実に面白い。

さらには弦楽器奏者のプロの眼から見た巨匠のテクニックを、さりげなく紹介するところなど眼からウロコ。

かのハイフェッツが弾く「スケルツォ・タランテラ」のレコードを回転を遅くして再生したら、あの速いパッセージのひとつひとつの音にヴィヴラートがかかっていたという話には仰天しました。

この中で、非常に印象深い教えられた一節。

「完璧だけど、人間味がない」と言ってけなされる双璧は、ハイフェッツとフィッシャー=ディースカウであろう。
あなたもそう思いますか?では訊くが、彼らの演奏を「聴く能力」を、あなたはもっているだろうか?
・・・・・・・・・・・中略・・・・・

私がバイオリンを続けていてよかった、と思うのは、自分よりもうまい人たちの演奏を、すみずみまで、具体的に味わえるからである。
その曲を、自分で追及してみた者にしかわからない、こまかい、しかし偉大な仕事の数々が、一枚のレコードにはぎっしり詰まっているのだ
・・・・・後略

頭をガーンと殴られたような衝撃。
プロの音楽家の方々の仕事に対して、ノンキに聴き比べなどを書いている自分が恥ずかしくなってきた。私はまだまだ未熟です。

今日はリヒテルの弾くブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いていた。
伴奏はラインスドルフ指揮のシカゴ交響楽団。 手元に有るのは新星堂が出していたCDで、1960年のRCAへの録音。

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録音当時シカゴ響の音楽監督だったフリッツ・ライナーとリヒテルの意見が合わず、代わりにボストン響の音楽監督だったラインスドルフが起用されたという曰くつきの録音。

第3楽章のチェロソロは、直前まで首席だったシュタルケルではなく、16歳でNBC響に入団したロベルト・ラマルキーナだが、このソロが品格があって非常に良い。

リヒテルの鋼鉄のようなタッチとテクニックのキレは相変わらずのすごさだが、ラインスドルフの職人技に徹したバックも見事。

鶴我さんの著書を読んだ後だけに、さりげなく凄いことをやっているラインスドルフの実力をあらためて見直しました。


Youtubeはそのリヒテルのブラームス、ピアノ協奏曲第2番の録音風景

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2014年6月 6日 (金)

プレトニヨフの「四季」

今日も一日雨。夜からどしゃぶり。

本日朝から本部で監査があり、自宅からそのまま直行。
ところが車の調子がおかしい。

本部の駐車場に車を止めてタイヤを見ると左前輪がパンクしている。
実は先週の沼響の定演の翌日にも右前輪と後輪がパンクしていた。
その時、ガソリンスタンドの人に見てもらったところ、側面を鋭い物で穴を開けられているという話だった。近所の交番に届け出を出しておいたが、まさか再発するとは思わなかった。

とにかく監査が始まるので車をそのままに会場へ向かう。遅刻はしなかったものの会場入りは自分が最後。
監査を終え、スペアタイヤに替えて同じガソリンスタンドへ行ったら「またですか!?」の声。orz やはり側面を刺されていた。

暗然とした気持ちで職場へ遅れる旨を連絡。 どうも後味の悪い金曜日。何か対策を考えねば。

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今日はミハイル・プレトニヨフの弾くチャイコフスキーの「四季」。
1985年の来日時に日本ビクターが録音したもの。

プレトニヨフは今では指揮者としても名高いが、この当時はピアニストとして頻繁に来日していた。
1988年にはフェドセーエフ率いるモスクワ放送響と同行し、この時にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を聴いた。

この「四季」は、感傷を排した冷たささえ感じられる厳しいアプローチのチャイコフスキー。


41npsv3jd1l_ss500_ 聴いているうちに、貴公子然とした雰囲気のきっちりとしたプレトニヨフの実演を思い出した。
プレトニヨフはこの「四季」を1994年に再録音している。

ついでに「四季」の楽譜を取り出して、6月「舟歌」を自分で弾いてみた。

Youtubeはプレトニヨフの弾く「舟歌」

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2014年6月 5日 (木)

「トスカ」視くらべ

関東甲信越梅雨入りでここ沼津も雨が降ったり止んだりの一日。風も強くここ数日の暑さも一段落。

新たな仕事も全容がほぼ把握するにつれて、いろいろな問題が次第に判ってきた。草創期からの組織風土に根差す部分もあり、それが悪しき慣習となっている。根気よく改革していく必要がありそうだ。

本番直後の木曜はオケの練習はお休み。

次の公演はオペラ「トスカ」全曲ということで、来週の練習は「トスカ」の映像鑑賞会ということになっている。
会場は、いつも自分がディスクコンサートをおこなっている市民文化センターの第3練習室(視聴覚室)。
成り行き上、自分がソフトを準備し簡単な解説をおこなうことになるらしいので、今日は手持ちのディスクをチェック。

手持ちは古いものが多くいずれもLDで3種。

シノーポリ指揮メトロポリタン歌劇場の1985年公演。
これはシノーポリのメトデビューとなった公演で、歌手はベーレンスとドミンゴ、マックニール。
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そしてパヴァロッティとカバイヴァンスカ、ヴィクセルによるローマ歌劇場1990年公演。指揮はオーレン。
もう一枚はイタリア放送が全世界にテレビ生中継をしたドミンゴ、マルフィターノ、ライモンディによるもの。メータの指揮1992年。

映像記録としてはカラスの「トスカ」が圧倒的なのだが、これは第2幕のみなので除く。
ドミンゴとカバイヴァンスカの映画仕立ての「トスカ」はつまらなかった。

聴きどころのアリアやテデウムの部分などをざっと見てみると。
シノーポリの緻密にして気合いの入った指揮のメト盤は、ゼフィレッリの豪華な演出とマックニールのスカルピアが脂ぎったエロオヤジの雰囲気十分で、存在感もドミンゴにひけをとらないところでベストだが、手持ちのLDの状態が悪く画像が乱れる。

国内盤のDVDは廃盤で入手難、ヤフオクあたりではかなりの高値がついていた。

メータ指揮のローマ盤はテレビ用の収録。
舞台ではなく野外を含んだ生中継なので後半の野外の部分になると音が拡散気味。 ドミンゴの出来はメト盤ほどではないし、ライモンディも他の映像に比べると精彩を欠く。 マルフィターノのトスカはルックスは悪くないが普通の出来。

ローマ歌劇場盤は絶好調のパヴァロッティが聴きものだが、演出が多少地味で画面も暗い。

総合力ではメトの舞台がさすがに見応えがあるものの、ディスクのコンデションが悪いので100インチの画面だと厳しいかも。初めて聴く団員が多いのでどれにしようか迷うところ。

当日実際に3種を比べて決めようかな。
図書館には小澤指揮パリオペラ座とヴェローナのDVDがあるので、それも借りてみよう。
Youtubeは「トスカ」からテ・デウム

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2014年6月 4日 (水)

メサジェの「ヴェロニク」

第30回定演は無事終了、祭りの後の一抹の寂しさを残しながら暦は6月へ。
連日30度を超えいきなり夏の到来かと思いきや夜から雨。季節の順番とおりの梅雨に突入。


仕事は社会の流れの影響を受けつつ新たな展開へ。目先に囚われると2,3年先の動向を見失いそうだ。

今日は19世紀フランスの作曲家、アンドレ・メサジェのオペレッタ「ヴェロニク」を聴く。

仏パテのLPでグール・グラシェ指揮ラムルー管とフランスの歌手たちによるもの。

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メサジュの曲といえばバレー曲「二羽の鳩」、「イゾリーヌ」などを収めたジャキャ指揮パリ管による楽しいLPが懐かしい。
オペレッタには日本を題材とした「お菊夫人」なる作品もある。

「ヴェロニカ」は初演後上演が直ぐに100回を超えたというメサジュのヒット作。
CDも出ているが、今でも上演されているのだろうか。

親しみやすく屈託のない明るさの中にほのぼのとした温かさの漂う名品だ。

このLPは名バリトン、カミーユ・モラーヌが参加しているということで購入したもの。

ここでは、ビロードのような美しい声で軽妙にして品格を感じさせる歌を聴くことができる。

*ネットで拾ったら日本でも上演されていた。
http://dnaga-ars-happy.at.webry.info/201112/article_2.html 

Sdsc00622 沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ワルター指揮ニューヨークフィルの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 

Youtubeはメサジェの宗教曲「O Salutaris Hostia」美しい曲です。

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2014年6月 1日 (日)

第30回定演終わる

昨日は沼響第30回記念演奏会。

ここ数日天気の良い日が続き当日の予報も晴れ、のはずが午後から雷を伴った激しい雨。 ネットで雨雲の動きを見てみると、沼津周辺のみ厚い雨雲が覆っている。
まさにピンポイント攻撃。

30thcon_small_2   沼響の定演は雨が多いのジンクスのとおり、これほどとは・・・・・・
10年前の第20回定演が大型台風直撃だった悪夢を思い出した。
今回は開演前のロビーコンサートがあるので、他の団員よりも早めに出勤。

ホールロビーで待っていると結局1名は仕事で来れず、全員そろうのが本番のみ。ということが判った。
なんとなく不安な雰囲気が漂い、練習もとげとげしいものとなった。だいじょうぶだろうか?

GPは「巨人」から。

ここで練習の最中にツバメが飛び込んできてステージ上空を乱舞。
皆あっけにとられて天井を見上げしばしの中断。どこから入ってきたのだろうか?
「雀だ!、雀だ!」という声。しかしどう見てもあれはツバメなんですけど。・・・
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今回はエキストラさんも含め総勢横島先生を含め91名。
30回にふさわしいものとなった。
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本番前のロビーコンサートは、細かな刻みの部分で一小節早かったりなどと普段間違えないところを間違えたりしたものの、それは年の功。なんとかごまかしてしまいました。

前半の「未完成」は降り番なので、客席で観戦。 横島先生は遅めのテンポでじっくり歌い上げる解釈。
目の前の幼い女の子は耐え切れずに出口へ走り出してしまい、若いお母さんが追いかけていった。

今回のお客さんはじっくりと集中して聴いてくれている印象。
楽章の合間も静かだ。

そして「巨人」。
横島先生の指揮は本番ではかなり自分の色を出してきた。
どうしても絶叫型のお祭り騒ぎになりがちなこの曲を、着実に積み上げながら充分な熱狂を盛り上げていく。
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各所に出てくる管楽器のソロも良く、沼響初めてのマーラーとしては良い出来だったと思う。
ここ数年終演後の打ち上げは体調がおもわしくなかったこともあり、欠席続きだったが、今回は参加。

人数も多く、横島先生や下田先生ともいろいろと話すことができた。
ほどよい酔いもあり、打ち上げの席の皆の前でこの30年間でのいろいろ気づいたことや、皆の知らないこと、これからのことなどを苦言を呈しながら語ってしまったが、ちょっと余計なことを言い過ぎたかな。

ともあれこれで一区切り。
沼響は組織としての黎明期から成熟期を経て新たな段階に入った。
新たな世紀の沼響が始まる。

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