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2014年6月16日 (月)

保科洋指揮沼津吹奏楽団

昨日は沼津吹奏楽団の創立40周年、第50回定期演奏会。
場所は沼津市民文化センター大ホール。

沼津吹奏楽団は静岡県東部で最も古い市民バンドで、創設は自分が中学生の時の昭和48年。
ちょうど自分が入っていた中学校の吹奏楽部顧問の先生が創設に深く係っていて、当時のバンドのメンバーには学校の先輩何人かが所属していた。

お披露目は、昭和48年沼津市芸術祭の合奏部門。

同年に創設された駿河管弦楽団(現三島フィルハーモニー)もこの芸術祭に参加していた。

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奇しくもオーケストラと吹奏楽団という、アマチュアの音楽団体2団体のお披露目公演となり、その時の出演者の表情や演奏の内容は、会場の雰囲気と共に今でもよく覚えている。

その日沼津吹奏楽団は、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から第3幕前奏曲、婚礼の合唱、エルザの大聖堂への行列の3曲を接続曲風に演奏し、駿河管弦楽団はベートーヴェンの交響曲第1番だった。

この時の「エルザ」に非常に感激。

それまで聴いていた中高校生の演奏とは異なる、成熟した大人の雰囲気のようなものがあって、演奏水準も県東部の名人を集めていてかなり高かったように思う。

その後しばらく沼吹の演奏会に通う日々が続いた。

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やがて自分は大学生となり沼津を離れ、社会人になって沼津に帰ってきてから知人から入団を誘われたこともあったけれど、自分の興味はオケに移っていた。

他の市民バンドもいくつかできてきて、メンバーも拡散していき沼吹の特色も他の団体と区別がつかなくなり、なんとなく魅力を感じなくなっていったのが正直なところ。

沼吹の演奏から遠ざかって30年。

ところが今回は創立40周年、さらに第50回めの定期演奏会。

沼響が今年でようやく第30回定演を迎えたことを考えると、これは大変なことだ。

しかも今回は吹奏楽界の重鎮、保科洋先生が客演し自作の「風紋」を指揮するという。

娘が世話になっているOさんがフルートのトラで出ることもあり、結局娘と二人で行くことにした。なぜか母も友人に誘われて行くことになっていた。
母は友人と食事しながら行くということで、一足先に出発。

曲は、前半が保科洋先生の指揮で、リードの序曲「春の猟犬」、「風紋」(原典版)、
保科アレンジによる「三角帽子」第1組曲、そして40年前のお披露目でも演奏された「エルザの大聖堂への行列」(今回は保科アレンジ)。


ステージに現れた長身痩躯の保科先生は御年78歳。母とほとんど変わらない歳ながら実に矍鑠たるもの。

明快にして細やか、暖かなニュアンスも感じられる素晴らしい棒だ。

全てを知り尽くした巨匠の指揮にすっかり魅了されてしまった。

「風紋」での、遠近感を感じさせながら空中を漂う清らかな響きはさすがだったし、
「三角帽子」のぴしっと引き締まったリズム感も良く出ていた。
期待していた「エルザ」は、肝心な部分でチャイムが全く聞こえず、これは残念。

いろいろ細かなことはあったけれど、沼吹の方々の真剣さと集中力が、保科先生の棒に触発されて、気持ちの良い演奏を展開している。
ファリアのメゾソプラノパートを吹いたサックスソロは見事でした。


後半は指揮者が変わってポップスステージ。

40年を振り返る歌謡曲とアニメメドレーに、ダンスも入って「パイレーツオブカリビアン」組曲。団員の皆さんの生き生きとした表情を見て、こちらも愉快になってきた。

お客さんも創立以来の大入りだそうで、盛大にして楽しい演奏会でした。
おめでとうございます。

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沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ワルター指揮NBC響との1939年ライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 


Youtubeは保科洋指揮の「風紋」

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