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2014年7月に作成された記事

2014年7月30日 (水)

ブラモルのメンデルスゾーン

今年の夏は乾燥気味、気温は高いが夜は過ごし易いし、夜の蒸し暑さもさほどでもない。

例年悩まされる蚊も今年は少ないようだ。
昨晩はご近所のお通夜だった。

同じ組ということで受付を頼まれたので、仕事を早退し着替えて葬儀場へ。
自分の住む町内は、古くからの農家だった家と、宅地化した農地に住み始めた比較的新しい家が混在している。

我が家の組は比較的古い家が多く、お通夜の出席はご老人ばかりで、受付を手伝おうとする積極的なご老人は皆無。
結局自分と、お通夜は初めてだという若者と二人で、香典の計算やら記帳。

お通夜が終わっても延々とお金の計算が続く。

今日は初期のNAXOSから出ていた、ブラモル指揮スロバキアフィルのメンデルスゾーン。

曲は交響曲第4番「イタリア」と「真夏の夜の夢」の序曲を含む組曲。
1987年録音。

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今や大手のメジャーレーベルに匹敵するほどになったNAXOSは、初めの頃は指揮者グンゼンハウザーやエドリンガーその他の無名の人たち、オケはチェコ周辺のオケを起用するなど、人件費を節約しながら基本的な名曲路線から始まった。

アンソニー・ブラモルもその手の指揮者で、この録音当時は30歳。

この時のキャリアといえば、直前にスワロフスキー国際指揮者コンクールで特別賞を受賞しているくらいで、安いギャラで起用されたのだろう。

その後バーデン州立歌劇場の音楽総監督やライプツィヒ歌劇場の総監督代理なども務めていて、着実にキャリアを積み重ねているようだ。

このメンデルスゾーンは、きっちり手堅くオケをまとめながらも、ピチピチとした若々しい躍動感が曲想にうまく合っていて心地よい。

「イタリア」などは、定評のあるメジャーな指揮者たちの演奏と比べても遜色ない出来。
後の才能の開花を予見させる輝かしくも爽快な演奏だ。

YoutubeはP。ヤルヴィの指揮でメンデルスゾーンの「イタリア」

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2014年7月28日 (月)

カラヤンの「四季」

今年は梅雨が長かったためか夏の訪れが遅かった。早くも今週末は8月。

本日、大きな案件1つに夕方から月1回の定例会議。

最近トーレンスTD320のアナログプレーヤーのベルトが煩雑に外れるようになった。
レコードの面を替えたりすると外れたりするので甚だ精神衛生上よろしくない。
ベルトドライヴなので、ゴム製のベルトが伸びてしまったからだろう。
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前回交換した時からさほど時は経っていないようにも思えて、しばらく我慢していたがもう限界。
純正ベルトをネットで購入。
 
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到着した新しいベルトと長さを比べてみたら予想外に伸びきっていてビックリ。
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これではパンツのゴムが伸びたまま歩いていたようなものだ。

交換したらユルかった音が、キレのあるエッジの立った目の覚めるような音に変貌。



ブログを辿って調べてみたら前回取り替えたのは2011年1月7日。

・・・・・・・・・・・・3年半も経っていたのであった。(~~;

しばらくゴキゲンな気分に浸って聴いていたのは、カラヤン指揮ベルリンフィルのビバルディの「四季」。

1972年の夏に、スイスのサンモリッツで録音されたグラモフォンの国内盤LP.
ヴァイオリンソロはシュヴァルベ。

かつてレコード屋でLPを買うと、横長の「レコードマンスリー」という小冊子をタダでくれた。
5881bced663c39bf85a8a9cdf9ed8f8e_2 この中に月間売上チャートが載っていて、「四季」ブームの時には、アーヨ独奏のイ・ムジチの演奏とともに、このカラヤンの「四季」が長い間トップを争っていたのも懐かしい思い出だ。
もっとも当時中学生の自分にはレギュラー価格の両盤は、とても手が出るものではなかった。
今の自分の手持ちは、リサイクルショップで格安で入手した国内盤LP.

ちなみに自分が身銭を切って買った初めての「四季」は、フランスの指揮者マルセル・クーロー指揮のシュトゥットガルト室内合奏団の演奏で、日本フォノグラムのグロリアシリーズの廉価盤だった。
これは今聴いても知的に洗練された良い演奏だ。

カラヤンの演奏は思いのほか豪奢でなく、さすがにうまい。
難しいことを考えずに聴くのには最良の演奏。

Cd85ae64fb0a2b64a279ae49ace61e97 初出盤にはこの演奏のリハーサル風景が17センチ盤の特典盤で付いていた。
本演奏よりもこちらの方を早く入手している。中古で50円だった。

こんなことはよく覚えている。
 
Youtubeはケネディの「四季」

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2014年7月27日 (日)

モーツァルトの協奏交響曲K.297b

良く晴れた夏の日曜日、風が強く洗濯物が飛ばされた。

Sdsc01257 朝、静岡に行く娘を静岡まで送っていくと、駅前通りには夏祭りの屋台の仕込みをする人たち。
千本海岸に寄ってみると波が高くて海水浴客は少なめ。

今日の「題名のない音楽会」で、モーツァルトの管楽器のための協奏交響曲K297bをやっていた。

手元の音源からこの協奏交響曲の2種類の異なった版による演奏聴いてみた。
聴いたのは、スイトナー指揮のドレスデン国立歌劇場管とオケのメンバー達による国内盤LP.

もう一つはリステンパルト指揮ザール室内管、ソロはアンドレ・フルニエのホルン、ジョセフ・ボップのフルートらフランス系の人たちによる米ノンサッチのLP.
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もともとこの曲のモーツァルトの自筆譜は失われていて、現在演奏されているのは20世紀になって、モーツァルトの伝記を書いた音楽学者オットー・ヤーンの遺品から発見された筆写譜が元になっている。

モーツァルトの手紙に書かれているこの曲のソロパートは、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン。

ところが発見された楽譜はフルートがクラリネットに入れ替わっていて、今までの録音はほとんどがこの版。


いろいろとモーツァルトの作品とするには疑問な点もあり、一般的には偽作とされている。

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ところが最近になってソロパートはモーツァルトの真作が伝わり、管弦楽部分は第三者によるものだというローバート・レヴィンの説が発表されて、この版によるマリナーや小沢征爾による録音も出ている。

自分としては、魅力的なソロパートを聴いていると、オケ部分はともかくモーツァルトの他の作品に聴かれる霊感は、この曲にも十分に感じ取れると思う。

スイトナーの演奏は伝統的なクラリネットの入る版。 爽やかでよどみなく流れるスイトナーの指揮、それに応えるドレスデンのオケが素晴らしい音を出している。ソロも見事なものだ。このLPは音が非常に良い。


一方のリステンパルトの録音は、フルートを吹いているJoeph Boppがオリジナルのフルートの形に復元して演奏したもの。

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このBoppという人はフルートのためのたくさんの編曲や、楽譜の校訂をおこなっている人らしい。
リステンパルトの指揮もスイトナーに劣らず、いくぶん渋いながらも格調の高いモーツァルトを聴かせてくれる。
Boppの編曲は単純にクラリネットパートをフルートに置き換えたものではなく、改作はホルンパートにも及んでいるが、不自然さを感じさせない見事なもの。

クラリネット版に比べるとギャラントな趣が感じられるのは、単に明るい音色のフランスの奏者たちの演奏だということでもないようだ。

YoutubeはK.297bの第3楽章

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2014年7月26日 (土)

本日の練習、選曲会議

7月最後の土曜は猛烈に暑い。

今日は沼津夏祭り。昨年は仕事関係で朝早くから夜遅くまで詰めていたが、今年は完全オフ。昨晩近くのスーパーで昨年までの同輩に遭遇、彼はそのまま残留している。
どよーんとした暗い表情だった。

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朝、東京に行く上の娘を駅に送ったついでに、千本海岸に行ってみると、どこかの幼稚園児が海岸で磯遊びをしていた。手前には網を繕う漁師たち。
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空は蒼いが遠方は霞んで富士山は見えない。鳩が近くまで寄ってきた。

この木曜はオケの練習日だった。
先週ホルンパートの楽譜を自分が全部預かってしまっていたので、自分が行かないとホルンのメンバーは譜面なしという事態に。

ところが仕事を定時に終えるつもりが、重大な案件がひとつ残り、なかなか終わらない。
3月までならば仕事場と練習会場が至近距離だったので、中抜けして楽譜を手渡すことも可能なのだが今は練習場まで車で30分以上かかる距離。

ようやく終え、市民文化センター小ホール到着は練習開始時間1分前。

すでに着席していたメンバー二人は、自分の顔を見てほっとした表情。
楽器を取り出す前に、まずパート譜を二人に渡す。

練習は「トスカ」第2幕。

先週よりも雰囲気はでてきたものの、歌が入っているわけではないので、断片を繋ぎ合わせたような練習になるのは致し方ないところ。
オペラはオペラ独特の難しさ。

文化センターの終了時間ぎりぎりにようやく第二幕が最後まで通った。

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出番の休みを数えながら、五木寛之のエッセイ集「知の休日」に書いてあったアメリカのメトロポリタン歌劇場の座席の話を思い出していた。

メトの座席は意外と狭くて、遅れてきた客が来ると既に座っていた客が立ち上がり避けないと中に入れないとのこと。
この時着飾った目の覚めるような美女が、今にも接触せんばかりの目の前の至近距離を通過するのがまた良い風情だとあった。

ふーん、そうかぁ。それも日常の場とは異空間のハレの場としてのオペラの風景。
美女でない場合はどうなんだろうか・・・・

練習しながらそんなことを夢想していた。

練習後は来年の定演の方針を決める技術委員会。

事前に回収していた団員の選曲希望アンケートを基に絞り込む作業。

アンケートの内容はそれぞれ真剣に考えた熱心さが伝わってくるものだが、提出されたのは10指に満たず、相変わらず団員内で団を思う気持ちの温度差が大きいのが問題。

自分は今回いろいろと腹案を持っていたので、絞り込み作業の前に皆に伝えた。

30曲近いバラエティに富んだ曲が出てきたが、楽器編成や沼響の今の実情を考えていくうちに次々に消えていく。
ラヴェル、バルトーク、プロコフィエフ。
フランクとラフマニノフのシンフォニーもボツ。

地方アマオケの傾向として、どうしても一般的な誰でもが知っている曲に収斂してしまう。

ちょっと凝った曲には皆一様に????の表情。
ボロディンの2番、シベリウスの1番、チャイコフスキーの1番。

中には面白い曲もあり、いろいろと曲の美点と難易度、面白さを説明しても聴いたことがない曲は所詮賛同が得られない。

結局団員投票にかけるメインの候補3曲は、「田園」、チャイコフスキーの第4番、ブラームスの1番の3曲となった。

まぁ面白みと意外性には欠けるが常識的な線だろうな。

またいつもと同じ沼響の選曲の風景。

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2014年7月25日 (金)

夏の盛りのボエームの会

早くも週末、7月も残り少なくなってきた。本格的な夏とはいえ今年は蝉の声が少ない。ここ数年ニイニイゼミの数が少なくなり、クマゼミが増えたような気がする。

水、木と帰りが遅かったのでブログの更新は火曜以来。

640x640_rect_8103763 水曜の夜は定例ボエームの会。場所は三島の小料理「はちまき」。
今回のメンバーは5人。

ボエームの会のミミこと和美ちゃんと、初回からのメンバーのWさんがこのところ体調すぐれず、急遽欠席になったのが残念。

まずは下田の名店「ひもの万宝」の塩サバは、肉厚のマサバに絶妙の塩加減。
http://hirunomi.exblog.jp/12947377 

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素材にこだわった山形金華豚の冷しゃぶは、上質な脂身でいくら食べても腹にもたれない。
Sdsc01189 とはいえ、5人ではとても食べきれないほどのボリュームだ。

お酒は、先月手つかずだったシャトー・グランドプランティの赤ワインと「初亀」「香り爛漫 純米大吟醸」を小手調べに片付け、新たに控える純米「高天」に「七賢」へと進む。

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そして山形庄内産の巨大天然岩牡蠣。

Sdsc01194 大きな殻に入った肉厚ぷりぷりの身は、グリコーゲンとミネラルたっぷりの趣。

夏にふさわしく、暑さを吹き飛ばすさっぱり味ながらスタミナ補給に十分な内容。

旬の話題で今回も盛り上がりました。

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2014年7月22日 (火)

ジャン・プーニェのルクレール

三連休明けの火曜日。午後に会議の他は平穏な一日。
昨日から映画のロケということで、我が家の上空でヘリコプター2機が乱舞。
何の映画だろう?

今日は1950年代初めにオックスフォード大学出版部から出ていた「新オックスフォード音楽史」による「耳による音楽史」から第6巻。

これは全10巻の音楽史の紹介シリーズで、1巻にLP2枚と解説の小冊子が入っている
国内では1959年頃に音楽之友社が出していて、この10巻とは別に、各巻毎の解説本も別に出版されていた。

20世紀中ごろの判断に基づいた西洋音楽史なので、研究の進んだ現在の古楽器中心の演奏のスタイルとは大きくかけ離れているし、解説文もかなり古めかしい内容になっている。
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だが演奏家たちが魅力的で、指揮者ではボールトやデゾルミエールらの他では聞けない音源が含まれているし、ソリストもホルンのデニス・ブレインの珍しい録音や、若き日のネヴィル・マリナーのヴァイオリンソロも聴くことができる。

第6巻は「器楽の発達(1630~1750)で、この中のルクレールやコレルリ、ヘンデルらのヴァイオリンソナタやトリオソナタを聴いた。

チェリスト当時のバルビローリや、デニス・ブレインと組んで室内楽を演奏したりしていた、ロンドンフィルのコンマスだったジャン・プーニェの弾くルクレールのヴァイオリンソナタが、暖かい音色で気品のあり演奏が非常によかった。

若き日のネヴィル・マリナーがヴァイオリンを弾く、コレルリのトリオソナタも目の覚めるような鮮やかな名演。
イギリス室内管の首席奏者だったフルートのリチャード・アデニーの吹く、ヘンデルのトリオソナタもしっとりとした美しい演奏だ。

録音はモノラルながら非常に良い。

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2014年7月21日 (月)

クロムホルツの「白鳥の湖」

この三連休は特に遠出をすることもなく、畑作業や身近の音楽会。

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畑の百日紅の花には熊蜂の飛行。

今日は近くの牛臥海岸までぶらりと行ってみる程度。 海には釣り船が多く出ていた。
キスが釣れているらしい。
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休みの日の時間が早く過ぎるのは毎度の事也。

今日はバレエ「白鳥の湖」を聴いていた。
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URANIAのモノラルLPで、チェコの指揮者クロムホルツ指揮プラハ国立歌劇場のオケ。
LP2枚だが全曲収録されているわけではない。

冒頭からして弦楽四重奏のようは響きで始まる。
およそバレー音楽とは思えない室内楽的な雰囲気の不思議な演奏。

LPBOXがつぶれて崩壊寸前。

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2014年7月20日 (日)

米ハイドン協会のバッハ

曇り一時雨。昨日に続き午前中畑作業。
トウモロコシを収穫、ハクビシンに何本かやられていたので、多少若いものでも採ってしまった。

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その他ナス(もう食べ飽きた)にピーマン、夏野菜の最盛期。

今日は300年余り昔の嵐の時、町内に流れ着いた地蔵を祀った地蔵堂の祭典。

Sdsc01110 くじの抽選券が各家に配られていたので、くじを引くために顔を出すことにした。

焼きそば、焼き鳥、その他町内の人たちの屋台が立ち並ぶ。

くじは3等が当たった。

今年に入って籤運が良く、バカ当たりはしないものの、そこそこのものが当たっている。
3等商品は味噌の詰め合わせ。
Sdsc01112 ささやかなものだが、こんなものでも当たればよい気分。

屋台では手作りの餅を購った。
こちらはたっぷりの餡が入った人気商品。

そして音楽は米ハイドン協会のLPで、バッハのチェンバロ協奏曲。

1,4,5番のコンチェルトでF.ヴィデレのチェンバロ、L.フリースホルム指揮コペンハーゲン・コレギウム・ムジクムというもの。
コペンハーゲンでの録音。全てデンマーク人達による
F.ヴィデレは2台のチェンバロのための協奏曲の3曲の録音も残している。

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音の大きい骨太のバッハ。
ほとんど同じ音量で最後まで通すのは米ハイドン協会の趣味なのだろうか。

録音も古色蒼然たる乾燥しきったセンベイのような固い音だ。

第4番はオーボエ・ダ・モーレへの編曲版の方が好み。
F.ヴィデレのチェンバロは、無表情にひたすら真面目に突き進む演奏だ。

肉厚のボール紙を使ったジャケットも、田舎のぼたもちのようなぼってりとしたもの。

759 沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」にミトロプーロス指揮ミネアポリス響の世界初録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 





Youtubeはバッハのオーボエ・ダ・モーレ協奏曲。チェンバロ協奏曲第4番を編曲したもの

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2014年7月19日 (土)

ジャパニーズカルテット2014

三連休初日は朝から雨。大気が不安定で一時雷を伴った激しい雨。
午前中は、晴れの合間を縫って畑で夏野菜を収穫していた。

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今年は大きなスイカが実をつけた。

午後は市民大学に行く母を千本プラザまで車で送った。

玄関前に車を付けると、見たことのある男性が立っている。
今日の講師の山根一眞氏だった。
氏の著書「メタルカラーの時代」はかつての愛読書。

母を送ってそのまま、ジャパニーズカルテット2014のコンサートのために、家内と上の娘と清水町の地域交流センターへ。

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途中で本格的な雨。

ジャパニーズカルテット2014は、おそらくこの時だけの名称で、出演は邦楽演奏家の川井亜弥子、池上眞吾、小湊昭尚、日吉章吾の4人で、筝、三絃、十七絃、尺八による邦楽。
尺八の小湊 昭尚をはじめとする日本を代表する一流邦楽演奏家たちの演奏だ。

懇意にしている日吉さんが出演するということで行ってみたもの。

一昨年国立劇場で下の娘が筝を演奏した際には、日吉君が駆けつけてくれた。

第一部は著名な「春の海」で始まり、日吉君の三絃と唄で江戸期の名作長唄「黒髪」(初代 湖出市十朗 作曲)
宮城道雄の処女作「水の変態」、現代作品で筝四重奏曲(船川利夫)

休憩を挟み、第二部
「サーウィンズ」(池上眞吾)、「土声」(沢井比河流)に続いて、池上眞吾編曲による映画音楽、私のお気に入り、雨にぬれても、ひまわりなどの8曲。

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古典から現代曲までの邦楽作品を揃えた第一部。
そして比較的軽めの邦楽作品と映画音楽までの第二部。
硬軟取り混ぜたお洒落で品格のあるプログラム。

曲は、三楽章からなる筝四重奏曲(船川利夫)が、ルーセルやオネゲルの田園風の作品を彷彿させる、美しい音楽で印象に残った。

出演者の池上眞吾作曲の「サマーウィンズ」はヒーリングミュージック風の爽やかな音楽。
映画音楽も格調の高いアレンジだった。


邦楽の純和風な趣味の良さを十二分に紹介しながら、西洋音楽の魅力を取り入れた新しい音楽の息吹が感じられた非常にハイレベルなコンサートだった。 
筝の美しい響きにしばし陶然。

尺八の小湊 昭尚は、スーザン・ボイルと共演したりavexからCDを出していたりと、邦楽界のプリンスとされているらしい。
終演後のCD即売サイン会には多くの女性が集まっていた。

終演後のロビーで日吉君にご挨拶。
あい変らず礼儀正しい幾分シャイで爽やかな好青年。

日吉君はこの11月に、太陽の記憶「卑弥呼」(菅野由弘作曲)公演で、ヴァイオリニストの大谷康子、チェロの堤剛、笙の宮田まゆみ らとサントリーホール大ホールで共演する。


Youtubeは池上眞吾作曲「星降る谷間」

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2014年7月18日 (金)

本日の練習、ホルンピンチ。ツバメの巣落下す

曇り夕方から雨。7月も半ばを過ぎたというのに夜は涼しい日が続いている。
蝉も猛暑だった昨年に比べると大人しい。

三連休を控えた金曜日。
夏休みを取って旅行に出かけた者もあり、職場内はなんとなく浮いた気分が漂う。

ツバメの巣が昨日落下してしまった。
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巣が成長した5羽のヒナの重みに耐えられなかったようだ。
落下したヒナのうち4羽の姿は見当たらず、おそらく猫にさらわれてしまった。

残りの1羽は巣の残骸の下で生きていたので、巣を補修して中に入れておいたのだが、 親のツバメが帰ってくることはなく、一晩中ピィピィと泣いていたが、翌朝見たら落下して力尽きていた。(T^T)
諸行無常。

そして 昨晩はオケの練習日。
場所は市民文化センター地下の練習室。

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仕事が長引き、センターに到着すると駐車場は満車。
ゲートの外では3台ほどが順番待ちの様子。大ホールで催し物があるようだ。
遠くの駐車場に行くのも億劫なので、しばらく待つことにした。
時計は7時半を回っている。

さほど待つこともなく大ホールから大勢の人が出てきた。
コンサートが終わったにしては中途半端な時間なので、講演会か何かの大会があったのだろう。


練習には1時間近くの遅刻。 既にホルンは人数が揃っているかと思いきやリハーサル室に入ると1名のみ。
弦と木管は揃っているが金管は他にトランペット、トロンボーン各1.打楽器なしという状態。
曲は「トスカ」第1幕の半ばあたり。

急ぎ楽器を組み立て合奏に加わったものの、ウォーミングアップ不十分の上に2週間のブランクで、音がスカスカで思うように出ない。
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前半の練習がまもなく終わり休憩時間はもっぱら基本的な音出し。
結局後半もプッチーニ独特のテンポの揺れにうまく乗れず苦戦の一時間余り。
緊張感に欠けた自分に反省。

現在ホルンの正団員は7名。そのうち病休1名今回不参加表明中1名の実質5名だが、その中で参加を危ぶむ者2名。
ホルンは今回ピンチである。

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2014年7月16日 (水)

ホッターの冬の旅

梅雨は未だ明けず、蝉が本格的に鳴きだした。

本日夕方から組織幹部を集め、自分の担当する案件で重要な会議。

車検に出した車がピカピカになって帰ってきた。
車にはあまり興味がないので10年選手のカローラ。 エンジン快調で当分乗るつもり。

こんな夏の夜に聴くシューベルトの「冬の旅」。
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ハンス・ホッターのバリトンにジェラルド・ムーアのピアノによる1954年録音。
英エンジェルのLP2枚組。

「冬の旅」は暗いイメージが強くてあまり好きな曲ではなかったが、 深くて柔らかく重くないホッターの素晴らしい歌唱。

聴いていて時の経つのを忘れるほど。
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第1面を裏返したらエンゼルマークだったので驚いた。
2枚目が2,3面だったのだ。

Youtubeはホッターの冬の旅

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2014年7月15日 (火)

バルビローリのシューベルト

早朝、トントントンという木槌で叩くような音で目が覚めた。
時計を見ると5時をちょいと回った頃。寝室の窓のあたりから聞こえてくる。
これは聞いたことのある音・・・・キツツキだ。

10年ほど前に毎朝来て、すっかり寝不足になったことを思い出し、また同じことになるとたまらないので窓をガラリと開けて脅かした。

飛び去った後姿が目の端に残った。

すっかり目が覚めてしまって庭に出てみたら、車庫のあたりからピーピーと賑やかな鳴き声。数日前に今年2度目のツバメのヒナが孵り、こちらも賑やかなことになっている。
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今度は5羽孵ったようだ。

今日はバルビローリのシューベルト。ハレ管との第9番ハ長調の「ザ・グレート」の交響曲を聴く。1966年バルビローリ晩年のEMIへの録音。
手持ちは新星堂が出していたCD.

バルビローリのロマンティックな解釈に、薄く透明な響きのオケがほどよい爽やかさを加えている。
バルビローリ独特の粘着質な歌い方の中にもところどころユニークな解釈が登場。

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第2楽章終盤の長いパウゼなど、ここで曲が中断したかと思えるほどだ。
第3楽章中間部のワルツのような優雅な歌わせ方も独特なもの。

ハレ管も健闘、これは相当バルビローリに絞られたようだ。
Youtubeはバルビローリのリハーサル。

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2014年7月14日 (月)

マゼール逝く

曇り時々雨。スマホ交換のために一次帰省していた下の娘が帰って行った。

今日から試験だという。
科目が西洋音楽通史だというので、昨晩いろいろとちょっかいを出していたら露骨に拒否。

昨日は大叔母の100歳の誕生会。
若い頃小学校の教員をしていた大叔母の、教え子さんたちが計画してくれた会で、自分は大叔母の実家ということで出席。

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慕って集まった教え子さんたちは60人ほど、いずれも70代。
20人あまりの孫・曾孫と合わせ100人余りが集まり、賑やかなで和やかな会だった。

足は不自由になったとはいえ大叔母は未だ頭脳明晰、気持ちも若く、とても100歳には見えない。
集まった教え子たちとほとんど同年齢にとしか見えないほど。 夫とはぐれながらも、幼子3人を連れて敗戦時の満州から引き揚げてきた時の話など、当時の記憶も鮮やかに話してくれた。

目標は大還暦(120歳)だという。
記念品のひとつはバウムクーヘン「百年乃樹」

巨匠マゼール逝く。
今年のボストン響との来日中止の際、ただアクシデントのためという発表だっただけに、まさかこんなに早く逝ってしまうとは思わなかった。

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有り余る才気の中に、ある種の狂気を感じられる演奏をする時があり、是非実演を聴いておきたかった。
来月のPMFのチケットを入手してあっただけに、なおさら残念だ。
マゼールの録音はいろいろとあるけれど、若い頃のマゼールの演奏、特に60年代のマゼールが一番好きだ。

Sdsc01033 今日はベルリン放送響とのバッハ「復活祭オラトリオ」と「ロ短調ミサ」から数曲を聴いていた。

いずれも60年代半ばのマゼール。

きっちりと端正と仕上げながら、生き生きとした生命力を感じさせるバッハ。
いずれも才気渙発な名演だ。

沼響のHPの聴き比べコラム、「巨人を聴く」にワルターのバイエルン国立管とのライヴの感想をアップしました。
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Youtubeはマゼール指揮の「巨人」フィナーレ

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2014年7月12日 (土)

外山啓介ピアノリサイタル

本日快晴、朝早くに千本海岸に行ってみると蒼い海と空。

富士山は雲に隠れて見えず。

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午前中に下の娘とドコモショップに行き、調子の悪いスマホをみてもらうと、バッテリが完全にいかれしかもケースにはひびが入っていた。
バックアップしてなかったデータは全てダメ。保険で同じものと交換となった。

Sdsc00962 昼から仕事で、夕方は外山啓介ピアノリサイタルとなかなか忙しい土曜日。

外山啓介は2004年日本音楽コンクール1位。
その後発売されたCDが好評で、何枚かはレコ芸の特選に選ばれている。

場所は沼津市民文化センター小ホール。客の入りは半分ほど。
開演が5時半なのが珍しい。

なかなかのイケメンで爽やかな好青年。客層も女性が多かった。

曲はモーツァルトのロンドイ短調、トルコ行進曲付きのソナタ、悲愴ソナタ、 後半はリストの愛の夢第3番にロ短調のソナタ。
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有名曲ばかりだが、ソナタ3曲を並べる弾き手にとってはヘヴィなもの。

最初のモーツァルトは柔らかなタッチの堅実な出来。 有名曲すぎて些細なミスタッチが素人にもわかるのが気の毒。
次の「悲愴」は繊細にしてスケールの大きな大器を予感させるもの。
輝かしい音色でスピード感が感じさせるのが良かった。

後半はリスト。 演奏時間30分になんなんとするロ短調のソナタはまさに全力投球の演奏。

動と静の対比が明快で、起承転結のわかりやすい演奏だった。
前半で居眠りしていた家内も後半は起きていた。
10448750_599726436813414_5787148709 テクニックも十分で曲の長さを意識させない優れモノ。
緊張感も途切れず最後まで弾ききった爽快な演奏でした。

弾いた後の精根尽き果てた中で引いてくれたアンコールは「亜麻色の髪の乙女」。
 
美しく繊細な演奏で、爽やかな後味の残る演奏でした。

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2014年7月11日 (金)

バティスのロドリーゴ

直撃必至と思えた台風は、結局伊豆半島南端を掠めて房総半島へ。こちらはほとんど無風状態で雨も小雨程度。いつ去ったかも判らないほど。

今日は台風一過、気温も上がり湿度も高い。本日最高気温35度。

夜は市文化センター主催のディスクコンサートで解説。今回はオペラ「椿姫」を取り上げた。 オペラの解説は、詳しい人たちが聴きに来るので気を使う。   
帰宅は9時過ぎ、下の娘が帰省していた。
スマホの調子が悪く買い換えたいとのこと。
まだ買ってから2年も経たないというのに、けしからんことである。
明日ショップへ行き、見てもらうことにする。

今日は通勤の車中で、ロドリーゴとファリアの作品を聴いていた。

Varese SarabandeのCDで、ロドリーゴは「ある貴紳のための幻想曲」「アンダルシア協奏曲」。 そしてファリアの「恋は魔術師」というもの。
演奏はメキシコの爆演系指揮者エンリケ・バティスとメキシコ国立交響楽団というもの。

ギターソロはアルフォンソ・モレーノ。
4つのギターのための協奏曲の「アンダンルシア協奏曲」ではミネルバ・ガリバイ,セシリア・ロペス,ヘスース・ルイスの3人が加わる。

1980年の録音で、国内盤のCDは最初ビクターから出ていて手持ちはこちら。
後にEMIクラシックスからも出た。この再発の時にはファリァは入っていない。


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古い器楽曲を素材にした「ある貴紳のための幻想曲」は、アルカイックな中に気品が感じられて、「アランフェス協奏曲」よりも好きな曲だ。

この盤のソロも伴奏も無難な出来で、曲の良さは充分に伝わってくるもの。

ただ、ロドリーゴのギターとオーケストラのための曲は、どれも同工異曲に聞こえてしまう。「アンダンルシア協奏曲」はなぜギターが4台必要なのかがわからない。

一方のファリアとなるとオケの薄い響きがやはり気になった。
爆演指揮者として定評のあるバティスの棒も、安全運転に終始して面白みに欠ける。


Youtubeは「ある貴紳のための幻想曲」、ソロは村治 佳織

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2014年7月10日 (木)

ウラッハのモーツァルト

台風は次第に接近、午前3時には我が家の上空に到達予定。

現在午後10時。無風状態で雨はポツリポツリ。
とても台風が接近中とは思えない。
本日夜に予定していた外部講師を招く研修会は台風直撃の気配のため中止。

昨日は一日休みをいただき、台風に備えてトウモロコシとトマトに竿を添えたりしていた。
こんなことをしても台風直撃となれば一溜りもないことはわかっているが、ほんの気休め。

その他母を連れて、イトーヨーカドーへ大叔母100歳の誕生日の記念品などの買い物。
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夕方には父方の祖母の実家の親戚が、畑で採れた馬鈴薯を持ってきてくれた。

ご当地グルメ三島コロッケの材料となっている、箱根名産のメークイーンと男爵をひと箱ずつ。
祖母がこの家に嫁いできた80年前から、代替わりしても毎年届けてくれる。
  ありがたいことです。夕餉はさっそく採れたての男爵芋でじゃがバター。

音楽は、モーツァルトのクラリネット協奏曲とファゴット協奏曲。
 
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ウィーンフィルの首席ウラッハとエールベルガーによる往年のウエストミンスター録音の名盤。
手元にはオリジナルのマスターテープからCD化された、MCAビクターのCDもあるが今回は先日、近くのハードオフのジャンクコーナーから100円で救出した国内盤のLP。
レーベルを見ると米abcのロゴが見える
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経営難となった米ウエストミンスターが米abcへ身売りとなり東芝が出したもの。

いずれも聴いていてホッとするような美しく流れるモーツァルト。
ロジンスキーの伴奏も作為のない自然体。 モノラルながら録音も良い。

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2014年7月 8日 (火)

フィンジの「エクローグ」

最強の台風襲来に、どこのチャンネルも台風の脅威を伝えるニュース。

ところが今朝の自分の周囲は、台風とは無縁な快晴。空気は湿り気を帯び、日差しも強く朝から暑い。
オフィス周辺の木立には、クマゼミのシャーシャーという大きな鳴き声が響いていた。

台風は東海地方に木曜夜から金曜にかけての到達予定。

Sdsc00945 順調に育ってきた畑のトウモロコシとトマトがまさに風前の灯。
そして金曜夜は、市文化センター主催のクラシックディスクコンサートで解説。

直撃にならないように祈るのみ。 夜から雨。


今日は近代イギリスの作曲家、ジェラルド・フィンジの協奏曲作品を聴いた。
NAXOSから出ているCDで、内容はチェロ協奏曲、ピアノとオーケストラのための「エクローグ」に、同じくピアノとオケのための「大幻想曲とトッカータ」。
ティム・ヒューのチェロ、ピーター・ドノホーのピアノにグリフィス指揮のノーザンシンフォニアというもの。

フィンジの世界を初めて知ったのは学生の時。

札幌のデパート(今はなくなってしまった五番館だったと思う)で輸入レコードのセールがあり、この時、ホルストの娘、イモージェンが振ったホルストの「合唱幻想曲」と「詩編86番」の入った英EMIのLPを見つけた。

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当時の私は貧乏学生、未知の曲のLP1枚を買うのに勇気がいる時期だったので、この時の様子は、建物の柱の色までもよく覚えている。

このLPには、フィンジの甥が振ったカンタータ「ディエス・ナタリス」がカップリングされていた。
フィンジという初めて聴く作曲家の、病的なほどの弱々しさと、ある種の危うさの感じられる繊細な音楽が非常に印象に残った。


Spirit2 それから10年余りの月日が経ち、フィンジとの再会は英ニンバスが出していた近代の英国音楽を集めたCD4枚組。「スピリッツ・オブ・イングランド」第2集。

ホルストやディーリアス、ヴィーン・ウイリアムス、エルガーといったおなじみの大家から、アイアランド、バックスらの作品を集めた中に、フィンジの「エクローグ」が収録されていた。

演奏はマーティン・ジョーンズのピアノに、ウイリアム・ボートン指揮イギリス交響楽団いという初めて聴く演奏家たち。


初めて聴くこの「エクローグ」の純粋で清楚な美しさにすっかりまいってしまった。
本当に選ばれた者にしか書けぬ純粋な旋律。

NAXOS盤に聴くチェロ協奏曲は、第3楽章がチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のフィナーレに非常に似ていて、はじめにピアノのソロが延々と続く「大幻想曲とトッカータ」は、まるでバッハのような世界。
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フィンジ独特の抒情的な美しさは、チェロ協奏曲の第2楽章にわずかに感じられるものの、この2曲は作品としての魅力は薄い。

お目当ての「エクローグ」では、チャイコフスキー国際コンクール優勝者のドノホーのピアノがうますぎて健康的すぎ。 影の薄いニンバスのジョーンズの演奏の方が曲想に合っているようだ。


Youtubeはフィンジの「エクローグ」

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2014年7月 7日 (月)

ロザンタールの「トスカ」

七夕の月曜は雨、巨大台風が接近中。本日、会議打ち合わせその他。

 
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昨日は久しぶりの晴れの日曜日となり、伸びて見苦しくなっていた畑の周囲の生垣、延べ200メートルほどを刈り込んだ。  
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ここで満を持して買ったばかりの電動草刈りバリカンの登場。 
新しいだけに切れ味も良く、バリバリシャカシャカとバリカンは快調に突き進む。  
 
昨年までの伝統的な剪定用長鋏に比べると、作業の所要時間は実に四分の一。
 
途中蜂の巣に遭遇し、スズメバチに襲われるアクシデントはあったものの、 30分ほどで刈り込みはほぼ終了。  
 
こんなに楽ならば、もっと早くに買っておくんだった。 
 
全ての作業は午前中に終わり、シャワーを浴びて一人で昼食。  
 
家内は、最近発見されたという今話題の柳原白蓮が奉納した鈴を見るために、実家の両親を連れて、裾野の佐野原神社へ行っている。
 
午後はオペラ「トスカ」を聴いていた。 
Sdsc00936_2 演奏はラヴェルの弟子だったロザンタール指揮パリオペラ座管という珍しいもの。
 
仏ヴェガのLP2枚組で、トスカ:Jane Rhodes,カヴァラドッシ:Albert Lance, スカルピア:Gabriel Bacquierという顔ぶれ。
 
真紅のビロード張りのケースに、非常に豪華な解説冊子が付いている。
 
フランス語歌唱だが違和感はない。
 
作曲家でもあるロザンタールが、師ラヴェルにプッチーニについて批判したところ、プッチーニを高く評価していたラヴェルが、ロザンタールの前で「トスカ」全曲をピアノで弾いたというエピソードがある。
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そんなことを思い浮かべながら聴いていた午後のひと時。
作業の疲れから良い気持ちとなり、ウトウトと寝入ってしまった。

続きを読む "ロザンタールの「トスカ」"

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2014年7月 5日 (土)

ピゲのイタリア、ルネッサンス舞曲集

この土曜日も雨模様。これでほぼ3週間連続土日は雨。

先週買った剪定用バリカンの登場はまたお預けだ。

7月になったというのに肌寒さを感じさせるおかしな一日。

昨晩3時就寝本日6時起床、睡眠不如意。
午後市民大学講座に行く母の送り迎え以外は外出することもなく、無為に過ごした休日。

今日はフランク・マルタンのオラトリオ「ゴルゴタ」を聴くつもりが、最初の部分を聴きかけて、バッハのマタイ受難曲に通じるあまりにも重い内容に途中で針を上げてしまった。
Sdsc00906 R.ファーラー指揮の管弦楽団にローザンヌ合唱団ほかによるエラート原盤の日本コロンビアのLP2枚組。

作曲者自身の監修による演奏。

このような曲は、それなりの心構えが必要。
他日に仕切り直し。

気分を入れ替え、ミッシェル・ピゲ指揮チューリッヒ・リチェルカーレによる15世紀イタリアルネッサンスの舞曲集。

ヴィオールやバロックオーボエによる、マイネリオ、ガストルディ、ガリレイ、ガブリエリらの舞曲を集めたもの。
ミッシェル・ピゲは、ホグウッドのブランデンブルク協奏曲録音にも加わっているオーボエ奏者。
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自ら組織したオーボエバンドとE.タール率いるブラスアンサンブルと組んでヘンデルの「王宮の花火の音楽」の録音も残している。

当時は初演当時の編成に近いものとして話題になったように記憶しているが、楽器はモダン楽器に近い響きだ。
驚くほど鮮明な音で、ヴィオールやオーボエの美しく明るい楽しい響きが実に楽しい。
何も考えずに部屋に流しておくには良い音楽だ。
手持ちはエラート原盤の国内盤LP.この種のものは不思議と録音の良いものが多い。

127 沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ワルター指揮の1947年ロンドンフィルとのライヴの感想をアップしました。


Yutubeはフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのルネッサンス舞曲集

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2014年7月 4日 (金)

定演のCDとDVDが出来た。

新たにな部署に変わって三か月。
このところ一日一日の過ぎるのが、感覚的に非常に早い。
まるで体内時計が狂ってしまったかのようだ。

今週もいろいろなことがあった。

今日は外部の偉い先生数人を招き、組織トップを含めた重要な会議。
仕事を離れて非常に興味深い話を聞くことができて、有意義な時間。

昨晩は沼響の年に一度の定期総会。

ところが仕事が長引いたのと、会場の市民文化センターの視聴覚室のスピーカーがだいぶ痛み、相談を受けていたので、文化センターに到着しても練習会場に直行せずに、視聴覚室のスピーカーJBLの銘機4343の具合を診ているうちに遅くなってしまった。

Jbl4343awx2 スピーカーはホールがオープンした30年前に購入したもので、最近音がだいぶ甘くなっていた。
中を見るとコーンもへたりエッジがだいぶ痛んでいる。

とりあえず新しいスピーカーを買うことをせずに、修理に出すことを勧めておいた。

そんなことをしていて、オケの総会には終了近くにようやく間に合った。

総会は、活動報告と予算決算の審議に新役員の選出などなど。
気が付くとその日は創立以来のメンバーは自分ひとりとなっている。

定演のCDとブルーレィのDVDが出来上がっていた。

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今日は、通勤の車中でこのCDの「巨人」を聴いていた。

第一楽章の始めのあたり、ハープがポロンと鳴った部分で不覚にも涙が出てきた。

いい演奏で、とても沼響の演奏とは思えない・・・・・。

沼響草創期をささえてくれた多くの人たち。

今まで一緒に演奏した多くの仲間たち。そして指揮者やソリストの先生たち。

30年間一緒にホルンを吹き、沼響の発展に尽くしたWさんが、突然の難病のために今回出演不可能になってしまったことなど。

オケができた頃からの、いろいろな思いが噴き出してきた。 

Youtubeはメータ指揮の「巨人」

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2014年7月 2日 (水)

フルトヴェングラーの「ザ・グレート」

梅雨は明けず6月の気配を残したまま7月へ。気温は高いが湿気は少ない。

今日はひさしぶりにフルトヴェングラー。

シューベルトのザ・グレートと呼ばれるハ長調の交響曲。
聴いたのは1953年9月15日のベルリンフィルとのライヴ。

4種あるフルトヴェングラーのこの曲の録音中最後のもの。
手持ちは伊ラウディス原盤の国内盤LP。

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いくつかあるLPやCDの中で、この盤は音質が良いということになっていて、同じ素性の伊イ・グランディ・コンチェルティ盤からの板起こしCDまで出ている。

同一演奏の他の盤を聴いていないので比較はできないが、この種のライヴとして比較的音は良いが、1951年のグラモフォンへのスタジオ録音ほどではない。

フルトヴェングラーらしき雄渾な演奏ではあるものの、第1楽章終結部の、軟体動物のような大きなテンポの変化は、自分としては付いていけない。
とはいえ第3楽章からフィナーレにかけてのデモーニッシュな迫力は、フルトヴェングラーならではのもの。

幻のガシュタイン交響曲と呼ばれたものがこのハ長調の曲であることが特定され、番号は7番に始まり9番を経て8番に落ち着いたらしいが、8番といえば自分の世代では「未完成」のイメージ。

実際にこの曲を演奏してみると、「未完成」と比べて、中身がスカスカでシンプルな感じなのだが、大指揮者が振るとブルックナーにも似た巨大な世界が現れるのが不思議。
Youtubeはアバド指揮の「ザ・グレート」

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