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2014年7月27日 (日)

モーツァルトの協奏交響曲K.297b

良く晴れた夏の日曜日、風が強く洗濯物が飛ばされた。

Sdsc01257 朝、静岡に行く娘を静岡まで送っていくと、駅前通りには夏祭りの屋台の仕込みをする人たち。
千本海岸に寄ってみると波が高くて海水浴客は少なめ。

今日の「題名のない音楽会」で、モーツァルトの管楽器のための協奏交響曲K297bをやっていた。

手元の音源からこの協奏交響曲の2種類の異なった版による演奏聴いてみた。
聴いたのは、スイトナー指揮のドレスデン国立歌劇場管とオケのメンバー達による国内盤LP.

もう一つはリステンパルト指揮ザール室内管、ソロはアンドレ・フルニエのホルン、ジョセフ・ボップのフルートらフランス系の人たちによる米ノンサッチのLP.
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もともとこの曲のモーツァルトの自筆譜は失われていて、現在演奏されているのは20世紀になって、モーツァルトの伝記を書いた音楽学者オットー・ヤーンの遺品から発見された筆写譜が元になっている。

モーツァルトの手紙に書かれているこの曲のソロパートは、フルート、オーボエ、ファゴット、ホルン。

ところが発見された楽譜はフルートがクラリネットに入れ替わっていて、今までの録音はほとんどがこの版。


いろいろとモーツァルトの作品とするには疑問な点もあり、一般的には偽作とされている。

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ところが最近になってソロパートはモーツァルトの真作が伝わり、管弦楽部分は第三者によるものだというローバート・レヴィンの説が発表されて、この版によるマリナーや小沢征爾による録音も出ている。

自分としては、魅力的なソロパートを聴いていると、オケ部分はともかくモーツァルトの他の作品に聴かれる霊感は、この曲にも十分に感じ取れると思う。

スイトナーの演奏は伝統的なクラリネットの入る版。 爽やかでよどみなく流れるスイトナーの指揮、それに応えるドレスデンのオケが素晴らしい音を出している。ソロも見事なものだ。このLPは音が非常に良い。


一方のリステンパルトの録音は、フルートを吹いているJoeph Boppがオリジナルのフルートの形に復元して演奏したもの。

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このBoppという人はフルートのためのたくさんの編曲や、楽譜の校訂をおこなっている人らしい。
リステンパルトの指揮もスイトナーに劣らず、いくぶん渋いながらも格調の高いモーツァルトを聴かせてくれる。
Boppの編曲は単純にクラリネットパートをフルートに置き換えたものではなく、改作はホルンパートにも及んでいるが、不自然さを感じさせない見事なもの。

クラリネット版に比べるとギャラントな趣が感じられるのは、単に明るい音色のフランスの奏者たちの演奏だということでもないようだ。

YoutubeはK.297bの第3楽章

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