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2014年9月 8日 (月)

岩井直溥の詩曲「渚の詩」

曇り時々雨。ここ数日夜は寒さを感じるほど。今日は10月上旬の気温だという。

日照不足で野菜が高騰しているとのことだが、我が家の場合野菜はほぼ自給自足。
足りない分はご近所の農家の無人市場から調達しているので、さほどの不自由は感じていない。

9月に入りスケジュールは次々と埋まっていく。夏休みは取れないことになりそうだ。

今日は岩井直溥さんの吹奏楽曲から詩曲「渚の詩」。
この曲は自分が中学生の時、吹奏楽コンクールの静岡県大会で島田第二中が演奏したのを聴いたのが初めての出会い。
おそらくこの時が初演に近いものだったと思う。

ドビュッシーの「海」も似た印象派風の静けさと清らかさが非常に印象に残った。

この頃まだカセットテープレコーダーのコンクール会場への持ち込みが自由で、普及したばかりのラジカセを皆が争って会場に持ち込んでいた。
演奏終了後に会場のあちらこちらから録音スイッチを切るカシャカシャという音が鳴り響いていて、審査員の方々にとってはさぞや耳障りだったろう。

自分もその例にもれずSONYのラジカセを持ち込んでいた。 おかげで中学生の時の録音が今でも残っている。
当時のラジカセはモノラル。 ステレオラジカセもまもなく登場したが、とても親に買ってくれとは言えない値段だった。

コンクール会場でこの島田第二中の演奏の録音を採り、その頃は何度も繰り返し聴いていた。
島田第二中はその翌年も同じ「渚の詩」でコンクールに臨み、静岡県代表として東海大会に出場。全国大会出場は逃したが見事金賞を受賞している。

その後島田第二中の演奏テープは誰かに貸してそのまま帰って来ず、自分にとって「渚の詩」はそのまま幻の曲となってしまった。

そんな中で最近、ヤフオクで「現代吹奏楽大系」という吹奏楽のオリジナルからマーチ、アンサンブルまで至るLP100枚のセット物を入手。
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その中の邦人オリジナル曲の巻にこの音詩「渚の詩」が収録されていたのだ。

静岡民謡の茶っきり節のフレーズが出てきたりと、ローカル色が濃い曲だったので、この曲は島田第二中の委嘱作品で楽譜は学校に秘蔵され日の目が出ることはないだろうと勝手に思い込んでいたので、プロの演奏家の音源が存在するという想定外の事実が非常に嬉しかった。

調べてみると自作自演の録音もあるようだ。

聴いてみるとなんとも懐かしくも爽やかな響き。
あぁこの曲だ・・・・・
思わず10代の頃にタイムスリップ・・・・・

と思いきや、聴いている途中で美しいけれど曲の軽さが気になってきた。


どんな曲でも新鮮に受け入れることができた10代の頃と、良くも悪くも過剰なほどの音楽を聴いてきた今とでは、自分の感性がすっかり変わってしまっていたのだ。
思い出の中で曲が美化され過ぎていたのかもしれない。

ほろ苦き後味。

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