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2014年11月19日 (水)

市河彦太郎「文化と外交」

本日晴れて穏やかな一日。

先週から来月初めまで厳しい毎日が続く。

市河彦太郎の「文化と外交」(岡倉書房 昭和14年)をオークションで入手。 この本の実物は地元の図書館で中身を見ていたが、ようやく入手できた。
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市河彦太郎は昭和初期の外交官。フィンランド公使の時に、住居がシベリウスの次女の隣だったこともあり、おそらくシベリウス本人と最も深い関係のあった日本人。

市河彦太郎は旧制沼津中学校、東京大学法学部卒業。 外交官として上海、マカオ、ニューヨーク、カルカッタ、フィンランドへ赴任。 外務省文化事業部第三課長、同第二課長の後イラン特命全権大使。
昭和21年4月、森田豊寿の衆議院議員選挙の応援演説中に倒れ急逝。享年50歳。


日本の文学書を「たんぽぽ文庫」と称して赴任先の海外の図書館に寄贈。 妻は後藤新平の孫。 エスペラント語にも堪能、音楽にも詳しくエッチングやペン画もたしなむ大変な教養人だった。

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市河彦太郎のフィンランド公使はスゥエーデン大使館の出先のような存在で、フィンランド在住の日本人は、市河夫妻以外はほとんどいない状態だったらしい。
この「文化と外交」にはシベリウスと初めて会った時のエピソードが書かれている。


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今日聴いた音楽はバッハの「ゴールドベルク変奏曲」
ピヒト・アクセンフェルトのハープシコードによるエラート原盤の国内盤LP.

アニー・フィッシャーにも似た端正にして格調の高いバッハ。
多彩な音色で楽しませてくれる名演だ。

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