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2014年12月に作成された記事

2014年12月31日 (水)

今年最後はハスキルのモーツァルト

2014年大晦日は晴れ夜一時雨。遠くでは雷が鳴っている。 

慌ただしい年末がいつものように過ぎていく。 
いつもと違うのは今年就職した上の娘と一緒に自分、家内、娘の車3台を洗車。 
 
紅白をつまみ聴きしながらの大掃除は結局すべての部屋まで終わらず、そのまま年を越しそうな気配。
 
紅白は中森明菜、サザンといった懐かしい顔ぶれにしばらく手を休め見入ってしまった。
サザンは31年ぶりの紅白登場だという。 
 
出場者それぞれの年齢に応じた風貌の変化に年月の経過を感じるものの、桑田佳祐の変わらぬエネルギッシュな姿に何か救われるような思い。  
 
今日はクララ・ハスキルのモーツァルトを聴いていた。
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ウエストミンスターへのモノラル録音で、ピアノ協奏曲第19番、第20番の2曲。
伴奏はヘンリー・スヴォダ指揮のウィンタートゥール交響楽団、国内盤LP.
 
美しくも心優しきハスキルのモーツァルト。
柔らかで暖かなピアノの音に心が洗われるようだ。
 
カデンツァの前後の独特のテンポの動かし方など神の域。
スヴォダの伴奏も非常に良い。
 
そして年末ということで、ベートーヴェンの第9の第3,4楽章も聴いてみた。 
数ある手持ちの中から聴いたのは、アンタル・ドラティ指揮ロイヤルフィルの演奏。
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英グラモフォンのLP2枚組。 
このドラティのベートーヴェン交響曲全集は、LP時代には結局国内盤は発売されなかった。
ネットで検索していたら6年前の自分の記事が出てきた。
基本的な印象は変わらぬが、無欲で真摯な姿勢でベートーヴェンに対峙した潔さを強く感じる演奏。  
果たして来年はどのような年になるのか・・・・
1049700_2   沼響のHPの「巨人を聴く」に、ハンス・ロスバウトの演奏の感想をアップしました。

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2014年12月30日 (火)

フルトヴェングラー、1943年の「田園」ターナバウト盤

今年もあと二日。
我が家は毎年30日は餅つき、神棚の掃除と正月飾りと決まっている。

餅つきは母と娘たちに任せて、隣町の市場系のスーパーでお一人様苺1パック299円先着200名が安いということで家内の付き合いで正月の買い出しへ。

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開店10分前に店に到着すると店の入口から駐車場まで長蛇の列。
皆さん苺目当てではなかろうが、こんなに混んでいるとは思わなかった。
師走とはいえ今日は天気も良く風がないのが救い。

苺はゲットしたものの結局他のスーパーを2軒はしご。

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ついでに沼津港まで足をのばし、海老を物色していると、仕事関係で多少縁のあった水産会社の社長さんにばったり遭遇。
しばしの近況報告のついでになりゆきでそのお店で買い物。 
 
そのうち老舗のはんぺん屋の「やいづ屋」のカレーボールが食べたくなり、そちらに寄ったり「カニ小屋」で焼きカキを立ち食いしたりと、もう年末の買い物だか観光だかわからなくなって昼ごろ帰宅。


ひととおりの掃除の合間に聞いたのはフルトヴェングラー指揮の「田園」。
オケはウィーンフィル。

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米ターナバウトのLPで1944年の演奏と書いてあるが、実際は1943年12月独エレクトローラによる、ウィーン、ムジークフェラインでのスタジオ録音。

SP盤特有の針音が微かに聞こえるが、ホールの適度な残響も十分に捉えた録音で音は非常に良い。後の1952年録音のスタジオ録音と比べてもさほど変わりがないほど。

演奏はフルトヴェングラーのいくつかの「田園」の中で最も良いものと思う。

「田園」は、どうしてもフルトヴェングラーの演奏でなければ、といった曲でもなかったが、この1943年の「田園」は後の1952年録音のような重さもなく、ウィーンフィルの美しい音色を最大限に生かした名演となっている。

第2楽章中間部のテンポの微妙なゆらぎなど、はるか地平の遠くの陽炎を見るような幻想的な演奏だ。

なおこのターナバウト盤は、他のEMI系の復刻CDとは1部異なるテイクを使用している貴重なもの

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2014年12月29日 (月)

100円ショップのCD&ジャケット用ケース

連休三日目の今日は雨。
庭木の剪定は昨日で終わらせていたので、今日は床屋に行き自分の頭の剪定。
床屋は近くのスーパーに隣接した千円カット。

ちょうどスーパーの売出しと重なり駐車場は満車だった。結局遠くの駐車場に車を停めて雨の中を歩く。

P1300902 その後、家に常備しているいなばの「ツナとタイカレー」が切れたので、これまた隣接している100円ショップに寄ってみた。

そこで見つけたのが「CD&ジャケットケース」7枚入り。




これはCDのプラケースから出して、ディスク本体とブックレットを収納してしまうグッズで、これを使うと収納スペースは三分の一になるというもの。

もともと10年以上前から「フラッシュディスクランチ」という同じようなグッズが出ていて、ある時期導入してみようかと思ってみたものの1枚当たり単価が40円ということで躊躇していた。
http://www.outdex.net/diary/archives/2006/05/cd_3.shtml 

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100円ショップで見つけたものは1枚あたり10数円。試しに一組買ってみた。

なかなか良い感じだが、薄くなった分だけ見つけにくくなるのが欠点か。

午後はヴィヴァルディの作品9の協奏曲集「ラ・チェトラ」を聴きながら音楽部屋の片づけをしていた。
シモーネ指揮のイ・ソリスティ・ベネティによるエラート原盤国内盤RVCのLP2枚組。

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スカッと晴れた地中海の空を連想させる耳当たりの良い美しい演奏だ。

そしてもう一枚はカラヤン指揮フィルハーモニア管の「田園」。
東芝EMIの60年代の国内盤LPでいわゆる赤盤というもの。

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こちらも音楽が自然に流れた爽やかな名演。
 モノラルながら音は非常に良い。


名手デニス・ブレインのホルンソロはあい変わらず見事なものだ。

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2014年12月28日 (日)

シャリアピンの歌

連休二日目の日曜日。

朝、ポコの散歩のときに昨日剪定した庭木を眺めたら、切り残しばかりで見事に凸凹。作業の終わった際は暗くなっていてよく判らなかった。

そのままではさすがにみっともないので、散歩の後にちょいと手を加え始めたらもういけない。

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結局朝食も摂らずに1時間以上。

あちらこちらをバランスを見ながら切っていくうちにだんだんと短くなってしまった。
まるで下手な床屋のようだ。


今日は往年の名歌手シャリピンの歌。
東芝GR盤のLPで、1930年前後の録音ながら状態は良い。

曲は「セヴィリアの理髪師」や「ボリス・ゴドゥノフ」といったオペラのアリアから、イベールが作曲したシュリアピン主演の映画「ドン・キホーテ」、定番の「蚤の歌」、ロシア民謡、ロシア正教会の賛歌まで。

シャリアピンの強烈なキャラクターは古い録音を通じても十分に伝わってくる。
この種の歌手はなかなか出ない。

定評のある「蚤の歌」はオケ伴奏版を収録

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最後に収録されている合唱とオケ付きのロシア正教の讃美歌などは、その荘厳さには聴いていて厳粛な気持ちになってくるほど。 
このGR盤の解説に付いている、朝日新聞のパリ支局長だった渡辺紳一郎氏の「シャリアピンの思い出」が面白い。

シャリアピンのパリの住居に同居し1936年の来日時にも傍らに付き添った氏による人間シャリアピンの素顔。

シャリアピンが好んで歌った「エレジー」の作曲者マスネの姪にして、ロシアのオペラハウスのプリマドンナが実はシャリアピンの愛人で、彼女は来日公演まで付いてきてしまい、シャリアピンの奥さんと修羅場となった。

来日時に歯痛に悩んでいたシャリアピンのために帝国ホテルの料理長が考案したとされるシャリアピンステーキは、実はステーキが出されたときに、シャリアピン自ら叩いて柔らかくして食べていたのを見たのがヒントになったとか。

海外公演が多かったシャリアピンにはいろいろな国に子供がいて、シャリアピンの葬儀の際に多くの女性が弁護士を連れてきて大変だったなど。

実際にシャリアピンと本当に親しかった人にしか書けないようなエピソードが満載で、またそれがシャリアピンの人間の大きさを良く伝えている読み物になっていた。

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2014年12月27日 (土)

プレヴィンの「第九」

今日から昨年に続いての9連休。今年もカレンダー通りに休めるのがありがたい。

朝早く、学生時代に所属していた川越奏和奏友吹奏楽団のファミリーコンサートの手伝いに行く上の娘を駅まで車で送る。 
そのついでに千本海岸に寄ってみた。 
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早朝の冷え具合が昨日までとは違う。これから寒波の到来の気配。 
いつもは多くのランニングする人たちでにぎわっている防潮堤は、今日はほとんど走っていない。  
 
蒼い空と白い富士、遠くの清水沖には数多くの遊漁船。 
 
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午前中は図書館に行き延滞していた本を返却。
ついでにこの休み中に読めるかどうかはわからぬが、本を3冊ほど借りた。 
 
そして3階のAVフロアに行きナクソスミュージックライブラリーのパスワードの交付を受けた。これでまた2週間聴きたい放題。  
 
 
 
午後から着替えて庭木の剪定。 今年は電動草刈りバリカンがあるのが心強い。 
 
脚立に乗って槇の小枝をウィィーンと刈っていると、隣のおやじさんが声を掛けてきた。
おやじさんは市内でも有名な植木屋さんの社長。
 
「その音じゃ、太い枝は切れないだろ?」
 
ご明察。 
Sdsc00941 畑の生垣では快調だったものの、槇の木では家庭向けの電動バリカンでは苦戦。 
 
結局、剪定鋏と電動バリカンの両方使うことになってしまった。 
終わったのはほとんど暗くなった5時過ぎ。・・・・疲れた。
汗をかき風呂上りの発泡酒がうまかった。  
 
 
 
夕食後聴いたのは、年末ということでベートーヴェンの第九。 
 
「第九」は沼響のHPに連載中のコラムが中途半端な状態なので、安易な気持ちで聴けなくなってしまって、昨年は第九を演奏したのに音盤は全く聴かなかった(聴けなかった)。 
 
今日は軽い気持ちでプレヴィンの第九。 
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タワーレコードが出したCDで、ロイヤルフィルを振った1989年から1990年にかけての録音の交響曲全集からの1枚。 
 
今でこそプレヴィンは巨匠の扱いだが、その頃はさほど人気はなかった。 
結局国内では交響曲全曲の発売はなかったのではなかろうか。 
演奏は古いタイプの巨匠タイプの演奏。 
その頃の一般的な譜面の改変もあり、管楽器も倍管かもしれない。 
 
ゆったり譜面に書かれた音を過不足なく鳴らした、当時のスタイルでのスタンダードと言って良い演奏だと思う。  
 
第2楽章や、第4楽章の二重フーガでホルンが強烈に咆哮しているのが嬉しい。
 
合唱はアンブロジアンシンガース。 
プレヴィンの合唱の扱いのうまさはウォルトンのオラトリオ「ペルシャザールの饗宴」で立証済み。
 
ここでも充実した合唱を聴かせてくれる。 
 
感動はしないが高水準の演奏。
 
youtubeはこの12月25日のクリスマスに六本木ヒルズでおこなわれた「第九」のフラッシュモブ。
指揮は沼響を長く振っていただき今年の「巨人」でもお世話になった横島勝人先生。
沼響のメンバーも何人か出ています。

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2014年12月26日 (金)

クレンペラーのトリノライヴ

年内の仕事も今日で終了。長い休みを前に仕事場内になんとなく漂う年末の気分。

挨拶回りに来る業者さんはあるものの、日常業務はそのままにさほど変わり映えのしない一日が過ぎていく。
懸案事項も目途がつきなんとか穏やかな年始を迎えることができそうな気配。

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来年沼響とラフマニノフで共演するピアニスト、海瀬京子さんの2015年カレンダーが出来上がった。
共演が今から楽しみ。
今日はクレンペラーのトリノライヴ。

1956年12月17日、イタリアのトリノの放送オケに客演した際のライヴで、曲は「未完成」とベートーヴェンの交響曲第1番というもの。
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手持ちは伊チェトラ原盤の国内盤LP.

この日演奏されたもう一曲「マイスタージンガー」第一幕前奏曲を加えたCDがMEMORIESから出ているが、どうやらLPからの板起こしのようだ。

速いテンポのゴツゴツとした巌のようなシューベルトとベートーヴェン。

オケの性能は万全とはいえないものの、クレンペラーの近寄りがたい頑固さをそのまま音にしたような演奏だ。

Youtubeはクレンペラーの第九

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2014年12月25日 (木)

本日の練習、ブラームス、ラフマニノフ初見

本日快晴、珍しく風もなく暖かな一日。

午前中にあった今年最後の外部委員による監査は何事もなく終了。
懸案事項となっていた大きな課題も、組織トップの了解が取れてようやく先が見えてきた。 
 
そして夜は今年最後のオケの練習。
場所は沼津市民文化センター地下のリハーサル室。  
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今年は沼響創立30周年の記念の年で、第30回定演では沼響初のマーラー、巨人」に挑戦。
そして12月はオペラ「トスカ」公演と、大きな節目の年だった。 
そして今日は来年の第31回定演のブラ1とラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の初見大会。
 
いずれも過去沼響で演奏した曲でラフマニノフは第9回、ブラ1は第13回定演。
当時からのメンバーは、今は10指に満たない。 
Sdsc02472 同じ会場での、第13回定期のブラ1の初見大会は今でも鮮明に覚えている。
沼響の新たな1ページが始まる。
 
Youtubeはギュンター・ヴァントのブラ1

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2014年12月24日 (水)

デルヴォーのフランス管弦楽曲集

今日はクリスマスイヴ。とはいえ喫緊の課題が未だ先が見えず、さらに朝早くに昨日発生したトラブルの報告を受けたりと年末気分とは程遠い気分。 

両者とも根が深いだけに悩ましく、なんとか今週中に目途をつけて穏やかな気分で年末年始を迎えたいもの。

今日はフランスの指揮者ピエール・デルヴォーのフランス管弦楽曲集を聴いていた。

70年代はじめに東芝EMIのセラフィムシリーズに入っていたLPで、手持ちは家庭名曲シリーズもので出ていたLPの半端ものの一枚。

曲は「魔法使いの弟子」「狂詩曲スペイン」「牧神の午後への前奏曲」「ボレロ」「死の舞踏」の5曲。 オケはコンセール・コロンヌ管、おそらく60年代半ばの録音。

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モントゥーやミュンシュ、パレーといった一世代前のフランス系の大指揮者に比べると、デルヴォー、ボド、フレモーといった指揮者は小粒の印象は否めないものの、これは選曲と演奏も良く、おそらく売れたのだろう、中古市場では普通に見かける盤。

デルヴォーの数多い録音の中でも最も知られている演奏だと思う。

コロンヌ管の近況はよくわかないがネットで検索すると立派なホームページも有り、今はコンスタン編曲のラヴェルの「夜のガスパール」のオケ版などの録音があったプティジラールが音楽監督であるらしい。

フランス近代名曲の多くを初演した輝かしき伝統は未だ健在ということだろうか。

この演奏はホルンやファゴットの響きにこの時期のパリのオケに共通したローカルな華やぎがあり、粋で洒落た味わいのデルヴォーの指揮も良い雰囲気だ。

中でも聴いた後に一抹の寂しさを感じさせるサンサーンスの「死の舞踏」は、この曲を代表する名演ではなかろうか。

Youtubeはデルヴォ&コロンヌ管の「牧神の午後への前奏曲」

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2014年12月22日 (月)

スタインバーグ、マーラー版の第九

今年もいよいよ実働一週間。

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今日は冬至。風は強く仕事場から見える富士も冬の厳しい姿。
こんな日は畑で採れた南瓜を食し温かな柚子湯につかる。

Sdsc02450 今年の音盤購入は最盛期には及ばないものの購入枚数は昨年より増えた。

大部分がいただきもののLPだったり、リサイクルショップやブックオフの格安コーナーで偶然見つけたLPやCDばかりなので、とりとめのない内容になっている。
 枚数の割にはたいした金額にはなっていない。

最近入手したのは、スタインバーグ指揮ピッツバーグ響によるべートーヴェン交響曲全集。こちらはAmazonからの正規購入?品。
St-Laurent Studioから出ているCDで米コマンドのLPからの板起こし。

スタインバーグのベートーヴェンの交響曲録音では50年代に米キャピトルへ5曲の交響曲が有るが、コマンドへの録音は60年代の全集もの。

このコマンドの一連のベートーヴェン録音については、第8番と第9番以外は既にLPで所有済みだった。

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だが未だに入手できていなかった第9番が非常に気にはなっていた。

というのは海外のいくつかのサイトを見ると、このスタインバーグの第9番はMahler editionとなっている。

すなわちマーラー版なのだ。

マーラー版の録音としてはティボリスやサミュエルのCDが知られており、すでに10年前に拙コラムでティボリスの演奏については言及済。
http://www.numakyo.org/c_daiku/33.html 


マーラーの交響曲録音そのものが少なかった60年代の録音でマーラー版というのがはなはだ疑問で、マーラーの弟子であったワルターの第九にはマーラー版の痕跡はあるものの、同じユダヤ系とはいえ、さほどマーラーとは関係ないように思えるスタインバーグがマーラー版を取り上げたこと自体、本当かいな?というのが正直なところだった。

これはどうしても実際に聴いて確認したかったもの。

届いたCDのパッケージには確かに第9番についてはMahler editionと書いてある。

ためしに通勤途中のカーステレオで第一楽章から聴いてみた。
第一ヴァイオリンのオクターヴ上げなど、この当時の録音で一般的に行われていた改変は聞かれるものの、ごく普通の音が鳴っている。

ところが第一楽章中間部の最大のクライマックス部分に差しかかるとトロンボーンがチェロのパートをそのままなぞって咆哮している。
これはマーラー版のティボリスでも聞かれた改変だったような気がする。

第四楽章もずいぶんとオケが厚いぞ。

これはティボリス盤と聴き比べてちゃんと検証する必要がありそうだ。

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2014年12月21日 (日)

マックス・ルドルフのモーツァルト

晴れいつものように強風の続く一日。師走も後半となりいろいろと忘年会が続く季節。

昨日は職場の有志10数名と伊豆長岡温泉に一泊。

昼間は何かと所用が有り、強い雨の中夜の宴会の始まる30分ほど前に到着。
とにかく宴会前に一風呂浴びようと大浴場で10分ほどのカラスの行水。
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宴会場へ入ると、ほとんどのメンバーは3時ごろからの0次会とやらで、ほどよい色艶に顔が染まっていた。

有志とはいえ部門全体からの集まりなので、この4月異動の自分には初めて会話を交わす人も数人。
とにかく飲んで騒いで途中でラーメンを食べたりして就寝は1時過ぎ。

今朝は朝早く目が覚めた。

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ゆっくり温泉に浸かり、窓の外を見ると宿の庭園の池には大きな白鷺が舞い降りていた。

今日はマックス・ルドルフ指揮のシンシナティ響によるモーツァルトを聴いていた。
米DECCA原盤の国内盤LPで、曲は「ポストホルン」に交響曲第28番というもの。

一か月ほど前に立ち寄ったリサイクルショップのLPジャンクコーナーで、100円で売られていたもの。
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マックス・ルドルフの国内盤は珍しかったので迷わず購入。100円だし。
どうやら1966年のシンシナティ響の来日時の来日記念盤だったようだ。

マックス・ルドルフといえば「指揮法」の著書があり、実際に残された録音よりもこちらの方が有名なくらい。
自分もかなり前に古書店で原著を見つけ購入したものの、書架の肥やしになってしまっている。

Sdsc02447 ルドルフの自分の手持ち音源はMCAから出ていた「エロイカ」のCDくらい。

そしてこのモーツァルト。

涼風が吹き抜けるような爽やかなモーツァルトで非常に良い演奏だった。

「ポストホルン」どちらかというと苦手な曲で、ジョージ・セルの名演を聴いても途中で眠くなってしまうほどだが、この演奏は、アメリカのオケらしからぬ渋めの音色と幾分早めのテンポが絶妙なバランスで、心地よい時間を過ごすことができた。(眠くならなかった)

交響曲も同傾向の名演だ。

ルドルフ著の「指揮法」にはジョージ・セルが賛辞を書いている。

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ルドルフの来日時の評判はどうだったのだろうか?

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2014年12月19日 (金)

ワイセンベルクのラフマニノフ

今日は一日休み母を病院へ連れて行ったりしていた。

途中でガソリンを入れたらリッター141円。つい先日まで151円。

ここ数年ガソリンは上がる一方で下がったのを見た記憶がない。

今日はワイセンベルクの弾くラフマニノフを聴いた。

曲はピアノ協奏曲第3番。伴奏はプレートル指揮のシカゴ交響楽団。 RCA原盤の国内盤LP。1967年録音。

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ワイセンベルク独特の音楽のユレはあるが、何よりも技巧の冴えが素晴らしく、特に第2楽章から第3楽章後半の猛烈な指の動きが凄まじい。

クールでありながら曲の終盤へ向かって、徐々に青白き炎が燃え上がっていくかのような演奏だ。

この国内盤の解説はワイセンベルク自身が書いていて、7歳の時に初めてこの曲に接した時の驚き、そして1947年のアメリカデビューがこの曲であったこと。 そして同年ホロヴィッツの代役として、急遽この曲を弾くことになったことなどが書かれている。

1950年のヨーロッパデビューもこの第3番だったという。

ワイセンベルクにとっては特別な曲であったようだ。

ワイセンベルクの同曲には74年のバーンスタイン指揮のEMI録音もあるが、ワイセンベルクのピアノとバーンスタインの伴奏が水と油のようでしっくりいっていない。

演奏はこちらのプレートル盤の方が良い。

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数年前に米EMIがワイセンベルクの録音をBOXCDセットで発売したが、この第3番はバーンスタインの録音を採用せずにRCAからこの音源を借用していた。

この演奏は、ラフマニノフの第3番を弾くことがなかったグレン・グールドが好んで聴いた演奏として知られる。

なおカデンツァはオッシアではなく通常版を使用。

Youtubeはワイセンベルクの弾くラフマニノフの3番のコンチェルト。マルティノンの指揮。

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2014年12月18日 (木)

テバルディの「トスカ」

大雪の影響は徐々に広がり、今日は仕事場の機器の修理のため名古屋から来る予定の業者の到着が大幅に遅れた。
予想外の事態に年内に完結予定の仕事に影響が出る気配。

夜は沼津市立病院内でのクリスマスコンサート。

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入院患者さんや付添いの人たちが大勢集まる中で、病院のドクターや職員によるサックスやチェロの演奏。                         


そして病院内保育園の幼児たちや沼津高専の大道芸同好会の学生たち。
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曲は、「アナと雪の女王」や「アメイジンググレイス」、「愛の挨拶」などのポピュラーな曲ばかり。

Sdsc02363 とても余技とは思えないレベルの高い演奏の数々に、入院患者さんたちも楽しんだ様子。




トスカ」の余韻冷めやらず、今日はテバルディとデルモナコが歌うトスカ全曲。

モリナーリ=プラデルリ指揮のローマ聖チェチーリア音楽院管による演奏で、DECCA原盤の国内盤LP.1959年録音。

スカルピアはジョージ・ロンドンが歌っている。

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指揮がサーバタの緊迫感あふれる音楽造りと比べると物足りないが、抒情性を表に出した指揮とはいえる。

二大歌手に遠慮してしまったのだろうか。

テバルディの声は美しいし、デルモナコの声はさすがに立派。

「星は光りぬ」はまさに世紀の名唱。

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2014年12月17日 (水)

今年最後のボエームの会

爆弾低気圧で全国大荒れ。今日は気温が下がり夕べからの強風が吹き荒れた一日。

昨晩は今年最後のボエームの会。場所は三島の小料理「はちまき」。

640x640_rect_8103763 今の仕事場が「はちまき」から遠くなってしまったので、仕事を定時に終わらせ三島まで車を走らせる。 

 フロントガラスに叩きつける強い雨と風、道路はいつもよりも渋滞していたが、なんとか定刻に到着。

 この会の名は沼響がオペラ「ラ・ボエーム」を演奏した時に命名。



 オリジナルメンバー4人を「ラ・ボエーム」に登場する4人の男性ボヘミアンに、二次会の会場だったプライベートバー「梟」の和美ちゃんをミミになぞらえていた。
 あれから5年あまり、マンションの一室の隠れ家的なお店「梟」はなくなり、今年の沼響は「トスカ」を演奏。

 
今回は病気療養中の一人を除きオリジナルメンバー3人に、今年から新たに加わった自分の元上司と沼響の若き女性クラリネット奏者、そしてミミ役の和美ちゃんの6名の参加。

料理はこの寒さにはありがたい暖かな鍋。

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素材は蛤、海老、タラ、金目などの季節の魚介類たっぷりと白菜その他の海鮮鍋を中心としたもの。

味噌仕立てにダシも絶妙な味加減。
さらに季節の刺身に鮟肝その他、サンマの「へしこ」を添えて。

お酒は、「大吟醸原種北秋田」、「見龍純米酒」、「鷹勇純米吟醸なかだれ」、「三千盛彩醸純米大吟醸」など日本酒4本、石垣島の泡盛は次回におあずけとした。

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飲んで食べているうちにポカポカと温まってきた。

〆に出た女将心づくしの庄内米のおにぎりも絶品。

療養中のWさんの早期退院と、ボエームの会への早くの復帰を皆で思いながら一同盛り上がりました。

296 沼響のHPの聴き比べコラム、「チャイコフスキーの5番を聴く」にモントゥー指揮ロンドン響のライヴ録音の感想をアップしました。

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2014年12月15日 (月)

「トスカ」本番終わる

師走も半ばとなり今年もあとわずか。 

オペラ「トスカ」は盛況のうちに昨日終了しました。 
 
Sdsc02316 沼響のオペラは「椿姫」「ラ・ボエーム」に続きこの「トスカ」で3回目。
 
いずれもトヨタ自動車のメセナ活動の一環として実現している。
音楽監督は最初から作曲家の三枝成彰先生。 
 
金曜日からは三枝先生、演出の小栗哲家先生、歌手の皆さんに加え、舞台、美術関係者さんたち大勢の裏方さんたちが集まった。 
ちなみに小栗先生は俳優の小栗旬のお父様。  
 
 
 
土曜夜のゲネプロは、出演者、裏方さんも揃って字幕も出して本番さながらに全曲を通す。 
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舞台装置は、かつてのように大道具、小道具を揃えるものではなく、実物は最小限、大部分は立体映像として投影したもので、離れてみるとあたかも本物の教会内部のようなイメージが舞台上に広がる。
これからはこのような方式が主流になっていくのだろう。 
 
そして日曜の本番。  
 
 朝、投票を済ませ公演会場の沼津市民文化センターへ急ぐ。 
大ホールロビーでは、トヨタの人たちや近隣の音楽団体のお手伝いの人たちがミーティング中。
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舞台の裏方さんを含め、オペラはこのような人たちに支えられた総合芸術であることを、毎度のことながら実感する。
 
ピットには三々五々オケのメンバーが集まってくる。
余裕の顔、緊張気味でさらっている人。
 
本番前のこの独特の雰囲気が好きだ。
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午前中の練習は3幕から1幕へ本番の進行とは逆に、チェックしていく。 
いきなり3幕冒頭のホルンからなので、ホルン一同いささか緊張気味。 
ホルン4本のユニゾンも数をこなしているうちにだいぶ揃って来たようだ。 
 
そして開場。
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ロビーでしばらく入場して来る人たちを迎えているうちに、この夏にくも膜下出血に倒れ闘病中のWさんが車椅子で入ってきた。 
彼は沼響創設以来30年間一緒にホルンを吹いてきた同志にして、長く運営委員長として沼響の今日の姿を築き上げた功労者の一人。
 
そしてボエームの会の一員。
 
一時危険な状態に陥ったものの見事に復活。
聞けば今日が初めての外出だという。
 
その元気な姿を見て事務局長のOさんが車椅子に近づいて泣き崩れた。
こちらも思わずもらい泣き・・・
 
一か月前に同じキャストでの福岡公演をおこなった福岡市民オーケストラの団長さんも、福岡から駆けつけてくれている。
 
団員のモチベーションも自然に上がるというもの。
 
そして本番。
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時の開演前のピット前には、お客さんたちがもの珍しそうに中を覗きこんでいる。
まるでこちらは動物園の檻の中の動物だ。 
曲が始まるといろいろな小さな傷は散見されるものの、幸い大事故もなく休憩を含めた3時間があっという間に過ぎていく。
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カーテンコールの最後はオケの団員もステージ上に上がりお客さまにご挨拶。
客席は真っ暗で何も見えず、盛大な拍手だけが響いていた。 
終演後のレセプションでは、本番で見事な合唱を聴かせてくれた合唱団のみなさんが、歌を披露してくれた。
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こうして計画当初から4年越しのオペラ「トスカ」終わる。 
 
これまで実現のために尽力してくれたインペクのF君をはじめとした沼響の役員、そして素晴らしい歌を聴かせていただいたソリストのみなさん、指揮者の小崎先生、トヨタや裏方スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
 
 
沼響30周年の最後を飾るにふさわしいイベントとなりました。

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2014年12月12日 (金)

プラハ・バロック合奏団、そして「トスカ」本番迫る

曇り一時雨。 これから週末にかけて寒波到来の予報。 

北日本や四国などにはまた大雪が降るという。 
ここ数年、大地震、大型台風襲来その他、自然からの人類への仕打ちが厳しくなっているようだ。 
 
昨日は毎年恒例の、沼津法人会青年部主催入場無料の「税を知る週間チャリティコンサート」。いつもありがたいことです。 
 
昨年はチェコフィル合奏団だったが、ことしは同じチェコ系のプラハ・バロック合奏団。  
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朝からの雨は夜には上がり仕事を早めに終えて家内と合流、会場の沼津市民文化センター大ホールへと向かう。 
 
会場受付では主催者何人かの知人とご挨拶。
会場は無料の整理券入場コンサートということでほぼ満席だった。 
 
「プラハ・バロック合奏団」のメンバー表を見ると、ほぼ全員がチェコフィルの奏者達。  
 
弦楽器5部にチェンバロ、オーボエ2本、ファゴット1本の総勢10名の編成。
 
太ったジョン・レノン風のコントラバス奏者は、プラハマドリガルシンガーズのメンバーでもあるとのこと。そうか、歌も歌うのか・・・・・・・ 
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前半は  
2つのオーボエのための協奏曲 ニ短調RV535(ヴィヴァルディ)
G線上のアリア
管弦楽組曲第1番(バッハ)
 
そして後半
 
合奏協奏曲作品3-4(ヘンデル)
主よ、人の望みの喜びよ
クリクマス名曲集:もみの木/荒野の果てに/きよしこの夜/もろびとこぞりて
オ・ホーリー・ナイト(聖夜)、
ヘンデル:ハレルヤ
 
クリスマスにふさわしい親しみやすい内容でありながら、バッハ、ヘンデルの渋い曲が入っているのが嬉しい。 
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メンバーは名手揃い、中でもオーボエとファゴットがベラボーにうまかった。 
 
休憩中のロビーで会った知人のプロオーボエ奏者の話によると、今日出演しているチェコフィルの女性ソロオーボエ奏者はCDも出ている大変な名人だとのこと。  
 
柔らかな音でまとめた上品な演奏。
 
弦楽器とダブルリード楽器がまろやかに溶け合った響きが実に美しい。 
 
リード族と弦楽器の掛け合いが美しかったヘンデルの合奏協奏曲が最も印象に残った。  
 
アンコールはヘンデルのアリア「私を泣かせてください」と、曲名不詳の民族的なバロック風舞曲を2曲。
ここのヘンデルでのオーボエソロにはジーンと来ました。 
 
暖かな温もりが感じられた上質な音楽に浸った1時間半。 
クラシックに日常なじみのない人たちが多いようにみえるお客さんたちも、大いに楽しんだ様子で、本物は初めての人も十分に楽しませるものであるという立派な見本でした。 
 
そして今晩はオペラ「トスカ」の練習。 
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日曜日が本番です。
 
今日は歌手と合唱、音楽監督の三枝成彰先生もいらっしゃいました。 
 
舞台装置と小道具も準備中。  
 
Youtubeはアリア「私を泣かせてください」チェコのソプラノKaterina Knežíková

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2014年12月10日 (水)

フリッツ・ライナーのR.シュトラウス

曇り気温が上がらぬ肌寒い一日。 

昨日仕事上の一つの大きなヤマを越えたとはいえ、年内に片を付けなければならぬ大きな案件に今日から着手。 
ここ数日フリッツ・ライナーの指揮するR.シュトラウスを聴いている。 
 
曲は「英雄の生涯」、「ドン・キホーテ」、「ティルオイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」など。
ティルはウィーンフィル、あとの2枚はシカゴ響で、いずれも古い国内盤LP. 
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「英雄の生涯」はこのRCAグランプリクラシカルシリーズの廉価盤が国内初出であったように記憶している。  
 
録音は1954年の初期ステレオながら定位もしっかりしている良好な音。
オケは対向配置なのがライナーの演奏としては珍しい。 
 
しなやかにして剛毅なR.シュトラウス。 
 
ライナーというと「運命」の演奏のように無駄のない引き締まった造形が身上のようなイメージがあるが、R.シュトラウスとなるとほどよくロマンティックで優しげな表情を見せるのは作曲者自身と親交があった故か。  
 
オケの精度は申し分ない出来。数あるこの曲で、最上位に位置する名演だ。  
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「ドン・キホーテ」も同傾向の演奏ながら、のびやかなヤニグロのチェロソロが目立たないながらも適度な自己主張があって良い。 
ヴィオラソロはミルトン・プレーヴスが弾いている。こちらも特に目立たずさりとて埋没せずの演奏はライナーとの信頼関係の賜物だろうか?  
 
なおライナーが手を加えた版による「ばらの騎士」からのワルツとのカップリング。 
Youtubeはライナー指揮のベートーヴェン。無駄のない指揮と鋭い眼光。

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2014年12月 9日 (火)

本日の練習、トスカ、カヴァラドッシの参加

本日快晴、風もなく穏やかな一日。仕事では午前中に外部委員さんたちによる重要な会議。自分の部署が俎上に載せられているので緊張感漂う小一時間。

予想より短く終わったとはいえギャラリーも多く終わった後にどっと疲れが出た。 

日曜の夜、海瀬京子さんのリサイタルが終わった後はオケの練習。
場所は沼津市民文化センター大ホールのステージ上。
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曲はいよいよ今度の日曜が本番となったオペラ「トスカ」。 
トスカ役の羽山弘子さん、カヴァラドッシ役の笛田博昭さん、そして合唱も入り演奏会形式としてほぼ全曲を通した。
 
ピットから出たステージ上、しかも反響版も外してあったので音が拡散してはなはだ合わせにくい。
 
しかも初めて入った歌手二人を聴きほれて落ちるパートが続出。
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合奏はバラバラ状態。 
自分も集中力を欠きはなはだ不本意な出来となった。
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合わせる部分の多いトランペット、トロンボーンがはるか遠くの対面に居るので、 ほとんど聞こえず時間差も大きく、合っているのか合っていないのかさえ判らない。 
ピットに入れば多少良くなるのだろうか。

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2014年12月 8日 (月)

海瀬京子ピアノリサイタル、狩野川クラシックコンサート

先週末は多忙のため家での音楽はなし。

昨日早朝の千本海岸。
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良く晴れて金曜日に三津から見た景色とはまた異なる富士山の姿だ。
午後は来年の沼響定期で共演する海瀬京子さんのピアノリサイタルへ行っていた。
場所は伊豆の国市アクシスかつらぎ大ホール。
 
市制10周年の記念イベントということで市長さんの姿も見えていた。
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曲はバルトークの組曲作品14、ベートーヴェンの「月光」ソナタに、ショパンの「英雄」ポロネーズ、リストの大曲、ロ短調ソナタというもの。
 
京子さんの演奏でバルトークの曲を聴くのは確か初めて。 「月光」とアンコールで弾かれた「愛の夢第3番」は4月に聴いている。
 
演奏全体の印象として造りだす音楽が大きく変貌していたのには驚いた。
 
「月光」ソナタでは、穏やかな水面を静かに滑るような出だしから音楽が深いところへ沈潜していく。
フィナーレの着実な盛り上がりまで安定した出来で、自分のしっかりとしたスタイルを掴んだような印象。
4月に聴いた時とは長足の進歩のように感じた。  
 
休憩のロビーでは、京子さんのピアノの先生の一人にして二人の娘がお世話になったS先生に久しぶりに会い娘達の近況報告とごあいさつ。 
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後半のリストは、アンコールの「愛の夢」とともに一番印象に残る。  
抒情的な部分もよく歌い、時には激しく自由なファンタジーが飛翔していき、現代風のスタイルの中に、ザウアーやダルベールらの今に録音が残るリストの弟子達の演奏に通じるような19世紀風の風格の片りんが感じられた。 
 
アンコールのもう1曲は、シューベルトの楽興の時第3番。 
 
どの曲も一段とスケールアップしていて、来年共演するラフマニノフが一層楽しみになった。 
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終演後、京子さん本人とご両親にご挨拶。 
会場では女優の藤田弓子さんを見かけた。 
 
そして会場を後にしてそのまま沼響のオペラ「トスカ」練習へ参加。
 
今回は、ソリストと合唱も入り本格的なものとなった。 
 
長くなりましたので続きは後日。

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2014年12月 5日 (金)

本日の練習、「トスカ」あと10日

一昨日夜からしばらく続いた雨はようやく落ち着き、風は多少あるものの本日快晴。

 
今日は午後から以前の部署に絡んだ外部組織の会議に招かれて出席。
昨年のメンバーが数人変わっていた。
聞くと2名の役員が今年になって亡くなったとのこと。
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  近くの海辺からは富士が良く見えた。富士の姿は変わらず。
 
帰宅後母から、ひとつしか成っていない畑のブンタンが盗まれてしまったことを聞いてがっくり。
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どうも最近畑のミカンや作物がよく盗まれる。
イノシシやハクビシンならば可愛げがあるが、相手が人となると嫌な気分だな。
 
昨日はオケの練習日、場所は沼津市民文化センター小ホール。
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舞台上でピットの広さを想定しての練習。第1幕から通す。 
いよいよ本番まであと4回となり、自分の仕上がりはいまだ自信を持てる水準になっていないものの、とにかく練習の数をこなしているうちに曲が短く感じられるようになってきた。
 
習うより慣れろ、ということか。 
S20141204_201722 オケ全体としては、第1幕よりも第2幕に不安が残る出来。
 
あと数回の練習でどこまでプッチーニの世界に迫ることができるのか。

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2014年12月 3日 (水)

フリッチャイのフィガロ

本日天気晴朗なれども波高し。未だに強風吹く寒さに震える1日。

今日は夕方から今後の組織の動向を決める重要な案件の会議。
今まで手を付けていなかった聖域にメスを入れる内容だが、反応はいまひとつ物足りない。

帰宅後は、昨日聴いたロストロポーヴィチのシューマンとほぼ同時に独逸グラモフォンよって録音された、フリッチャイ指揮によるオペラ「フィガロの結婚」全曲を聴いていた。

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ベルリン放送響による1960年9月11日から22日までの録音。
70年代に出ていたヘリオドールのLP3枚組。

歌手は、レナート・カペッキのフィガロ、フィッシャー・ディースカウの伯爵、マリア・シュターダーの伯爵夫人のほか、ゼーフリートのスザンナ、テッパーのケルビーニなど、この時期のグラモフォンの録音に見慣れた面々によるもの。

49歳で亡くなったフリッチャイはすでにこの時白血病を病んでいた。

歌手の中ではシュターダーの清楚な伯爵夫人が自分では一番の好み。
カペッキのフィガロは演出過剰にも聞こえるが、張りのある明るい声で、録音だけで聴くにはこれで良いのかもしれない。

名歌手フィッシャー・ディースカウを含めて個性的な面々をアンサンブルとしてまとめ、演奏全体を生き生きとしたブッファの気分で盛り上げるフリッチャイの指揮が抜群に素晴らしい。

Youtubeはフリッチャイ最晩年の「モルダウ」

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2014年12月 2日 (火)

ロストロポーヴィチのシューマン

いよいよ本格的な冬の到来、今日は朝から寒風吹きすさぶ一日。

外に出るとコートが欲しいほど。
娘が遠距離通勤に使う車は昨日からスタッドレスタイヤに交換。

今日はカール・リヒター指揮ミュンヘンバッハ管によるヘンデルの作品6の合奏協奏曲抜粋。独逸アルヒーヴのLP。
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キリッと引き締まったアンサンブルのモダン楽器による生真面目なヘンデル。


そしてロストロポーポーヴィチのチェロでシューマンのチェロ協奏曲。

三種あるロストロポーヴィッチの録音のうち、最初の1960年ロジェストヴェンスキー指揮レニングラードフィル伴奏の独逸グラモフォンへの録音。


これはレニングラードフィルが、ムラヴィンスキーとロジェストヴェンスキー率いられてのヨーロッパ楽旅の際の録音で、ムラヴィンスキー指揮によるグラモフォンへの有名なチャイコフスキー後期の3つの交響曲の録音の合間にされたもの。

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枯葉が舞う木枯らし吹く冬のような趣のシューマンのチェロ協奏曲。

ロマンティックにして深く思い沈むような第2楽章でのロストロポーヴィチのチェロが素晴らしい。

若き日のロジェストヴェンスキーの伴奏も地味にしっとりと付けているのが良い。
ほの暗い音色のオケも良い雰囲気だ。

Youtubeはシューマンのチェロコンチェルト、マイスキーのチェロ

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2014年12月 1日 (月)

本日の練習、ピットに入る

昨晩からの雨は今日もそのまま強い降り。午後から風も強くなってきた。
今日から師走。いろいろあったこの一年。

仕事上では部署が変わり通勤距離も遠くなり周囲の環境が大きな変化した年。
ある程度慣れたところで、組織内に潜在する大きな問題も見えてきた。
今日は今まで誰も手に付けなかった20年来の問題にメスを入れるための会議。
これから火中の栗を拾うことになりそうだ。

昨日は午後から夜までオーケストラの練習。

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先週半ばから体調が悪く練習の参加を迷ったものの、本番も近く合唱も入るというので思いきって出席することに。

場所は文化センター大ホール。

本番同様ピットに入りオペラ「トスカ」全曲。

ピットが狭いので今回は床をかなり深く下げていた。
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その結果ホルンの位置はちょうど天井が被る位置となり、まるでバイロイト祝祭劇場のようだ。

この文化センターの建築に関係した人に聞いた話だが、舞台を設計した専門家がワーグナーをやるにはこのピットの深さが必要だということを主張し、この深さになったとのこと。

卓見である。

練習も佳境に入り、ところどころ危ない場面はあるものの、合唱とオルガンも加わり多少オペラらしくなってきた。
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子供たちを交えた合唱団の皆さんの真剣な表情を見ていると、こちらも自然に気合いが入るというもの。

合唱の水準も高い。 ホルンを吹いているうちに体調も良くなってきた。

本番まであと練習は4回を残すのみ。

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