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2014年12月15日 (月)

「トスカ」本番終わる

師走も半ばとなり今年もあとわずか。 

オペラ「トスカ」は盛況のうちに昨日終了しました。 
 
Sdsc02316 沼響のオペラは「椿姫」「ラ・ボエーム」に続きこの「トスカ」で3回目。
 
いずれもトヨタ自動車のメセナ活動の一環として実現している。
音楽監督は最初から作曲家の三枝成彰先生。 
 
金曜日からは三枝先生、演出の小栗哲家先生、歌手の皆さんに加え、舞台、美術関係者さんたち大勢の裏方さんたちが集まった。 
ちなみに小栗先生は俳優の小栗旬のお父様。  
 
 
 
土曜夜のゲネプロは、出演者、裏方さんも揃って字幕も出して本番さながらに全曲を通す。 
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舞台装置は、かつてのように大道具、小道具を揃えるものではなく、実物は最小限、大部分は立体映像として投影したもので、離れてみるとあたかも本物の教会内部のようなイメージが舞台上に広がる。
これからはこのような方式が主流になっていくのだろう。 
 
そして日曜の本番。  
 
 朝、投票を済ませ公演会場の沼津市民文化センターへ急ぐ。 
大ホールロビーでは、トヨタの人たちや近隣の音楽団体のお手伝いの人たちがミーティング中。
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舞台の裏方さんを含め、オペラはこのような人たちに支えられた総合芸術であることを、毎度のことながら実感する。
 
ピットには三々五々オケのメンバーが集まってくる。
余裕の顔、緊張気味でさらっている人。
 
本番前のこの独特の雰囲気が好きだ。
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午前中の練習は3幕から1幕へ本番の進行とは逆に、チェックしていく。 
いきなり3幕冒頭のホルンからなので、ホルン一同いささか緊張気味。 
ホルン4本のユニゾンも数をこなしているうちにだいぶ揃って来たようだ。 
 
そして開場。
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ロビーでしばらく入場して来る人たちを迎えているうちに、この夏にくも膜下出血に倒れ闘病中のWさんが車椅子で入ってきた。 
彼は沼響創設以来30年間一緒にホルンを吹いてきた同志にして、長く運営委員長として沼響の今日の姿を築き上げた功労者の一人。
 
そしてボエームの会の一員。
 
一時危険な状態に陥ったものの見事に復活。
聞けば今日が初めての外出だという。
 
その元気な姿を見て事務局長のOさんが車椅子に近づいて泣き崩れた。
こちらも思わずもらい泣き・・・
 
一か月前に同じキャストでの福岡公演をおこなった福岡市民オーケストラの団長さんも、福岡から駆けつけてくれている。
 
団員のモチベーションも自然に上がるというもの。
 
そして本番。
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時の開演前のピット前には、お客さんたちがもの珍しそうに中を覗きこんでいる。
まるでこちらは動物園の檻の中の動物だ。 
曲が始まるといろいろな小さな傷は散見されるものの、幸い大事故もなく休憩を含めた3時間があっという間に過ぎていく。
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カーテンコールの最後はオケの団員もステージ上に上がりお客さまにご挨拶。
客席は真っ暗で何も見えず、盛大な拍手だけが響いていた。 
終演後のレセプションでは、本番で見事な合唱を聴かせてくれた合唱団のみなさんが、歌を披露してくれた。
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こうして計画当初から4年越しのオペラ「トスカ」終わる。 
 
これまで実現のために尽力してくれたインペクのF君をはじめとした沼響の役員、そして素晴らしい歌を聴かせていただいたソリストのみなさん、指揮者の小崎先生、トヨタや裏方スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
 
 
沼響30周年の最後を飾るにふさわしいイベントとなりました。

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