« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »

2015年2月に作成された記事

2015年2月28日 (土)

尾形光琳特別展、MOA美術館

土曜の朝、今日の千本松原からの富士山。

Sdsc02988
空は春霞、明日から3月。散歩する人、地引網の地元の漁師たち。
海は凪いで清水港沖には多くの遊漁船が見える。

午前中は歯医者に行き、昼食後横浜へ帰る下の娘を駅まで送りながら家内と一緒に 来年300年忌となる尾形光琳の特別展へ。

Sdsc03013
場所は熱海のMOA美術館。

教科書にも載るほどの著名な国宝なだけに駐車場は満車状態。
ほとんどが関東ナンバーの県外車。
近くで開催されている熱海梅園の梅まつりから流れている人も多いのだろう。 

Sdsc03016
特別展は、国宝の「紅白梅図屛風」に「燕子花図屛風」などの尾形光琳の傑作の数々を一堂に集め、弟の尾形乾山や光琳の影響を受けた下村観山ら、著名な芸術家たちの作品も集めたのが壮観。


Kakitsubata1024x437 この国宝2作品が同じ場所に会したのは、実に56年ぶりだという。





「燕子花図屛風」写実的ではないのに見る者にリアルに迫る臨場感。

ちょうど梅は今がシーズン。

Bin020501
「紅白梅図屛風」では、流れる川の動きが永遠の時間に固定されている。
静けさ象徴の梅との対比。


森口博彦氏の作品を見て家内が「あ、三越」と声を上げた。

58212 新しい三越のショッピングバッグのデザインにそのまま使われているらしい。


会場では片岡鶴太郎さんをお見かけした。



Sdsc03020
   時間が有れば梅園にも寄る予定が見応えのある特別展だけで夕方になってしまいました。


帰りは清水町のそば処「よし多“」で家内と天丼の夕食。
S20150228_181516
古い民具が並ぶ、普通の家のような隠れ家的なお店。

フランス料理店を営む息子さんがパリの骨董市で買ったという、古びた「ワイン入れ」が和風の民具に溶け込んで良い雰囲気だ。

S20150228_182849


深みのあるタレが良い味。ウナギもあるということで今度行ってみよう。

食べているうちに常連客が次々と入ってきた。





今日はNAXOSから出ていつ準メルクル指揮のドビュッシー管弦楽曲全集から、前奏曲集第1巻、第2巻のオケ編曲版を聴く。

オケはスコティシュナショナル管。オケ編曲はペーター・ブレイナー。

ブレイナーはNAXOSの専属アレンジャーみたいな存在で、他にアルベニスやチャイコフスキーその他有名作曲家のピアノ曲や器楽曲のいくつかを、かなり早い時期からオケ編曲していた。



41cwv2r2vtl_sl500_aa280_


NAXOSのカタログを見ると、クラシカルな作品ばかりでなく世界中の国歌やビートルズ、ポール・サイモンらのポップス系の曲など膨大な量の録音が出てくる。

国歌のコレクションは、モザンビークやオランダ領アンティル制定歌やパヌアツ国歌など、もうお見事しか言えないほどの徹底ぶりだ。
玉置浩二の歌や「となりのトトロ」まであったのには恐れ入りました。
大きなものでは「展覧会の絵」全曲なんてものまである。

いつかNMLでゆっくりと聞いてみよう。


準メルクルのドビュッシーは、管弦楽作品と他の作曲家によるアレンジ物を数多く含んだほぼ全ての作品を網羅したもの。
オケは準メルクルが音楽監督だったリヨン管。

出た時から1枚ずつ買っていた。


Photo ところが後にBOXセットとしてかなり安く出たのにはがっくり、しかもセットには2つの前奏曲集のオケ版まで入っている。

この前奏曲集のためにダブリ買いをするのもアホらしいので、放置しておいたらNAXOSから前奏曲集オケ版が発売されていた。






溜飲を下げて買ってみたらオケが違う。


あれ?


細部を見たら編曲者も違う。


セット物はホルストの「惑星」に冥王星を付け加えたコリン・マシューズで、単売のものはペーター・ブレイナー。


日本語のタスキには、準メルクルはバラでこの全集を買ってしまった人のために、新たに前奏曲集の編曲版を録音しました。

という訳のわからない理由が書いてある。


ブレイナーのカラフルな編曲を聴いているうちに、ますますマシューズ版も聴いてみたくなってきたではないか。
Youtubeは準メルクルのドビュッシー「前奏曲集」の録音風景

| | コメント (0)

2015年2月27日 (金)

ビル・クエストのサティ

晴れ、風が強く花粉の舞う一日。

出勤時に車のエンジンをかけたら車内にサティの「グノシェンヌ」が流れ始めた。
昨晩カーオーディオに入れておいたCDで、ウィンダムヒルシリーズのサティピアノ曲集。

ピアノはビル・クウィスト。
ウィンダムヒルの比較的初期のCDらしい。
ブックオフの500円以下CD半額セールで125円で買っておいたもの。

家路を急ぐ雨の夜の車中で聴くには良いのだが、これから仕事という時にはちょっと。


金曜日とはいえ朝からアンニュイな気分。
本日午後から会議二連発。


ウィンダムヒルの特徴的な白地のジャケット。
51w960sbgml_sx425_
   ピアニストのビル・クウィストについては良く知らない。


サティはさほど高い技巧を要するような曲ではないので、音色とタッチが気になるところ。


クウィストのピアノは淡々と弾いているのは良いのだが、エッジが立っているような固く乾いた響きが刺激的に聞こえる。


曲は

3つのジムノペディ
3つのサラバンド
オジーヴ第1番&第2番
天国の英雄的な門への前奏曲
いやな気取り屋の3つのワルツ、
最後から2番目の思想
3つのグノシェンヌ
2つの前奏曲
星たちの息子
3つの夜想曲


Youtubeはサティのシャンソン「ジェ・トゥ・ヴ」

| | コメント (0)

2015年2月26日 (木)

本日の練習、ブラームス、管楽器分奏

今日は朝から一日雨、夜から冷えてきた。  

午前中は本部で外部委員による監査。
指摘事項はいくつかあったものの想定の範囲で終了。 

今日は、桃屋のパンが食べたくなり、昼食用に何本かを買った。
桃屋のパンはコッペパンにカツやメンチ、コロッケなどを挟んだ庶民的なパン。
このパンは東京オリンピックの年に生まれたのだという。
Sdsc00263
この店独特の甘い「たれ」が絶品。
人気が高くお昼時にはほとんど売り切れてしまう。
今帰省している下の娘の分も含めて数本購入。


そして今日はオケの練習日。 

先週は母の手術と重なり欠席してしまったので、2週間ぶり。
場所は沼津市民文化センター地下のリハーサル室でホルンと木管楽器のみの分奏。 
S20150226_204312
曲はブラームスの交響曲第1番第1楽章。
弦楽器は小ホールで分奏。


仕事を終えて会場到着は19時ちょい過ぎ。
楽器も冷えてウォーミングアップもせず吹き始めたので音はスカスカ。

分奏もなんとなく最初は集中力に欠けて散漫なまま進んでいた。
 
少しずつ和音を確かめながら合わせているうちに、これから取り組むべき課題がしだいに見えてきたようだ。


この時期はとにかく分奏でがっちりと基礎固め。

| | コメント (0)

2015年2月25日 (水)

今宵のボエームの会は祝いの宴

薄曇りの初春を感じさせる一日。花粉も盛大に飛んでいるようだ。
昨日は黄砂が観測されている。

640x640_rect_8103763 昨晩は今年最初のボエームの会。

今回は昨年夏、重い病に倒れたメンバーWさんの退院を祝う特別な会。


場所はもちろんいつもの小料理「はちまき」

倒れた彼はボエームの会の初回からのオリジナルメンバー、さらに沼響創設期から一緒に席を並べホルンを吹いた30年来の仲間。

この退院直前の2月には病院内でコンサートを開き、一緒にホルンを吹けるまでに回復。

そして退院後本人は、晴れてお酒も(多少は)解禁ということで、献身的な介護をされた奥様も招き、奥さんの慰労を兼ねた会となりました。参加メンバーは総勢7名。

旬の食材を厳選して確かな職人技で出される「はちまき」の料理。

Sdsc02970 前菜は、フキノトウ入りの練り味噌で仕上げた「風呂吹き大根」。
 これがほろ苦さと甘い味噌のバランスが絶品。
そして稀少な天然もののシマアジの刺身が続く。


メインはその日届いたばかりの日本海産巨大な寒ダラを使った、冬の山形庄内地方の郷土料理「どんがら汁」。

Sdsc02969
写真ではネギだけのように見えますが、底にぶつ切りにしたタラの身とアラがたっぷり沈んでいます。
Sdsc02973_1 シャブシャブのようにして食べる新鮮なシラコは、熱い汁を通すとピンク色に変化して最高の味。

お酒は山形の辛口純米大吟醸「東光」、久留米の純米大吟醸「杜の蔵」、浜松の地酒「出世城」、新潟の銘酒「久保田」生原酒に碧寿、ワインも加わり。都合6本。

仕上げは丸餅でこれが絶妙な焼き具合でした。




Sdsc02971 お店に来ていた富士の製紙会社の社長さんから不思議な高級ティッシュの差し入れの飛び入りまでもあり、大いに盛り上がりました。 






Sdsc02977_1


フルメンバーが実に半年ぶりに勢ぞろい。

Sdsc02978 嬉しくも楽しい会となりました。

| | コメント (0)

2015年2月23日 (月)

サージェント、EMI録音集その2

曇り後晴れ。昨日から気温上昇、庭の白梅、紅梅は今が盛り。

ポコも上着を脱がせた。 
Sdsc02961
春が近づくと始まる花粉症も出始めて、朝からクシャミ5連発。 
昨晩遅くからの雨と強い風で、4時過ぎに目が覚めてしまった。 
床に入ったのが1時過ぎだったので、さすがに睡眠時間三時間は辛い。
二度寝しようとしたがなかなか寝付かれない。
 
ウトウトとしているうちに上の娘が起きてきて仕事に出かける準備をし始めた。
家内は土曜から下の娘の所に行っていて不在。
そんな訳で本日睡眠不如意。
Sdsc02967
今日は午後から夜にかけて会議3連発。 
内部会議と組織幹部を集めての定例報告会議、そして夕方からは県内同業者や行政関係者を集めての会議と徐々に内容はクレシェンド。
帰宅は9時過ぎ。
 
通勤の車内で少しずつ聴いていたサージェントEMIBOXCD18枚組をひととおり聴き終えた。
 
数多くのサージェントの録音から良い演奏を集めただけに、いずれも聴き応えのある演奏だったものの、収録作品の大部分が自国の作品で、特に独墺系作曲家の作品がかなり限定されている。  
Sdsc02964 サージェントの特徴としては、オケを時として過度とも思えるほど強奏させていて、これが作品によっては外面的と捉えかねない場合があり、そんなところがわが国での評価が低い原因のような気がする。  
 
ウィーンフィルを振ったロッシーニの序曲などでは窮屈さも感じた。
 
同じウィーンフィルとの録音でも定評のあるシベリウスは、それが良い方向に出ていたと思う。 
026_3
ヘンデルの「メサイア」やメンデルスゾーンの「エリア」や自国のディーリアスの「告別の歌」、ウォルトンの「ペルシャザールの饗宴」などの大規模な合唱作品は、かなりの名演。 
 
特にオラトリオ「ペルシャザールの饗宴」と「ファザード」、交響曲第1番の3曲を収録されているウォルトンが良い。
交響曲の演奏についてはこのブログで言及済
 
 
縦方向のリズムを冷たいまでにきっちり整えていくサージェントの個性が、ウォルトン特有の歯切れの良いリズムと相性が良いようだ。
 
いずれも名演だがサージェントが初演した「ペルシャザールの饗宴」が凄かった。
 
終曲アレルヤでの壮麗なクライマックスでは、鉄の神の象徴である金床を強奏させながらの打楽器群のクレシェンドが凄まじく、聴いていて鳥肌が立ってきたほど。

| | コメント (0)

2015年2月21日 (土)

1964年、スカラ座 モスクワライヴ

晴れのち曇り、家内は東京へお買い物。

ついでに下の娘のところへ宿泊泊まって来るという。 
朝、駅へ家内を送りながら千本松原へよってみた。
このところ毎週週末は娘や家内を送りついでに千本松原へ行っている。
Sdsc02954
ここからの富士山と松原、海の風景、そして何よりもその時々に千本海岸へ集う人々の情景が好きだ。 
釣り人、ジョキング、サイクリングの若者、散歩する老人たち。
平和な日本。この風景がいつまでも続いて欲しい。
 
そのまま先週失念してすっぽかしてしまった歯医者へ。
Sdsc02940 先週の事を詫びると幼馴染のタカちゃんは笑って応えてくれた。
 
その後は図書館に寄り遅れ気味の本を返却。返却した本は「義昭出奔」。
 
ここで書かれているのは、室町幕府15代将軍足利義昭(よしあき)ではなく、3代将軍義満の子のもうひとりの足利義昭(ぎしょう)。 
 
Content_2 
次期将軍決定をくじ引きという異例の手段で5代将軍の座を逃した義昭は、以後五代将軍義教から謀反の疑いをかけられ出奔し遠く九州で悲劇的な最期を遂げる。
 
 
今日はスカラ座の1964年9月のモスクワ公演を聴く。
手持ちは旧ソ連メロディアのLP5枚組。
 
冷戦時代の1964年の9月、ミラノスカラ座は総力を挙げてモスクワのボリショイ劇場で引っ越し公演をおこなっている。
 
指揮はカラヤンとガヴァツェーニで歌手はスコット、シミオナート、ニルソン、フレーニ、ベルゴンツィなど超一流の面々。
Sdsc02731
演目は「ラ・ボエーム」「トロヴァトーレ」「トゥーランドット」そしてヴェルディのレクイエムなどで、 そのほか歌手たちによるリサイタルもおこなわれた。
これらはいくつかのレーベルからCDでも出ている。 
手持ちのメロディアのLPは旧ソビエトの国内向けのものらしく、簡素な印刷の小さなブックレットが1冊付いているのみ。
 
当然のことながら全てロシア語で、ピンクのレーベルに書かれた曲も演奏家もロシア語。
この5枚組セット物は内訳がさっぱりわからないまま、なんとなく凄そうだとの単純な予感で10数年ほど前にハンガリーの業者から購入したもの。
 
Sdsc02730 実際に聴いて判明したのはそのうち3枚が「ラ・ボエーム」「トロヴァトーレ」「トゥーランドット」のオペラ3曲のハイライト。 
 
他はレナータ・スコットのリサイタルが1枚と、ニルソンやフレーニ、コソットらのスカラ座の多彩な歌手が一同に会したガラ・コンサートのライヴで、こちらは曲の始まりに曲と演奏者の紹介がある。(当然ロシア語)
終わりには盛大な拍手が入っている。 
 
 
「トロヴァトーレ」はモスクワ・ボリショイ劇場でのライヴで、 ジャナンドレア・ガヴァッツェーニの指揮。 歌手は、 カルロ・ベルゴンツィ(T)、 ガブリエッラ・トゥッチ(S) ピエロ・カプチッリ(Br)、 ジュリエッタ・シミオナート(Ms) イヴォ・ヴィンコ(Bs)  
 
「ラ・ボエーム」はカラヤンの指揮、こちらもボリショイ劇場収録 ミレッラ・フレーニ, エッダ・ヴィンチェンツィ(S)ジャンニ・ライモンディ(T) ジャンニ・マッフェオ, ロランド・パネライ(Bs) イヴォ・ヴィンコ,カルロ・バディオリ,フランコ・カラブレーゼ(Bs) など。
Sdsc02732    
そして「トゥーランドット」はガヴァッツェーニの指揮でクレムリンでの演奏。
ビルギット・ニルソン(S)ブルーノ・プレヴェディ(T)、ニコラ・ザッカリア(Bs) ほか。 
 
いずれも力のある歌手たちなので、なかなかの聴きものだ。
この中ではあまり知られていない歌手のプレヴェディのカラフが聴けるのも貴重。
 
だがオペラのハイライトは、有名無名に関係なく適当に曲をピックアップしたかのような選曲なのがかなりいい加減。
 
聴いていて???首を傾げたくなるような編集だった。
曲の順番も前後しているようだ。
 
Youtubeはニルソンの「トゥーランドット」

| | コメント (0)

2015年2月20日 (金)

アルヴェーンの「岩礁の伝説」

日一日と日も伸びて、しだいに春が近づく気配。夜から雨。 

水曜から母が眼病のために入院し昨日は手術だった。経過は順調で本日退院。
昨日仕事帰りに病室へ寄ってみると、本人は非常に元気で暇を持て余している様子。
退院日の今日は自分がどうしても抜けられぬ会議が有り、弟夫婦が付き添って退院。
 
昨日のオケの練習は、病院で時間を費やし練習には参加できなかった。
下田先生の指導で管打楽器分奏だったのだが。
Sdsc02935
本日は外部委員による大きな会議。
事前情報では大荒れが予想され、部門一同緊張の面持で臨んだものの準備と対応の良さで波乱もなく無事に終了。 
だが今日は序盤に過ぎず、これから3月中旬までの長丁場で同じような会議が続く。
 
会議を終えてほっとしてオフィスで帰ると大きな爆弾が待っていた。Orz
 
今日はフーゴ・アルヴェーンの交響詩「岩礁の伝説」と交響曲第5番を聴いた。
 
演奏はスティグ・エスティヴェリ指揮のスウェーデン放送響。
スウェーデンソサエティから出ていたLP。  
 
アルヴェーンは1960年に没したスウェーデンの作曲家で5曲の交響曲を残している。
Sdsc02937
アルヴェーンと言えば平明で楽しげな「スウェーデン狂詩曲」が有名だが、あのような単純さはなく、この2曲は今沼響で練習中のリャードフの「魔の湖」にも似た霧が立ちこめるような曖昧模糊とした世界の音楽。 
交響曲第5番は作品としては完成形ではないようで、いささか統一感を欠く。
 
一方の交響詩は冷え冷えとした北洋の海面の描写が優れていて、良い作品だと思う。
 
2曲ともこの演奏以外は知らないが、緊張が高まる頂点で響き全体がふにゃりと腰砕けになるような場面が有り、演奏はあまり良くないようだ。
 
このLPのレーベルのデザインが美しい。
こんなところもレコードを聴く楽しみ。
 
Youtubeはアルヴェーンの「スウェーデン狂詩曲第1番」

| | コメント (0)

2015年2月18日 (水)

ドビュッシーの3つのソナタ

今日は昼頃から雷を伴ったみぞれとなった。山間部は雪。  

午前と夕方は定例会議、今週末には外部委員による大きな会議第一弾開始。
自分の担当分野は直接には関係しないものの、過去には思わぬところに飛び火して痛い目に会った経験もあり油断は禁物。
緊張感を持って臨みたいもの。 
 
台所の棚の奥にあった賞味期限切れの軽井沢ビール。
Sdsc02797
恐る恐る飲んでみたら美味かった。
熟成が進んでいたのかしらん。
 
今日はドビュッシーの室内楽の数々。
 
曲はチェロソナタ,フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ, ヴァイオリンソナタのソナタ3曲に、ソロフルートのためのシリンクス。 
演奏はアンリ・オネゲル(vc) モーリス・ラスキン(vn) ノエル・リー(pf) クリスチャン・ラルデ(fl) コレット・ルカン(va) マリー=クロード・ジャメ(hp) フルートのラルデ、ハープのジャメ。 
仏ヴァロア原盤の日本コロンビアのLP。1962年録音。  
 
ノエル・リーにはドビュッシーのピアノ曲全集もあり、ヒヤリとした冷たさが魅力のピアニスト。 ラヴェルも良い。 
 
録音エンジニアはエラートへの録音が多いピーター・ウイルモース。 
Sdsc02929
ドビュッシーの室内楽曲は少なく、この3曲のソナタの他は弦楽四重奏曲があるのみだ。
 
ドビュッシーはその最晩年に6曲のソナタの作曲を試みたが、結局完成できたのはこの3曲のソナタのみだった。  
 
後の3曲は「オーボエ、ホルンとクラヴサンのためのソナタ」、
「トランペット、クラリネット、バスーンとピアノのためのソナタ」、
「コントラバスと各種楽器のためのコンセール形式のソナタ」
 
いずれも個性的な編成なだけに是非完成して欲しかった。 
 
こんなことを想いながら聴いていた。 
 
演奏は洗練された響きとテクニック、フランス風のエスプリというよりもカチリとした手堅さで聴かせる演奏だ。 
中ではオネゲル弾くチェロソナタが自分の好み。 
 
アンリ・オネゲルはスイスロマンド管の首席チェロ奏者。  
 
Youtubeはドビュッシーのフルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ,

| | コメント (0)

2015年2月17日 (火)

バーンスタインのアメリカ音楽集

曇り時々雨、山間部では雪。本日三陸沖で2度の地震。

東日本大震災以来日本列島は地震の活動期に入ったらしい。

今まで地震とは縁のなかったような徳島あたりで地震があったり、列島各地の火山が活発になったりと巨大地震への高まる不安。

とはいえ国外に逃げ出す訳にもいかず、大地震となっても自分は助かるだろうと根拠のない思い込みの中で日常生活を送る日々。

今日 帰宅後聴いたのは、晩年のバーンスタインがロスアンゼルスフィルを振ったアメリカの現代音楽の数々。

Sdsc02761

デジタル録音ライヴで、コープランドの「アパラチアの春」、W.シューマンの「アメリカ祝典序曲」バーバーの「弦楽のためのアダージョ」バーンスタインの「キャンディード」序曲というもの。ドイツグラモフォンの国内盤LP.

全てバーンスタイン若き日の録音があるが、いずれも深い味わいの感じられる秀演ばかり。

特に作曲者とも深い関係にあったコープランドは、作品そのものを越えてしまっているほどの秀逸な演奏だ。

Youtubeはキャンディードを指揮するバーンスタイン

続きを読む "バーンスタインのアメリカ音楽集"

| | コメント (0)

2015年2月16日 (月)

メシアン自作自演

庭の梅も咲き始め春も近い。 

Sdsc02916
今週から来月半ば過ぎまで、いろいろな問題課題が俎上に上る外部の委員を交えた大きな会議が続く。 
 
メシアンのオルガン演奏で自作自演を聴いている。
仏EMIのCD4枚組。
 
曲は、「天上の饗宴」「二部作」「永遠なる教会の出現」「昇天」「主の生誕」「栄光の体」「聖霊降臨祭のミサ」「オルガンの書」
1956年、パリ、サン・トリニテ教会での録音。
 
名エンジニア、アンドレ・シャルランの手になる録音で古さは感じられない。 
959
モノラルながら強奏での音の塊がバランス良く響き、大地を揺るがすオルガンの重低音もしっかり入っている。
 
深い瞑想を誘う静かな部分、そして巨大な音のうねりとして迫り来る最強音。 
神秘的で宇宙的な広がりを聴かせるメシアンの音楽。
 
あたかもひとりで宇宙空間に投げ出されたかのような孤独感を誘う独特の世界。
 
 
 
聴いていて厳粛な気持ちになる、神との対話を即興的に音にしたような曲と演奏だ。
 
Youtubeはメシアンの「昇天」オーケストラ版

| | コメント (0)

2015年2月15日 (日)

ヨッフムの「魔弾の射手」

今日はちょっとしたアニヴァーサリーで、家内と娘と一緒に沼津の老舗「冨久屋」で昼食。

Sdsc02927

沼津、三島はウナギ屋の激戦区で、うなよし、櫻屋、うな繁など全国的に知られた店も多い。

その中で狩野川べりの「冨久屋」は創業70年。知る人ぞ知る店。ふっくらとした鰻と肝焼き。絶妙のたれ。

たくさん食べてもお腹にもたれない、作家の司馬遼太郎氏も愛した名店の味。

すっかり満足して帰宅。ゴロリと横になったらそのままウトウトと小一時間ほど寝てしまった。

家にあった巻物について調べているうちに、国会図書館のデジタルアーカイヴから、「嘉永撰要類集」という江戸町奉行が編んだ判例集の中に、この巻物を書いた大橋勝次郎の名があるのを見つけた。

記事は借金返済の内容。

Sdsc02652

彼は御小姓組(将軍直属の警護部隊)の一員で家格の高い旗本だった。

明治維新とともに上司の戸川伊豆守と一緒に静岡に移住して来たようだ。 

今日は歌劇「魔弾の射手」全曲をヨッフムの指揮で聴く。

グラモフォンの国内盤LP. 配役はクルト・ベーメ(Bs)、イルムガルト・ゼーフリート(S)、リタ・シュトライヒ(S)、リヒャルト・ホルム(T)、エバーハルト・ヴェヒター(Br)。 そしてバイエルン放送交響楽団と合唱団。1960年録音。

Sdsc02882

最初先週冒頭部分だけ演奏した序曲だけを聴くつもりが、聴いているうちに引き込まれ一気に聴くことになった。

ドイツの深い森を彷彿させる豪快にして力強い響き、効果音も臨場感豊かでソロ、合唱ともに充実している。

まさにドイツオペラの醍醐味を堪能。

緊張感に満ちた燃焼度の高い素晴らしい名演だ。

Youtubeは「魔弾の射手」序曲、アーノンクールの指揮

| | コメント (0)

2015年2月14日 (土)

ベンツィのファリア

今日は土曜休み。

雲一つない良い天気で早朝の千本松原からの富士山が美しい。
Sdsc02894
近くの寺から梵鐘の音が聞こえてきた。
 
書斎の照明の具合がしばらく前から悪くて、蛍光灯がすぐに消えてしまう。
気のせいか多少暗いようだ。
 
蛍光灯を変えたり照明器具を変えたりしてもだめ。
 
家の電圧が低いのかと思い、昨日東京電力に見てもらったところ電圧は99Vで正常の範囲内であるとのこと。
 
試しに今日LED照明に変えてみたら調子が良い。
 
娘は二人とも成人したが、今日は雛人形を出したりしていた。
すると床の間の奥から巻物が二巻出てきた。
Sdsc02649
ひとつはいろいろな漢方薬の処方が書いてある。
ちなみに「白散」は、屠蘇のように正月に健康を祈って飲んだ薬だという。
   もうひとつは馬術の、ある流派の奥義を伝える免許状のようだ。
Sdsc02651
なぜ家にあるのかよくわからない。 
そんなことをしていたら、歯医者の予約をしていたことをすっかり忘れてしまった。orz
 
今日聴いたのはフランスの指揮者ロベルト・ベンツィ指揮パリオペラ座管によるファリァを2曲。
 
「三角帽子」第1、2組曲に恋は魔術師」。フィリップス原盤の国内グロリアシリーズ廉価盤で1964年録音。
Sdsc02885
11歳で指揮者デビューし映画にもなったロベルト・ベンツィも、その後ぱっとせず二十歳過ぎれば只の人のような人生を歩んでいるように見える。
ボルドーやアーンヘムのオケのシェフを歴任していたようだが、今は一定のポストに付いているのだろうか?
東京フィルや読売日響に来演し、一昨年は京都市響も振っているようだ。
 
このファリァは天才少年の残光が未だ漂っていたベンツィ20代の録音。
この頃のベンツィはフィリップスにまとまった数の録音を残している。
 
ネットで検索したら自分の書いた記事が出てきた。
もう10年以上前に書いた記事だが、このファリアを聴く限りではあまり印象は変わらない。
 
「三角帽子」はオケの粗さが目立ち演奏全体が散漫な印象。
一方の「恋は魔術師」は奏者たちを自由に遊ばせた結果、この頃のパリのオケの華やかさが前面に出ていることになり楽しめる。
Youtubeは2013年プロムスでの「三角帽子」

| | コメント (0)

2015年2月13日 (金)

本日の練習 、下田先生の指揮

連日晴れて風の強い日が続く、梅の蕾もほころび日一日と暖かくなっているようだ。

今週水曜日は建国記念の日。
Sdsc02871

大学の恩師の退官記念コンサートのために上京する家内を駅に送ったついでに千本海岸へ寄ってみた。

冷えた青空に富士が良く見える。海岸には地引網の人々、網のあたりには海鳥が群れていた。
Sdsc02868
夜は部下の義父のお通夜。彼は職場内結婚なので奥さんも部署は異なるが社内の人。

そして昨晩はオケの練習。場所は沼津市民文化センター小ホール。
Sdsc02880 今回は管打楽器の分奏となり、指導はおなじみのホルン奏者の下田先生。
曲はブラームスの交響曲第1番から第1~3楽章。

ブラームスのスタッカート付き四分音符の扱いなど、先生の豊富な現場の経験から得たアドバイスの数々に目からウロコ状態。

Sdsc02881 特にホルンについての有益なアドバイスがありがたい。

ブラームスの交響曲第1番は若い頃吹いているにもかかわらず、In Hで書いてある第3楽章にはあい変わらず苦戦。

この年になっても読み替えは苦手。



以前演奏した時はさほど難しいとは感じなかったのに、今演奏してみると非常に難しい。
頭がそれだけ劣化しているのだろう。

定演のもう一曲の、ラフマニノフのピアノコンチェルトの方がずっと優しく感じてしまう。

_35
沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」にモントゥー指揮フランス国立放送局管によるライヴの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi 

| | コメント (0)

2015年2月10日 (火)

M.サージェント、EMI録音集

深々と底冷えのする一日。富士山も雪化粧。
先週の大きなイベントのその後の対応で費やされた一日。

最近サージェントのEMI録音集BOXセットを順番に聴いている。

S20150210_131509


サージェントの芸風はパリッとした折り目正しい明快さが爽やかさを感じさせる反面、
時として窮屈さを感じさせるのが限界のように思う。

スタイリッシュな「エロイカ」や「未完成」はよくまとまってはいるけれど、ベートーヴェンもシューベルトも同じように聞こえる。  

026 ウィーンフィルを振ったロッシーニ序曲集も録音の鈍さもあって面白みには欠けていた。

一方で4回も録音している「メサイア」や、シベリウスの一連の作品は曲への共感がストレートに出ていて格調高い名演となっている。

期待のイベールの「エリザベス朝組曲」は、アルカイックな美しさとモダンなテイストの絶妙な調和が今まで聴いた2種とは格段の差、期待とおりの秀逸な出来だった。


今日はメサイア全曲を聴いていた。サージェントのメサイアは4種の録音が有り、このセットに収録されているのは、2回目の1946年のロイヤルリヴァプールフィルにハダースフィールド合唱団によるものでモノラル録音。

サージェントは1959年に独唱者を変えて同じEMIに3回目の録音をおこなっていてそちらはステレオ録音。4回目録音はロイヤルフィルとのもの。




Photo_2 4種のうち第1回を除く3種類のメサイアは既に所有済み。

このBOXセットを編む時に、なぜ3回めの録音を選ばず2回目のモノラル盤を採用したのか疑問だったが、聴いてみるとオケと合唱は幾分粗いけれども、アマチュァのハダースフィールド合唱団による熱き祈りはこのモノラル盤により大きく出ているように思う。



使用譜は今ではほとんど使われなくなったプラウト版。



Youtubeはエルガーの「ニムロッド」ギリシャのオケ(アマオケ?)の感動的な演奏

| | コメント (0)

2015年2月 9日 (月)

Wさんの退院祝い病院内コンサート

本日快晴、冷たい風の吹いた一日。この冬一番の寒さ。

昨日は沼響の仲間のWさんの退院を祝う病院内コンサートだった。

彼は沼響創設以来の同志で30年間、席を並べて一緒にホルンを吹いた仲。

学生時代はワセオケのメンバーとして、ベルリンの国際青少年オーケストラ大会に参加し、カラヤンの前で「春の祭典」を演奏し第一位となった時の首席ホルン奏者。

昨年夏にくも膜下出血で倒れ、一時は心肺停止状態にまで陥ったものの、奇跡的に回復、リハビリを続けて今月退院。

彼はリハビリの一環としてホルンも吹き、自然発生的に退院を機会に沼響の仲間が集まってコンサートを開こうということになったもの。

出演メンバーは本人を含めたホルンセクション7人に、コンミスを中心とした女性メンバーによる弦楽カルテットの2団体

開演時間は10時、場所は病院内の講堂。

Sdsc02832

我々ホルンのメンバーは、譜面は前から手にしていたものの結局一度も全員で合わせないまま本番を迎えてしまっていた。

8時に病院集合し初めての合奏練習。外は冷たい雨。

曲は、「アニーローリー」、「魔弾の射手」序曲の最初のホルンの部分と「バイエリッシュ・レントラー」の3曲。

初見という訳ではないが、始めて全員で合わせてみると、バランス、ピッチその他まずいところだらけ。

中でも「魔弾の射手」が一番難しい。

まぁ身内のみの内輪のコンサートなので、皆で楽しもうというお気楽モードでなんとなく呑気なホルンの面々。

一方の弦楽カルテットは、もうさまざまな場所で招待演奏の経験があるので慣れたもの。
Sdsc02834
人前に出しても恥ずかしくない見事なアンサンブルだ。

完成度は低いまま開演時間は近づき、車椅子の患者さんたちや病院関係者の人たちが続々と入ってきた。

次から次へと入ってくる患者さんたち。

これは内輪どころか、病院を挙げてのイベントとなっている模様。(・・;

結局会場はほぼ一杯で立ち見も出るほどとなった。

コンサートは退院する本人のスピーチで始まった。

献身的な看病をしていた奥さんへ、そして病院の方々への感謝、死の淵を彷徨った深い部分からの言葉は感動的だった。
私も横で聴いていて、ぐっと胸に迫るものがありました。

そして病に苦しむ中、安らぎを求めて集まった真剣な患者さんたちの眼差しを見ているうちに、我々のお気軽モードは吹き飛び演奏は全力投球。
各所でほころび拙い部分もあったものの、皆精いっぱい演奏しました。

Sdsc02837 最後は、弦楽四重奏+ホルンで「ふるさと」を会場の皆さんの歌を交えての演奏。

曲が終わり、さぁこれでおしまい。
譜面を片付けようと思ったら、お客さんたちは誰も去らない。
続く拍手・・・・・・・

一同顔を見合す。こんな状況は想定していなくてアンコールは用意していない。

拍手は高まり、「アンコール、アンコール」の合唱になってきた。

とても引っ込みがつかなくなり、場慣れた女性カルテット陣に目を向けたら、彼女たちはさっさと楽器を片付け始めていた。

Sdsc02843
やむなくホルンで「バイエリッシュ・レントラー」をもう一度演奏しました。

いろいろハプニングはあったものの、暖かな雰囲気のほのぼのとした後味の良いコンサートとなりました。

これは退院するWさんの人徳です。

打ち上げは病院近くの函南町の名店「陸茶房」。

| | コメント (2)

2015年2月 7日 (土)

アーサー・フィードラーの「動物の謝肉祭」

一日曇り、娘は東京へお買い物。東京は夕方雨だったという。
早朝の千本海岸、富士山は雲に隠れて見えない。

Sdsc02799

地引網の人々、ランニング、犬の散歩。鳩は寒さに固まっている。

Sdsc02807 午前中は歯医者に行きついでに近くのブックオフへ寄ってみた。
500円以下CD本日半額。

ざっと見渡して塩川悠子のヴァイオリン、アンドラーシュ・シフのピアノのモーツァルトのヴァイオリンソナタ集を手に取った。  



Cdsonatenundvariationenfrklavierund これはザルツブルクのモーツァルトハウスで売っている記念CDらしい。250円。

今日はアーサー・フィードラー指揮ボストンポップスの演奏で、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」とサンサーンスの「動物の謝肉祭」を聴いていた。


RCAの国内盤LPで、リサイクルショップのジャンクコーナーで見つけたもの。



オケは非常にうまいし、フィードラーの指揮もウィットに富んでいて非常に楽しめる。
英語のナレーション付き。

Sdsc02764_1

解説のフィードラーの娘さんが書いた、「動物の謝肉祭」の演奏時の父フィードラーのエピーソードも面白い。

| | コメント (0)

2015年2月 6日 (金)

本日の練習、「魔法をかけられた湖」

2月最初の週も今日は金曜日。昨日雨一部で雪。そして今日は晴れ。

昨晩はオケの練習日。

場所は沼津市民文化センター大ホール。指揮は団内指揮者のF君。
曲はブラームスの交響曲第1番第4楽章にリャードフの秘曲「魔法にかけられた湖」。

昨晩は仕事も早く終わり7時開始の練習には間に合った。

Sdsc02787

ブラームスは先週の小森先生との初練習時に比べると響きが多少固まってきた感じだが。出来としては未だ10%くらい。
ひどかったホルンセクションも多少は良くなったが、早くパート割を決めて練習に専念したいところ。

そして休憩後はお楽しみのリャードフ。
おそらく団員全てがリャードフ初体験。

自分も曲は知っているが、実際に音になった時にどのように鳴るのか見当もつかない。
Sdsc02781 予習の為に無料楽譜サイトからスコアを印刷して準備万端。

印象派風のほとんどピアニシモの曲で、弦楽器とホルンは全曲弱音器着用。
弦楽器は曲の半分以上ディビジで分割されている。

ゆっくりとしたティンパニのトレモロで始まる8分の12拍子。
シュワシュワとした弦楽器の響き。  




ミステリアスな曲が、演奏側もほとんどわけがわからない状態で演奏しているので、ますますミステリアスになっていく。

音を間違えてもわからないほどだ。

一度弱音器を外して演奏してみたらなんとなく曲の輪郭が見えてきた。

繊細で天才的なオーケストレーションなので、音程もバランスもばっちり決まった時に凄い効果が出て来るのだろう。きっと。

結局皆キョトンとした目が点のまま練習は終わってしまった。
この曲を聴こうと手持ちの音源を調べてみた。

Sdsc02783 もう40年以上前の学生時代から付けている作曲者・作品順コレクションリストのリャードフの項を開いたところ「魔法にかけられた湖」の手持ち音源は11種。

意外と多かった。

この曲の刷り込みのジョージ・セルを筆頭にムラヴィンスキー、スヴェトラーノフ、そしてコンドラシンがN響を振ったライヴにゲルギエフとミネソタ響のライヴなど、ロシアで活躍したロシア人に加え、フィストラーリ、クルツのロシア生まれながらヨーロッパで活躍した指揮者。

作曲家ハワード・ハンソン、NAXOS初期の指揮者陣の一人グンゼンハウザー指揮のチェコ放送響、海に関する管弦楽曲のみを集めたファレッタ指揮のロングビーチ響。

Sdsc02779
映像ではサヴァリッシュ指揮N響のエアチェックライヴなど。

ところがムラヴィンスキーとスヴェトラーノフのCDがどうしても見つからない。

この種の小品は大曲の余白などに入っているので、どこぞやの大曲CDの余白にこっそりと収録されているに違いない。


Youtubeは「魔法にかけられた湖」

| | コメント (0)

2015年2月 3日 (火)

ダニエル・アドニのドビュッシー

今日も晴れて昨日と同じような一日、夜になって一時雨。

今日はイスラエルのピアニスト、ダニエル・アドニの弾くドビュッシーを聴いた。

曲は2つのアラベスク、「ベルガマスク組曲」「バラード」映像第1集、第2集から3曲、
「喜びの島」その他。
東芝EMIから出ていたLPで、隣町のリサイクルショップで100円だった。

アドニはアラウに見いだされ、パリ音楽院でラヴェルの直弟子だったペルルミュテールに師事している。
その後バレンボイムやアルゲリッチのセミナーを受けたりしている。

Sdsc02768

若手ピアニストとしては順調な滑り出しだったが最近はあまり名を聞かなくなった。

アドニの演奏と言えばメンデルスゾーンの無言歌の全曲録音が出ていて、自分は未聴だが比較的評判はよかったように思う。

ネットで検索してみたら自分のブログが出てきた。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2009/03/post-5612.html 


完全に忘れていたがパーシー・グレンジャーやガーシュインは良い演奏だった。

このドビュッシーは、若くナヨッとした繊細でナイーヴ。
昨日聴いたラオホの重厚で剛毅なピアノと比べると、吹けば飛ぶような軽い音。

この軽さがメンデルスゾーンやガーシュインでは良かったかもしれないが、ドビュッシーとなると物足りない。

Youtubeはアドニの弾くメンデルスゾーン のエチュード

| | コメント (0)

2015年2月 2日 (月)

フランティシェフ・ラオホの「皇帝」

朝から冷えて車のフロントガラスががちがちに凍結。
今日は埋め立てゴミの日。
通勤のついでに大量のエアチェックビデオをゴミに出したら町内の当番の人が驚いていた。

全部ベータのビデオテープ。

1980年代初めから撮り溜めていた音楽番組が中心で、全部DVDにはダビング済み。ベータのデッキも健在だしVHSと比べて画質の劣化が少ないので、マスターとして保管しておきたいのだが、保管スペースの関係で思い切って処分することにした。
全部で600本ほどあって一度に出すのは憚られるので少しずつ出している。

今日は会議もなく大きなトラブルもなく平穏無事なエアポケットのような一日。
今週半ばから大きな行事が年度末まで続く。

Sdsc02733

今日はチェコのピアニスト、フランティシェフ・ラオホの弾くベートーヴェンの「皇帝」。
伴奏はカレル・シェイナ指揮のチェコフィル。
チェコスプラフォン原盤の米パーラメント盤LP.

František Rauch(1910-1996)についてはドイツのサイトが見つかるくらいで、
あまり紹介記事がない。

作曲家ノヴァークに師事し、ベートーヴェンやリスト、シューマンの他、師のノヴァークやスメタナを主なレパートリーとしていたらしい。とりわけチェコではショパンの権威とされていた。
プラハ音楽院で教鞭をとり、チェンバロ奏者として有名なスザンナ・ルージイッチコヴァを教えている。

来日もしているらしいし録音もかなりの数があるようだが、チェコ国外では知られざるピアニストと言ってもよいと思う。

ベートーヴェンを得意としていたらしいこの「皇帝」は独特のクセはあるものの、見事な演奏だ。

重厚にして煌びやかな冒頭部分だけ聴いても只者でない気配。

黒光りするような深い漆黒の音色が独特で、使用ピアノはチェコのペトロフの古いタイプのような気がする。

テクニックも申し分ないし、堂々たる風格のベートーヴェン。

老練なシェイナの伴奏も非常に良い。録音も優秀なステレオだ。

Sdsc02765 沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」にスイトナーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/titan.cgi 

| | コメント (2)

2015年2月 1日 (日)

サージェントのイベール、「エリザベス朝」組曲

今日から2月。

朝、裏山の椿にメジロが3羽。しきりに椿の花の蜜をなめていた。
Sdsc02747
一日を振り返って何をしていたかすぐには思い出せないほど無為に過ごした日曜。
このような日も良いだろう。 
HMVからCDが届いた。 
 
購入履歴を見たらHMVから買ったのはほぼ一年ぶり。
 
今回はイギリスの指揮者マルコム・サージェントのEMI録音集がお目当て。
CD18枚組のBOXセット。  
026 「メサイア」「エリア」などの合唱曲の大作や、シベリウスウォルトン、ホルストなどの一連の管弦楽作品は手持ちと盛大にだぶっているが、購入を決心したのはイベールの「エリザベス朝」組曲が入っていたのが大きな理由。 
 
この10曲、20分ほどの組曲はパーセルやギボンズ、ブルなどのエリザベス朝期の鍵盤音楽をベースに比較的小さなオケと合唱で現代風に仕立てた名品。 
ちょうど同じような時代のフランスの作曲者のクラヴサンの作品を管楽器中心の現代オケにアレンジしたプーランクの「フランス組曲」のイギリス版とも言える。 
 
「エリザベス朝」組曲は録音が非常に少なく、マルコポーロから出ているアドリアーノ指揮とクラーク指揮のマンハッタンチェンバーオケの二つぐらい。
まさか本家のサージェントの録音があるとは知らなかった。 
 
プロムスの常連だったサージェントの「エルサレム」「ルール・ブリタニア」やエルガー編の「イギリス国歌」も楽しめそうだ。 
 
 
これだけではマルチバイ割引にならないので、NAXOSの準メルクル指揮によるドビュッシーの前奏曲集第1巻、第2巻のペーター・ブレイナー編によるオケ編曲版、オケはスコティシュナショナル管。  
227 
NAXOSへ準メルクルがリヨン管を振って録音したドビュッシー管弦楽曲全集は、1枚ずつコツコツ集めていたのだが、後になってセット物でかなり安く出た。 
しかもセット物にはこの前奏曲集第1巻、第2巻のオケ版が入っていたのだ。
 
 
それがバラ売りで出た!と思って飛びついたのだが実物が届いて驚いた。 
 
 
セット物はホルストの「惑星」に「冥王星」を付け加えたコリン・マシューズの編曲だったのだが、こちらはピーター・ブレイナー編曲だった・・・・。  
 
準メルクルは編曲者とオケを変えて、もうひとつの前奏曲集オケ版の録音をしていたのだ。 
 
マルチバイのもう一枚は、同じくサージェントの指揮でヴォーン・ウイリアムスとシベリウスの交響曲第4番。  
362
オケはBBC響によるライヴでBBCLgendのCD。 
 
今日はこのCDからヴォーン・ウイリアムスを聴いていた。 名演です。  

| | コメント (0)

« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »