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2015年3月に作成された記事

2015年3月30日 (月)

静響のシベリウス

3月も明日で終わり、各所で桜開花の便りに既に4月の気分。

昨日は静岡交響楽団の定期演奏会に行っていた。
場所は静岡市清水区にある「清水マリナート」

静岡交響楽団は1988年創設。
県内ゆかりの演奏会によって結成された静岡県唯一のプロオケ。

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演奏会の回数はまだ少ないが日本オーケストラ連盟の準会員となって少しずつレベルは上がっている。


地元のケーブルテレビで金子健志先生を司会者に迎えた「静響アワー」というテレビ番組も持っていた。

S20150329_132435 多少早めに着いたので昼食は清水港の魚市場食堂に行ってみようと歩いてみたら、すごい混みよう。狭い廊下では観光客でぎっしり。

とても1名で入り込める余裕はなさそうなので、遠くに見えたラーメン屋の看板めざしてトボトボと歩いて行った。

歩いているうちに曇り空からぽつりぽつりと雨が落ち始めた。

店内にはかなりの客で駐車場は一杯、初めて入る店なのでなんとなく安心する。
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京都直送の九条ネギを使ったネギラーメン。

S20150329_130801 店のテレビではちょうど甲子園のベスト8に勝ち上がった静岡高校の試合を放送中。

8回表を終わって3対3の同点。


良いところだが試合の結果を見ずに演奏会会場へ。


開演前のロビーでは、モーツァルトのオーボエ四重奏曲のロビーコンサートがほどよいBGMの雰囲気だ。

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シベリウス生誕150年を記念して曲は合唱つき「フィンランディア」に交響曲第2番。

そしてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番というもの。
ソリストは清水和音。

指揮の篠﨑靖男はフィンランド・キュミ・シンフォニエッタ芸術監督にして
第2回 シベリウス国際指揮者コンクールおいて第2位受賞。

プログラムに寄せた文を読むとシベリウスに寄せる並々ならぬ畏敬の念が読み取れる。

最初のフィンランディアからして凄い気合の入れようだった。
指揮者へのシベリウスに対する深い思いが演奏者へ自然に伝わり熱い音楽を繰り広げられている。合唱は原語によるもの。

清水和音のラフマニノフは落ち着いた表情に余裕の貫録。
フィナーレの盛り上げも見事でした。名手A氏のホルンソロはいまひとつの出来。調子が悪かったのかしらん。
アンコールで演奏されたワルツはショパンだろうか?

(*チャイコフスキーの歌曲「ただ憧れを知る者のみが」のアレンジだとご教示いただきました。)

そしてメインのシベリウスの交響曲第2番。

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交響曲もこだわりのシベリウス。トランペットトップは沼響もお世話になった神代先生が客演していました。さすがにうまかった。

オケを良く歌わせて外面的に陥ることなく、指揮者の熱い思いが素直に伝わる起承転結のわかりやすい爽やかな感動が残る演奏を聴かせてくれた。

固定メンバーが少なくパートトップには客演奏者が多かったものの、着実に常設オケの道を歩んでいるようで地元のオケとして応援したい気持ちになりました。

アンコールは「悲しきワルツ」

Youtubeは映画「ネオファンタジア」から悲しきワルツ

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2015年3月28日 (土)

下田先生との分奏とレコードコンサートのことなど

穏やかで暖かな土曜日、来週半ばからは4月。

家内は仕事。恩師の歓迎会の打ち合わせに行く娘を駅まで送ったら昼時になったので、そのまま近くの「沼津屋」でラーメンを食べ。

午後はコンサートを聴きに行く母を千本プラザまで送り、近くの千本海岸まで出てみたら大勢の人が防潮堤の上を散策していた。

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遠く静岡方面は霞んでいたが富士山は良く見えた。

木曜のオケの練習は、管楽器トレーナーの下田先生の指導で管打楽器分奏。
場所は沼津市民文化センター小ホール。
管打合わせて20名ほどで小ホール使用という贅沢な練習だ。

S20150328_123109_2 曲はブラームスの交響曲第1番第4楽章に、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1,3楽章というもの。

下田先生はプロのホルン奏者でオケでの経験も豊富。

ブラームスの第4楽章で、有名なアルペンホルンの響きに続く金管楽器のコラールの経過部分の和声の動きが、バロック時代の宗教曲の響きから違う時代の宗教的な響きに移行しているなどという説明には、新鮮な驚き。


そして昨金曜の夜は沼津市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートでいろいろと解説となかなか充実した一週間。

S20150327_181812 この会も文化センター建設の翌年から始めて30年。通算で180回を超えた。

当初は初代の文化センターの館長さんがタンゴ好きで、その館長さんがタンゴのレコードコンサートを始めるにあたって、クラシックと抱き合わせで始めたのが最初だった。



社内のクラシック音楽好きの大先輩が私に声をかけて下さり。
最初自分はアシスタントのような形で始まったのだが、数年ほどで全面的に任されることになってしまった。

10950064_810639395683119_1739771954 20代そこそこの若造によくぞ任せてくれたと思う。

今回はプッチーニのオペラを取り上げた。

ついでに沼響の演奏会の宣伝をしたら既に何人かの人がチケットを買って下さっていた。 ありがたいことです。

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2015年3月25日 (水)

カーゾンのチャイコフスキー

晴れ、昨日から朝は少し冷えている。花粉症はあい変らずで目がかゆい。
年度末の慌ただしさで落ち着かぬ日々。
今日は外部委員による例月の監査。
今月末に昨年から続く大きなトラブルの対応があり悩ましいところ。

サー・クリフォード・カーゾンの弾くチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を聴いていた。
DECCAへの1958年の録音で手持ちはキングの国内盤LP.

伴奏はショルティ指揮のウィーンフィルで、歴史的な「リング」の録音の前後に行われたもの。
カーゾンはモノラル期の1950年に、同じDECCAへセルの指揮で同曲を録音している。

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玄人好みのいぶし銀の演奏とはこのことを指すのだろう。

内面を深く掘り下げた格調高いカーゾンのピアノ。
粒立ちのはっきりした弱音の美しさが印象的だ。

この録音当時演奏者の格としてはカーゾンの方が遥かに上だが、ショルティの伴奏は猛然と自己主張を繰り広げている。

カーゾンの渋い芸風と肌合いは異なるが、気宇雄大で壮大な伴奏でこれも良いだろう。
録音は非常に良い。

youtubeはカーゾンの弾くシューベルト

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2015年3月23日 (月)

松浦豊明のピアノ

3月もあと一週間を残すばかり。昨日よりも多少気温は下がったものの日差しは暖かだ。
今年の桜の開花は例年より早いらしい。

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土曜日に行った浅間大社の桜は早咲きとはいえほぼ8分咲きだった。

年度替わり、異動するもの退職するものそれぞれ引き継ぎが始まっている。
新年度を迎える慌ただしきいつもの風景。



帰宅後聴いたのは松浦豊明の弾く家庭用ピアノ小品のいくつか。

近所のリサイクルショップで108円で救出したもの。

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日本コロンビアから1959年に発売された10吋盤で、
「エリーゼのために」「別れの曲」

「幻想即興曲」「トロイメライ」「舞踏への勧誘」を松浦豊明。
「乙女の祈り」「子犬のワルツ」を室井麻耶子が弾いている。

松浦豊明は1958年に第一回チャイコフスキー国際コンクールに入賞し、翌1959年にはロン・ティボー国際コンクールで第一位となっている。

これは日本人初の国際コンクール優勝だった。


この録音はちょうどその頃の録音。

手持ちはモノラルだがステレオ録音もあるかもしれない。


いずれも硬い音できっちり生真面目、小品とはいえ全力投球のひとつひとつの音に取りこぼしのない模範演奏のような出来。


P1010385 沼響のHPの聴き比べコラム、「チャイコフスキーの5番を聴く」にモントゥーがボストン響を振った1957年ライヴの感想をアップしました。

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2015年3月22日 (日)

尾高尚忠の「ソナチネ」

日曜休み、天気が良く暖かだだったので午後から家内と西浦方面へ行ってみた。
娘は職場の同僚と清水エスパルスのサッカー観戦で静岡へ出かけて行った。 車で自宅から小一時間ほどのドライヴ。

天気は良いが遠方は春特有の霞がかかり富士山は見えない。

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遅い昼食は西浦古宇の「井里絵」で「カタクチイワシのフライ丼定食」と「イカのつみれ揚げ定食」。

こぶワカメのみそ汁も美味。
S20150322_142242 店は2時過ぎなのにダイビング帰りのお客さんで満席。


帰りに最近オープンしたドラッグストアに寄り店から出ると突然の雨。

 
遠くで雷が鳴っている。気温も下がってきたようだ。


帰宅して音楽部屋で音楽を聴いていたら、カミナリは近づき雨が突然雹(ヒョウ)に変わった。
Sdsc03207 バリバリと屋根を叩く凄い音。

庭は真っ白になり側溝から水があふれている。

愛犬ポコがカミナリと雹におびえて震えているので家の中に急遽避難。

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そんな中で聴いた音楽は、80年代に東京音楽大学が刊行した「現代日本の音楽」のシリーズからピアノ曲編その1 このLPには国産初のピアノ曲、滝廉太郎作曲の「メヌエット」が収録されている。

同じく滝の作品では病に倒れた後に書かれた「憾(うらみ)」を収録。

憾とはなんとも恐ろしくも悲しいタイトル。
西洋音楽の壁に果敢に挑戦して志半ばにして病で倒れたパイオニアの悲痛な叫びの音楽。


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他には山田耕筰、伊福部昭、諸井誠ら錚々たる大家の若書きの作品が並ぶ。

演奏は野島稔、弘中孝その他。


中ではラヴェル風の穏やかさと日本的な抒情漂う尾高尚忠の「ソナチネ」が良い曲だ。


Youtubeは尾高尚忠の「ソナチネ」

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2015年3月21日 (土)

ケンペ&ドレスデンのリハーサル

昨日に続き曇り時々雨。今朝はウグイスの囀りで目が覚めた。
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昼からは娘の友人が富士宮で個展を開いているので、娘と家内と三人で行ってみた。
場所は浅間大社近くのパンとカフェの「江戸屋」
店内には串田孫一の作品が飾られている。

絵を見てパンを買ってそのまま雨の浅間大社へ。

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本宮には武田信玄手植えの信玄桜が咲き、神殿内では結婚式、新郎新婦の姿が見えた。 お宮横丁で富士宮焼きそばと静岡おでん。

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帰りに静岡県内限定ハンバーグの有名店「さわやか」でげんこつハンバーグ。
ちょいと食べ過ぎ。


音楽は、ドレスデンシュターカペレの創立450年記念BOXCDからケンペの演奏を聴いていた。
収録は「こうもり」序曲にベートーヴェンの交響曲第7番第一楽章のリハーサル、
組曲「火の鳥」、ヨゼフ・シュトラウスの「天体の音楽」というもの。

この中で「火の鳥」は国内盤CD,ベートーヴェンはオルフェオのLPで所蔵済み。


ベートーヴェンはLPでは第一楽章から第三楽章までとエグモント序曲のリハーサルとケンペのインタビューが収録されていて2枚組だった。
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これは1970年6月18日のべートーヴェン・イヤーコンサートのためのリハーサル時の録音で、R.シュトラウスの管弦楽曲全集の録音の合間におこなわれたリハーサルを録音技師がテープを回して録音しておいたもの。


第四楽章のリハーサルがないのは予備のテープが切れてしまったからだろうか。

リハーサルではこの曲独特のタンタタンのリズムを伝統あるオケに何度もやり直させている。
リズミカルな刻みと横に流れる旋律の見事な調和。



その頂点が終結部の低音弦楽器の同じパターンの繰り返しにヴァイオリン群が乗る部分に集約されている。
51ykcjp8ckl_sx300_ 本番の録音が残っていれば聴いてみたいもの。




他の曲では「天体の音楽」のこの世離れした美しさがなんとも素晴らしい。

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2015年3月20日 (金)

本日の練習、小森先生とのブラームス、ラフマニノフ

曇り時々雨。夜から我がセクションの送別会。
市内の結婚式場の大広間で出席者は60名ほど。

退職者の顔ぶれには、身分が変わりそのままわが社に残る人あり、全く異なるフィールドで新たなる人生を送る人有り、自分より若く家業を継ぐ者有り。
人それぞれ。

宴会は〆の挨拶をして一次会で失礼させていただいた。

昨晩はオケの練習だった。
先週仕事で欠席となってしまったので2週間ぶり。

練習会場の沼津市民文化センターには開始時間ぎりぎりの到着となり、ウォーミングアップもそこそこに小ホールの舞台に向かう。

指揮は本番を振っていただく小森先生。

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曲はブラームスの交響曲第1番の第2楽章からだった。

ラッキー・・・

今回自分はブラームスのポジションが4番ホルンなので、第2楽章は全休なのだ。
その間ロビーで十分にウォーミングアップ。
ついでに読み替えが難しい第3楽章のinHの譜面をさらっておく。

Sdsc03147 練習は第3楽章から参加、続いて第4楽章のトロンボーンのコラールが入る所までで休憩。

小森先生の指導は一歩一歩堅実に進めていくもの。

後半はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の第一、第二楽章。


こちらは2番ホルンなのでそこそこの出番。


生真面目で固いブラームスに比べて開放的な曲なので、皆の表情ものびのびとリラックスしたように見えるのは気のせいか。


とはいえブラームス、ラフマニノフの両曲とも曲の形にはまだなっていない。

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本番まであと2か月。


演奏会のポスターも出来上がってきた。

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2015年3月17日 (火)

アイネ・クライネ・ビア・ムジーク

本日5月上旬の気温となり今年に入っての最高気温を記録。
外に出ると気持ちの良い春の風。
連続していた年度末の重要な会議は明後日を残すのみでほぼ山を越えた。

昨日人事異動の内示が有り、部署内で次期体制の腹案の提示と打ち合わせなど。
ここ数年自分の異動サイクルは短くなったとはいえ、昨年異動したばかりなので今回は関係なし。

気分はすでに新年度。

今日は世界最高の金管アンサンブルを2枚。

Sdsc03088 フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル(PJBE)のヘンデルの曲ばかりを集めたArgo原盤のLPと、ベルリンフィルの金管セクションによるビアホールで演奏される軽い曲を集めた「アイネ・クライネ・ビアムジーク」というEMI録音のLP。

80年代のデジタル録音初期のもの。

いずれもアレンジ物にありがちな軽薄さからほど遠い格調高い演奏。



PJBEの演奏など、アレンジの巧みさもありあたかもオリジナル曲のように聴こえる。

1.オラトリオ「ソロモン」よりシバの女王の入場
2,歌劇「ベレニーチェ」よりメヌエット
3.調子のよい鍛冶屋
4.「オケージョナル・オラトリオ」より行進曲
5.歌劇「クセルクセス」よりラルゴ
6.「水上の音楽」より組曲
7.組曲「王宮の花火の音楽」

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ベルリンフィルのブラスセクションにはカラヤンが指揮したドイツマーチ集のような強面の録音もあるけれども、こちらはビアホールでたらふくビールを飲みながらの、ヨッパライ達のバカ騒ぎの雰囲気が伝わる気楽で楽しきアルバム。

1 Wien bleibt Wien (Vienna Is Always Vienna) 3:19
2 Wir Spielen Walter Kolla (We Play Walter Kolla) 2:50
3 Zwei Freunde (Two Friends) 5:03
4 Erstes Rheilander - Potpourri (First Rhineland Potpourri) 6:06
5 Bummel Petrus (St. Peter's Way) 2:05
6 Folies- Bergere 2:37
7 Wiener Praterleben (Life in Vienna's Prater) 5:02
8 Durch Berlin fliesst immer noch die Spree (Through Berlin Ever Flows the River Spree)   3:20
9 Petschauer Polka 3:30
10 Was eine Frau im Fruhling traumt (A Woman's Springtime Dream) 2:55
11 Pusteblumen 3:02
12 Vom Egerland zum Moldaustrand – Potpourri (From Egerland to the Moldau's Shores)    8:09
13 Doda Polka 2:45
14 Frei weg! (Make Way!) 2:11
15 Urlaub mit Musik (Holiday with Music)


YoutubeはPJBE来日公演のヘンデル

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2015年3月15日 (日)

喫茶「あずみ野」で聴く

曇りのち晴れ午後から風が出てきた。
娘と家内は仕事関係の打ち合わせで出かけて行った。
自分だけの簡単な食事を済ませながら昼まで部屋を集中的に掃除。

午後、近くの牛臥山公園に行ってみると駐車場は満車だった。

小さな子供を連れた家族連れ、アベック、お年寄り、犬の散歩・・・ 風が強く、遠くにはヨット近くにはウィンドサーファーの人たち。

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日本唯一の小型帆船ami号も帆走中。

Sdsc03107 日曜の午後のくつろぎの風景。


そのまま近くの喫茶「あずみ野」にふらりと行ってみた。
開業して今年で41年目の老舗。


ここで聴くモノラル録音の素晴らしさは今や全国的に知られ、遠方から聴きに来る人も少なくない。




Azu 家の近くだが2年ぶりの訪問。

若いカップルと初老の男性が静かに音楽を聴いている。
コーヒーはおすすめの「ジャマイカブレンド」。 ・・・・
S20150315_144600 コーヒーも美味しい。店ではショパンブレンドが人気らしい。
 
私が店に入ると店主さんはブッシュカルテットのベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番のアダージョをかけてくれた。
仏パテレファランスのLP。 自分の手持ちは東芝GR盤

とても1937年録音とは思えぬほどの生々しさ。

ここで聴く往年の巨匠の演奏は神が降りてくる場。

続いてドレパーのクラリネットにレナーカルテットのモーツァルトのクラリネット五重奏曲、キャニオンのアルティスコ盤、パハマンのショパンGR盤などを次々とかけてくれる。

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忙しそうにコーヒーを入れている店主さんとカウンターでしばしの音楽談義。

オーディオシステムは送信管845を使用したアンプにタンノイのスピーカーにガラード301。

パハマンのショパンは1915年録音。

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今からちょうど100年前の録音なのに、羽毛のようなパハマンのふわりとした音がリアルに聞き取れ、信じられないことに今この場でパハマンが弾いているかのように響く。

しばらくして以前聴いて感動したエネスコのヘンデルをお願いした。

見たこともないレーベルの復刻LP。

ここで聴くエネスコはまさに神が間近に舞い降りてくる。
横に座った店主さんもうつむき加減に聴き入っている。

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あまりの感動的な演奏に涙がこぼれそうになってきた。

いつのまにか店に入って2時間を超えていた。

さて帰ろうかなと思ったら。
店主さん「これからメンゲルベルクのマタイをかけますね」
私「・・・・・」

さすがにこれから3時間は辛いので。
私「ちょっと時間が・・・・」

そのうちメンゲルベルクの「マタイ受難曲」の最も有名な場面。 「憐れみ給え、わが神よ」のアルトソロが流れてきた。
聴衆のすすり泣きの声が聞こえる有名な演奏だ。

再び座り直して拝聴しました。



今日は家に帰っても音楽は聴けないな・・・・・。


と思いました。


Youtubeはエネスコの弾くヘンデルのヴァイオリンソナタ第4番

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2015年3月14日 (土)

シャープレスのケテルビー

曇り夕方から雨。土曜休みで午前中歯医者の後近くのブックオフへ。
100円均一文庫本から藤沢周平の短編集と、辻静雄の本などを購入。

ブックオフの携帯会員だったので、

私「携帯会員だよ」

店員「携帯会員制度はなくなりました」

そういえばそんなメールが来ていたことを思いだした。

店員「会員カードを作りますか」
またポイントカードを始めたらしいけれど、積極的に進めているようには見えない。

私「携帯の溜まったポイントはどうなるの?」

店員「わかりません」

私「????」

Ah_book_3   結局作ったけれど、ブックオフの会員カードってこれで何回目だろう?
かつて白いカードで始まって、そのうちTポイントが溜まるカードになったりしたのだが、知らないうちに使えなくなっていた。


娘が4月から異動となり勤務場所が変わる。今度は通勤距離が半分。

今日の昼食は家内と3人で新しい勤務先の近くの「代官屋敷」で蕎麦。

  近くの江戸時代の江川太郎左衛門の代官屋敷を模した「そば処」。
広大な敷地に立派な建物。
いわゆる観光バスで来る団体旅行客向けのような食事処。

2時近くということで広い店内は閑散としていた。
2階の座敷では近くの幼稚園の父兄たちのお別れ会をやっていた。



今日は軽い描写的な音楽をたくさん書いたイギリスの作曲家ケテルビー(1875~1959)の管弦楽曲集。

演奏はロバート・シャープレス指揮New Symphony Orchestra of London。
クレジットはないが合唱とオルガンも入る。1959年録音。
手持ちは米ロンドンのLP。

50年以上前の古い録音ながら音は非常に鮮明だ。
低音の伸びも良く音量をさほど上げていないのにオルガンが入ると部屋全体がビリビリと震えるほど。

これぞアナログ録音の醍醐味。

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シャープレスの演奏は、ケテルビーの明るく軽妙にして絵画的な雰囲気を見事に描き出しているもの。

ケテルビーの曲となるとお気軽に演奏されがちだが、1曲1曲を真剣に取り組んでいるのがストレートに伝わって来る。
「ペルシャの市場」など一大交響詩のような立派な音楽になっていた。
地声丸出しの合唱も面白い。

今でもCDで現役のロングセラー盤。

1. ペルシャの市場にて
2. ファントム・メロディー
3. 牧場を渡る鐘
4. エジプトの秘境で
5. 修道院の庭で
6. ウェッジウッドの青
7. 中国寺院の庭で
8. 心の奥深く
9. たのしいハムステッド地区 ..

410_2 沼響のHPの聴き比べコラム、「巨人を聴く」にラインスドルフ&ボストン響のライヴ映像の感想をアップしました。

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2015年3月13日 (金)

フィッシャー・ディースカウの白鳥の歌

本日快晴、風は強く花粉が盛大に飛び外出時にマスクは手放せない。
午前中から外部委員による重要な会議。

昨日は本日開催の会議の案件の中で気になる部分があり、資料を整えたりしているうちに帰りが遅くなってしまった。
本来ならオケの練習に出る予定だったがそのまま帰宅。

ところが今日の会議では、昨日苦労して用意した部分は全く触れられることなく、今回の案件とは離れた意外な部分を指摘された。

一瞬戸惑い逡巡しているうちに、横に座っていた百戦錬磨の手練れの組織トップがサラリと回答。

その鮮やかなお手並みに自分はまだまだ未熟であることを痛感。

Sdsc03076 今日はフィッシャー・ディースカウが歌うシューベルトの歌曲集「白鳥の歌」。
同曲の4種あるフィッシャー・ディースカウの録音のうちの2番目の1962年録音。
伴奏はジェラルド・ムーア。手持ちは国内盤LP.


若い頃、フィッシャー・ディースカウの声に甘ったるさを感じていて、なぜ世評が高いのかさっぱりわからなかった。

ところが最近フィッシャー・ディースカウの歌を聴くと、なぜか心に染み入る。

曲と歌詞に一体となった誠実な歌。

この年になってようやく良さがわかってきた。

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2015年3月11日 (水)

ヘンドリックスの黒人霊歌集

今日は再び真冬に逆戻り。
昨夜半から家が揺らぐほどの強風で朝は底冷えがするほどの寒さ。

久しぶりにコートを羽織って出勤。

今日は3.11

4年前の今日のことをついこの間のように思い出す。

あの日の数日前に恐ろしい夢を見た。

濃いブルーの深い水の中に自分が浮遊している夢。標高200メートルの裏山や周囲の見慣れた景色が完全に水没していた。
目覚めてから、こんな非現実的な大津波は決して起こらないだろうと思っていた。

そして3月11日午後のいつまでも続くかと思われた長い横揺れの巨大地震。
自分の周囲は目立った被害はなかったものの、これは尋常ならざる地震だということは肌で感じた。

翌日のテレビで見た実際の巨大津波は、夢の中の景色をはるかに超えた恐ろしくもドス黒い全てのものを破壊尽くす濁った海水の奔流だった。

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   あの日のことは、被災された多くの方々の深い悲しみの様子と、原発事故にパニック状態に陥り無能さを露呈した政府の混乱ぶりとともに、一生忘れることはないだろう。

今日は、ソプラノのバーバラ・ヘンドリックスが歌う黒人霊歌集をしみじみと聴いていた。 ピアノはドミトリー・アレクセーエフ。EMI原盤の国内盤CD.

難民支援活動などの人権擁護活動家としても知られるヘンドリックスの心のこもった深い祈りの音楽。





1. 時には母のない子のように
2. わたしの父の家には,住居がたくさんある
3. 誰もわたしの悩みを知らない
4. おおい,乗れよ,子供たち
5. なんてきれいな都だろう!
6. 主の名はこころよい
7. 深い川
8. この重荷をおろしたら
9. しずかに揺れよ,懐かしのチャリオット
10. イエスを愛する子供なら
11. ジェリコの戦い
12. イエスよ,わたしを変えてください
13. 山を回って
14. 鋤を握りつづけろ
15. おまえはそこにいたか?
16. 精霊を感じるたびに

Youtubeはカタラーニの「ワリー」からヘンドリックスの歌

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2015年3月10日 (火)

ブルゾン、来日ライヴ

昨晩低気圧が通過し北日本で発達。この冬はこの手のパターンが多く、こちらは晴れて冷たい強風が吹き荒れた一日。

今日はレナード・ブルゾンの1991年来日公演ライヴ。

Kochから出ていたCDで、曲はアレッサンドロ・スカルラッティの「ガンジス川に陽は上り」から始まり、「カロミオベン」「アマリリ」などからモンテヴェルディなどの古典的な曲が続き、リストの歌曲「ペトラルカのソネット」を経てラヴェルの「ドルネシア姫に寄せるドン・キホーテ」。そしてグリーグの「君を愛す」レスピーキ、マスネー。

51qjubibusl_sx300_ 最後の3曲はアンコールだろう。

伴奏はAndreas Juffingerが前半はオルガン、後半はピアノを弾いている。

ブルゾンは1989年の来日時に、アリベルティとのリサイタルを聴きに行った。

この時は、マリア・カラスに風貌が似ていて人気上昇中のアリベルティお目当てでチケットを買ったのだが、相方のアリベルティを立てながらの貫録の歌唱を聴かせてくれたブルゾンが非常に良かった。

このCDはその数年後のサントリーホールでのライヴ。

比較的有名で親しみやすい曲を揃えたサービス精神旺盛なプログラム。

オルガンからピアノに変わる伴奏も良く、ブルゾンの安定した風格豊かな歌が楽しめる一枚。

1. Gia il sole dal Gange
2. O cessate di piagarmi
3. Amarilli
4. Caro mio ben
5. Lasciatemi morire!
6. O del mio dolce ardor (Paride Ed Elena)
7. Plaisir d'amour
8. Tre Sonetti di petrarca: 1. Pace non trovo
9. Tre Sonetti di petrarca: 2. Benedetto sia il giorno
10. Tre Sonetti di petrarca: 3. I vidi in terra
11. Don Quichotte a Dulcinee: 1. Chanson Romanesque
12. Don Quichotte a Dulcinee: 2. Chanson Epique
13. Don Quichotte a Dulcinee: 3. Chanson a Boire
14. T'amo, ahime
15. Bella porta di Rubini
16. Tristesse du soir

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2015年3月 9日 (月)

リャードフのピアノ曲

曇り午後から雨。
毎度のことだが年が明けた1月以降は一日、一週間の時間の経過が実に速い。
今月中に完結せねばならぬこと、その他来年度へ向けての準備もあり落ち着かぬ日々。
本日午前中内部会議。


通勤時に聴いていたのは、今沼響でオーケストラ曲「魔法にかけられた湖」を練習しているロシアの作曲家リャードフのピアノ曲集。

マルコ・ポーロから出ていたCDでピアノはモニク・デユピル。

リャードフの残された作品は70曲に満たない。


その中ではピアノ曲が半分を超えている。

長い曲を書くことを好まなかったリャードフにとって、ピアノ曲は自分の個性を発揮する良い手段だったのだろう。

L21635vt35g 積極的に収集した民謡をそのまま使用するのでなく、ロシア的な憂愁と洗練されたロマンティックさが高度に昇華されたリャードフ独自の世界が広がる。


ラフマニノフやスクリャービンを先取りしているかのような先進的な和声の動き。

ショパンのピアノ曲にも似た孤高の美しさがリャードフのピアノ曲の魅力だ。




デユピルはパリ音楽院で、マグリット・ロンやジャン・ドワイアンに学んだフランスの女流ピアニスト。


リャードフの珠玉のような小品の数々を、表情豊かに美しく聴かせてくれる。


Youtubeはリャードフのプレリュードop.11

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2015年3月 8日 (日)

シモン・バレルのラフマニノフ

ご近所の河津桜は今が満開。
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有名な河津町の方は散り始めたとのこと。


今日は家内の叔母の法事が有り、昼は三島で食事。

宴の席に出た「せせらぎ三島湧水」。
三島の湧水を使用し新潟で醸した日本酒でなかなかの美酒だった。

昨晩テレビでピアノ対決の番組をやっていて、佐村河内事件で一躍有名になった新垣氏などが出ていた。


前に似たような番組が他局であって、芸能人などが出ていて審査員が審査していたのだが、

S20150308_125758 今回はピアノのミスタッチを機械的に測定しその数で勝負を判定するというものになっていた。

出演者は新垣氏の他は私が知らないピアニストと小学生の女の子が出ていた。


いずれも達者なピアノを聴かせてくれたが、サーカス的なアクロバットを競う内容
とはいえ、それぞれの出て来る音色と微妙なルバートの違いが面白かった。

そんなことで今日の夜は、若いころサーカスでピアノを弾いていたという稀代のテクニシャン、シモン・バレルの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

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英APRが出していた「カーネギー・ホールのシモン・バレル」の3巻セットからの第2巻、2枚組LP。

1947年の放送録音で、伴奏者は不詳という怪しげな録音だが、超人的なテクニックで未だに忘れられない演奏。

指回りの速さでは同門のホロヴィッツを凌駕するすさまじさだ。

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2015年3月 6日 (金)

本日の練習、小森先生とのブラームス、リャードフ

薄曇り、風が冷たく気温も低い。夜から雨。
今日は午前中から気の重い外部委員の審査に晒される会議。
案件が多く一日フル出場かと思いきや審議は順調に進み昼前に終了。
今回は自分に直接関係した案件はなかったものの、それでも気疲れの一日。

昨日はオケの練習日。
場所は沼津市民文化センター大ホールで、本番を振っていただく小森先生の指揮。


曲は定演のメイン曲、ブラームスの交響曲第1番の第1,2,4楽章に前プロのリャードフ「魔法にかけられた湖」。

仕事が順調に終わったので定時に上がり会場へ向かう。

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到着すると文化センター会場入り口にパトカーが2台。
大きなワゴン車が横転して道路を塞いでいた。

風もさほど強くなく、他にぶつかったような車もなく、なぜ横転したのか不思議だった。

駐車場に到着。
練習時間開始まで余裕を持って到着したのは久しぶりだ。

さて行こうと車を降りようとしたら携帯が鳴った。

S20150305_195344 嫌な予感がして出てみると家内から。
買い物に行ったらキーをさしたまま車をロックしてしまったという。ORZ
場所は沼津駅前の「イーラde沼津」の立体駐車場。



放置するわけにもいかず、駐車場から出てスペアキーを取りに家に向かう。(--;

せっかく上がっていたテンションが急降下。

払った駐車場代100円にすごく損した気分。
ワゴン車が横転していてスムースに出ることができないことも、落ちた気分に追い打ち。

S20150305_195428 結局再び文化センターに到着できたのは8時近く。
ワゴン車は大型レッカー車が持ち上げているところだった。

練習は第1楽章がほとんど終わったあたり。



練習は曲の形はできてきたものの、アマオケ典型の音程の不安定さが今日はことさら気になった。

小森先生の解釈は気を衒わない伝統的なドイツ正統派の解釈。
オケがどれだけ汲み取っていけるかかが今後の課題。



最後に通したリャードフは、初めて通した時よりも、空中を漂うミステリアスな雰囲気が曖昧とした気体のようなものから雲の形に成りかけてきたような気配。

こちらもまだまだこれから。

Youtubeはハイティンクのブラームスの交響曲第1番

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2015年3月 4日 (水)

オルマンのキャラバン

雨のち晴れ、風強し。
3月に入り、予想されたもの突発的なものなどさまざまな難題が降りかかってくる。
本日夕方から来年度の動向を決める重要な会議。

今でもやっているかもしれないが、自分が小学生の時にクラス別に曲を決めて器楽合奏のコンクールをやっていた。指揮はクラス担任の先生。


曲は「クシコスの郵便馬車」や「おもちゃの交響曲」などの軽いもので、小学生でもできるような易しいものばかりだった。

そんな中で、あるクラスが取り上げた曲が印象に残っていて、今でも時折メロディーを思い出しては、あの曲名は何だったのだろうかと思う時がある。

ところが、かなり前にリサイクルショップで108円で発掘したレコードをなにげなく聞いていたら、なんとその曲が出てきた!

レコードは秋山和慶指揮コロンビア・プロムナードオーケストラによる「ペルシャの市場にて」というLP。1965年頃に出たもの。

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収録曲は、

SIDE-1  
    1.ペルシャの市場にて(ケテルビー)      
    2.天然の美(田中穂積)      
    3.オリエンタル  
    4.キャラバン(オルマン)      
    5.ビヤ樽ポルカ(ブラウン&ヴォダ)
SIDE-2
     1.口笛吹きと犬(ブリヨール)
     2.女学生(ワルトトイフェル)
     3.カルメン・シルヴァ(イヴァノヴィッチ)  
      4.波濤を超えて((ローザス)
     5.エスパニア・カーニ(マルキーナ)
というもの。

この頃はステレオ装置が一般家庭に急速に普及し始めた時期で、この録音も効果音を入れて、ステレオ効果をことさら強調したものになっている。

解説に載っている録音時のオケの配置表を見ると、普通のオケ配置ではなく、オケが完全に2群に分割されていて、収録曲全部をこの編成で録音したとも思えないが、見ようによっては、バルトークの弦チェレのような前衛的な配置に見えないことはない。


チンドン屋さんの音楽として有名な「天然の美」など、ガクタイが左の遠くから登場してしだいに近づいて右側に移動していったりしている。
「ビヤダルポルカ」では、シャンパンの栓を抜くシュポン!と言う音やプライヤーの曲には犬の吠える声まで入っていた。


オケは録音用臨時編成オケでかなり小編成と想像する。


ところで判明した問題の曲の名は「キャラバン」。

オルマンという人が作った曲だった。

このレコードの藁科雅美さんの解説文にオルマンという作曲家は知らない。と正直に書いてあるほど今では忘れられた無名なヒト。


31c373afcc48e7aa6225c14cd7a913b6c46 いろいろと調べてみたら、オルマン(Abe Olman 1887~1984)は、ポピュラーソングや軽いダンス音楽のような曲をたくさん書いた人で、「キャラバン」("Karavan"(1919年))は、Abe OlmanとRudy Wiedoeftの共作。


無声映画時代に日本の映画館でさかんに演奏された曲らしい。

当時の映画館には活弁士のほかに座付の楽団があって、映画の劇伴の他に幕間にカルメンやスッペなどのクラシック音楽や、軽いダンス音楽などを演奏していた。


さらにこの曲は、梶井基次郎の短編「ある崖上の感情」のカフェのシーンにも出てきた曲だということまで芋づる式に判った。


この「キャラバン」を聴いてみるとズンチャカズンチャカの単調なリズムに乗って、東洋的なメロディーが続いているだけの2分程度の曲。

この曲が入っていなければ、そのまま処分してしまったかもしれないレコード。


長年の疑問が氷解したので、とっておくことにしました。

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2015年3月 2日 (月)

ラヴェル編、シューマン「謝肉祭」

3月に入り花粉が盛大に飛び始めた。今年は近年にない花粉飛散の当たり年のようだ。

朝のニュースの花粉情報で「非常に多い」を見ると出かける前から憂鬱な気分。


今日聴いたのは、さまざまな作曲家のピアノ曲をラヴェルがオケに編曲した演奏を集めたもの。


1 曲は、ラヴェル自身の「マ・メールロア」に始まりドビュッシーの「サラバンド」「舞曲」のほか、シューマンの「謝肉祭」シャブリエの「華やかなメヌエット」のオケ編曲版。

オランダGlobeから出ているCDでジュリアン・レイノルズ指揮のヨーロッパ室内管。


「マ・メールロア」は通常の組曲版ではなく、「前奏曲」や「紡ぎ車の踊りと情景」「間奏曲」も入った全曲盤。


ラヴェル編のシューマンとシャブリエは比較的珍しい録音。


実は同じ演奏をLPでも持っていて、9年ほど前に自分で素っ気ないコメントを残している。こちらはオランダのエトセトラレーベル。
あらためて聴いてみたが、これが非常に良かった。

オケの水準が高く各楽器のソロなど惚れ惚れするようなうまさだ。
P1010450 レイノルズの指揮も音楽の流れに自然に乗っていて、優秀なオケのアンサンブルを手堅く纏め、おかしな小細工がないのが良い。







・ラヴェル:『マ・メールロア』全曲
・ドビュッシー / ラヴェル編曲:サラバンド-ダンス
・シューマン / ラヴェル編曲:『謝肉祭』より  
(Préambule - Valse allemande - Paganini - Marche des Davidsbündler contre les Philistins)
・シャブリエ / ラヴェル編曲:絵画的小曲集~第9曲『華やかなメヌエット』  
Per Musica(ヨーロピアン室内管弦楽団)
ジュリアン・レイノルズ(指揮)

Youtubeはラヴェル編のドビュッシーの「サラバンド」

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2015年3月 1日 (日)

フルトヴェングラー 、ウラニアのエロイカ

今日から3月。朝から夜まで雨。
庭の4種の花を咲かせる梅、「思いのまま」が咲き始めた。

雨の日曜日、フルトヴェングラーの「エロイカ」やワーグナーなどを聴いていた。

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聴いたのは1944年録音のいわゆるウラニアのエロイカと言われる演奏。

この演奏を初めて聴いたのは高校生の時。
自分が初めて聴いたフルトヴェングラーの演奏だった。

この時、日本フォノグラムが千円盤で出したフルトヴェングラーの一連の演奏は、廉さもさることながら、世評の高い「ウラニアのエロイカ」初登場に加え、今まで録音の存在が知られていなかったベルリンフィルによるベートーヴェンの交響曲第8番が含まれていて、非常な評判となった。
(後にこの第8番はクリュイタンスの演奏を偽造したものと判明した)

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今日聴いたのはその懐かしの日本フォノグラム盤ではなく、1969年に米ターナバウトが出したLP.(TV 4343)。

昨年、職場の同僚の父のコレクションを譲り受けた中に入っていた。

何故かジャケットにはベルリンフィルと書いてあるが実際は1944年ウィーンフィルとの聴衆無しの放送録音と言われるもの。

巷ではこのLPはピッチが高いと言われているが、聴いている限りでは気にならなかった。

同じ演奏をフォノグラム盤も含めてCDでも持っているが、冷静に聴いてみるとこのターナバウト盤が一番音が良いと思う。

久々にフルトヴェングラーのデモーニッシュなベートーヴェンを堪能。

Sdsc02931 513ycov8pl_sx425_ 沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」に、ラインスドルフ指揮ボストン響のスタジオ録音の感想をアップしました。

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