佐渡裕&PAC in 富士
よく晴れた穏やかな一日。
昨夜は、社長を含めた組織上層部総出席の歓送迎会だった。
内心はオケの練習に出たいところ。
水曜は、佐渡裕指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)のコンサート。
場所は富士市ロゼシアター。
この日は16時過ぎからから大きな会議が入り、しかも自分の担当分野が急きょ議題となってしまったので、行けないものと半ば諦めていたものの、会議は順調に終わりコンサートの開演時間が19時だったのが幸いし間に合った。
このコンサートは楽団創立10周年記念国内ツアー、
曲は
・舞踏への勧誘 :ウェーバー~ベルリオーズ編
・ピアノ協奏曲第2番:ショパン
・ピアノのアンコール・・・曲不明
・交響曲第2番 :ブラームス
・アンコール 「すみれの花さくころ」
指揮は佐渡裕、ピアノはブルガリア出身のエフゲニ・ボジャノフ
席は2階のほぼ中央の6列18番。
PACの団員は公募で選ばれた35歳以下の40数名のコアメンバーを中心に
レジデント・プレヤー、アソシエートプレーヤーのメンバーで構成。
コンマスは豊嶋泰嗣、 プログラムを見ると今回の著名なゲストプレヤーでは、アンサンブルベルリンのチェロのクレメンス・ヴァイゲル、バイエルン放送響にいたヴァイオリンの水島愛子、元ケルン放送響首席のコントラバスの河原泰則。
コアメンバーは最長3年契約、他のメンバーはエキストラなので、その時のメンバー次第でオケの水準は変動するのだろう。
最初に佐渡裕の、曲解説も含んだトークが10分あまり。
ウェーバーでのチェロ首席ヴァイゲルのソロはさすがの腕前、途中で拍手が入りがちの後奏ではかなり早めに指揮者がチェロへのキューを出していた。
トランペットのほかにコルネット2本はベルリオーズの定石だが、2管編成にしてファゴット4本にアレ?と思ったらこれがオリジナル編成だった。
録音だけではなかなか気が付かない。 同じく次のショパンでは、2管編成にトロンボーンはバストロンボーンが1本だったのにも新鮮な驚き、このバストロさんはかなり目立っていました。
次のショパンを弾いたピアニストのポジャノフが今回最大の収穫。
狂気すら漂う美しくも妖しいピアノの響きに独特のルバート。
ショパンの2番のコンチェルトをこんなに楽しめたのは初めてのこと。
まるで別の曲のようだ。
オケも通常とは異なる版を使用しているのではなかろうか。
かなり長いピアニストのアンコール曲も良かった。
誰の曲だろう?
ネットで他の日の公演の感想を探すと、ピアニストのアンコールはショパンの華麗なるワルツだったという。
聴く限りではスクリャービンあるいはラフマニノフ風で、どう考えてもショパンには聞こえない。
あまりの自由奔放な演奏に、ピアニストの即興演奏ではないかと感じたほど。
今回のツアーは13日間、仙台から長崎までの12か所を回るというハードなもので、富士公演はその7日め。
前日は仙台を回っていて、ちょうど疲れが出始める頃だろうか。
ブラームスにはアンサンブルに粗さが感じられ、バテている様子が歴然の金管パートがあったりしていたが、フィナーレの終盤などはなかなか情熱的で大きく盛り上げていた。
自分の真後ろの方が、最後のDの音が鳴り響いているうちに、大きな声でのブラボーと拍手の、絵にかいたようなフライングブラボーを爆発。
これには閉口。
アンコールは宝塚歌劇団のテーマ曲「すみれの花咲くころ」。
佐渡裕のピアニカの演奏付き。
艶のある良い響きだったのはアレンジの妙?
会場にはクラシックのコンサートが初めての人も多かったのだろう。
休憩中には近くの席の女性が、クラシックのコンサートって音量が小さいのね・・・・
と話している声が聞こえてきた。
客の入りは9割ぐらい。
「題名のない音楽会」でおなじみの佐渡裕なだけに、最近のクラシック関係のコンサートでは入りの良い方だと思う。
本拠での演奏会はチケット入手が困難なほどの人気だという。
オケのフレッシュな響きと情熱的な佐渡裕の指揮、庶民的な親しみやすさの感じられるサービス精神旺盛の良いコンサートでした。
Youtubeは佐渡裕指揮PACのブラ4
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