メノッティのカンタータ「ブリンティジ司教の死」
曇り午後から雨。
左目の白内障の手術で入院していた母が退院するので一日休みを取った。
とはいえ7時前に出勤し退院する時間までデスクワーク。10時過ぎにオフィスを後にして病院へ。
病室に行くと既に気の早い母は着替えて同室の方と話をしていた。
母の隣のベッドの85歳のおばあさんは、偶然にも遠い親戚で私の祖父のことを良く知っていた。我が家にも何度か来たことがあるという。
既に親戚付き合いは絶えているが、不思議な偶然に驚いた。
母は迎えに来た自分の車を見て「車の色が変わったの」と言う。
2月右目を手術した後は、ドクターの白衣が右半分と左半分の色が違って見えていたようだ。今まで正常な色が見えていなかったらしい。
帰宅すると、テレビの画面が綺麗に見えると言っていた。
半日余裕ができた。
天気も悪いので部屋を片付けながらゆっくり音楽を聴く。
メノッティのカンタータ「ブリンティジ司教の死」その他。
現代アメリカの作曲家ジャン=カルロ・メノッティは、生涯イタリア国籍のままだったという変わった人。
サミエル・バーバーと同世代で、バーバーと同じく平易でわかりやすい音楽を書いている。
1幕もののミニオペラともいうべき「電話」、「霊媒」など比較的編成も出演者も少ないのでよく演奏されているし、「泥棒とオールドミス」、「領事」、「アマールと夜の訪問者たち」「アメリア舞踏会へ行く」など著名な作品も枚挙に暇がない。
カンタータ「ブリンティジ司教の死」は少年十字軍の悲劇を題材にした宗教的な声楽作品で、オケと合唱、少年合唱に二人のソリストというメノッティにしては比較的的大きな編成のシリアスな曲。
演奏はラインスドルフ指揮ボストン響とニューイングランド音楽院合唱団、
少年合唱団、ジョージ・ロンドンのバスにリリ・チェッカランのソプラノというもの。
手持ちはRCAビクターから1965年に出た国内盤LP。
ドラマティックで悲劇的な内容が壮大なオーケストラと合唱によって展開されていく。
初演の時に出演した少年合唱団の子供たちが泣き出したというエピソードが残っている。
外盤を探しても未だにこのラインスドルフの演奏が唯一の音源のようだ。
Youtubeはメノッティのオペラ「アマールと夜の訪問者」
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