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2015年5月に作成された記事

2015年5月31日 (日)

モントゥーのエニグマ変奏曲

今日も初夏の爽やかな碧空の広がる日曜日。

家の周りの農業用水も水が豊かに流れて近所の田んぼを潤している。

我が家は稲作を止めて久しいがそろそろ田植えの季節。

昨晩の小笠原沖を震源地とする日本列島全土を揺るがすM8.1の巨大地震。
自分は全く気が付かなかった。横浜にいる娘によるとかなり揺れたという。

明日から6月。

Ssdsc00941 今日は盛りの過ぎたツツジを刈ろうと電動バリカンのバッテリーの充電を始めたもののお昼あたりから気温が急上昇。気持ちが萎えて来週の土日休みにやることにした。

そこで葦簀(よしず)や扇風機を物置から出したり、来る盛夏へ向けての準備の一日。


片付け損ねていた冬物の衣服を多量に馴染みのクリーニング店に持ち込むと「来週から冬物のクリーニングのセールをやりますよ」とのこと。

急ぐこともないので、そのまま持ち帰ることにした。

Af123l どうも無駄な動きの多かった日曜日。



音楽はモントゥー晩年のエルガーの「エニグマ変奏曲」。



英ロンドンのステレオトレジャリーシリーズのLPで、オケはロンドン響。






カップリングはブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」

いずれも名演だが、エルガーはこれ以上は望めないほどの大名演。

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ニムロッド冒頭の凄みのあるピアニシモから感動的な盛り上がり、各変奏の鮮やかな描き分けも見事なものだ。

Youtubeはショルティ指揮ロンドンフィルの「ニムロッド」、今やショルティはすっかり忘れられた指揮者になってしまった。


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2015年5月30日 (土)

ハイドンの交響曲第13番

5月も終わり。爽やかな風が吹き抜ける新緑が蒼い空と良いコントラスト。

早朝、所用で伊豆韮山へ。
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ついでに、今注目の韮山反射炉に行ってみた。

朝7時前、さすがにこの時間では誰もいない。


S11377357_783997681719621_697588940 門も閉まり聞こえるのは近くの川のせせらぎの音のみ 。







ついでに近くの韮山城址にも行ってみた。
戦国の梟雄北条早雲の居城。


S20150530_073433 町営体育館の駐車場で車を停めて30分ほど散策。









豊臣秀吉の後北条氏攻めでは、44,000人の大軍に囲まれながらも耐え抜いた名城だ。
本城の周りには後北条と豊臣方が築いた数多くの砦跡が眠っている。


早朝の新緑の中に野鳥の囀りを聞く。草に埋もれた空堀と土塁の遺構。
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引き続きゴーバーマンのハイドンの交響曲選集を聴いている。

いろいろな発見があって、ハイドンの初期の交響曲の面白さに開眼した思い。

交響曲13番の「ドーレーファーミ」のフィナーレ主題など、モーツァルトの「ジュピター」のフィナーレ主題とほぼ同じ。


ジュピターのフィナーレの主題は、モーツァルトが8歳の時に作曲した交響曲第1番の第2楽章にも使われている。
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モーツァルトの交響曲第1番は1764年、ハイドンの交響曲第13番は1763年の作曲 。


交響曲第21番のメヌエットも「アイネクライネナハトムジーク」のメヌエット主題と同一と言ってもよいほどだ。


Youtubeはハイドンの交響曲第13番フィナーレ

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2015年5月29日 (金)

ゴーバーマンのハイドン

朝から断続的な雨、気温は下がり過ごしやすい一日。
本日来月から始まる重要な会議へ向けての各方面への調整。

鹿児島県、口永良部島が噴火。列島各地の火山はさらにアクティヴな活動期。


近所のトンネル工事は本格的になり、岩石を運び出す大型ダンプの交通量が増えてきた。
工事関係者の話によると、安山岩が主だとのこと。
20万年ほど前に伊豆半島が日本列島に衝突した時の活発な火山活動の名残り。

先月購入したマックス・ゴーバーマン指揮するハイドン交響曲選集を聴いている。

Images 1960年代前半の録音でオケはウィーン国立歌劇場管弦楽団。

最近SONYクラシカルからCD化されたセットもの。

史上初のハイドン交響曲全集を目指しながら、ゴーバーマンの急逝により頓挫してしまった録音。


曲は初期の曲を中心とする交響曲45曲に、マイナーな3曲の歌劇の序曲というもの。





まだ全部は聴き切れていないが、いずれも高水準の演奏で穴がないのが驚き。

ハイドンの初期の交響曲も、後期の有名曲に引けを取らない良さがあることを如実に教えてくれる名演揃いだ。

60年代前半のハイドン演奏と言えば、ビーチャムやクレンペラーのように大編成のオケによるロマンティックな演奏が主流の時代に、ゴーバーマンは必要最小限の精鋭メンバーによる、現代のピリオド系の演奏にも通じるスリムで端正な演奏を展開している。

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当時評判にならなかったのは、あまりにも時代を先取りしていたからだろう。


ここでのウィーン国立歌劇場管も非常に良い。

ホルンの高音域の超絶技巧など見事なものだ。
フォルクスオパーのオケではなくウィーンフィルの母体のシュターツオパーのメンバーなのだろう。

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ほぼ同時期に米ヴァンガードによって録音された、ウエルディケ指揮ウィーンフォルクスオパー管によるハイドンの後期交響曲選集のオケとは響きがかなり異なっていた。


歌劇の序曲の何曲かが収録されているのが不思議だった。

実際にこれらの序曲を聴いてみると、いずれも急緩急の続けて演奏される単楽章の交響曲のような大規模な曲だった。

ゴーバーマンは交響曲に準じる曲として選択したのだろう。
その慧眼とリサーチの深さにも感服。


録音も多少硬質だが良い状態で、初期の交響曲で聴かれるチェンバロのバランスも非常に良い。


Youtubeは大町陽一郎指揮バンベルク響のハイドンの交響曲第31番「ホルン信号」

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2015年5月28日 (木)

ムーラ・リンパニーのラフマニノフ

本日午前中は外部委員による監査、その後来月から始まる重い会議の準備と打ち合わせ。 組織内外に憂患有り。

娘は昨日から2泊3日の宿泊研修、母は今日から信州方面へ旅行。

遅い 夕食は家内と沼津港の「松福」でラーメンと餃子。

S20150528_200528 20年の歴史のある人気店。
自分は数年ぶりだが店員がずいぶんと若い人ばかりになった。
外国人らしきお客が数人。 味も変わったようだ。


先日の沼響の定演の感想がいろいろと耳に入って来ている。

やはり一様に海瀬京子さんのピアノに対する絶賛の言葉。

初めての方からは、沼津でこんな凄い演奏が聴けるとは思わなかったとか。 、常連さんからは、沼響の弦楽器が変わりましたねの意見も。

中でもクラシックのコンサートは初めてだったという職場の女の子から
「クラシックがこんなに凄いものだとは思いませんでした。これからいろいろと聴いてみます」という言葉が一番嬉しかった。

観客の入りは1,200人ほど。

観客もオケのメンバーも興奮状態となったコンサート。

長らく皆の思い出に残る演奏会となったことは確実だ。


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今日はイギリスの女流ピアニスト、ムーラ・リンパニーの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。
伴奏はサージェント指揮ロイヤルフィル。 EMI原盤の国内盤CD.1960年録音。



ラフマニノフを得意としたリンパニーは生前のラフマニノフから高い評価を得ていた。

前奏曲集全曲の初録音も残している。
リンパニーの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は2つの録音があり、これは2度目のスタジオ録音。

スタイルとしては古い時代のロマンティックなスタイルだが、男性的な力強さと煌びやかな音で聴かせる名演だ。

雄弁なサージェントの伴奏も良い。


Youtubeはヴォロドスの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番

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2015年5月27日 (水)

マリナーのブランデンブルク協奏曲

本日快晴、気温も30度近くで来る夏を予感させるもの。

帰宅するとガレージ天井にツバメの塊。

よく見ると若鳥が手前に4羽ほど固まっている。
親ツバメは電灯のヒサシの反対側でなぜか3羽固まっているのが不思議。

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まだ幼い雛だと思っていたら、もう飛行訓練ができるまで成長していた。
見た目には親鳥と区別がつかない。

今日はネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管のブランデンブルク協奏曲。
1971年録音のマリナー1回目の録音。

Sdsc03682 手持ちは国内盤LP2枚組。

この演奏は音楽学者サーストン・ダートの監修による録音として著名なもの。

バッハの時代の演奏にできるだけ近づけようとしたオリジナル演奏の最初のものだったということで、発売当時はかなり評判になった。

国内盤LPには音楽評論の大御所、吉田秀和氏とサーストン・ダートの読み応えのある解説が付いている。

サーストン・ダートはマンロウ、ガーディナー、ホグウッドらを育て上げ、ブランデンブルク協奏曲には自らフィロムジカロンドンを指揮した古い全曲録音があるが、 その後の研究成果の集大成として、このマリナーとの録音に臨んだもの。

録音には弟子のディヴィッド・マンロウとクリストファー・ホグウッドも加わり、さらにホルンには名手バリー・タックウェルという当時のイギリス勢のオールスターキャストによる録音。

使用楽器はモダン楽器で、今となっては中途半端な折衷的な演奏であることは避けられないものの演奏の充実度はかなりのものだ。

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演奏者たちの意気込みも自然と伝わってくる優れものだが、この録音プロジェクトの進行中にダートは急逝してしまう。
享年49歳。

病を押してこの録音に参加したダートの様子については、盟友の突然の死に直面したマリナーによるジャケット解説に詳しい。

結局ダートがチェンバロ奏者として直接参加したのは、第3番と、第2番、第4番の3曲めに過ぎない。
残りはコリン・チェルニーに代わっている。


第2番はトランペットではなく名手タックウェルによるホルンの演奏。
使用楽器はギュトラー盤で聞かれたコルノ・ダ・カッチャ(狩りのホルン)ではなく通常のホルン。

ここで使用している版では、第1番がメヌエットを欠き、第3番では緩徐楽章が長くなっている。

第5番のチェンバロソロはゴーバーマン盤でも聞かれた短縮版。
同じようにオリジナル版の演奏に迫ったゴーバーマンの演奏(1950年代後半の録音)に共通する部分もあり、両者を比べると面白い。

ソリストはいずれもいぶし銀の名手たちだが、フルートのクロード・モントゥーの落ち着いて穏健な演奏が一番印象に残った。

あまりにも偉大な父を持ったために損している印象のクロードだが、ここでは良い仕事をしている。

youtubeはベートーヴェンの交響曲第7番、ロンドン響のヴァイオリン奏者時代のマリナー、指揮は不慮の事故で44歳で逝った名指揮者イシュトバン・ケルテスの貴重な映像

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2015年5月25日 (月)

ミクロス・ローザ作品集

定演も終わり気持ちをリセットして月曜日。
かなり厳しい来月へ向けて今週はその準備の週。

午後に埼玉を震源地とした地震発生。
揺れた瞬間に箱根山の噴火を思い浮かべた。

想いは大涌谷へと飛び、名物の黒たまごが食べたくなってきた。
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最後に現地で食べたのが8年前の冬。
この時は中国人観光客が大勢訪れていた。

大涌谷の立ち入り規制が始まって一か月近く。
再びあの黒たまごを食べる日が来るのだろうか?

今日はミクロス・ローザの映画音楽集を、作曲者自作自演によるCD2枚組で聴いた。

いずれもローマ時代を題材とした史劇「ベン・ハー」「クオ・ヴァデス」というもの。
オケはナショナルフィルにロイヤルフィル。

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さらには「サイコ」の音楽を作曲したバーナード・ハーマンがナショナルフィルを指揮した「シェイクスピア映画作品集」に含まれていた「ジュリアス・シーザー」の音楽をカップリング。



自作自演の2曲はいずれも演奏時間45分を超える堂々たる交響組曲で、オルガンと合唱も入る豪華版。

「ベン・ハー」はロバート・シャープレス指揮ロンドンフェスティバル管による交響組曲の録音も出ていて長らくの愛聴盤になっている。
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こちらは演奏も時間も録音も良く、演奏時間も20分超でまとまりも良いものだった。


自演盤は序曲からしてオルガンが入る壮大なもの。
シャープレス盤にない海戦の音楽が入っているのは良いが戦車の行進が収録されていないのが不満だった。

ところが、「クオ・ヴァデス」の音楽を聴いているうちにその「戦車の行進」の音楽がそのまま使われているのがわかり納得。

「クオ・ヴァデス」の方が制作年が古いので、「ベン・ハー」の方が使いまわしということなのだろう。
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演奏の質はハーマン指揮の「ジュリアス・シーザー」の音楽の方が良い。











YoutubeはBBCプロムスでの「ベン・ハー」

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2015年5月24日 (日)

第31回定演、終わる

曇り空の日曜日。下の娘が一時帰省中。

昨晩の帰宅は打ち上げ終了後午前0時ごろ。
定演の興奮冷めやらず午前3時まで眠れずにぼうっとしていいた。

第31回定演は無事終わる。

・魔法にかけられた湖   :リャードフ

・ピアノ協奏曲第2番   :ラフマニノフ  
   アンコール~ ヴォロドス版モーツァルトのトルコ行進曲

・交響曲第1番ハ短調   :ブラームス   
   アンコール~     ニムロッド:エルガー

指揮 :小森康弘 ピアノ:海瀬京子
                 沼津市民文化センター大ホール

31stcon_s 開演が6時半なので午後2時集合、ゲネプロ開始は2時半。
ホール近くの弟の家に車を置き団員でチェロを弾く弟と文化センターへ。

会場では海瀬京子さんがウォーミングアップ中、 京子さんから沼響とラフマニノフをやりたいとの話が出てから、実に10年目にして実現することができたコンサート。

ゲネプロから本番までは時間の経つのがいつものことながら実に早い。

本番前のこの緊張感、この瞬間瞬間が実に刺激的だ。



開場一時間前からホール入口は長蛇の列。

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やはり地元出身の海瀬京子さんとの共演という効果は大きい。

そして開演。

弦楽器とハープの神秘的な響きのリャードフから始まる。
ラフマニノフとブラームスへの序奏としては良い雰囲気の曲だった。

かつてロシアの名指揮者キリル・コンドラシンがN響に客演した際に、 「魔法にかけられた湖」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(ピアノは中村紘子)、そしてブラームスの交響曲第4番という非常に似たプログラムの演奏会を開いている。

そして海瀬京子さんのラフマニノフ。

演奏はベルリン留学の成果を十二分に発揮した、今まで学んだことの集大成とも言うべき圧倒的なものだった。

彼女の気合の入りは尋常でなく、徐々に熱い気のようなものがオケの皆にまで伝染していく。
盛大な拍手とブラヴォーの声に応えて彼女がアンコールとして選んだのは、ヴォロドス編のモーツァルトの「トルコ行進曲」。

強靭な打鍵と超絶技巧の前に、団員も聴衆も呆然として聴き入るのみ。

そしてラフマニノフの興奮そのままのブラ1も熱い演奏が出来たと思う。

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アンコールはエルガーの「ニムロッド」。


このしみじみとした名曲を演奏しているうちに涙がこぼれそうになってきた。


第1回からこの第31回までの全ての定演を振り返って、今までいろいろな演奏会があったけれど、昨年の第30回定演を経て今回から指揮は小森先生に変わり、今回は特に新たな一歩に踏み出す節目の年にふさわしい印象深い演奏会となった。


終演後簡単なレセプションの後、海瀬京子さんを送った後に2次会会場へ。

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帰宅は午前0時。


写真はアンコールで演奏したエルガーの直筆書簡(本物です)と、定演に出かけるときに見送ってくれたポコ。


Youtubeはエルガーの「ニムロッド」、この演奏を最後に解散になってしまったギリシャの国営放送オケの演奏

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2015年5月21日 (木)

コンヴィチュニーのR.シュトラウス

夜明け前の雨は早朝には上がり本日晴天。

火曜日あたりから原因不明の全身倦怠感。
昨日夕刻から大きな会議があり休むこともできず、仕事帰りに定期的に通っている医院に寄ったものの原因はわからず帰宅直後に腹痛。
しばらくして治まったが今朝足が突然のケイレン。

これはちゃんと診てもらった方がよさそうだ。

今日は午後から重い会議がありヘヴィな一日。

明後日の沼響の本番に向けて体調を整えたいもの。

とはいえ食欲はあり、音楽はちゃんと聴いている。


帰宅後聴いたのは、コンヴィチュニー指揮するR.シュトラウス。

曲は「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」「ドンファン」「ばらの騎士からワルツ」「7つのヴェールの踊り」というもの。
1959年録音。オケはウィーン響。


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旧東独逸のLPでOPRA盤モノラル。


これはステレオ録音も有り、かつて日本コロンビアが出したCDも手元にある。


ホルンが活躍する曲なので、名手ペーター・ダムにいるゲヴァントハウス管による演奏で聴きたいところだが、重厚壮大な演奏で不満は感じられない。

前へ前へと突き進む「ドンファン」の迫力はなかなかのもの。
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日本コロンビアのCDも聴いてみたが、ステレオとはいえマスターテープの劣化が著しくウィーン響の線の細さが強調され気味。


LPはモノラルながら生々しい再生音でCDを凌ぐ。
CDは音が痩せていてとてもLPと同じ演奏には聴こえない。

Youtubeはコンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウス管の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」

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2015年5月18日 (月)

本日の練習、日曜の集中練習

晴れのち曇り、夜遅くから雨。
今日は朝から夕方まで複数の会議とミーティング。
いずれも重要案件で時間の経つのを忘れるほど。 今週はヘヴィーな週になりそうな予感。

昨日は午後から夜までオケの集中練習だった。

31stcon_s 今週土曜日に本番を控えて実質最後の練習だ。

前日夜に音楽部屋に散乱していたLP,CDを片づけているうちに深夜におよぶ。
夜遅くになってしまい、合奏開始は午後2時なので寝坊しようと思っていたものの目覚めたのはいつもの時間。

睡眠不如意で頭がぼうっとしたまま練習時間となってしまった。

大ホールに行くと舞台は本番そのままの雛段が並んでいた。

曲はブラームスの交響曲第1番から始まり、ハープも入りリャードフの「魔法にかけられた湖」、そして夜の部は海瀬京子さんも加わりラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。


合宿以来、弦楽器の響きに厚みが出てきて雰囲気は良くなってきたが、その分音程の合わなさが気になってきた。

リャードフは印象派風の湖面のザワザワ感がようやく出てきたようだ。

コンチェルトは2回目のピアニストとオケとの合わせ。

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京子さん自身の主張も前に出てきた様子だがオケが十分に付いていけない。
さらにパワー全開のピアノにしばし押される場面も有り。

自分はピアノの弱音部分の美しさに聞きほれるうちに小節数を数え間違え、落ちる個所も有り、それがホルンセクション内で伝染してしまったりと散々の結果に反省。

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昨年の定演のマーラーの「巨人」では、楽器はヤマハからアレキサンダーに変えて吹いていた。

それが良い調子だったので、昨日もアレキを使用したものの、ラフマニノフの弱音部分で音が定まらない。

ヤマハで吹いた時はなんでもなかったのだが・・・・・

体調管理の大切さを痛感。

あとは金曜の前日練習のみ。

今回はあっという間に本番を迎えてしまった。

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2015年5月16日 (土)

オーマンディ、学生オケを振る

雨のち曇り。土曜休み。
夜明け前に突然の雨音で目が覚めた。10分余りで小降りになったが典型的なゲリラ豪雨。

地元の内浦漁協直営店「いけすや」が本日オープン。

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奥駿河湾の内浦は養殖真アジの北限で出荷量日本一ということで、活アジを中心としたメニューの飲食店と売店を併設。

昼時に家内と行ったら予想通り長蛇の列。

外のテントの試食コーナーで、顔見知りの漁協の組合長と立ち話をしながらイカや干物をいただきながら待つこと一時間余り。
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活アジのお造り定食はさすがに鮮度の良いアジで美味かった。アジの澄んだ目が新鮮の証。


今日は「Congress of Strings 1963」を聴いた。

米キャピトルが出していた非売品のLPで、ミシガン大学が主催する若手弦楽器奏者向けのセミナーのライヴ録音。

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ここで振っている指揮者がオーマンディなのが貴重。

B面はダラス響の音楽監督だったダグラス・ヨハノス。

オーマンディは「ブランデンブルク協奏曲第3番」にコレルリの「サラバンド、ジーグ、バディヌリ」、モーツァルトのアダージョとフーガ、バーバーの弦楽のためのアダージョというもの。

ヨハノスはドヴォルジャークの弦楽セレナーデにバルトークのディヴェルティメントの終曲を振っている。

モーツァルトはおそらくオーマンディ唯一の録音。
バッハもオルガン曲のオケ版アレンジは多数録音しているものの、ブランデンブルク協奏曲の録音はこれが唯一だったと思う。

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コレルリはEttore Pinelliのアレンジで、フィラデルフィア管との録音が出ている。

演奏を聴いた限りでは人数はかなり巨大。
写真を見るとメンバーはかなり若い学生たちのようだが、技術レベルは日本の音大生オケレベルよりも低い。

驚いたのは、学生オケを振りながらも響きがフィラデルフィア管のような音が出ていることで、優れたヴァイオリン奏者だったオーマンディの凄さをあらためて確認。

演奏のまとまりとしてはヨハノスの振ったドヴォルジャークの方が良い。

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2015年5月15日 (金)

本日の練習、先振りのタイミング

大雨と強風の過ぎたあとは夏のような暑さが続く。
本日出勤の途中、青い空から突然大粒の雨がポツリポツリと車のフロントガラスを濡らし始めた。
晴れてはいるが大気の状態は不安定。

昨日はオケの練習日。場所は市民文化センター大ホール。
数えてみたら本番まであと3回しかない。

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小森先生の指揮でリャードフから。

ハープも入りここへ来てようやく曲の全貌が見えてきた。

今年から定演の指揮は横島先生から小森先生に代わっている。

10年以上続いた横島先生の時代が長かっただけに、オケのメンバーが小森先生の棒の先振りのタイミングを未だに掴みきれていない。

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先生の棒の感じ方によって早めに出てしまったり遅れたりと合奏が整っていないのは、他の奏者の音を聴いて合わせていく基本的な技術が未熟だからだろう。

弦楽器に今までの沼響に聞かれなかった豊かな響きが出てきたので、あと一歩の踏込。

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とにかく集中力で乗り切るのみ。

次は日曜の集中練習。

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2015年5月13日 (水)

ブリティッシュ・シンフォニック・コレクション

台風一過の青い空が広がった一日。
温帯低気圧は猛スピードで過ぎ去ったが朝から強風の置き土産。

本日早朝、岩手周辺で大きな地震。

東日本大震災以来、日本列島がこんにゃくのようなフワフワとした地盤の上に浮いていることを実感するこの頃。

HMVから購入した「ブリティッシュ・シンフォニック・コレクション」CD10枚組を通勤の車中で聴いている。

エルガー、ヴォーン・ウィリアムス、ホルスト、ディーリアスらの著名な作曲家のマイナーな作品に加え、アラン・ブッシュ、ギップス、グレグソンらの今回名前そのものを初めて聞く作曲家の作品。


そしてバタワース、バックス、ジェイコブらの交響曲の数々。

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前から集めていたホルストの一連の作品や、ヴォーン・ウィリアムスの「仮面劇ヨブ」以外はほとんど初めて聴く作品ばかり。

指揮はダグラス・ボストックにオケはミュンヘン交響楽団を中心に、ロイヤル・リヴァプールフィルや音楽大学のオケなどこちらもマイナー路線。

まだ全部は聴き終えていないが、一部で新鮮な驚きを提供してくれた作品はあったものの、結局エルガー、ヴォーン・ウィリアムス、ホルスト、ディーリアスの4人の実力を再認識する結果になりつつある。

収録されているこの4人の作品は、マイナーとはいえ他の群小の作曲家の作品とは次元が違うというのが正直なところ。

ディーリアスのナレーター付きの交響詩「山の頂」は一幅の名画を見るようだし、エルガー未完のピアノ協奏曲の緩徐楽章の美しさも印象深い。


コーエンやブッシュの交響曲など、起伏のない音が時間軸上にダラダラと過ぎていき、 退屈でしかなかった。

Youtubeはエルガーのピアノ協奏曲緩徐楽章

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2015年5月12日 (火)

オリヴァドッティの吹奏楽曲

5月の台風から変わった温帯低気圧が接近中。
ここ10年ほどの気候変動で台風の発生が年々早くなっている。

風雨が強い。 テレビの報道ステーションでは暴風雨下の沼津の様子が出ていた。
どうやら直上を通過しているようだ。先週畑に植えた苗は風で全滅だろうな。

今日は20世紀吹奏楽曲の古典的なオリヴァドッティの作品を聴いた。

汐澤靖彦指揮フィルハーモニア・ウィンドアンサンブル他によるCBSソニーが出していた初級吹奏楽名曲集というもの。
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今でもCDで現役だが手持ちは80年代のLP.

名指揮者山田一雄もオリヴァドッティの作品の録音を残していて、CD化もされている。

オリヴァドッティは80年代あたりまでに吹奏楽を経験した人ならば誰でも知っているが、そのほかの人には無名の人物。

ジョセフ・オリヴァドッティ(1893~1977)は19世紀末にイタリア南部の小さな町に生まれた。
音楽一家だったので幼いころから音楽教育を受けて、さまざまな楽器を学んでいる。

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アメリカに移住した後はさまざまなバンドに所属していた。
シカゴ響のオーボエ奏者にもなっているので、腕前は確かだったのだろう。

作品はオーケストラ曲から声楽作品まで多岐に渡るが、主なものは吹奏楽曲の数々。

シンプルでわかりやすい旋律と、小学生でも演奏可能な無理のない簡潔な楽器の使用法の音楽。
よほどいろいろな楽器について熟知していないと書けないのではなかろうか。

I08122001s 同じ時期にスクールバンドで演奏されていたアルフレッド・リードの曲が今でも盛んに演奏されているのに比べ、オリヴァドッティの曲は古いスタイルのワンパターンなところが災いして、今ではすっかり廃れてしまったようだ。

私が中学校の吹奏楽部に入って初めて演奏したマーチ以外の曲が、オリヴァドッティの「ポンセ・デ・レオン」序曲だった。

オリヴァドッティの曲を聴くとどの曲も同じように聞こえてくるものの、なぜか懐かしい。

イリノイ大学のアルヒーヴには、膨大な量のオリヴァドッティの作品と録音が収蔵されていて圧巻だ。
かつてはそれだけ多くの人に演奏されていた、ということだろう。

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沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの第5番を聴く」にポール・パレーのライヴの感想をアップしました。

Youtubeはオリヴァドッティの名作「イシターの凱旋」

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2015年5月11日 (月)

ケックラン、民衆のためのコラール

連休明けの月曜日、外気は爽やかでよく晴れた。台風接近で明日遅くから崩れる予報。

土曜日朝は、自宅近くのトンネル工事の現地説明会だった。

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工事中のトンネルの中に入ることは一般人には稀有なこと。

外からでは防音壁に囲まれて全く見えないが、中は広大なスペースに巨大なセメントプラント。

Sdsc03581 大きな町工場の雰囲気だった。

青白い照明に浮かび上がったトンネル内部は幻想的な風景。

60年代アメリカのテレビドラマ「タイムトンネル」の世界そのものだった。


その後は足が痛いという母を病院に連れて行き、待ち時間の間に沼津港の水産祭り。

魚市場での魚介類の安売りと屋台の数々。

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通常は県外の観光者で賑わう沼津港だが、この催しに来る人の多くは地元の人たち。


会場で合った何人かの知人に挨拶しながら、サザエを10個ほど(1,000円)とアサリご飯などを買って帰宅。
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今年はいつもよりも人出が少ないようだ。行った時間が遅かったからかしらん。



昨日の日曜は、母の日ということで家族と家内の両親も招いて最近馴染みの清水町の「よし多」で鰻。

ここは蕎麦屋だが、鰻もできるということを聞いて蕎麦屋のうな重を是非食べてみたかったもの。

出てきた鰻は期待以上の出来具合。

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蕎麦屋だけにタレの味が絶妙だ。


付け合せの蕎麦もよく、良い鰹が入ったということでタタキも出してくれた。


音楽はケックランの「民衆のためのコラール」をドンディーヌ指揮のパリ警視庁音楽隊による演奏。手持ちはカリオペ盤LP。

F.シュミットの「デユオニソスの祭り」とフォーレの挽歌とのカップリング。

「民衆のためのコラール」はこのパリ警視庁音楽隊が初演している。

全曲は、I. 遊戯  II. 勝利  III. 戸外の祭りのためのコラール  IV. 民衆の祭りのためのプレリュードの4曲。

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フランスルネサンス期の作曲家、ダカンやグリニーらの軽く明るい響きのオルガン曲にも似た独特の響きで聴かせる。


ファンファーレ風の華やかさの中に威厳も感じさせる素晴らしい曲だが、音源は極端に少ない。

昨年、陸上自衛隊中央音楽隊が演奏した際は、初演団体であるパリ警視庁音楽隊から直筆譜面の写真の提供を受けて演奏しているので未出版かもしれない。

実は全曲ではないがもうひとつの音源がある。

鈴木孝佳指揮,福岡工業大学附属高校による吹奏楽コンクールの実況録音で、ここでは2曲を演奏している。

この演奏についてはネット上に熱狂的な賞賛の記事があって、前から聴きたいと思っていた。 

CDで出ていることは知っていたが、この1曲のために3,000円近く出すのに逡巡してそのままにしていた。
先日リサイクルショップの100円均一LPジャンクコーナーで、1981年の吹奏楽コンクールの実況録音盤を見つけ、この中に収録されていた。

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今日はこちらも合わせて聴いてみた。

まず,福岡工業大学附属高校の演奏、実に立派なものだ。
全国大会で金賞受賞も納得。

ただ正直なところネット上の賞賛記事ほどは手放しでの共感できなかった。

ドンディーヌ盤は確かにアンサンブルの精度のアバウトな部分をぼやけた録音で誤魔化しているように感じられなくもないが、この演奏に漂う馥郁とした柔らかなオーラのようなものは何事にも替え難い魅力だ。

ドンディーヌの演奏を聴いているうちに、フォーレのレクイエムのいくつかの演奏を思いだしていた。
Sdsc00202 マルタン指揮のシャルラン録音やクリュイタンスのモノラルの旧録音など、いずれもオケは不ぞろいで合唱も素人っぽいにもかかわらず、独特の香りが漂う魅力的な演奏で世評も高い。


フランス音楽の演奏には時々このようなものがあるから不思議。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2008/06/rp_b6cb.html 
Youtubeはケックランの「民衆のためのコラール」第4曲、ドンディーヌの指揮

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2015年5月 8日 (金)

レコードコンサートのリヒテル

連休明け二日目の金曜日は明日が土日だと思うと気分は軽い。

夜は沼津市民文化センター主催のレコードコンサートの解説。
開始は18時30分だが、最近は1時間ほど前から常連さん10人ほどが集まってサロン化している。

S20150508_181735 今のオフィスは文化センターまで車で30分以上かかる場所なので、本業を定時に終わらせてからではとても間に合わない。
この日は緊急のトラブルや会議が入らないことを祈りながら早退。

昨日のオケの練習前に新しく変わった担当とは軽く打ち合わせをし、機器のセッティングの指示も済ませてはあるものの、事前の機器とディスクのチェックは欠かせない。

会場のキャパは50名。
回によって変動はあるが、参加者は30~40名ほどのささやかな催しだ。

この催しが始まったのが1983年。
市民文化センターが出来た翌年で、その時以来30年ほど続いている。

Bitoku1963img600x5191246808896hkqyn 当初クラシックとタンゴと交代で月1回年各6回ずつ毎月開催だったが、タンゴは講師の方が老齢なために数年前に止めてしまった。

20年ほど前のタンゴブームの時は立ち見が出るほどの盛況だったが、館長さんの話ではここ数年は参加者が減ってしまったとのこと。

後継者も見つからなかったという。


結局クラシックのみの隔月開催。
毎月やってほしいとの希望もあるが、さすがにそれはキツイのでお断りしている。

Img_0_m_2 今回はロシアの音楽がテーマ。 リムスキー・コルサコフからチャイコフスキー、ラフマニノフなどの作品を紹介。


ここで沼響定演が演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を取り上げて、少しでもチケット売上に貢献できればとの見え見えの企画。

その中でリヒテル生誕100年にも絡めてリヒテルの弾くチャイコフスキーの「四季」も紹介。


プーシキン美術館での1982年ライヴだが、ピアノの初心者でも弾けるシンプルな曲が実に深く響く。

視聴後、参加者の方から使用ピアノは何でしょうかというマニアックな質問。
その方はヤマハではないか?ということだがスタインウェイの音ではないことはわかったが、断定はできなかった。

晩年のリヒテルがヤマハを好んで使ったことは有名な話だが、実際にはさまざまなピアノを使って録音を残している。
Youtubeはリヒテルの弾く「四季」

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2015年5月 7日 (木)

本日の練習、あと2週間

5連休明けの木曜日。

隣町伊豆の国市の韮山反射炉が、世界遺産登録勧告ということで連休半ばから急に観光客が増えた。

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あの場所は近隣の小中学校では遠足の定番の場所。


子どもの頃からのおなじみの場所だが、数年前に何かのついでに寄った時には車もほとんどなく閑散としていた。


林の中に静かに立つ煉瓦造りの反射炉の近くの小川で遊ぶアヒルの声だけがガァガァとあたりに響いていた。

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それが世界遺産の話が出たとたんに長蛇の列。

何か不思議な魔法を見ているかのよう。



今日はオケの練習日。仕事を早めに終わらせ文化センターへ向かう。

到着後、明日のディスクコンサートの資料を渡しに事務室に寄ってみた。

担当が今回から変わるのでしばしの打ち合わせ。

そのまま練習会場の小ホールに向かうと、誰もいないステージに椅子だけが並べてあった。
S11111119_773080272811362_343329305 自分は早くに到着することはめったにないが、練習開始30分前でこんなもんだとは思わなかった。


そのうち三々五々集まり始めて練習開始は19時ちょうど。



今日は団内指揮者F君の指揮で、ブラームスの交響曲第1番の第1楽章から第3楽章が中心。

第4楽章の予定はなかったのでトロンボーンはいない。

全体の完成度としては第1楽章が最も低い。

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音程の悪さがどうしても気になるが、弦楽器が鳴り始めた分、時としてブラームスの響きにはなってきた。


最後に第4楽章を最後まで通したが、熱い演奏にはなってきた。

これが本番ではどれだけ音になって来るかが課題。

数えてみたら本番まで練習はあと4回で2週間あまりになってしまった。

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2015年5月 6日 (水)

ラ・フォル・ジュルネ2015

GW最終日、今年のGWは4日の夜に雨が降ったものの日中は良い天気に恵まれた。

今日は午前中に図書館に行き、その帰りに今週金曜日のレコードコンサートの打ち合わせのために沼津市民文化センターへ。

・・・・・・・・・・

連休中日の4日はラ・フォル・ジュルネに家内と娘の3人で行っていた。

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ラ・フォル・ジュルネに来たのは7年ぶり3回目。

今回のテーマは「PASSION パシオン 恋と祈りといのちの音楽」

愛と情熱にちなんだ音楽を中心に、5月2日から3日の間にいくつかの公演が繰り広げられていた。

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購入した有料プログラムは、ウズベキスタンのアジス・ショハキモフ指揮のデュッセルドルフ交響楽団

「フランス近代の愛の管絃楽曲集」と題して、

・交響詩「レノール」    :デュパルク
・詩曲            :ショーソン
・「タイスの瞑想曲」     :マスネ

ヴァイオリンソロは成田達輝というもの。

センスの良いプログラムに、未知の演奏家ながら期待大。

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お目当てはデユパルクの交響詩「レノール」。

数多くの作品を書きながら、その大部分を破棄してしまったデュパルクの3曲しか残っていない管弦楽曲の一つ。
おそらく実演で聴けることはまずなかろうと思っていた曲だ。

会場の国際フォーラム到着は10時過ぎ。

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予約しておいたチケットを受け取り、展示ホールに行きブラブラとする。
宝酒造が発泡性の日本酒の試飲会をやっていてさっそくいただく。

開演まで時間があるので、ちょいと早い昼食。

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メニューは帝国ホテルのブースから、ラ・フォル・ジュルネ限定帝国ホテルの本日のランチ。
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これで1,100円は安い!

なんだか音楽を聴きに来ているのか、食べに来ているのかわからなくなってきた。

そしてデユッセルドルフ響の開演は11時45分。
ホールAは5,000席を超える巨大なキャパでさすがに満席にはならず、1階はほぼ埋まっているものの2階のS,A席はほとんど空席状態だった。

自分の買った2階後部のB席(1500円!)はほぼ満席。

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「レノール」は、戦争で死んだ婚約者が嘆くレノールのもとに現れ、黒い馬に彼女を乗せていくが真夜中の鐘とともに消え去り、彼女も死ぬというビュルガーのバラードに基づく曲。

編成は2管を基本にピッコロとチューバ。 さらにファゴットが4本なのはベルリオーズの影響だろうか?

師であるフランクの交響詩の影響がかなり感じられ、柔らかで美しく幻想的な名品だ。

心配していた音響は全く気にならない。
舞台横に巨大なスクリーンがあるので、遠くからでもステージ上の様子はよくわかる。


デユッセルドルフ響は、かつてメンデルスゾーンやシューマンが音楽監督を務めていた市音楽協会の流れを汲み、ライン・ドイツオペラのピットに入るオケ。
現在、名指揮者アダム・フィッシャーが音楽監督。

初めて聴くオケだがなかなか良い。曲の良さを十分に引き出している水準だ。

続くショーソンとマスネを弾いた成田達輝のヴァイオリンも、瑞々しい音色と確かなテクニックで非常に良かった。
アンコールにパガニーニのカプリスを弾いてくれた。

終演後再び展示ホールへ。

するとフォルジュルネの常連、アンヌ・ケフェレックさんのサイン会をやっていた。
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7年前に聴いたサティは非常に良かった。
あい変わらずの美しさ。

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楽器店が軒を並べている展示ホールの売店の片隅には、古書店が中古レコードと音楽書の古書を並べている。

自然にそちらに足は向く。

レコードは60年代末の国内盤のセット物が中心。 1セットあたり300~600円はお買い得だが、重たいLPBOXを持って帰ることを考えると気持ちは萎えてしまった。


結局、ロラン・マニエル(吉田秀和訳)の「音楽の楽しみ」の第4巻にあたる「オペラの楽しみ」1979年白水社刊と、新星日本交響楽団20年史(未開封CD付)、 「オペラディスクコレクション」(野崎正俊著 東京音楽社)の3冊を購入。


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新星日響の付録CDのみは既に地元のBOOKOFFで格安で入手済み。
「音楽の楽しみ」の第3巻までは国内初版を所蔵済。
第4巻はその時は出版されなかった。

「オペラディスクコレクション」はSP期から1990年までに発売されたオペラの全レコードを網羅した労作。

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地下ロビーでのピアニストのジャン=クロード・ペヌティエのレクチャーを横目に見ながら再び外に出ると居並ぶ屋台。

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人も多く大層な賑わい。


ソーセージをつまみにハイネケンを飲みながらキヨスクコンサートを聴く。


演奏は芸大4年の上野耕平のサクソフォーンで、アルフレッド・リードとフランク・マルタンのバラード。


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品のある美しい音色が実に素晴らしかった。

リードの甘い曲では女性たちがうっとりと聴き惚れている。
15分ほどのマルタンの渋い「バラード」でも皆真剣に聴き入っていたのが印象的だった。



再び展示ホールに降りると、沼響もお世話になった曽我大介先生がアマデウス・ソサエティ管を振ってリハーサル中。


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本番はエルガーの「愛の挨拶」「ニムロッド」にベルリオーズの幻想交響曲第4、5楽章にオペラ「カルメン」のフィナーレというもの。
熱い演奏でこちらも楽しめました。


久しぶりのラ・フォル・ジュルネは、以前の浮いたようなお祭り気分から楽しい中にも落ち着いた雰囲気が出ていて、今やすっかり定着したGWの風物詩。


帰りは娘と別れ、家内と各駅停車で帰宅。

沼津駅に降り立つと激しい雨。

念のため持参していた傘が最後の最後に役に立った。


youtubeはリードのサクソフォンのためのバラード

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2015年5月 5日 (火)

GW前半は「鳥獣戯画展」

連休も後半、今年は良い天気に恵まれて比較的落ち着いて休みを堪能。
3日、4日と東京へ行っていたので今日はノンキに畑作業。
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夕方に自転車で近くの沼津御用邸のある牛臥海岸へ行ったりしていた。
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帰りに老舗和菓子店「光来堂」立ち寄って柏餅。


3日の日曜は、孫の住んでいる所を見たいという母を連れて家内と横浜に行っていた。

母は新婚時代に横浜に住んでいて、そこが偶然娘の住む学生マンションの近くだった。




かれこれ50年以上も前の事だが本人曰く、私は横浜は詳しい・・とのこと。


最寄りの駅に到着、駅から出たとたんに母は茫然と立ち尽くしていた。
あまりの変貌に驚いたらしい。

昭和30年代初めの風情の記憶しかないので当たり前。


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そして娘と合流、横浜そごう内の「京鼎楼」で飲茶の後に上野の国立博物館の「鳥獣戯画展」へ。

連休初めの上野公園はたいそうな混雑。
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鳥獣戯画展はなんと150分待ち。給水所までできていた。



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やっと建物の中に入ると高山寺関係の所蔵品や仏画、明恵上人関係の展示が続く。

見ているうちに自分が大学の教養部時代に明恵上人の「夢記」をテキストとして学んだことを懐かしく思い出した。

そして鳥獣戯画。

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実物はやはり良かった。

今回甲乙丙丁の4巻と、切り離されて散らばってしまった断簡も展示されているので、鳥獣戯画そのものが長い時代の中で複数の人によって書かれたことがよくわかる。

最も有名な甲巻は動物の表情の描写が凄い。

お猿の表情が良かったなぁ。

だが丁巻あたりになるとかなり大雑把で描写も人間中心に変わる。
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良く見ると人間の動きが精妙で、こちらの絵師も只者ではない。

博物館を出たのは6時過ぎ。

新幹線で帰る母を東京駅の新幹線改札まで送り、夕食は日本橋の老舗洋食屋「たいめいけん」。

S20150503_201404 実はもう待ち疲れて自分はどこでもよかったのだが、家内がどうしても「たいめいけん」のオムライスが食べたいという。


東京駅から日本橋まで娘と3人でトボトボ歩き到着すると、ここでも店の外に長蛇の列。

聞くと90分待ちだという。Orz


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結局最終グル―プのラストオーダーにぎりぎりで間に合った。

S20150503_194957 食べたのはオムハヤシに、創業当時の50円のままの定番のコールスローとボルシチをつけたもの。

おかしな表現だが老舗の風格が感じられる深い味だった。

そして翌日は、目的の「ラ・フォル・ジュルネ」

長くなりましたので続きは次回。

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2015年5月 2日 (土)

ヨゼフ・レイハのチェロ協奏曲

連休初日の今日は爽やかな良い天気になった。

千本海岸に行ってみると富士山もよく見え、奥駿河湾は静かな湖面のように凪いでいた。 Sdsc03483
今年の連休は暦どおりの休み。


今日はヨゼフ・レイハのチェロ協奏曲を二つ。

Sdsc03481 日本ビクターから出ていた国内盤LPで、ホ長調の曲はマレク・イレイエのチェロ、ビエロフラーベク指揮のブルノ国立フィル。
1976年ブルノでの録音。

そしてもうひとつのイ短調の協奏曲は、サードロのチェロにマリオ・クレメンス指揮プラハムジチ合奏団。

1972年プラハでの録音。

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作曲者は同じだがA面、B面で演奏者が異なる。オリジナルはどのような体裁だったのだろうか。
いずれもチェコの音楽家たちだが、スプラフォンではなくてパンドン原盤のLP.

レイハと言えばフランスで活躍したアントン・レイハが著名。

ヨセフはアントンの叔父で作曲家としてよりもチェロ奏者として著名だったらしい。
孤児となったアントンを引き取って作曲家に育て上げている。

この2曲は今まで聴いたさまざまな作曲家の範疇を超えた全く異なる作風。
コントラバス群のごウゴウとうなるユニゾンで始まるホ長調の協奏曲からして意表を突かれた。

異星人が作曲したかのような曲で正直驚いている。

ヨゼフ・レイハはレオポルド・モーツァルトと親交があり、ベートーヴェンにも影響を与えたのだという。

イ短調の第3楽章の超絶的なチェロの動きを聴くと、ヨゼフが相当の腕利きだったことは想像できる。
ヨゼフ・レイハの作品をもっと聴きたくなった。

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2015年5月 1日 (金)

本日の練習、海瀬京子さんとのラフマニノフ

今日から5月、爽やかな青空が広がる一日。
最近めっきり目にしなくなった鯉のぼりが似合う空だ。

昨日のオケの練習は、ピアニストの海瀬京子さんとのラフマニノフ初顔合わせの日。

京子さんとは沼響3回目の共演で、今回はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。

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京子さんは音コン本選でラフマニノフの第1番のコンチェルトを弾いて第1位だった。
第2番はその後いくつかのプロオケとも共演している。

いわば京子さんが得意としている作曲家なので、団員一同ラフマニノフを共演できる日を前から待ち望んでいた。

使用するピアノを選ぶ試弾が18時からということで、定時にオフィスを後に会場へ向かう。

ピアノ庫の前に行くと、京子さんはすでに到着していてスタンバイ状態。

Sw_c227_520685_2 沼津市民文化センターのピアノは、スタインウェイ新旧とヤマハのコンサートグランドの3台。

彼女はさっそくスタインウェイの前に座って、バリバリとラフマニノフを弾き始めた。


古いスタインウェイAは購入後20年以上、新しいスタインウェイBでも10年以上は経っている。

いずれもオーバーホール済みで状態は良い。

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スタインウェイAは木目が渋い色合いで音色も幾分柔らかく深い。

新しいスタインウェイBは艶やかな黒にデラックス感が漂っている。音色も煌びやかだ。

真横で彼女の弾く2台のスタインウェイを聴き比べてみると、それぞれ音色と性格が全く異なっていて、同じスタインウェイとは思えぬほど。

新しいスタインウェイBを彼女は選んだ。

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コンチェルト冒頭の静かな部分などは、古いスタインウェイの深い音色も捨てがたいようだったが、オケと対抗するには華やかで押し出しの強いスタインウェイBが良いとの判断のようだ。


しばらく彼女と雑談しているうちに団員が集まってきた。

そして小森先生の指揮で練習が始まる。

ピアノソロの静かな冒頭を、団員一同息を飲んで注視しているのがよくわかって面白い。

世界レベルの本格的なソロが入ったコンチェルトの練習に一同ノリノリ。

後ろから見ていて嬉々として弾いている弦楽器のメンバーを見ているだけでも楽しいが、オケはまだまだの出来。

ソロを引き立てるには、周りの音を良く聴いて自分の役割を理解しながらバランスを考えながら演奏する必要あり。

ソロに頼って自分が楽しむだけでは、お客さんを満足させることができないだろう。

1時間あまりの楽しくも充実したコンチェルトの練習は瞬く間に過ぎ去った。

次回のソロ合わせは5月17日。

Youtubeはグリモーの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第2番

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