オリヴァドッティの吹奏楽曲
5月の台風から変わった温帯低気圧が接近中。
ここ10年ほどの気候変動で台風の発生が年々早くなっている。
風雨が強い。
テレビの報道ステーションでは暴風雨下の沼津の様子が出ていた。
どうやら直上を通過しているようだ。先週畑に植えた苗は風で全滅だろうな。
今日は20世紀吹奏楽曲の古典的なオリヴァドッティの作品を聴いた。
汐澤靖彦指揮フィルハーモニア・ウィンドアンサンブル他によるCBSソニーが出していた初級吹奏楽名曲集というもの。
今でもCDで現役だが手持ちは80年代のLP.
名指揮者山田一雄もオリヴァドッティの作品の録音を残していて、CD化もされている。
オリヴァドッティは80年代あたりまでに吹奏楽を経験した人ならば誰でも知っているが、そのほかの人には無名の人物。
ジョセフ・オリヴァドッティ(1893~1977)は19世紀末にイタリア南部の小さな町に生まれた。
音楽一家だったので幼いころから音楽教育を受けて、さまざまな楽器を学んでいる。
アメリカに移住した後はさまざまなバンドに所属していた。
シカゴ響のオーボエ奏者にもなっているので、腕前は確かだったのだろう。
作品はオーケストラ曲から声楽作品まで多岐に渡るが、主なものは吹奏楽曲の数々。
シンプルでわかりやすい旋律と、小学生でも演奏可能な無理のない簡潔な楽器の使用法の音楽。
よほどいろいろな楽器について熟知していないと書けないのではなかろうか。
同じ時期にスクールバンドで演奏されていたアルフレッド・リードの曲が今でも盛んに演奏されているのに比べ、オリヴァドッティの曲は古いスタイルのワンパターンなところが災いして、今ではすっかり廃れてしまったようだ。
私が中学校の吹奏楽部に入って初めて演奏したマーチ以外の曲が、オリヴァドッティの「ポンセ・デ・レオン」序曲だった。
オリヴァドッティの曲を聴くとどの曲も同じように聞こえてくるものの、なぜか懐かしい。
イリノイ大学のアルヒーヴには、膨大な量のオリヴァドッティの作品と録音が収蔵されていて圧巻だ。
かつてはそれだけ多くの人に演奏されていた、ということだろう。
沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの第5番を聴く」にポール・パレーのライヴの感想をアップしました。
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