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2015年7月に作成された記事

2015年7月31日 (金)

ボールトのウォルトン

7月も今日で終わりの金曜日。

昨晩は気温が下がらずクーラーのない寝室は窓を開けても無風状態。
破れた網戸の隙間から蚊が侵入し眠れぬ一夜を過ごし寝不足気味。


今月は土日に雨が多く、日曜百姓の身としては畑作業もままならず畑が荒れてしまった。
茄子、南瓜、冬瓜その他、夏野菜は採れてはいるものの、例年に比べれば手抜きがそのまま結果に表れている。

農作物は正直だ。

今日はイギリスの名指揮者、サー・エイドリアン・ボールトのウォルトンを聴く。
ウォルトンの代表作2作、交響曲第1番とオラトリオ「ペルシャザールの饗宴」。


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・交響曲第1番変ロ短調

・オラトリオ『ベルシャザールの饗宴』*

サー・エイドリアン・ボールト指揮
ロンドンフィルハーモニー管弦楽団、合唱団

デニス・ノーブル(バリトン)

1956年8月15-30日 、1953年9月10-14日* 録音


SOMMから出ているCDで、先月ハードオフのCDコーナーで1枚当たり400円でまとめてゲットしたイギリス音楽ものの1枚。
どうやらNIXAのオリジナルLPからの板起こしらしい。

この中で交響曲第1番の録音は1970年代末にテイチクが国内盤を出していて、リアルタイムで買ったLPが今でも手元にある。

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だがこの国内盤LPは音が悪く、曲と演奏の良さを十分にとらえていない。


国内盤LPに比べこのCDの音は実に鮮明、オリジナルLPが入手難なので今聞く音源の中ではこれがベストだろう。
「ペルシャザールの饗宴」もモノラルながら不満は感じられない。


合唱に多少の粗さは感じられるものの、ウォルトン独特のハードボイルドなカッコよさその中で微妙な崩し加減が絶妙。

2曲とも作曲者お墨付きのサージェントのクールな名演があるが、このボールト盤もサージェント盤とは異なるアプローチの名演だ。




Youtubeはウオルトンの「ペルシャザールの饗宴」2012プロムス、尾高忠明の指揮

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2015年7月30日 (木)

本日の練習、永原先生の指揮

今日も外出するのに躊躇するような猛暑。
わが社の前庭ではクマゼミが盛大に鳴いている。

自分が子どもの頃のクマゼミは少数派で、主流はアブラゼミやニイニイゼミだった。
ここ数年、この二つのセミの声をあまり聞かなくなった。

いずれも増えたクマゼミが発する鳴き声に比べると控えめなトーンなので、目立たなくなっただけかもしれない。

この5年間続いている異常高温の影響がこのような形で出ているのだろうか。

本日午後に重要な来客を迎えての打ち合わせ、その後内部会議。


夜はオケの練習。


場所は沼津市民文化センター小ホールで、今日から下振りの永原先生の指揮。

最近は多少遅刻することがあってもオケの練習は皆勤。

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今後どのくらい吹き続けることができるのだろうかと考えると、1回1回の練習が貴重に思えてくる。

今日は降り番のチャイコフスキーから始めることがわかっていたので、なじみのイタリアン、キッチン「ボルカノ」で夕食を済ませてから練習に参加することにした。

ボルカノに入ると同輩にばったりとあった。
彼はわが社の財務部門の責任者。

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仕事上で意見を戦わせる場も少なくないが、今日はお互い仕事の話は抜きにして家族その他、そして今後のことなど・・・・。


すっかり話し込んで練習会場に着くと、「くるみ割り人形」の第2曲、小行進曲が聞こえてきた。

ぴしりとまとまった良い響き。指揮は今回の下振りの永原先生だ。

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この曲は降り番なので会場でしばらく聴いていた。

結局今日は「くるみ割り人形」のみの練習ということになって、ホールロビーでしばらく個人練習の後に「雪の精のワルツ」が響いているホールを後にする。

合奏はできなかったが、こんな日があってもよいだろう。

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2015年7月29日 (水)

バッハ=ウェーベルン、6声のリチェルカーレ

朝から某所で会議が有りオフィスに寄らずそのまま直行。


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多少遅めに家を出ると庭の百日紅には蜂が乱舞。



今日はバッハのカンタータ第5番《われはいずこにか逃がれゆくべき》その他 を聴いていた。

カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ室内管による独アルヒーヴのセットものLP5枚組の中の1枚。


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・カンタータ第5番《われはいずこにか逃がれゆくべき》BWV.5

  カール・リヒター指揮
  ミュンヘン・バッハ管弦楽団/合唱団
  マティス(S)シュミット(A)
  シュライアー(T)フィッシャー=ディースカウ(B)
  クレメント(ob)ゲティング(tp)ルフ(va)

トランペットが活躍するバッハのカンタータの中でも男性的で硬派の音楽。

そしてもう1曲。

ウェーベルン編曲のバッハで「6声のリチェルカーレ」をスコアを見ながら聴く。

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演奏はロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送響によるメロディア原盤の日本ビクター盤LP。


・音楽の捧げもの       :バッハ~ウェーベルン
・十の楽器のための狂詩曲   :イベール
・組曲「三文オペラ」     :ワイル
・ルーマニア民俗舞曲     :バルトーク

   ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮
   モスクワ放送交響楽団          
               1968年録音


この曲は70年代後半のNHKFMの番組、「現代の音楽」の冒頭のテーマ音楽に使われていた。

曲、演奏とも「現代の音楽」にふさわしく非常に印象的で、この演奏でウェーベルンに興味を持つようになった人も多かったと思う。

今ではブーレーズその他音源は数多あるものの、この頃の国内盤で入手しやすかったのはこのロジェストヴェンスキーぐらい。
コロンビアが出していたロバート・クラフトのウェーベルン全集はとても手が出なかった。

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番組で最初に使用されたのは、ヨハノス指揮ダラス響の米ターナバウト盤LPだったと思う。

当時大学生だった自分はこの音源を探し求めたものの、とうとう見つけることができなかった。

ロジェストヴェンスキーの演奏はいささかアクが強く、番組で使われたヨハノス指揮の空中を浮遊するような独特の雰囲気は感じられない。

Youtubeはバッハ=ウェーベルンの6声のリチェルカーレ

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2015年7月28日 (火)

カノン「夏は来たりぬ」

この夏から交代でサマータイムを導入することになり本日1時間早くの始業。

ふだんから始業の30分以上前には出勤しているので、さほどの変化はないものの今日は通常より30分ほど早く家を出てみた。

道はいつもの時間よりも空いていたが通勤距離が変わるわけでもなく、短縮できた通勤時間は5分ほど。

サマータイムの実施で通常より1時間早く拘束時間は切れることになっているが、そう簡単には帰れず、結局いつもと変わらぬ時間に終業。

通勤の車中ではマリナー指揮のヴォーン・ウィリアムズを聴いていた。

1980年前後のDECCAへの録音で、ELOQULENCEシリーズのオーストラリア産CD2枚組.

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「マリナー/ヴォーン・ウィリアムズ作品集、他」

「ヴォーン・ウィリアムズ」
CD-1

・『すずめばち』序曲


・タリスの主題による幻想曲


・交響的印象『沼沢地方にて』


・管弦楽のための変奏曲(ジェイコブ編)


・ノーフォーク狂詩曲第1番ホ短調


・『富める人とラザロ』の5つの異版


・弦楽、ピアノとハーモニカのためのロマンス



CD-2


・ロマンス『揚げひばり』


・グリーンスリーヴスによる幻想曲


・コンチェルト・グロッソ


・イギリス民謡組曲(ジェイコブ編)


「イギリス民謡組曲の編曲集」


・ 夏は来たりぬ(ヘイゼル編)


・キジバト(同)


・ 猟場の番人(ピアソン編)


・オークとアッシュ(同)


・ある朝早く(同)


・ジョン・ピール(ヘイゼル編)


・陽気な水車小屋の男(ピアソン編)


・恋人にリンゴをあげたい(同)


・英国近衛兵第1連隊(同)

   アイオナ・ブラウン(ヴァイオリン)、 トミー・ライリー(ハーモニカ)
   ネヴィル・マリナー指揮
   アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
 

マリナーが録音したヴォーン・ウィリアムズの録音を集成したもの。



おまけとしてクリス・ヘイゼルとレスリー・ピアソンによるイギリス民謡のオケ編曲を集めている。

ヘイゼルはフィリップ・ジョーンズブラスアンサンブルが、いくつかの編曲作品を取り上げていた。



良く知られた「グリーンスリーヴス」や「イギリス民謡組曲」といった平易な曲のほかに

ジェイコブ編の「変奏曲」などの珍しい曲も入っている。



いずれも爽やかで美しい旋律満載の曲ばかり。



中でもおまけのイギリス民謡の編曲集が楽しい。

13世紀の作品とされる世界最古のカノン「夏は来りぬ」の中世的な雰囲気も良いし、「ジョン・ピール」ではバッハのブランデンブルク協奏曲第3番のパロディーが出てくる。



格調の高さの中に英国紳士風のユーモアも感じさせる名アレンジだ。



今日のような猛暑の中に聴くのにふさわしい、爽やかで涼しげな音楽。



沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」に作曲と出版の経過をアップしました。


Youtubeはカノン「夏は来たりぬ」、1972年ミュンヘンオリンピック開会式

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2015年7月27日 (月)

又吉直樹芥川賞受賞記念ライヴ

猛暑の中、オフィスに引きこもりの一日。
昼休みも外出する気にならず、社内の売店でサンドイッチを買い机上のパソコンのイヤフォンでブラ1を聴いたりしていた。

帰宅しようとすると車の中は尋常でない暑さとなり、放置してあった文庫本がヘロヘロになっていた。


昨日は又吉直樹芥川賞受賞記念ライヴに家内と娘の3人で行っていた。

場所は沼津よしもと劇場、開演12時30分。

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よしもと劇場が沼津駅前の西武跡地にできて約1年。


一度は入ってみたいとは思っていたものの出演者に魅力を感じずそのまま経過。

大阪の「なんばグランド花月」の吉本劇場は、昨年2月に職場の親睦旅行で行っている。

沼津のキャパは芝居小屋風の150人。


直前までチケットは残っていたようだが開演時間には満席。


やはり又吉効果は大、外は沼津夏祭り。


出演は「ヌマンヅ」、「チューリップ」の地元沼津勢から始まって、「プラスマイナス」 「もう中学生」「??」その他そしてトリが「ピース」というもの。


全部で8団体出たはずだが、あと二つが思い出せない。????

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娘によると「ピース」の前に出たお笑いコンビ(影が薄く名前を忘れてしまいました)と「もう中学生」はテレビにも出ていて比較的有名らしい。

席はほぼ真ん中で出演者は良く見えた。

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真後ろに常連らしきオッサンがいて、しきりに出演者に向けて大きな声を発している。 「よ!、日本一!!」

自分たちも含め大部分は「沼津よしもと劇場」は初めての雰囲気の中で、このオッサンはかなり浮いていた。



「ピース」以外では「プラスマイナス」の相方の野球場の形態模写が、臨場感がありよかった。
手作りダンボールのセット?を使った「もう中学生」のネタはどうしようもなく空虚なものだったが、本人の独特のキャラがインパクト強し。


そしてトリに「ピース」の登場。

会場内は、なま又吉がそこに居るというだけで、受賞おめでとうの祝賀ムード一色。
コントを楽しむ雰囲気とは程遠く、ネタはテレビで観たものと同じものであまり印象に残っていない。



終演後遅い昼食を食べようと外に出たところ、髪を後ろに縛った又吉本人が、若手芸人数人を引き連れ自分たちの脇をすーとすり抜け駅前大通りを横切り、劇場の真向かいの割烹「とりう」に入っていった。



B0055202_22433751 家内が又吉本人に会釈したら、あちらも会釈を返してくれた。




自分たちは鳥料理の気分ではなく、「とりう」には入らず老舗蕎麦屋の「幅田屋」。












帰宅後の音楽は、エーリッヒ・クライバー指揮コンセルトヘボウ管で、 ベートーヴェンの交響曲第7番。

聴いたのは英エクリプスのLPの疑似ステレオ。


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この演奏は国内盤のLPをかなり以前に入手していて、沼響HPの聴き比べコラムは国内盤を聴いて感想を書いている。


だが国内盤はLP片面に全曲を詰め込んだもので音は良くなかった。

このエクリプス盤は、疑似ステレオとはいえ低音と高音を機械的に左右に分けたものではなく、コンサートホールで実際に聴くような響きを付加したもの。


息子カルロスに大きな影響を与えた父クライバーだが、この第7番は細かな部分でかなり個性的 生き生きとした躍動感の中に堂々たる風格が漂うのがさすがだ。
  Youtubeはエリッヒ・クライバー指揮の「芸術家の生涯」 


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2015年7月25日 (土)

花火を観ながら又吉直樹の「火花」

7月最終の土日は沼津夏祭り。

心配された台風の影響もなく本日快晴。

午前中は娘と家内を駅に送ったついでに、ポイントの溜まっていた家電量販店にブラリと寄ったりしていた。
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我が家の家電はこれといった不満もなく使えているので、しばらくこの手の店には寄ってない。



4Kテレビ、掃除ロボットその他、各種最新家電の進化に感心していると、浴衣を着た店員が寄ってきた。



サイクロン型の掃除機の説明などを聞いたりしていたが、結局溜まったポイントでDVDが300枚ほど入るケースを買って店を出た。


夕方、娘と家内を迎えに駅に向かうと狩野川花火大会直前の歩行者天国が始まるところ。



今年はいつもより人出が少ないようだ。

帰宅すると地元のケーブルテレビで花火大会の生中継をやっている。


窓の外から入る遠くの花火の音が、テレビの音とかなりの時間差で聞こえてきた。

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写真は数年前に狩野川に打ち上がった花火を撮った写真。

手先がぶれて岡本太郎の作品のようになってしまった。


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芥川賞をとった又吉直樹のピースが沼津に来ることを通勤の車中のコミュニティFMで知った。








家内がどうしても行きたいというので、ネットで「よしもと」公演日程を見てみるとこの26日の日曜だという。 




受賞後の多忙な時期に、沼津の様な地方都市に来るはずがないので、夏祭りに合わせて芥川賞受賞の前から公演は決まっていたのだろう。



当然売り切れかと思ったら簡単にチケットが獲れて意外だった。

沼津の皆さん、公演の事を知らないのではなかろうか。


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受賞作「火花」は増刷中で、いつ入荷になるかわからないという近所の書店の店員の話だったが、どうしても読みたいという家内は、函南のTSUTAYAにあるという情報をキャッチして買ってきた。
 



音楽は夜になってワルター・ゲルヴィッヒの弾くリュートをしみじみと聴く。


学生時代に購入したLPで、バッハ、ブクステフーデ、パッヘルベルのリュートの作品。

ドイツのCANTATE原盤の日本コロンビアのLP。
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・組曲 ト短調 BWV.995       :バッハ


・組曲 ハ短調             :ブクステフーデ


・組曲 嬰ヘ短調             :パッヘルベル


  リュート)ワルター・ゲルヴィッヒ

バッハは無伴奏チェロ組曲第5番と同じ曲。

繰り返しの部分で微妙に音色の変化を付けている。

1964年録音、ゲルヴィッヒ晩年の名演だ。

youtubeはゲルヴィッヒのリュート

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2015年7月24日 (金)

本日の練習、小ホール

月曜休みで早くも今日は金曜日。
晴れ夕方一時雨。 昨日の雨の影響で湿度も高く蒸し暑い一日。

昨晩はオケの練習日。

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久しぶりのホール練習だ。

曲は「くるみ割り人形」から。

ホルンパートは現在総勢8名。
自分は今回チャイコフスキーが降り番なので、ロビーでウォーミングアップの後、 しばらく客席で聴いていた。

今までの狭いリハーサル室の感覚が抜けず、おかしなバランスでオケが鳴っていた。

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聴いているうちに意識が遠のきしばしの爆睡。

練習最後のあたりでようやく歌劇「イーゴリ公」序曲と「ピーターと狼」へ到達。
自分の参加は正味30分ほどだった。

パート割りも決まり、そろそろ本腰で練習するとしよう。

今日はアバドのプロコフィエフを聴いていた。

独グラモフォンへの録音で、カンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」、 「スキタイ組曲」「キージェ中尉」というもの。
オケはロンドン響とシカゴ響。

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1. カンタータ《アレクサンドル・ネフスキー》作品78

   エレーナ・オブラスツォワ(メッゾ・ソプラノ)
   クラウディオ・アバド(指揮)
   ロンドン交響楽団、合唱団  

                                         1979年6月録音

2. スキタイ組曲《アラとロリー》作品20
3. 交響組曲《キージェ中尉》作品60

 
クラウディオ・アバド(指揮)
  シカゴ交響楽団
  アドルフ・ハーセス(トランペット)

                                             1977年2月録音

  手持ちはグラモフォンのオリジナルスのCD.

アバドの初レコーディングは、ロンドン響を振ったプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」だった。


以後コンチェルトを含めて主だった作品は録音しているが、交響曲は結局古典交響曲と第3番の2曲しか録音していない。
有名な第5番や第7番を録音しなかったのはアバドのこだわりだろうか。

このカンタータを含む3曲は70年代後半アナログ末期の録音。

中でもカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」が非常に良い。


ライヴのアバドは時として神がかり的な名演を聴かせる時があるが、この「アレクサンドル・ネフスキー」はスタジオ録音でその雰囲気を捉えた例。

冒頭の切れ味鋭い刃のようなメタリックの響きはプロコフィエフ独特のもの。

高い次元で結晶化されたオケの響きと、触れれば切れてしまいそうなまでの息詰まるような緊張感。

カンタータとはいえ映画音楽からの改作で、プロコフィエフの作品としては比較的表面的で軽い音楽だが、アバドの名演で聴きごたえのあるものになった。


録音もアナログ後期の良さを満喫できる優れもの。
これはドイツプレスのLPで聴いてみたい。


シカゴ響との2曲も悪くないが、カンタータの名演の前に影が薄くなってしまった。


Youtubeはプロコフィエフの「スキタイ組曲」、ゲルギエフの指揮

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2015年7月21日 (火)

スヴェトラーノフのグラズノフ

三連休明けの火曜日は猛暑。

昨日梅雨も明けて本格的な夏の到来だ。

今、沼響ではボロディンの歌劇「イーゴリ公」からの序曲を練習している。
この序曲の実体はグラズノフの手によるものだという。


グラズノフは8曲の交響曲を残しているとはいえ、比較的録音が多いのはヴァイオリン協奏曲と、「四季」と「ライモンダ」の二つのバレエ曲くらいだろう。

どの曲も正直なところあまり印象に残っていない。


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手持ちのグラズノフは、ヴァイオリン協奏曲がミルシュタイン、ハイフェッツといった往年の巨匠の演奏があるものの、「四季」はデゾルミエール、アンセルメといったフランスの名指揮者と練達のバレエ指揮者ロバート・アーヴィング、あとはハイキン、ヴォルフら。


「ライモンダ」はラヴェルの直弟子ロザンタールにロシア人ユーリ・ファイエル。


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アンセルメはともかく、他は地味ながら老練ないぶし銀の指揮者たちがグラズノフの録音を残している。



いずれも曲よりも指揮者お目当てで入手したもの。


聴いたのはロシアの指揮者スヴェトラーノフとガウクのグラズノフ。

手持ちは旧ソ連のメロディアのLPで、イッポリトフ・イワーノフとグラズノフの交響的な作品を集めたもの。


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野暮ったさの極みのようなレコードジャケットの表面には曲名も演奏者も書かれていなくて、売る気があるのかないのかわからないような体裁。


・組曲「コーカサスの風景」   :イッポリトフ=イワーノフ  

 ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮   
 モスクワフィルハーモニー管弦楽団

・フィンランド幻想曲 作品88 :グラズノフ   

 エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮   
 モスクワ放送交響楽団

・性格的な舞曲    作品68  :グラズノフ
・結婚行進曲      作品21  :グラズノフ

  アレクサンドル・ガウク 指揮
  モスクワ放送交響楽団

いずれもステレオ収録で1961年頃の録音。

手持ちのLPはモノラル仕様。

ガウクの指揮した2曲はガウクの残された数少ないステレオ録音とされるもの。


グラズノフの「四季」と「ライモンダ」は有名な割には退屈な曲だが、この3曲は面白い。

特に「フィンランド幻想曲」は寒風吹きすさぶ渺茫たる荒野を歩いているかのような殺伐な曲で、スヴェトラーノフの阿鼻叫喚絶叫型の解釈が曲想にピタリと嵌っている。

曲の後半にメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」のフィナーレに出てくるマルティン・ルターのコラール「神は我がやぐら」の旋律が、堂々たる威容で押し出して来るのには思わずのけぞった。


ガウク指揮する2曲も華やかさの中にボテッとした田舎風の鈍重な曲と演奏で、これもグラズノフらしくて良い。



沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」に、第2回「自筆譜と出版譜のことなど」をアップしました。




Youtubeはグラズノフのヴィオラのための「エレジー」

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2015年7月19日 (日)

アンセルメのプロコフィエフのことなど

関東甲信は梅雨が明けた。
明け方にまとまった雨が有り、東海地方は未だ梅雨が明けず。

雨は朝早くに上がり気温も上昇。セミも盛大に鳴き始めた。

ポコは夏が苦手。

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厚い毛皮を着ているポコには辛い季節となったので、日中は日陰の場所に移した。
夜になっても水をガブガブ飲んでいる。

今日は町内の地蔵尊のお祭り。

300年ほど前の大水の時に流れ着いた古い地蔵を祀ったもの。
Sdsc01110 今年は我が家が20年ぶりの当番となり、朝早くから町内のおばさんたちが集まり炊き出しをしている。
自分は前日の買い物くらいで今日は何もすることはなし。



母が町内の各家庭に配られた抽選券でクジを引いてみたら一等だった。


昨年は3等が当たった。


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Sdsc03914 1等賞品はペットボトルのお茶1箱というささやかなものだが、嬉しいものだ。











今日はアンセルメのロシア物を聴いていたキングレコードのGT規格の廉価盤LP。

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 ・交響曲第1番                       :プロコフィエフ
 ・「3つのオレンジへの恋」から行進曲、スケルツォ :プロコフィエフ
 ・幻想曲「カマリンスカヤ」           :グリンカ
 ・中央アジアの草原にて             :ボロディン
 ・歌劇「皇帝に捧げられし命」序曲        :グリンカ

エルネスト・アンセルメ
スイスロマンド管弦楽団


淡彩のスイスロマンドの音色は夏に聴くロシア音楽にはふさわしい。

プロコフィエフでもオケの非力さはさほど気にならない。


Youtubeはアンセルメの「ラ・ヴァルス」

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2015年7月18日 (土)

「あずみ野」で聴くグレゴリオ聖歌

曇り時々激しい雨。あい変らずの梅雨模様。
土曜休みで今日から3連休。

これといった予定は入っていないものの、明日は町内の地蔵尊のお祭り。

我が家が地蔵講の当番にあたり、炊き出しの準備その他で忙しい。
明日、近所の人たちが朝早くから我が家に集合の予定。


夕方、高校の後輩でホルンも吹いていたU君から突然の電話。

彼は現在大阪在住。


近くの喫茶「あずみ野」にいるので来ませんか? とのこと。

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彼とは久しぶりなので快諾。


すぐに「あずみ野」に向かうつもりだったが、前回訪問した時に、次に来るときにはエネスコの弾くヘンデルのヴァイオリンソナタ第4番のルーマニア盤を持って行くという店主さんとの約束を思い出した。

レコード棚を探したがなかなか見つからない。

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ついでに今週聴いて非常な感銘を受けた、シューリヒト指揮のバッハの管弦楽組曲のLPも持参。



店に着くと、沼響でクラリネットを吹いているSさんも居る。

店内ではヴォーン・ウイリアムスの「タリスの主題による変奏曲」が流れていた。
ボールト指揮プロムナード管による演奏。

お店でこの3人プラス店主さんと密度の濃い音楽談義。

店主さんから、真空管の良いプリメインアンプが入ったので音はどうですか?
ということらしい。

確かに良い音だ。

だが、いざ購入となると懐具合を考えて二の足を踏んでしまった。

そして持参の2枚を聴いてみる。

まずはエネスコ。


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それが手持ちのLP由来のものか、一時的に繋げている真空管プリメインアンプに由来するものかはわからない。




続いてシューリヒトのバッハから、組曲第3番の序曲と有名なアリアを聴く。

途中で女性のお客さんが2人店に入ってきた。

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再生装置が良いだけに盤の汚れに起因するノイズが気になるものの、家の装置と比べるとさすがにより深いところからの音を探り出している趣。


「アリア」はやはり感動的。

入ってきたお客さんも「いい音楽ですね」と聴き入っていた。

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店の音盤では、ブライマーの吹くモーツァルトのコンチェルトや、ライスターその他のモーツァルトのディヴェルティメント集など。

ウラッハの吹くブラームスに続き、最後に店主さんがかけたのは、ハンガリーの音楽家たちによるグレゴリオ聖歌集。

残響豊かな素晴らしい音だった。
冒頭にトランペット群によるファンファーレのような音が入っていてビックリ。

ロマンティックで暖かな癒しの音楽。

Youtubeはそのスコラ・フンガリカによるグレゴリオ聖歌集

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2015年7月17日 (金)

今回のレコードコンサートはシベリウス

雨、午後から曇り。昨晩四国に上陸した台風11号は西日本に大雨を降らせながらゆっくり北上。
湿気が多く蒸し暑い午後となった。
今日は終日デスクワーク、来週はじめから再び大きな行事目白押し。

夜は市主催のクラシックレコードコンサートの解説を頼まれていて、定時に終了して出ると間に合わないので早退予定が突然の緊急会議招集。

解説の代替えがいるわけでもなし、間に合わないのではないかと気が気ではない。

幸い会議は早く切り上げることができて、会場の文化センター到着は持参したディスクのチェックができるギリギリの時間。

今年から担当となった文化センターの職員さんが優秀で、再生装置の慣らし運転もできていてコンディションが万全なのがありがたい。

今回はシベリウス生誕150年ということで、シベリウスの作品を中心にグリーグその他。

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シベリウスのスピーチや、自作自演の「アンダンテフェスティーボ」を紹介しながら当時のフィンランドの歴史的な背景とシベリウスとの関係など。


そして沼津出身の外交官、市河彦太郎とシベリウスとのかかわりなど、それなりに自分としては力を入れた内容だが、結局一般的な有名な曲はグリーグのピアノコンチェルトくらいで、かなりマニアックな内容となってしまった。




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最後にバーンスタイン指揮ウィーンフィルのシベリウスの交響曲第2番の演奏をとりあげたものの、極端に遅いテンポの非常に重い演奏で、異形のシベリウス演奏を紹介してしまった。


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いつも年配のクラシック初心者の方が多く、80歳を超えるお年寄りもいて、最後まで真剣にいただけたものの、多くの方には苦痛だったかもしれない。


Youtubeはクルト・ザンデルリンクのシベ2、フィナーレ

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2015年7月16日 (木)

本日の練習、「イーゴリ公」序曲

昨晩からの断続的な雨は今日になって本格的な振りとなった。
接近中の大型台風は四国に上陸。

夜はオケの練習で雨の中会場へ急ぐ。
会場は沼津市民文化センター地下のリハーサル室。



曲はボロディン作曲の歌劇「イーゴリ公」序曲。



秋のファミリーコンサートの前プロ候補3曲から結局この曲になった。

他の2曲はグリンカの歌劇「ルスランとリュドミュラ」序曲に、リムスキー=コルサコフの序曲「ロシアの復活祭」。

歌劇「イーゴリ公」はボロディン未完の全4幕のオペラ。
リムスキー=コルサコフとグラズノフが現在の形に完成させている。

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第3幕はボロディンの手がほとんど入っていないために、上演の際は省略されることもあるのだという。

今年の秋に来日するブルガリア国立歌劇場の「イーゴリ公」は全2幕となっている。



今回演奏する序曲は、ボロディンがピアノで弾いた序曲を基にグラズノフが記憶を辿って曲とした作品とされるが、実際はグラズノフがオペラ中のメロディを利用して再構成して、オーケストレーションしたものだという説もある。


最近聴いたショルティ指揮ベルリンフィルのLPにはグラズノフ編と書いてある。

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演奏してみると曲の最初の部分と最後に一貫性が見られず、なんとなく竜頭蛇尾な曲のようにも聞こえる。


やはりこの曲はグラズノフの創作なのだろう。


練習しながらボロディンの作風を想像しながら吹いていた。

全曲の自分の手持ちは、ハイティンクがコヴェントガーデンを振ったLD映像のみ。


オペラとしては冗長で、第2幕の「韃靼人の踊り」の場面以外はほとんど印象に残っていない。

Youtubeのイーゴリ公序曲はハイティンクの指揮

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2015年7月15日 (水)

ポーラースとシューリヒトのバッハ

晴れ一時豪雨。
今日も暑く午前中は熱風。碧空の中富士山もよく見えていたが、昼過ぎに突然の豪雨。

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写真は富士市在住の友人が今日撮影したものを拝借しました。

昨日聴いたフルーとのポーラースの演奏で他に録音がないかと探してみたら、なんと大指揮者シューリヒトのバッハの管弦楽組曲第2番のソロを吹いていた。

巨匠最晩年のコンサートホールレーベルへの一連の録音のひとつ。
オケはフランクフルト放送響。


さっそくレコード棚から取り出して聴いてみる。

・管弦楽組曲第2番

・管弦楽組曲第3番

fl)クラウス・ポーラース
カール・シューリヒト指揮
フランクフルト放送交響楽団

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手持ちはコンサートホールソサエティが出した国内盤LP.

ジャケットにはちゃんとフルートソロ、クラウス・ポーラースと書いてある。
なお再発されたCDではソリストの名前は消えていた。

音盤購入記録を見ると1993年2月14日、500円で購入。

この頃沼津にあったインディーズ系のポップスを主に扱っていた中古レコード店 で購入したことを思い出した。

この時オッテルローの第九や、クリップスのウィンナワルツ集などのコンサートホールソサエティのLPを数枚まとめて買っている。


もう20年以上も前のことで演奏の内容は完全に記憶から飛んでいるが、 少なくともフルートソロについては全く印象に残っていない。


久しぶりにレコードに針を落とし組曲第2番の序曲から聴いてみる。

ポーラースのフルートは渋い音色で端正、オケの響きに溶け込みシューリヒトの造る音楽に同化しながらも、時として浮かび上がり、さりげなくソリストとしての主張もうかがえる凄いソロだった。


聴いているうちに、生涯オケの中の奏者として音楽人生を貫いたフランスの名フルーティスト、デユフレーヌを思い出した。


ついでに裏面の組曲第3番も聴いてみた。
こちらにはフルートは入らない。

軽妙な舞曲の数々を端正に聴かせながらも、音楽の根っこはロマンティック。
非常に深い意味を持って聞き手に迫るバッハ。

有名な第2曲「アリア」など、聴いていて泣けてくるほど感動的だ。

シューリヒトのバッハ演奏といえば、名だたる名手たちをシューリヒトの掌の上で自由に遊ばせたブランデンブルク協奏曲全曲録音が有名だが、この2つの組曲はシューリヒトのバッハ感が簡潔にして直截な形で現れた名演。


Youtubeは組曲第2番、ベルリンフィルノメンバー

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2015年7月14日 (火)

クラウス・ポーラースのフルート

今までの気温の低さを取り戻すかのような猛烈な暑さの1日。
風はあるが日中はほとんど熱風状態。

39度を超える地方もあり、極端から極端へ変わる最近の天気。

今日はご近所で不幸が有り、定時で帰宅後通夜に参列。
故人は家の近くのお年寄りで幼い頃からの顔見知りだった人。
明るくて活発なおばさんだった。

「若きモーツァルトの旅」LP5枚組の最終はパリ。

パリでモーツァルトは、毒キノコに当たって若くして死んでしまったヨハン・ショーベルトや、たくさんのオペラを作曲したニコロ・ヴィント・ピッチーニの影響を受けている。
時にモーツァルトは22才。

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・シンフォニア ニ長調    :ピッチーニ

・フルートとハープのための協奏曲  :W.A.モーツァルト

・舞踏音楽「レ・プティ・リアン」   :W.A.モーツァルト

ハンス・コッペンブルク指揮
フランクフルト室内管弦楽団

fl)クラウス・ポーラース

Hp)ヘルガ・シュトルク

最後の一枚はピッチーニのシンフォニアから始まっている。
ピッチーニのシンフォニアは珍しいのではないかと思う。

モーツァルトの作品は「フルートとハープのための協奏曲」とパントマイムのための舞踏音楽「レ・プティ・リアン」を収録。

フルートはクラウス・ポーラース、ハープはイルガ・シュトルク。
両曲ともおなじみの名曲だが、この「フルートとハープのための協奏曲」の演奏が非常な名演だ。

中でも天真爛漫なモーツァルトの世界に自由に遊ぶフルートのポーラースが実に見事。

ハープのシュトルクの演奏は比較的見かけるものの、フルートのポーラースはなじみがなかった。

解説にはヘッセン放送響の首席と書いてある。

数えきれないほどの名盤が頭に浮かぶ名曲中の名曲「フルートとハープのための協奏曲」だが、このポーラースのフルートは今まで自分が聴いた中でもトップクラスの名演だと思う。



Youtubeは「フルートとハープのための協奏曲」、パトリック・ガロワのフルート、マリナーの指揮

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2015年7月13日 (月)

若きモーツァルトの旅

夏らしい暑い日がこの土日から続き蝉の声も聞こえ始めてきた。
今週末は台風の影響が出そうな予報。

今日午前3時頃大分県南部で大きな地震。

ここには大学の同級にして同業のT君が住んでいる。

ネットの地震速報を見ると震源地の×印はちょうど彼が住んでいるあたり。
震度5強はかなりの揺れだ。

心配していたら本人から、幸いにして被害はなかったとのこと。
まずは良かった。



この土日から、若き日のモーツァルトの作品を集めた「若きモーツァルトの旅」というレコードを聴いている。CBSソニーが出していたLP5枚組。


海老沢敏氏その他モーツァルトの権威たちによる詳細な冊子体解説付き。

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モーツァルトがロンドン、ハーグ、ミラノ、ボローニャ、ローマ、ミラノからパリに至る旅先で影響を受けた作曲家たちの作品と、モーツァルトが影響を受けて作曲した作品を収録している好企画。

演奏はハンス・コッペンブルク指揮のフランクフルト室内管と合唱団、ソプラノはヘレン・ドナート、ピアノはカール・エンゲルが弾いている。

オケと合唱団は指揮者が組織した団体。



ここではヨハン・クリスチャン・バッハやサンマルティーニ、ピッチーニらの珍しいシンフォニアに続いて、幼きモーツァルトの交響曲や初期のピアノ協奏曲、アリアなどが聴くことができる。

オケは地味ながら堅実、どの曲も均一の水準で仕上げていて、曲を知るには不足のない出来。ドナートの歌は非常にうまい。

エンゲルのモーツァルトは、テルデックにコンチェルトとピアノソナタ全集その他というまとまった量の録音もあり、こちらは別録音。

大部分はなじみのない曲だが、演奏会アリアは名曲揃い。



なかでもボローニャのアカデミーフィラルモニカの入会試験の課題曲だったというK86「まず神の御国を求めよ」に大きな感銘を受けた。


これは指定されたグレゴリオ聖歌の旋律を低域に使用し宗教曲を作曲するという課題の解答作品で、ふつうの音楽家だと3時間でも不足だという課題を、モーツァルトは1時間足らずで書き上げ周囲を驚嘆させたという作品。


この時モーツァルトは14才だった。


5枚目の「パリ」の1枚には「フルートとハープのための協奏曲」、付随音楽「レ・プティリアン」を収録。

ここでようやくおなじみの作品にたどりつく。


ブラ1をメイン曲にした第31回定演はとっくに終わってしまいましたが、沼響のHPの聴き比べコラムに「ブラームスの1番を聴く」の新連載を始めました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/bra1.cgi 

今回は非常に出遅れたのでスルーしようと思ったのですが、ブラームスの交響曲では既に残りの3曲の聴き比べを始めているので、1番も含めて4曲コンプリートを目指します。

Youtubeは「まず神の御国を求めよ」KV.86.モーツァルト14歳の作品 

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2015年7月11日 (土)

ストコフスキーのプロコフィエフ

良く晴れた土曜日。
雨ばかりだったので、晴れた日が貴重で暑さもあまり気にならない。

朝、愛犬ポコと自宅裏の沼津アルプス徳倉山口から登り始めたものの、途中で座り込んで突然動かなくなってしまった。

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何かにおびえているようなのでやむなく下山。

Sdsc03899 ポコは途中で見かけたベリーの実が気になる様子。

午後に仕事が有り帰宅は夕刻。


オケでプロコフィエフの「ピーターと狼」を練習している。





今まで意識していなかったのだが、この物語の台本はプロコフィエフ自身が書いている。

プロコフィエフが書いた優れた短編集の存在を今や知っているので、プロコフィエフが小説家としてもやっていけるほどの文才があったことをあらためて確認。


今日はそんなことを考えながらプロコフィエフの音楽を聴いていた。


演奏はストコフスキー指揮のニューヨークスタジアム響による二つの演奏。


1枚はエヴェレスト原盤の日本コロンビアのLP。

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・組曲「ピーターと狼」:プロコフィエフ

・交響詩「ティルオイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」:R.シュトラウス**

・舞踏への勧誘  :ウェーバー~ベルリオーズ編*


レオポルド・ストコフスキー、ラウル・ポリアキン*指揮
ニューヨークスタジアム交響楽団

ナレーター:キャプテン・カンガルー(ボブ・キーシャン)

1959年、1958年**録音


オケはニューヨークフィルの契約上の変名で、ストコフスキーはこの時期に米エヴェレストレーベルに何枚かの録音を残している。

ポリアキンは当時のエヴェレストレーベルの録音ディレクターだった人らしい。
ポピュラー規格の軽い音楽の録音をたくさん残している。

ナレーターのキャプテン・カンガルーはアメリカCBSテレビの子供番組名で、いつしか出演者のボブ・キーシャン(Bob Keeshan)がそのまま番組名で呼ばれるようになったもの。


ストコフスキーの「ピーターと狼」はストコフスキーらしい改変は終曲を除けばあまりなくて、極めて正統派の演奏。
オケのソロも非常にうまい。

だが、ナレーターはかなりわかりやすい英語だが、いささかオーバーで演奏の価値を損ねているように思う。


ストコフスキーのプロコフィエフでもう一枚。

米エヴェレストの外盤LPでこれがオリジナル.
35ミリマグネティック録音。

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・歌曲「みにくいアヒルの子」:プロコフィエフ

・「子供の領分」から    :ドビュッシー~カプレ編

・組曲「シンデレラ」   :プロコフィエフ


レオポルド・ストコフスキー指揮
ニューヨークスタジアム交響楽団
メゾソプラノ:レジナ・リザネック

1959年録音

「みにくいアヒル」のオケ版の録音は非常に珍しく、ジャケットには世界初録音と書いてある。

ピアノ伴奏版はリヒテル夫妻の古い録音が露メロディアから出ていた。


ドビュッシーも含めてストコフスキーの手がかなり入っているようだ。
「シンデレラ」はストコフスキー独自の選曲による組曲版。


Youtubeはユジャ・ワンの弾くプロコフィエフ、トッカータ

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2015年7月10日 (金)

本日の練習、プロコフィエフ短編集

7月に入って初めての晴れ。夏らしい青い空を見るのは久しぶりだ。

水曜の朝、娘の悲鳴で目が覚めた。

飛び起きて娘の指差す方を見てみると、クモの子供が孵っていて大変なことになっていた。ものすごい数の小さなクモの子が、部屋の中に干していた洗濯物に張り付いて蠢いている。

今まで屋外で同じようなものを見たことがあるが、部屋の中では初めて。
近づくと一斉にパァーと散って行く。

まさに蜘蛛の子を散らすとはこのことだ。

急いで掃除機を出して手当たり次第吸い込んでみたが、とても吸いきれない。

出勤の時間が近づきやむなくそのまま放置。

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そして夕方帰宅してみると、天井に数十匹のクモが張り付いていた。

その中の10数匹は糸を尻から吐いてスダレのごとく垂れ下がっている。

しばし呆然と立ちすくむ私。

手近にあった殺虫剤アースジェットを必殺の思いを込めて天井に向けて放ったが、なんと効かない!

さらに多くのクモが垂れ下がって来るではないか!!

再び掃除機を出して天井を逃げ惑うコグモを一網打尽に吸い込む。

そんなことをしているうちに家内と娘が帰ってきた。

しばらくクモとの格闘が続きそうだ。



そして昨晩はオケの練習日。


雨がポツリポツリと降る中、会場の沼津市民文化センターへ向かう。

場所は地下のリハーサル室。あい変らずの狭さだ。

曲は11月の明電舎ファミリーコンサートで演奏する「ピーターと狼」。

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今回は長らく不在だったコントラバスが2名参加なので、響きが充実して練習しても楽しい。

とはいえホルンは曲の前半ほとんど休み。ロクに吹かないうちに休憩に入ってしまった。

出番のない時間にプロコフィエフが書いた小説のことを漠然と考えていた。
http://www.gunzosha.com/books/ISBN4-903619-16-3.html 

2003年のプロコフィエフ没後50年の年にモスクワで出版され、初めて存在が明るみに出たもので、多くはロシア革命の混乱から逃れるために日本経由でアメリカに渡る前後に書かれている。

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   いずれも読みやすい大人の童話のような短編ばかり。

プロコフィエフの音楽そのものの、モダーンでシュールなストーリー展開で楽しめるもの。



日本語版には「日本滞在日記」も併録。


アメリカへの船便に乗り遅れて、思いがけない日本長期滞在となってしまったプロコフィエフの京都での茶屋遊び、銀座ライオンでの食事、金欠となりリサイタルを開いたものの、客が思いのほか入らなかった。


大阪では床屋の耳掃除を知り、「我が国の耳の遠い音楽家連中を、こちらに送ってはいかがなものか」などなど、これがめっぽう面白い。

Youtubeは「モンタギュー家とキャピレット家」

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2015年7月 8日 (水)

バーンスタイン、レニングラードライヴ

今朝の出勤時にミンミンゼミの成虫が玄関の地面に落ちていた。
そういえば7月も半ばになろうとするのに今年は蝉の声が聞こえない。


梅雨が長引き気温も低いからだろうか。

蝉を近くの梅ノ木の枝にそっと戻してあげたが、すぐに落ちてしまった。

落ちてもがく蝉の姿が異常気象を招いた人間への抗議の姿に見える。

今日も午後から強い雨。



1959年のバーンスタインのレニングラードライヴから、ブラームスの交響曲第1番を聴いた。

スウェーデン製のレーベル不明のCD.

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・「エグモント」序曲作品84  :ベートーヴェン


・交響曲第1番ハ短調 作品68 :ブラームス


・ラ・ヴァルス        :ラヴェル

レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨークフィルハーモニック

1959年8月28日、
レニングラード、フィルハーモニック大ホール(ベートーヴェン、ブラームス)、
1959年8月24日、モスクワ音楽院大ホール(ラヴェル)、ライヴ・モノラル録音

東欧、ソビエト楽旅の記録。

当初、指揮者のフリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団が行く予定だったのが、ライナーが健康の不安を理由にキャンセル。

前年ニューヨークフィルハーモニックの首席指揮者となって人気急上昇中のバーンスタインとニューヨークフィルが代役となったもの。


004_b この時の最終公演のモスクワでショスタコーヴィチの交響曲第5番を演奏した時の作曲者と一緒に写った写真は非常に有名だ。

東西冷戦下でのライヴ。

バーンスタインの記者会見でのソビエトの体制批判のため、冷戦緩和とはならなかったが、
演奏は今まで聴いたどのブラ1よりもエキサイティング。



フィナーレ終盤など、指揮者もオケも興奮のあまり完全に造形が崩れていて、ほとんど曲の形になっていないほど。


最後の音の長大な引き伸ばしもすさまじい。




近々、沼響のHPの聴き比べコラムに「ブラームスの1番を聴く」をアップする予定です。



Youtubeはバーンスタイン&ウィーンフィルの「ハイドンの主題による変奏曲」

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2015年7月 7日 (火)

ホグウッドのコンチェルタンテ

今日は七夕、梅雨前線は未だ停滞今日も午後から雨。
太平洋はるか沖には台風も発生。

今週は細かな会議、打ち合わせその他でスケジュールは埋まっているものの忙中閑有り、精神的には余裕のある週。
だがこのような時に突発的な事件は起こるもの。

今日はホグウッド指揮バーゼル室内管による「コンチェルタンテ」と題したモーツァルト、ハイドン、マルティヌーの作品を集めたCDを聴いていた。

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01グランデ・セステット・コンチェルタンテ (大協奏六重奏曲)
   (協奏交響曲変ホ長調K.364による) (モーツァルト/編曲者不詳)

02協奏交響曲変ロ長調Hob.1-105
   ~ヴァイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴットのための (ハイドン)

03協奏交響曲変ロ長調H.322
   ~ヴァイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴットのための (マルティヌー)

クリストファー・ホグウッド指揮
バーゼル室内管弦楽団

独ArteNovaの外盤CDで2006年録音。

ホグウッド指揮バーゼル室内管の一連の録音シリーズの六枚目。

このシリーズは「アパラチアの春」(13楽器による初演版)や、スイスの指揮者ザッヒャーがバーゼルで初演したオネゲル、ストラヴィンスキー、マルティヌーの作品を集めたものなど、ちょいと凝った内容のものが多い。

ホグウッドでは別のオケで管楽器入りの別稿によるホルストの「セントポール組曲」や、オリジナル編成の「アルルの女」の音楽などの録音もあって、私にとってのホグウッドは、モーツァルトやベートーヴェンなどの古典派のピリオド系指揮者というよりも、19~20世紀初めにかけての作品の、オリジナル指向の指揮者といった印象。

Img_8 このCDの中ではモーツァルトの編曲者不詳のコンチェルタンテ六重奏版が珍しい。

このアレンジが非常に巧みでオリジナルと比べても遜色ないほど。

どの曲も、カチリとした石英のようなヴィヴラート少なめの透明な響きと、ホグウッドの虚飾を排した整然たる音楽運びが、作品の真の姿を浮き彫りにしている見事な演奏だ。




マルティヌーの作品は同じ編成のハイドンの作品へのオマージュ。
同じ編成ながら楽器の使用法の違いから、ハイドンとは全く異質な響きの曲になっているのが面白い。

この作品は、パウル・ザッヒャー指揮バーゼル室内管(この録音の団体とは別団体)によって初演されている。

Youtubeはホグウッド指揮のストラヴィンスキー「プルチネルラ」

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2015年7月 6日 (月)

ブルッフのヴァイオリン協奏曲第2番

今日も雨、7月に入ってから毎日雨。
そろそろ農作物にも影響が出てきそうだ。


愛犬ポコももの憂げな毎日。

今日通勤のルートを変えてみたら渋滞に嵌り大失敗。

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帰宅後はブルッフのヴァイオリン協奏曲を聴いていた。

有名な第1番ではなく第2番。

・スコットランド幻想曲 作品46

・ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 作品44

 イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)

 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 ヘスス・ロペス=コボス(指揮)

手持ちはEMI原盤の国内盤LP.1976年録音。

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第2番は第1番の陰に隠れて太陽の下での月の如く目立たない。

第2番はそれでもハイフェッツやパールマンの演奏があるもの、もうひとつの第3番はもっと地味な存在だ。

第1番は名作であるものの、第1,2楽章の充実ぶりに比べて自分には第3楽章がどうしても好きになれない。


全体のバランスも含めて第2番の方が第1番よりも力作だと思うのだが。



第2番第一楽章は荘重なアダージョで始まる。

第1番の様な親しみやすいメロディは聴かれないものの、ドラマティックでがっしりとした音楽が展開していく作品。


パールマンのヴァイオリンは、艶のある美音を豊麗に鳴らしながらも曲の内面に切り込んでいく見事なものく。


ヘスス=コボスの指揮はソロに付かず離れずの手練れの伴奏。


パールマンにはこの10年後にメータの伴奏で再録音している。


Youtubeはブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、諏訪内晶子のヴァイオリン

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2015年7月 5日 (日)

アンセルメのバルトーク

この土日も雨模様。気温は下がり半袖では肌寒いほど。

土日はいろいろあって出勤。

今日は1時過ぎにオフィスを後にしメガネ屋でレンズを交換。
視力を測定したところ近視の部分の度を落とした方が良いという。

今年2度目のツバメのヒナが孵った。今回は3羽。
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順調に育っている様子。

帰宅後はアンセルメのバルトークを聴いていた。

英DECCAへのアンセルメのバルトーク録音を集大成した外盤CD2枚組。

1953年から1964年までの録音。ピアノ協奏曲のみモノラル。

・管弦楽のための協奏曲 Sz.116

・舞踏組曲 Sz.77

・2つの肖像 Op.5, Sz. 37

・ルーマニア民族舞曲 Sz.68

・弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106

・ピアノ協奏曲第3番 Sz.119, BB127

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オケはスイスロマンド管、ピアノはジュリアス・カッチェンが弾いている。

このうちオケコンのみは英ロンドンのステレオトレジャリーシリーズのLPを所有済。

LPを見つけた時に、アンセルメのバルトークは珍しいなと思った記憶があるものの、これだけまとまった録音を残していたのは意外だった。
アンセルメにとってはバルトークは同時代人、どうやら親交があったらしい。

面白いのは、オケコンは通常の出版譜を使用していないようなのだ。
いくつか聞きなれない音が出てくる箇所があり、第2楽章のトランペットの改変など他の録音では聞かれないもの。

バルトークの指示なんだろうか?

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アンセルメの多くの録音の中でバルトークは、ドビュッシーやラヴェル、ストラヴィンスキーらの録音ほどには評判にならなかったのは、難曲揃いのバルトークにスイスロマンド管では役不足であったということだろうか。

今の耳ではオケの性能はかなり聴き劣りがする。

オケコンなどは鄙びた音が、味わいがあると言えないこともないが、録音の悪さもあり(1956年ステレオ録音)オケの鳴りが悪く、難所ではテンポを落として切り抜けているようにも聞こえる。


その点ルーマニア民族舞曲は安心して聴ける。


Youtubeはオケコンフィナーレ、ジンマン指揮ベルリンフィル

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2015年7月 3日 (金)

デュカスのピアノ曲全集

今日も雨、一時風雨も激しく大雨洪水警報発令。
今年の梅雨は長い。

母の病院での精密検査が入り一日休みをいただいた。
ちょうど病院へ連れて行くときが雨のピーク。

検査は予想外に早く終わり、ちょうど昼時だったので沼津港の「魚がし鮨」で一緒に昼食。

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平日でこんな天気にもかかわらず、店内はそれなりの人の入り。

おまかせ10貫昼のランチ、1,280円

帰宅後はデュカスのピアノ曲全集を聴いていた。

エラート原盤のワーナー発売のCD.1987年録音

01ピアノソナタ変ホ短調  (サン=サーンスに献呈)
02ラモーの主題による変奏曲と間奏曲および終曲
03ハイドンの名による悲歌的前奏曲
04牧神のはるかな嘆き(ドビュッシーへのトンボー (追悼) のための小品)

ジャン・ユボー(p)

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全集とはいえ、デュカスは晩年に作品の大部分を破棄してしまったので、ピアノ曲で残されているのはこの4曲で全部。

その4曲とも過去の作曲たちへのオマージュとなっているのが興味深い。

中でも4つの楽章に50分近くの演奏時間を要するピアノソナタは、ドイツ的な堅牢さを感じさせ、ベートーヴェン後期のピアノソナタを思わせるほどの傑作だ。
フランクの影響も大きいようだ。

ピアノはフォーレなどで定評のあるジャン・ユボーによる演奏。

ユボーはデュカスの弟子でこの録音時70歳。
作品に正面から向き合い、しっかりした技巧で曲の本質を洗い出していく。

この大曲の演奏者としてユボーほどの適任者はいないだろう。

Youtubeはデユカスの「ヴィラネル」、バボラークのホルン

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2015年7月 2日 (木)

本日の練習、定期総会

梅雨は未だ開けず今日も朝から雨。

夜はオケの練習。
仕事が長引き会場の沼津市民文化センターへ着いたのは8時近く。

後半は年に一度の総会の日だったので、楽器を出さずにそのまま練習を見学。

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曲は「くるみ割り人形」。


その後の総会は会計報告、事業報告、役員の改選エトセトラ。

沼響は運営委員長、事務局長、インスペクターの3人がオーケストラ活動の3本柱。

沼響創設から30年、この体制になってからは20年近く。

今までこの3人に人材を得ていたので順調な運営ができていたのだが、皆年齢が上がってきて50代の声を聞くようになると、それぞれの本業が多忙になってきた。

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この3人が有能であっただけに、自然と他の団員が運営面へのかかわりが少なくなってしまい、役員に団の運営業務が集中するという悪循環に陥り始めている。

アマチュア団体名なだけに個人の心意気に頼るのが辛いところ。

組織の若返りが必要なところだが、地方のアマオケの宿命で慢性的な団員難。
新しい若手メンバーがなかなか入って来ない。

仕事をできるだけ他の団員に振り分けたいものだ。

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2015年7月 1日 (水)

ショルティ、ベルリンフィルへの初録音

今日は朝から雨。午後に外で重要な会議があったことをうっかり失念。

慌てて建物から出ると外はいきなりの暴風雨。
傘はおちょこになり文字通り頭から冷水を浴びた状態に・・・

ハードな先週を乗り切って緊張が緩んだ結果の失敗。

反省・・・・・

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今日は、先週オケの初見大会で演奏した歌劇「ルスランとリュドミュラ」序曲と歌劇「イーゴリ公」序曲。 この2曲を収録しているショルティ指揮ベルリンフィルの演奏で聴いた。

英DECCA録音の国内盤LP.

01交響詩「はげ山の一夜」 :ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)
02歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 :グリンカ

03歌劇「ホヴァンシチナ」~ 第1幕への前奏曲同~ペルシャの奴隷の踊り
                   :ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)

04歌劇「イーゴリ公」~序曲:ボロディン(グラズノフ編)
  1959年6月録音。

ショルティがベルリンフィルを振った初録音。

以後死の前年のR.シュトラウスのライヴ録音まで、ショルティのベルリンフィルとの正規録音はないようだ。


不思議なのは、1958年から1960年までのベルリンフィルの録音は、グラモフォンのカラヤン、ベームの一連の録音が主なもので、他にHMVへのクリュイタンスのベートーヴェンやケンペの「新世界など」があったくらい。
テレフンケンへのカイルベルトの録音もあるものの、 DECCAへの録音はこれ1枚のみしかない。

この頃はショルティがウィーンフィルとの歴史的なリングの全曲録音に取り組んでいた頃で、このベルリンフィルとの演奏は、なぜかしばらくお蔵入りしていて録音後かなり経ってから発売されたようだ。


演奏は ベルリンフィルの黒光りする鋼鉄のような響きをことさら強調しつつ、オケを強引にドライヴした過激なもの。


ショルティ独特のエルボーを効かせた指揮姿が目に浮かぶ。

デリカシーの感じられないピアニシモ欠如型の強烈な演奏だが、ロシア音楽のひとつの生き方としてはこれでよいだろう。


Youtubeはこのベルリンフィルの録音と同時期のショルティのリングの録音風景。「ジークフリートの葬送行進曲」。レコードジャケットと同じ服だ。

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