バーンスタイン、レニングラードライヴ
今朝の出勤時にミンミンゼミの成虫が玄関の地面に落ちていた。
そういえば7月も半ばになろうとするのに今年は蝉の声が聞こえない。
梅雨が長引き気温も低いからだろうか。
蝉を近くの梅ノ木の枝にそっと戻してあげたが、すぐに落ちてしまった。
落ちてもがく蝉の姿が異常気象を招いた人間への抗議の姿に見える。
今日も午後から強い雨。
1959年のバーンスタインのレニングラードライヴから、ブラームスの交響曲第1番を聴いた。
スウェーデン製のレーベル不明のCD.
・「エグモント」序曲作品84 :ベートーヴェン
・交響曲第1番ハ短調 作品68 :ブラームス
・ラ・ヴァルス :ラヴェル
レナード・バーンスタイン指揮
ニューヨークフィルハーモニック
1959年8月28日、
レニングラード、フィルハーモニック大ホール(ベートーヴェン、ブラームス)、
1959年8月24日、モスクワ音楽院大ホール(ラヴェル)、ライヴ・モノラル録音
東欧、ソビエト楽旅の記録。
当初、指揮者のフリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団が行く予定だったのが、ライナーが健康の不安を理由にキャンセル。
前年ニューヨークフィルハーモニックの首席指揮者となって人気急上昇中のバーンスタインとニューヨークフィルが代役となったもの。
この時の最終公演のモスクワでショスタコーヴィチの交響曲第5番を演奏した時の作曲者と一緒に写った写真は非常に有名だ。
東西冷戦下でのライヴ。
バーンスタインの記者会見でのソビエトの体制批判のため、冷戦緩和とはならなかったが、演奏は今まで聴いたどのブラ1よりもエキサイティング。
フィナーレ終盤など、指揮者もオケも興奮のあまり完全に造形が崩れていて、ほとんど曲の形になっていないほど。
最後の音の長大な引き伸ばしもすさまじい。
近々、沼響のHPの聴き比べコラムに「ブラームスの1番を聴く」をアップする予定です。
Youtubeはバーンスタイン&ウィーンフィルの「ハイドンの主題による変奏曲」
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- ロベルト・ベンツィの三角帽子(2022.07.04)
- ホルダの三角帽子(2022.07.02)
- フランダース・リコーダーカルテットの「Armonia di Flauti」(2022.06.30)
- クリュイタンスのエロイカ(2022.06.28)
- エルネスト・ブール、Hansslerのラヴェル(2022.06.25)
コメント
「~を聴く」シリーズもいつも楽しみにしています(^^)vYouTube動画を見てライナーのレッスンを受けにいったバーンスタインが最初に初見でピアノで弾かされたのが、ハイドン変奏曲だったというエピソードを思い出しました。このバーンスタイン=NYPのライヴのかなりあとのソ連でのカラヤン=ベルリン・フィルの(ブランデンブルグ協奏曲1番とショスタコーヴィチ10番)のライヴのCDは持ってますが音質はかなり聴きづらいものでした……(笑)バーンスタイン盤の音質はどうだったでしょうか?
投稿: mymightycat | 2015年7月11日 (土) 00時41分
mymightycatさん、コメントありがとうございます。
拙コラムも読んでいただきまして恐縮です。
カラヤンのモスクワライヴは露メロディアのLPを所有しています。
CDの音は聴いていませんが、カラヤンの方はレンジが狭いとはいえステレオ録音で、この頃のソ連録音としては、この程度ではないかと思います。
一方のバーンスタインのブラ1ライヴはモノラルということもあり、カラヤンモスクワライヴと比べると音質は劣ります。
ただ妙な生々しさがあって、各パートは明確に聴き取れるので、私にはこのくらいは許容範囲内です。
投稿: 山本晴望 | 2015年7月12日 (日) 09時11分
山本さん、いつも楽しみにしています。
ところで、バーンスタインのソ連ツアーですが、アメリカのオケでは二番目だと思います。56年にミュンシュとモントゥーに率いられたボストン交響楽団が最初でしょう。ライヴ録音も出ていました。このツアーは、連合国として戦った地域をめぐる大規模なものだったようで、プラハ、シャルトル、パリでの録音が出ております。
投稿: サンセバスチャン | 2015年7月13日 (月) 11時51分
サンセバスチャンさん、ご指摘ありがとうございます。
そういえば、モントゥー指揮ボストン響の「グレート」の1956年モスクワライヴのメロディアLPを所有していることを思い出しました。
投稿: 山本晴望 | 2015年7月13日 (月) 19時34分