ポコルナのラフマニノフ
台風15号九州上陸。その影響からかいつもより強めの朝の風。
湿度が低いので高原の夏を迎えているかのよう。
今日は10月初旬の気温。
午後から雲行きが怪しくなり雨。
ドイツ旅行中の娘から時差の関係で丑三つ時に写真が送られてくる。
ソーセージ、ポテトの揚げ物エトセトラ。
食べ物の写真ばかり。
体型が変わって帰ってくるのではなかろうか。
仕事は来年からの大きな変革に踏み込んだ重要な会議。
通勤の車中でペンデレツキの「ルカ受難曲」をかけていた。
A.ヴィット指揮のポーランドの演奏者たちによるNAXOSから出ているCD。
冒頭から強烈な不協和音の連続。
演奏が優れているのはわかったものの、週初めの朝の通勤車内の音楽としては脳への刺激が強すぎるので、別のものと変えることにした。
信号待ちの間にゴソゴソとボックスを探って見つけたのは、チェコの音楽家たちによるチャイコフスキーとラフマニノフ。
DENONが出していた家庭用名曲集の類の半端ものの1枚で、ブックオフで百円ちょっとで買ったもの。
ピンカスはドヴォルジャークの伝説曲の良い演奏を残している。
ブルノフィルは20年近く前に沼津にやってきた。
当時の常任指揮者ヴロンスキーの指揮だったと思う。
プログラムが何だった全く覚えていない。
アンコールのドヴォルジャークのスラヴ舞曲が実に楽しい快演で、ニコニコしながら大太鼓を叩いていたおじさんの印象だけが残っている。
この録音のピアニストについてはよくわからない。女流のようだ。
チェコスプラフォンの原盤で70年代に日本コロンビアの廉価盤LPで出ていたものと同じだと思う。
カップリングは同じブルノフィルの演奏でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。 こちらはミルカ・ポコルナのピアノ、ワルトハンスの指揮。
チャイコフスキーでは、冒頭のホルンの鄙びた音がペンデレツキの鮮烈なオケの響きと大きな落差。
続くピアノもひたすら堅実でローカルな鄙の趣だ。
そのまま同じくチェコの女流のポコルナのピアノでラフマニノフを聴いてみた。

ラフマニノフはこの5月に沼響で海瀬京子さんのピアノで演奏したばかり。
未だにこの時の興奮冷めやらず、未だに第2番は別の演奏では受け付けなくなっている。
ところがポコルナの演奏。
これが驚きの演奏だった。
通常クレシェンドしていく冒頭のピアノが一度クレシェンドしたあとにだんだんと小さく小さくなっていき突然オケの序奏が入る。
途中で聴いたことのない音が入ったり、テンポは突然揺れ動いたりと、意表を突く個所の連続。
第二楽章に大きなカットが有り、第三楽章などもピアノパートに手を加えているように聞こえる。
名演とは言い難いものの、これほど個性的な演奏は聴いたことがない。
オケもチャイコフスキーと同じオケとは思えぬほど雄弁。
ヴィヴラートをたっぷりかけたホルンソロもゴキゲンだ。
これは家でじっくりスコアを見ながら聴いてみよう。
ポコルナのラフマニノフでは第3番の録音もあるようだ。
Youtubeはそのポコルナのラフマニノフ
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