シューリヒトのブルックナー、「ロマンティック」
夕べからの雨は朝には上がり夏の日差しが戻ってきた。
帰宅時には再び雨。
新たな改革についての組織トップの了解も得て、今年後半は大きな節目となりそうな予感。
娘は今日からパリ。
比較的涼しいようだ。
しばらくご無沙汰していたブルックナーが聴きたくなった。
聴いたのは交響曲第4番「ロマンティック」。
「ロマンティック」は、チェリビダッケのお弟子さんの斎藤純一郎先生の指揮で演奏した。
単純な音のパーツが積み重なって巨大な宇宙に成長していくブルックナーの音楽はなかなか録音には入りきれない。
今日はシューリヒトの演奏でArchphonから出ていたCDで1955年ライヴ。
オケはシュトゥットガルト放送響というもの。
シューリヒトやホーレンシュタイン、チェリビダッケといった、今まで日の当たらなかった巨匠のライヴが大量に出てきたのは、LP末期からCD勃興期にかけての80年代後半から90年代初めのこと。
その頃雨後の筍のように新興マイナーレ―ベルが勃興し、出所が怪しげなライヴがたくさん出てきた。
その多くは音の状態も怪しげだったが、やがて放送局の音源からの比較的良好な音のCDが出始めると自然と淘汰が進み、おかしなCDは駆逐されていった。
まとまった量のシューリヒトのCDを出していたArchphonは比較的良心的なレーベルだった。
今手元にはその頃大枚を叩いて買ったその類のCDがかなりある。
今ではHenslerやAndoromedaから出ているが音の状態はどうなんだろう。
シューリヒトは交響曲第4番のスタジオ録音は残さなかったので、何種かあるシューリヒトのこの曲の演奏の中では条件の良い方だろう。
枯れた響きに軽く飄々とした音楽運びの晩年のシューリヒト独特のブルックナー。
ベーム指揮ウィーンフィルの名盤の演奏時間を超える70分近くにもなる悠然たる演奏だが、冗長さを感じさせないのはシューリヒトの力だろう。
ひとつひとつの音が意味深く、心の奥を濃い滋養が満たしてくるような第2、4楽章が特に感動的だ。
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Youtubeはブロムシュテット指揮ドレスデンシュターツカペレの「ロマンティック」
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コメント
ロマンティック、大学1年の折、北大オケの定演がこれでしたよね。懐かしいなー。この作曲家を知らず、レコードを買って予習した後、会場へ行ったことを覚えています。以来、彼のファンになりました。
投稿: 武田晴美 | 2015年8月27日 (木) 06時43分
そうそう、あの時私は1年生でまだ楽器運びの裏方でした。
「エグモント」序曲にシベリウスの交響曲第7番、そして最後にブルックナーの「ロマンティック」というすごいプログラムでした。
その後実際に自分の属するオケで「ロマンティック」を演奏することが出来たのはおよそ20年後のことでした。
投稿: 山本晴望 | 2015年8月27日 (木) 23時22分