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2015年9月に作成された記事

2015年9月30日 (水)

山崎孝のバルトーク

晴れて爽やかな蒼い空。


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富士山も良く見えた。 そろそろ初冠雪だ。

今日は週末から始まる大きな会議の準備と来年度予算の精査など。


帰宅後はピアニスト山崎孝の弾くバルトーク、「ミクロコスモス」を聴いていた。

1981年録音のFONTECのLP2枚組

山崎孝はミクロコスモス全曲の日本初演者。

このLPも日本人として全曲初録音のはずだ。

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「ミクロコスモス」は、バルトークが愛息ペーターのピアノ学習のために書いた153曲のエチュード集。

バイエルやチェルニーなどの一般的な初心者用の教則本とは次元が異なり、いわば20世紀音楽入門のような芸術性の高い音楽。


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単純な曲からしだいにグレードが上昇。

第4巻以降になると、当初の息子のためにというよりは、自らの創作意欲に触発された音楽的に充実した作品と化していてそのままコンサートのプログラムに乗せられるような曲になっている。



山崎孝の演奏はシンプルな最初の曲から1音1音をゆるがせにしない強固なもの。


番号が進むにつれて、ミクロコスモス(小宇宙)からしだいに視野が広がるような巨大な宇宙が形成されていくのが圧巻だ。


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バルトーク夫人の愛はあるがユルイ演奏に比べ緊張感が持続しているのが良い。

Youtubeはバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番、キョン・ファ・チョンのヴァイオリン

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2015年9月29日 (火)

イェンナーのラフマニノフ

曇りのち晴れ。午後から気温も上昇。


昨晩テレビのチャンネルを回していたら、いきなり若き日の朝比奈隆が指揮するチャイコフスキーの「1812年」のモノクロ映像が飛び込んできた。


唖然として見ていると曲に大砲が使われていたことを問うクイズ。

実際に自衛隊が音楽に合わせて空砲をぶっ放している場面も出ていた。


民放にはNHKにはないこのような貴重映像が眠っているのだろう。


これはテレビ朝日の「Qさま」というクイズ番組。

葉加瀬太郎が進行役の民放系の番組では珍しい2時間枠のクラシック音楽特集の一場面だった。

スタジオに東京シティフィルも待機しなかなか本格的。



先日コンサートで聴いたばかりの辻井伸行を紹介するコーナーもあり、家内と娘で見入っていた。


ホームビデオ映像で2歳7か月の辻井伸行が、お母さんの歌に合わせて正確におもちゃのピアノを弾いている紹介する場面があり、これには驚いた。

先生が弾いた曲を一度聞いただけですらすらと弾いてしまう、子どもの頃のレッスンの様子も凄い。

天才は本当にいるのものだ・・・・

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そのうち指揮台にホルン奏者が立ち、モーツァルトのホルン協奏曲第1番の一節を吹き始めた。

「お!ホルンに関する問題かな?」と期待したら 「この楽器の名前は何ですか?」という内容。


ホルンを吹いている娘ともども、あまりの低レベルな質問にがっくり。Orz


ホルンの認知度なんてこんなものなのか・・・・



今日はウィーン生まれのピアニスト、アレクサンダー・イエンナーの演奏を聴いていた。


曲は昨晩の番組で辻井伸行がクライバーンコンクールの本選で弾いていたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。


ウェストミンスター原盤のキングから出ていた「世界の名曲シリーズ」国内廉価盤LP でカップリングはコンラート・ハンセンの弾くチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。


このシリーズ、発売当時は家庭向けのクラシック入門を意図した企画だったろうが、今にして思えばなかなかマニアックな内容になっている。


チャイコフスキーの伴奏は若き日のサヴァリッシュだ。

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・ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調  :チャイコフスキー

ピアノ:コンラート・ハンセン

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
RIAS交響楽団


・ピアノ協奏曲第2番        :ラフマニノフ

ピアノ・アレクサンダー・イエンナー

クルト・リヒター指揮
ウィーンフォルクスオパー管弦楽団


イェンナーは1929年ウィーン生まれ。
若い頃ジュネーヴ国際コンクール、ロン・ティボーなど著名な国際コンクールの多くに参加してほとんど上位入賞。


1957年のリオデジャネイロ国際コンクールでは、タマーシュ・ヴァーシャリ、ネルソン・フレイレ、モレイ・リマなど名だたる名手を抑えて優勝という輝かしい実績持ちながらレコーディングが少なく、あってもウエストミンスターやレミントンといったマイナー路線だったのが後の知名度の低さに影響していると言えなくもない。


現在は後進の指導に徹しているようで、ショパン、チャイコフスキーなど著名な国際コンクールの審査員も務めている。


たびたび来日して日本人の弟子も多いようだ。
家内の友人もウィーンで師事している。


このラフマニノフ、おそらく若いころの録音なのだろう。
速いテンポの技巧派の演奏だった。

録音が金属的な硬質な音でモノラル録音を電気的にステレオ化しているようにも聞こえる。

ピアノが時としてオケに埋没している。
このシリーズの常としての詰め込みすぎの弊害もありそうだ。


聞き手の落ち着きを減退させるほどの音の悪さでだいぶ損をしているが、強靭な打鍵と並はずれたテクニックはよくわかる。

バリバリとひたすら突き進んでいく爽快な演奏だ。

リヒターの伴奏は無難なものだが、イェンナーの速いテンポにはよく付けていた。

第3楽章の途中で止まるような不自然な個所があったが編集ミスだろう。

Youtubeはイェンナーの弾くスカルラッティ

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2015年9月28日 (月)

ザグレブゾリスデン

「一生は短い、一日は長い」・・・

藤本儀一氏の著書にこんなタイトルのエッセイがあった。
今週末はもう10月、つくづくこの言葉を実感する今日この頃。

今週からいよいよ今年後半の正念場。
今回は突っ込みどころが多く、いくら準備してもし足りないほど。

仕事帰りの空に巨大なスーパームーン



通勤の車中でザグレブソリステンによるビバルディ、コレルリ、アルビノーニの弦楽のための弦楽のための協奏曲を集めたCDを聴いていた。


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素性不明の廉価盤レーベル仏GMSから出ていたCD.



購入記録をみると1992年、ジャコテのチェンバロによるイギリス組曲や平均律曲集第1巻などと一緒に1,000円で購入している。



そのころのCDは高価だった。



レギュラー盤は1枚3,000円以上、DENONが出したアンチェルの「わが祖国」全曲などの廉価盤シリーズが2,000円だった時代にCD1枚1000円は画期的な安さだった。



このCDはレコード屋ではなく、その頃沼津市内にあったデパートの長崎屋のワゴンセールで買ったことを今でも覚えている。


その後まもなく長崎屋は撤退、丸井と西武も去り駅前はすっかり寂しくなった。


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現クロアチアの首都ザグレブには、ユーゴスラビアの時代に世界的に知られたザグレブフィルとザグレブソリステンという団体がある。



1871年創立のザグレブフィルは、マタチッチやホルヴァートが音楽監督を務め、内戦に揺れる困難な時代には大野和士が音楽監督となっていた。




ザグレブソリステンはヤニグロが率いていた時代に米ヴァンガードを中心にかなりの量の録音を残している。




このCDの録音はユーゴスラビアが崩壊する前の録音。



柔軟で自然なフレージングを、きっちり整ったアンサンブルと艶のある音で聴かせる非常に優れた演奏だ。



今のザグレブソリステンがこの頃の水準を保っているかどうかはわからない。

http://www.zg-solisti.hr/ 



Youtubeはヴィヴァルディのニ短調の協奏曲

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2015年9月27日 (日)

ボドのオネゲル「火刑台上のジャンヌ・ダルク」

中秋の名月の今日も曇天。

朝、静岡市へ行く家内を駅まで送りついでに千本海岸へ。
雨がポツリポツリ。

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防潮堤上にはいつもより多くのランニングの人々。
涼しくて絶好のランニング日和だ。


遠くに海上自衛隊の護衛艦のシルエットが見える。
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LCAC(ホバークラフト型揚陸艇)の姿もあり上陸訓練があるようだ。


隣の小父さんが、昨晩イノシシが降りてきて畑の芋がかなりやられたとのこと。 もう秋です。


音楽はオネゲルの大作、オラトリオ「火刑台上のジャンヌダルク」を聴いていた。

演奏はオネゲルのスペシャリスト、セルジュ・ボド指揮するチェコフィル。


ボドの交響曲全集を含む一連のスプラフォンへのオネゲル録音中の1枚。

手持ちは国内盤LP2枚組。

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劇的オラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」


語り:ジャンヌ・ダルク:Nelly Borgeaud

修道士ドミニク:Michel Favory 他

聖処女(ソプラノ):Christianne Chateau

マルグリート(ソプラノ):Anne-Marie Rodde  他


セルジュ・ボド指揮 
チェコフィルハーモニー管弦楽団
チェコ・フィルハーモニー合唱団
キューン少年合唱団

1974.10.14-20録音


ボドは今や齢90近くだが消息を聴かなくなって久しい。


ボドは、学生時代にFMで聴いたリヨン管とのラヴェルの管弦楽曲集の演奏が非常に良くて、貧乏で滅多に買えなかったレギュラー価格のレコードを迷うことなく買ったのも懐かしい思い出だ。

その仏アラベラ原盤の国内盤LPは今でも大切に持っている。

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まさに理想的な音色で鳴っていた「ダフニスとクロエ」の夜明けが忘れ難い。


1987年にN響へボドが来演することを知り、NHKホールまで聴きに行った。


その時のプログラムにあの「ダフニスとクロエ」もあったのだが、リヨン管独特の柔らかで品格のある響きが聴くことができず失望した記憶しか残っていない。


ボドの演奏では、FMで聴いた世界中の若者の演奏家たちで結成されたジュネスミュジカルオーケストラの「ローマの松」が圧倒的な演奏だった。

これはテレビでも放映されたと思う。


ひた押しに押してくる「アッピア街道の松」での音を割ったバストロンボーンも凄まじく、カセットに録音した当時のエアチェックテープは今でも家のどこかにあるはずだ。



この「火刑台のジャンヌ・ダルク」も劇的で壮大な演奏。


オンド・マルトノのヒョヨヨーンという音も良く撮れている。
終曲の感動的な盛り上がりも印象深い。

ACCディスク大賞、エディソン賞、文化庁芸術祭優秀賞を受賞した名盤だ。

Youtubeはオネゲルの「夏の牧歌」

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2015年9月26日 (土)

本日の練習、くるみ割り人形代奏

くもり、朝のうち雨。


ここ数日の気温は10月中旬並み。



裏山の奥から未だツクツクホウシの声。

気のせいか夏も過ぎて焦って鳴いているようにも聞こえてくる。

シルバーウィークのお余りのようなこの土日。



今日は図書館に行きビブリオバトルを観戦。

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これは中高校生たちが制限時間内で自分の勧める本を紹介するイベント。


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知っている本は1冊もなかったもののユニークな発想とバラエティに富んだトークで
楽しめた。



昨日はオケの練習だった。


木曜日が文化センターの休館日だったので変則的に金曜となった。


仕事を済ませ定期的に通っているクリニックに行きその後練習に参加。

病院が長引き練習は遅刻。


会場に着くとちょうど休憩に入るところで、後半は降り番の「くるみ割り人形」とのことで代奏として参加。


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指揮はトレーナーの永原先生。


わかりやすい説明の理論派の先生の練習でありながら、「雪の精のワルツ」の難しさが突出していて苦戦。


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沼響のHPの聴き比べコラム「巨人を聴く」にベルンハルト・クレーのライヴ録音の感想をアップしました。

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2015年9月24日 (木)

東府やリゾート「大正館芳泉」

曇り後夕方から雨。
連休明けの今日は会議もなく終日オフィスにこもりきり。



このシルバーウィークは天気にも恵まれ、遠出はしなかったが比較的充実のホリディだった。



昨日は帰省した下の娘が急に温泉に行きたいと言い出し天城湯ヶ島の奥にある
「いづみ園」に行っていた。

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連休最終日で朝も早かったので道路は空いていて自宅から40分で到着。


温泉は他に客もなく完全貸切状態。


施設はさほど大きくもなく2時間で700円は安くもないが、他に誰もいないので

ゆったり露天風呂に浸かりぼんやり空を眺めていた。


休憩室も我が家族のみ。

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すぐ下を流れる狩野川源流のせせらぎの音を聞きながら、しばし畳の上で気持ちよくごろ寝。





お昼頃に出て帰路の途中にある吉奈温泉「東府やリゾート」に寄ってみた。

お目当ては人気のベーカリー。



あの高倉健さんが定宿にしていたという老舗旅館東府屋は経営難となり破産。

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その後赤倉観光リゾートが引き継いで「東府やリゾート」として生まれ変わり、今や人気スポットとなっている。


行ってみると連休最終日ながら駐車場には県外ナンバーの車が多数。

第1駐車場がいっぱいで第2駐車場に止めて、以前に泊まったことがある東府屋の重厚な建物を通り過ぎ、比較的新しい石畳の道を歩くと昭和初期の高級車が目に入った。

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後ろの建物は大正期に明電舎の会長がVIPをもてなすために建てた「大正館芳泉」。



今は「東府やリゾート」の1施設としてカフェに生まれ変わっている。


玄関前で高級そうな建物を家族で見上げて眺めていたら、中からウエイターさんのような人が出てきた。

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誘われて中に入ると和洋折衷のモダーンな内装。



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内部はいくつかのカフェに分かれていて通されたのは「カフェ・アールデコ」。


入るとまさにアール・ヌーヴォ、アール・デコ調混在の豪華な雰囲気だった。


壁にはロートレックの有名なポスター「ムーラン・ルージュのラ・グーリュ」の複製が飾ってあり、アンティークな家具類と天井の照明器具はガレ調。



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洒落た階段の向こうにはシャンデリアと噴水が見える。




予想外の展開に家内と娘たちはキョロキョロとあたりを見回している。


幸いお客が誰もいなく写真を撮らせていただけた。

ランチメニューではカニクリームコロッケがうまかった。

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なんとなくリッチな気分になり「東府やベーカリー」へ向かうと多くの人がカフェテリアで食事中。


若いアベックが多く人気の米粉カレードーナッツは売り切れ。


買ったのはずしりと重いブドーパン。

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干しブドーがこんなにびっしり入ったブドーパンは初めて見た。


一同満足して帰宅。


ちょっと贅沢な食の連続のシルバーウィーク。



伊豆路の車中で22日に辻井伸行が弾いたモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を聴いていた。



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演奏は内田光子のピアノ、ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管によるフィリップスへの一連の協奏曲集中の1枚。


発売当時大変評判になった演奏で、ひとつひとつの音が美しいだけでなく深い意味を持ちながら響いているのが圧巻だ。


格調高きテイトの指揮も非常に良い。



Youtubeは内田光子の弾き振りのモーツァルト、ピアノ協奏曲第20番

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2015年9月22日 (火)

辻井伸行、井上道義「悲しみのモーツァルト」

シルバーウィーク4日目。
連休も後半となりなんとなく名残惜しいような寂しいような・・・

今日は父の命日なので、朝は墓参り。お寺までは徒歩5分の至近距離。


リビングの庭に尺取虫が動いていた。
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墓参りの時に服に付いてきたらしい。


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美しく無駄のない規則正しい動きにしばらく見とれていた。



午後はアンサンブル金沢の演奏会に家内と上の娘と行ってきた
場所は沼津市民文化センター大ホール。


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井上道義指揮、ピアノは辻井伸行の豪華な顔ぶれでチケットは完売。


久々のオケの公演しかも満席。
会場でご挨拶したセンターの所長さんも御機嫌だ。


客層は沼響の時と明らかに違う。


曲はオールモーツァルトプロ。


・交響曲第25番 ト短調

・ピアノ協奏曲第20番 ニ短調

・交響曲第40番 ト短調


ピアノ:辻井伸行

井上道義指揮
アンサンブル金沢


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オール短調で、コンサートのタイトルは「悲しみのモーツァルト」


18日のミューザ川崎を皮切りに大田原から大分、佐賀までの一連の公演の4日目。

アンサンブル金沢を聴いたのは10年以上前に三島で聴いた岩城宏之指揮のオールベートヴェンプロ以来2回目。


自分の興味は病癒えた井上道義のモーツァルト。


井上道義は若いころにザルツブルク・モーツァルテウム管を振ってまとまった数のモーツァルトの交響曲録音を残していて、 爽やかで自然な音楽造りの良い演奏だった。

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そして今日の演奏。


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オケの演奏は厳しくも引き締まった響き、ビブラート少な目にティンパニは小さめの古楽器風。


激しくもデモーニッシュな名演だった。


チェロとベースの内声を浮き上がらせて暗い闇を垣間見させる場面もあり、コンチェルトでのトランペットとティンパニの強烈なアクセントも見事に決まっていた。


曲の合間の井上道義のトークに独特のユーモアがあって会場も和んだ雰囲気だ。



そして辻井伸行のピアノ。


純粋無垢で美しい音はモーツァルトのニ短調にぴったり。

会場の聴衆も心打たれてアンコールのショパンでは曲が終わってもしばらくシーンとしていた。


アンコールはトルコ行進曲の編曲版とショパンのノクターン第2番。

海瀬京子さんの時のヴォロドス版といい、トルコ行進曲は今流行なんだろうか。


オケのアンコールは行進曲ニ長調。
ピアノのカデンツァはベートーヴェン作 40番はクラリネット版。

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2015年9月21日 (月)

カリッシミのオラトリオ「イェフタ」

シルバーウィーク3日目。
今日も天気が良く爽やかな秋の一日。

午前中は母方の祖父母の墓参り。

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母を連れて隣町の三島市へ。


墓所は古代の在庁官人の館があった小山の一角。

直ぐ下を駿豆線が通り雲がなければ富士山がよく見える場所だ。

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時々踊り子号も通る。


足の悪い母の手を引いて山道を登る。道の両脇にはヒガンバナ。


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今年はいつもよりも花が小さいようだ。


母の実家とわが家の祖は武田家の旧臣で、遠く戦国の世から交流が続き墓石には共通の先祖の名が刻まれている。

帰りに母の実家に寄って叔母と歓談。


帰宅後母が眼鏡をなくしたことに気がついて、再び墓地に探しに行ったりしていて貴重な休みの時間を浪費。Orz




音楽はイタリアの作曲家ジャコモ・カリッシミ(1605~1674)のオラトリオ「イェフタ」を聴いていた。



先日、巨大なモツレクの演奏を聴いたコッホ指揮の、ベルリン室内管にペーター・シュライヤーその他の旧東ドイツの音楽家たちによる演奏。


国内盤フィリップスのLP


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カリッシミの「イェフタ」は古典的オラトリオの形式の初期の作品。




勝利の凱旋の場から急転直下、悲劇に転換する劇的なストーリー展開、前半と後半の音楽の対比も見事な素晴らしい名曲だ。


コッホの指揮も厳しくも格調高き素晴らしい名演。

Youtubeはカリッシミの「イェフタ」

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2015年9月20日 (日)

カラヤンの幻想交響曲

連休二日目は行楽日和の快晴。

2年前くらい前までは、近くの国道には伊豆方面へ向かう関東ナンバーの車で混んでいたものだが、伊豆縦貫道が開通してからめっきり少なくなった。


娘たちは各々の連休を楽しみ家内は午前中仕事。




自分はこの連休中に家の駐車スペースの整備をしようと、DIYショップでセメントなんぞを買っていた。



昼過ぎに家内が帰ってきたので、沼津市内南部の戸田地区へ行くことにした。


お目当ては昨年オープンした道の駅「くるら戸田」


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自宅から戸田までは車でちょうど1時間。



道の駅に着くと駐車場は満車。それなりに盛況の様子。

以前のセクションではこの施設の建設に多少関係していた。


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建物に入ろうとしたら、いきなり仕事に関係した外部の委員さんご夫婦に遭遇。


簡単な挨拶をして建物内を見学。




外の足湯が適度な温度で実に気持ち良い。


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空腹となったので食事場所を探すことにした。



入ったのは「の一食堂」

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家内は初めてだが自分は仕事の関係で戸田に来たときに何度か入っている。


お店のご主人の息子さんらしき中学生くらいの男の子が注文を取りに来た。





頼んだのは自分はアジフライ定食、家内は深海魚中心の底引き定食。



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品数も多くネタも新鮮。


3時をまわったというのに客が絶えない人気の店。




食事を済ませ満足したところで再び「くるら戸田」に行き、施設内の天然温泉に入った。


源泉かけ流し。

施設も新しく、肌がすべすべとなる良い水質と適度な温度だ。


観光客と地元の方で適度な混み具合。


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温泉を出た後にコーヒー牛乳を飲み、戸田塩ジェラートをお土産に買って家路につく。




比較的充実した半日コースの旅。

手軽に楽しめる場所が豊富な沼津は実に良いところだと家内と話しながら家路へ。




帰宅後聴いたのはカラヤン指揮、
1964年録音の幻想交響曲。
オケはベルリンフィル。
独逸グラモフォンの外盤LP


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幻想交響曲は10年ほど前に沼響のHPの聴き比べコラムで取り上げている。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/fantasy.cgi



思えば幻想交響曲そのものを聴くのはこの時以来実に10年ぶり。

壮大でオケを鳴らしきった60年代のベルリンイエス・キリスト教会収録のカラヤンの演奏独特の音。


ここに聞かれるレガート多用の過度にロマンティックな解釈にもはや古い時代の音楽造りであることを痛感。





時代は着実に変わってきている。



最晩年のカラヤンは自分専用のスタジオに籠り、自分の姿の写った指揮映像の編集に忙殺されていた。

結局貴重な時間の多くを無駄に浪費してしまったのではないか・・・・・。


そんなことを思いながら聴いていた。

自分の指揮姿の映像を残すことに心血を注いだカラヤンだったが、時の経過が曲によっては、あのスタイルがもう古いものであることを証明してしまった皮肉。


Youtubeはマゼールの幻想交響曲

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2015年9月19日 (土)

ラヴェル、マ・メールロアのことなど

連休初日の土曜日は良く晴れた。


夏の名残りのツクツクホウシが山の奥で鳴いている。

道端にはヒガンバナ。


朝、上京する娘を駅まで送ったついでに千本海岸に寄ってみた。

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富士山が良く見えた。


家族連れで釣りをする人たち。


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遊漁船、泳いでる人もいる。

周りには赤トンボが舞っている。

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静かで平和な日本の風景。


この風景がいつまでも続いて欲しいもの。



ビデオに撮っていたNHKの音楽番組「らららクラシック」を見ていた。


観たのはラヴェルの「マ・メールロア」の特集。

ゲストはタレントのユージ


「美女と野獣」の加羽沢美濃による解説は、「美女」と「野獣」が離れたり、くっついたりの心理的な動きが、鍵盤上の手の動きが音楽に完全にシンクロしているというもの。


いつもながらのピアノを弾きながらの楽曲解説のわかりやすさと、初めてこの曲を聴いたというタレントのユージの鋭い反応に感心しながら見ていた。

紹介された演奏は連弾版。


今日はブーレーズ指揮ニューヨークフィルのバレー用オケ版で聴いた。
手持ちは国内版のLP.

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・「マ・メールロア」全曲


・ラ・ヴァルス

・古風なメヌエット


ピエール・ブーレーズ
ニューヨークフィルハーモニック

1974年録音

ブーレーズの「マ・メールロア」はロンドン響との実演を聴いた。

確か当日出演するはずのポリーニの体調が悪くて、急遽のプログラム変更だったように記憶している。

演奏は明晰そのもの。
優しげなファンタジーにも不足なしの名演だと思う。


終曲の「妖精の園」は何度聴いても感動的だ。



Youtubeはマ・メールロアから終曲「妖精の園」ドウダメルの指揮

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2015年9月18日 (金)

ディーリアスの「高い丘の歌」

午前3時に突然のサイレンと町内放送で起こされた。

タブレットのエリアメールも鳴っている。
チリ地震による津波注意報ということらしい。

遠いし、防潮堤もあるから大丈夫だろうと思いそのまま布団を被ったところ、屋根を叩く大粒の雨音が聞こえてくる。


遠くには雷。


また雨かぁ・・・とウトウトしはじめたら、雷がしだいに近くなり稲光と雷の音が盛大に聞こえてきた。

とても眠るどころではなくなってきた。

窓を開けようと思った瞬間、ピカ!ドシャーンという音と同時に家がグラグラと揺れた。
至近距離に落ちたらしい。

睡眠不如意のまま朝のニュースを見ると近くの集落には津波避難指示が出ていた。
大雨洪水警報も発令中。

出かけ間際には竜巻注意報まで加わっていた。まさに四役揃い踏み。


昨日は夕方から重要な会議が入り、オケの練習は結局休んでしまった。



11月の演奏会のポスターとチラシが出来上がったらしい。

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ファミリーコンサートらしく可愛らしい出来だ。


今日も終日会議。 懸案事項を抱えてモヤモヤしたまま明日から連休。



帰宅後はディーリアスの「高い丘の歌」を聴いていた。

英ユニコーンのCDで作曲家のG.フェンビー指揮ロイヤルフィル、合唱はアンブロジアンシンガーズによるもの。


6月にハードオフに大量放出されたイギリス音楽のCDコレクションの中の1枚。

カップリングは同じくディーリアスの「ソングズ」。
オーケストラ伴奏版の初録音だという。


指揮のフェンビーは、失明した晩年のディーリアスの面倒を見たディーリアスの愛弟子。

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・高い丘の歌  Song of High Hills

・夢見る夜

・楽園の島

・白い月

・ノルウェーの7つの歌  ほか

   エリック・フェンビー指揮
  ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団
  アンブロジアン・シンガーズ
  ソプラノ:フェリシティ・ロット
  メゾソプラノ:サラ・ウォーカー
   テノール:アンソニー・ロルフィー・ジョンソン

1983年録音  

UNICORN-KANCHANA    DKP(CD)9029

若い頃は、ディーリアスの音楽のどこが良いのかさっぱりわからなかった。


ところが最近になっていいなぁと自然に思えるようになってきた不思議。

この「高い丘の歌」も茫洋とした掴み所のない音楽でありながら、聞いていてすーと引き込まれるような不思議な魅力に満ちている。

弦楽器の繊細な響きに乗って無歌詞の合唱にトランペットソロが重なる部分など、うまいぁと素直に思う。


強奏の部分では、大きな広がりを持ったブルックナーの交響曲のアダージョ楽章を連想した。


フェンビーの指揮は師匠への尊敬と愛情の心が自然に移入されたもの。


Youtubeはディーリアスの「二つの水彩画」、合唱曲をフェンビーが編曲したもの

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2015年9月16日 (水)

ルモーテルの抒情組曲

天気は再び下り坂。夜から雨。
気温が下がり涼しさを超えて寒くなってきた。

午前の内部会議で重要な改革案の検討が2件、夕方から組織中枢の会議で別件の案件を審議。



今日もグリーグ。ベルギーの指揮者ヴァン・ルモーテルの録音。


曲はスイトナーとウェルドンで聴いたのと同じホルベルク組曲、抒情組曲、ノルウェー舞曲など。
米VOXのLPでオケはバンベルク響 手持ちはモノラルLPだがステレオ録音でNMLでも聴くことができる。


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・叙情組曲    作品54

・ノルウェー舞曲 作品35

・組曲「ホルベアの時代より」作品40

・抒情小曲集第8巻作品68から 「トロルハウゲンの婚礼の日」 

   エドゥアルド・ヴァン・ルモ-テル指揮
  バンベルク交響楽団    

    1956年録音     米VOX PL9840


ルモーテル(1926~1977)は、ウェルドンより20歳ほど若いベルギーの指揮者。

ほぼ同世代のブーレーズやプレートルよりも若く、今現役でもおかしくないが、51歳の誕生日の日に亡くなってしまってそのまま忘れられている。

独特の音色と明晰な解釈で、特にフランス系の音楽に良い録音を残していた。

見つけたら迷わず購入しているお気に入りの指揮者の一人。


ルモーテルは25歳の若さでベルギー国立響の首席指揮者となり、後にセントルイス響の音楽監督。


このセントルイス響時代(1958~1962)にオケと衝突し団員を大量解雇。
この時優秀な団員の何人かはセルに引き抜かれてクリーヴランド管に移っている。


結局契約更新されることはなくセントルイスを去り、モンテカルロ国立歌劇場管の音楽顧問となった後はフリーとなり、表舞台から徐々に消えてしまいそのうち亡くなってしまった。


何回か来日し解散前の日本フィルや大阪フィル、東京交響楽団を振っていて評判も良かったようだ。

死亡当時に記事が新聞に出て、それほど有名な指揮者だったかな?と意外に思った記憶が今でも鮮明。



セントルイス響の時代のプロコフィエフの「スキタイ組曲」と「3つのオレンジへの恋」組曲の録音などは、引き締まったリズムとルモーテル独特のメロウな音色がバランスよくマッチしていて非常に良い演奏だった。



セントルイス時代よりも前に、米VOXに比較的まとまった量の録音を残しているが、こちらは玉石混交の感は否めない。

このグリーグは、多少アンサンブルに粗さはあるけれども、いくぶん渋い響きのオケからロマンティックな響きを引き出している。


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ルモーテルのグリーグでは、同じ米VOXに二つの悲しき旋律、交響的舞曲の録音もあってCD化もされている。



決して多いとはいえないルモーテルの録音の中で、これだけまとまった数のグリーグの曲の録音が残っているのが意外だった。



Youtubeはグリーグのノクターン

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2015年9月15日 (火)

スウィトナーとウエルドンのグリーグ

今日も晴れた。吹く風はすっかり秋の風。
日もだいぶ短くなってきた。


来週は連休のため実働2日。 ということでそのしわ寄せが今週に来ている。

木曜夜のオケの練習参加は微妙なところ。


今月半ばから始まる長丁場の会議に向けての準備、資料集めのほか、来年へ向けての体制の見直しなど。



帰宅後はグリーグを2枚。


一枚はスイトナーのグリーグ。
手持ちは徳間音工から出ていた国内盤LP。

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「グリーグ:管弦楽曲集」

 ・組曲「十字軍の兵士シグール」


  ・叙情組曲 作品54~ 夜想曲、小人の行進
 
  ・ノルウェー舞曲 作品35
 
  ・組曲「ホルベアの時代より」作品40


     オトマール・スウィトナー指揮
     シュターツカペレ・ベルリン


しっとりとしていて爽やか、練絹のような艶のある弦楽器の響きが美しい名演。


そしてグリーグといえばジョージ・ウェルドン。

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・組曲「ホルベアの時代より」作品40

・「二つの悲しき旋律」作品34

・「ノルウェー舞曲」作品35*

・「抒情組曲」作品54*


    ジョージ・ウェルドン指揮
   フィルハーモニア管弦楽団
   ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団*  

淡泊でいて清楚、心が洗われるような演奏だ。

東芝のセラフィムの廉価盤LP以来CDでも再発され、多くの音楽ファンの心を掴んだ名演。


ウェルドンはカラヤンと同じ年。
モノラル期にドヴォルジャークの交響曲第5番や小品などの録音はあるけれど、50歳を少し超えたところで亡くなりステレオ録音は少ない。

このグリーグはウェルドンの数少ないステレオ録音。

「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」の格調高い演奏と並んで、もう何度繰り返し聴いたか判らないほどの愛聴盤。


Youtubeはウエルドン指揮の「水上の音楽」

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2015年9月14日 (月)

コッホのモーツァルト

本日快晴。今日は阿蘇山が噴火。
先週は東京湾を震源地とする地震があり、列島の地の底で何かが起きているようだ。

昨日曜日は昼前まで雨。外出はせずに築90年の母屋の古い個所を調べたりしていた。

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数年前に雨漏りしたのは増築した音楽部屋の部分。

古い部分よりも後に改築した部分が悪くなっている。

出勤時に愛犬ポコが尻尾を振りながら出てきた。

散歩と勘違いしてお座りしたり伏せをしたり。

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なんとなく気が重い月曜日の朝に現実を忘れホっとする瞬間



聴いたのは旧東ドイツの指揮者ヘルムート・コッホの指揮するモーツァルトのレクイエム。

ドイツシャルプラッテンの録音だが、手持ちはポーランドMUZAのLPと国内盤CD。

非常に遅い演奏でLPで2枚組になっているのが珍しい。

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モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626(ジュスマイヤー版)


 ユッタ・ヴルピウス(ソプラノ)

 ゲルトラウト・プレンツロウ(アルト)


 ロルフ・アプレック(テノール)


 テオ・アダム(バス)


 ベルリン放送交響楽団&合唱団

 ヘルムート・コッホ(指揮)

 録音時期:1963年
 

暗く重い葬儀の音楽そのものの演奏。
ポーランド盤の暗いジャケットが演奏そのものの特徴を表している。

重厚で壮大、こんな巨大なモツレクは類を見ない。
合唱もオケも優秀だが、ソリストはバスのテオ・アダム以外が凡庸なのが残念。

Youtubeはモーツァルトのレクイエム、名歌手ナタリー・シュトウツマンの指揮

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2015年9月12日 (土)

オッテルローのサンサーンス、交響曲第3番

今日は暑さが戻ってきた。息をひそめていたツクツクホウシも復活。

早朝地震で目が覚めた。震源地は東京湾、調布で震度5弱。


不調だったパソコンは外付けのハードディスクを切り離し、不要な常駐ソフトを削ってみたら快調になった。
ウイルスチェックも問題なし。



今日は出勤して職場有志が企画した研修会。

自分の仕事とは異なる部門が対象、多少専門的な内容だが面白そうだったので参加させていただいた。


未知の分野ながら得ることも多く、これからいろいろと応用がで
きそうだ。




帰宅後は、オランダの指揮者、ウイレム・ヴァン・オッテルローのサン・サーンス。

手持ちは蘭EPICの外盤LP.

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・交響曲第3番ハ短調 op.78『オルガン付き』

 ウイレム・ヴァン・オッテルロー指揮

 ハーグレジデンティ管弦楽団

 オルガン:フェイケ・アスマ

  1954年録音        EPIC LC3077

  
50年代前半のオッテルローはベルリンフィルを振った幻想交響曲の録音が著名だが、同時期のサン・サーンスも速いテンポで豪快に仕上げた男性的な名演だ。

第2楽章前半で突然内声部のヴィオラを浮き上がらせたり、細かな部分で聴きなれない音が突然出てきてぎょっとさせられるが、奇を衒ったものでなく充分な説得力で迫ってくる。


爽やかで気品を感じさせる第1楽章第2部ポコアダージョも秀逸だ。

モノラルながら音も良い。



*この演奏は2年前にも聴いていて、このブログでも言及していた。
聴いた印象は変わらない。


Youtubeはサンサーンスのピアノ協奏曲第2番、ルービンシュタインのピアノ

続きを読む "オッテルローのサンサーンス、交響曲第3番"

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2015年9月11日 (金)

本日の練習とレコードコンサート

昨日と今日は晴れて富士山も朝からよく見えた。
ここ数日の気温の低下で蝉の声もぱったり聴かなくなった。

濃密な雨雲は関東東北へ流れ深刻な災害を引き起こしている。
災害列島となってしまった日本。


北関東、東北の人たちの深刻な被害、夜を徹して懸命な救助活動を行っている人たち。


後始末や、家財を失いこれからの生活もさぞや大変だろう。

日常の平凡な生活の連続がいかに貴重なことかを思う。


今宵は市民文化センター主催のクラシックレコードコンサートで解説。

S10418961_843417715777617_528493860 今回はプッチーニを取り上げた。







本業ではないものの、オペラの時はコアなお客さんがくるのでそれなりに緊張します。


今回はマゼールと懇意だったというピアニスト(だった?)おばさんが現れて仰天。

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ほんまかいな?

と思ったらパリで一緒に撮ったという写真を見せられた。




昨日はオケの練習。

先週休んでしまったので1週間のブランク。

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会場は市民文化センター小ホールで、トレーナーの永原先生の指揮。


メニューは「ピーターと狼」、「くるみ割り人形」から行進曲、雪片のワルツ、 そして最後に歌劇「イーゴリ公」序曲というもの。


理論派の永原先生の指揮、ひとつひとつの説明がわかりやすい。

練習の後半で先生からチューニングについての指示が有り。

低いのではないかという。

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特に最近オケのピッチが低めのような気がしていたので、やっぱりそうだったかと納得。


休憩時間に来年の定演についての発表があり、今回は団員投票を実施せず、 今まで毎回候補に挙がりながら直前で敗れ去っていた「田園」に決定という話がインペクのF君から話があった。


ソリストを迎えた協奏曲はやらないという。


事前に自分の腹案は出していたものの、各パートリーダー同意の上での決定なので異議はない。

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2015年9月 9日 (水)

コンサートバンドのための英国音楽

朝から激しい雨。台風は10時過ぎに知多半島に上陸。

小降りの時間を見計らって早めに家を出ることにした。



駐車場に到着すると外はどしゃぶり風も強い。

しばらく車中で様子をみていたが、だんだんとひどくなってきたので思い切って外に出ることにした。



駐車場にぼうぼうに生えていた雑草が先週末に刈られて、雨の日に葉の滴で濡れることがなくなったのがありがたい。


車外に出ると風が強く傘は瞬時におちょこ。


ところが持参した白傘は百均で買ったものではなく500円くらいの傘で、おちょこは逆風で見事に復元。



「ほー・・・」と感心しながら事務棟の玄関へ駆け込むものの、入る寸前に鞄の口金が外れて中身が水たまりにボシャン!



タブレットとガラケーは無事だったものの財布が水に浸かってしまいました。





どしゃぶりの通勤の車中でバンクス指揮ロイヤルエアフォース・セントラルバンドの演奏するホルストやグレンジャーの吹奏楽作品を聴いていた。

英盤CD。

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「British Music for Concert Band」


Gustav HOLST (1874-1934)
  ・First Suite in E flat
  ・Second Suite in F for military band

Ralph Vaughan WILLIAMS (1872-1958)
  ・English Folk Song Suite:
  ・Sea Songs (March)

Percy GRAINGER (1882-1961)
  ・Lincolnshire Posy
  ・Molly on the Shore 
  ・Irish Tune from County Derry
  ・Children’ s March: Over the Hills and Far Away 
・Country Gardens 

  The Central Band of the Royal Air Force
  /Wing Commander Eric Banks


いずれも「オラがお国の音楽だべ」という気合い十分の演奏だ。


威勢の良さの中に格調の高さも感じられ、聞いていて元気の湧いてくるような演奏の数々。



インテンポで進めながらじわりじわりと盛り上がるグレンジャーの「子供のマーチ」など感動的ですらある。



ホルストの2曲は通常の出版譜ではなく、オリジナル譜を使用しているようだ。




Youtubeはグレンジャーの「リンカンシャーの花束」、フェネルの指揮

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2015年9月 8日 (火)

モースリークラシック

朝から雨、今日の雨滴は冷たい。

日本近海に突然発生した台風18号が急速接近中で、明朝東海近畿に到達予定。


毎日の通勤時間は車で片道およそ40分。


往復でCD1枚分は余裕で聴くことができるものの、外からのノイズもありカーオーディオの音も貧弱なので音楽にさほどは集中できない。

自然と軽い曲が中心。


とはいえ月曜日の朝にサティのジムノペディなどを流すと、アンニュイな気分となり勤労意欲が低下してしまうので、それなりに聴く曲は意識している。


いつもはハードオフやブックオフで200円前後で買ったジャンクもののCDを数枚車内のボックスの中に入れておいて、ランダムに取り出しては聴いている。


今日はそんなCDのひとつ、キャニオンが出していた「モースリークラシック」というリラクゼーションものを聴いていた。


クラシックの比較的有名なオーケストラ曲を中心にピアノ独奏用にアレンジしたもので、ピアノのオリジナル名曲が一曲も入っていないのがポイント。


雑誌「モースリークラシック」が、読者からのアンケートからセレクトした曲を製品化したものらしい。


演奏はアメリカのピアニスト、ジョン・ノヴァチェク
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・白鳥   :サン・サーンス~シロッティ

・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 

                     :マスカーニ

・パヴァーヌ                 :フォーレ

・アイネクライネナハトムジーク第2楽章    :モーツァルト

・弦楽のためのアダージョ           :バーバー

・行け、わが思い、黄金の翼に乗って
                   ~歌劇「ナブッコ」 :ヴェルディ

・星は光りぬ    ~歌劇「トスカ」

                      :プッチーニ

・「グリーンスリーヴス」幻想曲  :ヴォーン・ウイリアムス

・交響曲第3番第3楽章      :ブラームス~ジンガー

・主よ、人の望みの喜びよ    :バッハ~ヘス

・カノン                :パッヘルベル

・メランコリー・ドラッグ      :ノヴァチェク


      ピアノ: ジョン・ノヴァチェク

     2001年、横須賀アートホールでの録音


曲はゆっくりめの曲ばかりで、多くはノヴァチェクが編曲したものだが、「白鳥」はロシアのピアニスト、アレクサンダー・シロティ編、「パヴァーヌ」はフォーレ自身によるもの。

「主よ、人の望みの喜びよ」は有名なマイラ・ヘス編。


ブラームスの交響曲第3番第3楽章を編曲しているオットー・ジンガーJr(1863~1931)はアメリカ生まれ。

ジンガーは、マーラーやR.シュトラウスなど、多くの作曲家の管弦楽作品のピアノ編曲を非常に多く残してしている人で、ベートーヴェンやブラームスの交響曲全曲の編曲のみならずワーグナーの歌劇・楽劇のほとんど全部のピアノ編曲があるのが驚きだ。


ジンガー家は、リストやハンス・フォン・ビューロと親交のあった父の代にドイツからアメリカに渡っている。

この同名の父オットー・ジンガー(1833~1894)も作曲家で、シカゴ交響楽団を創設したアメリカ音楽界の大立者セオドア・トーマスと組んで、いろいろ活発な音楽活動を展開していた。

この親子はかなり混同されている(NAXOSやピティナのサイトなど・・・)



このCDはアダージョ系の静かな曲を集めたもので、緊張感を持続させるには至難な曲が数曲。


バーバーのアダージョなどはさすがにピアノでは間が持たないが、それでも淡々とマイペースで弾いているのが良い。



車外は雨、フロントガラスをポツリポツリ叩く雨を見ながら信号待ちの間に聴く音楽としては落ち着きがあって上質なもの。


ノヴァチェクの自作、ラグタイム風の「メランコリー・ドラッグ」で終わるのもお洒落。



Youtubeはマーラーの交響曲第5番、オットー・ジンガーによるピアノ版

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2015年9月 7日 (月)

シェルヘンのオネゲル

またもや雨の月曜日。

「ゴン中山」のJFLアスルクラロ沼津の練習参加の嬉しいニュース。


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中山雅史のサッカーへ賭ける情熱と、体力維持への超人的な努力の話は現アスルクラロ沼津理事長の畏友山本昌邦から聞いていた。


ぜひ現役復帰を実現させてもらいたいもの。


帰宅後はヘルマン・シェルヘンのオネゲルの管弦楽曲を聴いていた。
ウェストミンスターのLPで1955年録音。


オケの名称はフィルハーモニックーケストラ・オブ・ロンドンで、ビーチャムが創設したロイヤルフィルの変名。

オリジナルはモノラルだが手持ちは疑似ステレオ盤

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・パシフィック231


・ラグビー


・喜びの歌


・交響的運動第3番


・夏の牧歌

   ヘルマン・シェルヘン指揮
   フィルハーモニック・オーケストラ・オブ・ロンドン
   (ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団)

 1954年録音        WESTMINSTER TK3054


シェルヘンはオネゲルと親交があり何曲かの初演もおこなっている。



オネゲルの作品にはツィピーヌの名演奏があるけれども、

このシェルヘンの演奏は曲によってはツィピーヌ盤をさらに上回る大変な名演だ。


フランスのオケ独特の音色の魅力で何となくの雰囲気で押していくというよりも、明晰にして厳しさまでも感じられる演奏。



「夏の牧歌」での爽やかな清潔感など非常に感銘深い。




戦後のマッカーシズム(反共主義)でシェルヘンのスイスでの排斥運動に加わっていたアンセルメやザッヒャーの演奏を遥かに超える名演だ。



モノラルのステレオ化は非常にうまくいっている。


Youtubeはオネゲルの「夏の牧歌」

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2015年9月 6日 (日)

学習院大学応援団

日曜休みの今日は午後から再び雨。

昨日の土曜日は久しぶりに晴れたので近くの静浦漁港に行ってみた。
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遠くには牛臥山。


富士山は雲に隠れて見えない。

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小学生が大勢集まっていて港には小型帆船ami号が停泊していた。


そして今日は地域の運動会の「校区祭」


子どもたちが小さな時は半ば強制的に走らされていたのだが、大きくなるにつれて関係もなくなり縁遠くなっていた。




ところが一週間前に町内会長さんが家に来て、娘に出てほしいという。


どうやら「人生航路」に出る20代の女性が見つからないらしい。

「人生航路」は小学校1年生から中学、高校、20代から50代までの代表選手が順番に走る大会の最後を飾るハイライト。

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注目されるだけにプレッシャーも大きく、年齢が上になるほど選手がなかなか見つからない。



しかも我が町内は6連覇中だという。



親が逡巡していたら本人が「ほかに見つからないならば出るよ」の一言。



結局出場することになり出番の時期をみはからって家内と会場の小学校へと見に行った。


学校では娘たちが小学生だったころ以来の運動会の雰囲気に、なんとなく10数年前のことを懐かしく思い出したりしていた。



そして「人生行路」女子の部。


可愛い小学校1年生からのスタート。

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我が町内は、小中学生は校区祭出場のための予選があり、トレーニングまで積んでいるので最初からダントツの1位。



聞けば10代後半や30代の人たちも陸上部出身だという。



ところがウチの娘は一貫して吹奏楽部でホルン吹き。


ミニバスや新体操を多少かじった程度で、本格的な運動らしきものはやってこなかった。


出番が近づくにつれて、こちらがだんだんとドキドキしてきた。



結局半周以上の大差で娘にバトンが渡り、ダントツの1位で大会7連覇を達成。



よかった。



終わったあとに町内の役員さんたちから非常に感謝されて、お昼のコンビニおにぎりをたくさんいただいた。



帰宅しようとすると、小学校の体育館から吹奏楽の響きが聞こえてくる。


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はて?中学校の吹奏楽部が校区祭に出てパレードでもするのかな?とも思ったが、とても中学生のレベルではなく音もぴしっと練れている。



体育館を覗くと、張り詰めたような厳しい雰囲気が漂っていた。



背中に「押忍」の文字の黒シャツ軍団。


学習院大学の応援団だった。



きけば夏合宿は毎年沼津だという。

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宿は学習院大学の沼津遊泳場。



ここは歴代の皇太子が泳ぎを覚えている場所で、旧沼津御用邸に隣接している明治45年開設の伝統の場所。



体育会系の骨っぽい練習をしばらく見学。


今日は良いものを見させて(聴かせて)いただきました。

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2015年9月 4日 (金)

ラングレーのミサ曲「幸いなるかな女王」

昨日からの雨の余波で朝から雲が低く垂れこめる金曜の空。

昼からはよく晴れた。 午後は職場の防災訓練。


Fsh80014 消防署の方や県の起震車まで来て本格的な訓練となった。



昨日は休みを取って人間ドック。











受付を済ませ検査着に着替えて病院の待合にいると、仕事上で関係のある外部の委員さんが横に座ってきた。

挨拶すると年に一回の人間ドックだという。


しばらく雑談をしていると、今度は中学校の同級生が話しかけてきた。


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公認会計士を営む彼は委員さんと同業で懇意の仲らしい。
私と委員さんが話をしているのを不思議そうな顔で見比べている。


事情を話すと彼は納得。
持病があり病院には定期的に通っているのだという。


この年になると、皆いろいろと体の不具合が顕在化していくもの。


血液検査、内臓エコー、心電図、レントゲンその他、ひととおりの検査はほぼ昼ごろに終了。


最後に人間ドック担当の先生から説明を受けた。

ほぼ予想された内容だった。


日ごろの不摂生と運動不足からの各種症状。
メタボ気味だし健康体とは言い難いのは自覚していました。


3つの「あ」に気を付けなさいという先生のご指摘。


3つの「あ」とは「あぶら」「アルコール」「甘いもの」。


さらに今回動脈硬化の検査で、体の左右の血圧に差があることが新たに判明。


正常値内なので心配はないとのことだが、ネットで心臓や脳血管疾患など循環器系の病気の可能性があるとの記述を見つけて不安になってきた。


今度は脳ドックを受けてみるかな・・・・・ 


いただいた食券を握りしめ病院内の食堂で大盛りカツカレーを食べて帰宅。

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「あ!・・・」

食べ始めてから3つの「あ」のことを思い出した。


昨日は家内も胃の検査があり2人で仕事は休みの日。
家内の方は異常なしの健康体。



20世紀フランスの盲目の作曲家、ジャン・ラングレーの合唱作品を聴いていた。


仏エラートのLPでカイヤール合唱団の演奏。
曲はミサ曲「幸いなるかな女王」。


カップリングは15世紀フランドル地方の大作曲家ギヨーム・デユファイの「無名のミサ(Missa sine nomine)

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・ミサ曲「幸いなるかな女王」      :ジャン・ラングレー

・「無名のミサ(Missa sine nomine)」  :ギヨーム・デユファイ


    デイヴィッド・ジュリアン&フィリップ・カイヤール指揮 
    カイヤール合唱団
    ブラスアンサンブル
    オルガン:ジャン・ラングレー

                    ERATO LDE3023

    録音 1955年2月、5月 パリ ノートルダム寺院 ほか


A面とB面では演奏者も録音場所も異なるがこれがオリジナルだろう。


ラングレーの曲は2群の合唱団に独立した女声合唱、オルガンにブラスアンサンブルという比較的大規模な作品。
この録音の前年の1954年に作曲された。


いくぶん平易で中世的な雰囲気の中に近代的な響きを融合させた傑作だ。

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冒頭からブラス群とオルガンの豊麗な響きに圧倒される1枚。

ノートルダム寺院内にあふれる巨大な音響の洪水がすさまじく、合唱も気合い十分の見事な演奏。

ラングレー自身がオルガンを弾いている。

一方のデユファイは3本のトロンボーン伴奏による現代風のロマンティックな演奏。


豊かな残響の中にも各声部は明瞭。
モノラルとはいえ美しく心地よい音が鳴っている。

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名エンジニア、アンドレ・シャルランの手になる曲の特徴を見事に捉えた名録音だ。


1956年、フランス・ディスク大賞受賞の名盤。


Youtubeはラングレーのミサ曲「幸いなるかな女王」

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2015年9月 2日 (水)

アンコール、サー・ジョン!

今日は朝から激しい雷雨となり大雨洪水警報発令。

通勤途中の車外では、走るにつれて雨と晴れ間が交互に切り替わり
晴れた雲間には虹が見えたりしている。


どうやら局地的なゲリラ豪雨らしい。

小中学校は自宅待機らしく通学の児童生徒の姿は見えなかった。


昼の全国ニュースでは、沼津近辺のガード下の道路で水没した車両が映っていた。





再びバルビローリ指揮の小品集。



70年代にティチクから出ていた廉価版LPで、タイトルは「アンコール・サージョン!」


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この多くはバルビローリ協会からCDが出ている。

ラルゴではテノールソロが入る。


ラデツキー行進曲はゴードン・ジェイコブ編曲版という珍しいもの。



最初のアンダンテ・カンタービレからして甘くロマンティックな味わい。

チェロ独奏も良い。


得意としたシベリウスは手慣れたものだし、淡々と歌わせるヘンデルも秀逸だ。

クラークとスーザで派手に盛り上げた後の「スラブ行進曲」はきっちりオーソドクスな硬派の演奏。




引き締まったリズムで軽快に歌い上げた「軽騎兵」序曲も純音楽的な名演。



続くワルツはヴィヴラート過多の甘い砂糖菓子のようなシュトラウス。

ラデツキー行進曲は、ハープも入るド派手でスーザのマーチのような版だった。


youtubeはチャイコフスキーの「アンダテカンタービレ」チェロ四重奏版

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2015年9月 1日 (火)

ブリテン、ヴィオラのための「ラクリメ」

今日から9月。

終日雨でこのまま暑さは戻らず秋へ流れる気配。

大雨洪水警報発令中。


夜になってカミナリも鳴り始めた。


今月半ばから始まる昨年度の決算その他の審議に向けての準備、打ち合わせ。

さらには組織全体のコンピューターシステムの大規模な更新作業の進捗状況の精査など。




今日はブリテンの自作自演。


BBCLegendから出ているCDで、ブリテンのテノールのための歌曲を集めたもの。

テノールはブリテンと一心同体のような存在だったピーター・ピアーズが歌っている。
「なお雨は降る」のホルンオブリガードソロは名手デニス・ブレイン。

最後にブリテンのピアノ伴奏によるヴィオラのソロの「ラクリメ」が聴ける。

全てブリテン自身の伴奏によるライヴで、1956年から1971年までのモノラル、ステレオ混在の録音。

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・私たちの狩りをする先祖 作品8*

・この子らは誰か     作品48


・カンティクル第3番『なお雨は降る』 作品55**


ピーター・ピアーズ   (テノール)
デニス・ブレイン**  (ホルン)
ベンジャミン・ブリテン(指揮* ピアノ)
ロンドン交響楽団*


・ラクリメ-ダウランドの歌曲の投影   作品48

   マーガレット・メージャー (ヴィオラ)

   ベンジャミン・ブリテン  (ピアノ)


このCDのブックレット写真のそのものの、シリアスでモノクロームな寒々とした作品たち。


「なお雨は降る」のデニス・ブレインの速いパッセージでのソロは神業の域。

最後のヴィオラのための「ラクリメ」は、ルネサンス期の作曲家ジョン・ダウランドのリュート曲「もし僕の訴えが If my complaints could passions move」に基づく曲。



音の断片として散らばっていたダウランドのリュート曲が、しだいに収斂していき最後にはオリジナル曲の形となっていく感動的な名作だ。



ヴィオラとピアノの二つの楽器を使って、混沌とした空間がひとつに凝縮していく過程を時間の経過とともに追体験するような作品。


最後に原曲が出現する瞬間は衝撃的。

オケ伴奏版は作品48a



Youtubeはダウランドの「もし僕の訴えが」

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