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2015年10月に作成された記事

2015年10月31日 (土)

雅楽「陵王」

曇り、10月も最終日となり冬の前ぶれが感じられるような肌寒い朝を迎えた。


上の娘は昨日夜から渋谷に行ってハロウィーンの前夜祭を楽しんだらしい。


花金の昨晩はこの10月採用の新入社員の歓迎会だった。
新人は経験豊かな巨漢の快男児。


場所は今年定年退職したわが社の先輩が所有するビル内の居酒屋。

わがセクションは女性が多く、賑やかで華やかな宴となった。
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多少二日酔い気味の今日、は家内と沼津御用邸記念公園の「松籟の宴」に行っていた。


旧御用邸は自転車で我が家から所要時間10分弱。

飲食チケットを購入して、今年はいくつかのブースから「aiai」のクレープと海鮮スープ、そして「SHORE」のチーズを選んだ。


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ちょうど前庭ではフラメンコギターのライヴをやっていて、チーズをかじりながら聴いていた。


ギタリストは奇遇にも家内の知人。

自分も10年ほど前に1度だけ会っている。
 


このイベントのお目当ては江の浦の住吉神社の方々による『浦安の舞と雅楽「陵王」』。

これを見るために毎年来ている。

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雅楽の最初の曲はチューニングを兼ねた「音取り(ねとり)」。



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偶然にもオーケストラのチューニングと同じAの音だった。


関係者の話によると430Hz。



西洋音楽とは異なる時間の流れの音楽。

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地元の小学生たちの浦安の舞、そして「陵王」も立派なものだ。

アマチュアとはいえ衣裳も雅楽も本格的。

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音楽はチェコの指揮者、カルロ・シェイナのマーラー。



曲は交響曲第4番。


チェコスプラフォン音源をDENONがCD化したもの。



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・交響曲第4番ト長調

 
 マリア・タウベロヴァー(ソプラノ)

 カレル・シェイナ指揮
 
チェコフィルハーモニー管弦楽団 

録音:1950年4月6,7,29日、5月2日 
プラハ、ドモヴィナ・スタジオ(セッション、モノラル)


シェイナはアンチェルやノイマン、クーベリックといったチェコを代表する指揮者たちに比べると、著名度は極端に劣るが、チェコフィルの副指揮者を務め、縁の下の力持ち的な実力者。



録音は非常に少ないが、DENONが代表的な録音はCD化していた。


この演奏は、素朴にしてきっちり歌い上げたボヘミアのマーラー。
演奏全体に聞き手を包みこむような温かさが漂う。


古き良き時代を思い起こすような懐かしさが感じられる名演だ。


第4楽章のソプラノ独唱は非常にうまい。

Youtubeはマーラーの交響曲第4番、室内楽版

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2015年10月30日 (金)

本日の練習、選曲の難しさ

晴れ一時曇り、夕方から風が出てきた。

昨晩はオケの練習日。

本番を振っていただく井田先生の指揮。
場所は沼津市民文化センター小ホール。


曲は「くるみ割り人形」から雪の精の踊り、花のワルツ、「イーゴリ公」序曲、「ピーターと狼」の順。

最初が降り番の「くるみ割り人形」からと聞いていたので、開始より少し遅れて会場に入った。
ホールでは「くるみ割り人形」の雪の精の踊りが流れていた。

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ロビーでウォーミングアップの後、座席からステージをみるとホルンが少ない。 どうやら何人か欠席しているようだ。

次の「花のワルツ」から代奏で参加することにした。


続いてボロディンの「イーゴリ公」序曲だが肝心の1番ホルンのSさんの姿が見えない。
この曲にはホルンの長大なソロがあり、これはやばいことになった。


しばらく待ったがSさんは現れず結局ソロ部分は欠けた状態で通すことになってしまった。

1番ホルンを欠き、後ろの反響板もなかったこともあり、響きは全て後ろに飛んでしまい、はなはだ合わせにくい。

日曜の大ホール練習では、ホルンパートに何となくまとまり感がでていたようだったプロコフィエフだが、今回はメタメタだった。


本場一か月前だというのに、オケ全体の完成度も非常に低い。

満席のお客さん相手にこのままではまずいことになりそうだ。


練習の終わり近くになって、Sさんから練習日を勘違いしていて休みだと思っていたとのメールが入っていた。Orz



練習終了後は来年の定演の曲を決定する技術委員会。

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各パートリーダーその他の参加で場所を変えて大岡のYMCA会館。


メインの「田園」は決定している。 すでに団員からアンケートは取ってあり、一覧表を見るとヘぇーなるほど・・・・


ヴォーン・ウィリアムス、ニールセン、ヒンデミットの交響曲から伊福部昭などの管弦楽曲の数々。


「田園」の出番が少ない金管楽器に配慮して、比較的大きな編成の曲が並んでいるのが特徴かな。


とはいえ「田園」は微妙な曲で、場合によっては前プロに持っていく可能性も有り、 組み合わせる曲は意外と難しい。




会は選曲の難しさを反映して、金管、木管、弦楽器の各セククションの考え方が、微妙にかみ合わないものになった。

結局、「田園」で出番の少ない金管楽器に多少考慮した内容にはなった。



この技術委員会のメンバーは各パートを代表して出席している。

したがって、各パートと団の事情、そしてプログラムのバランスと、内容が団員のモチベーションを喚起するものがどうか、さらには聴き手の受け取り方を考慮したうえで意見を出すべきであって、自分がこれをやりたいからこの曲を押すというのは気持ちはわかるが二の次だと思う。


誰でも自由に意見を出して議論が白熱することは良いことだが・・・・


今回はいつも以上に気になった。・・・・・・・


インペクのF君の苦労などを思いながら帰宅は11時過ぎ。


Youtubeはだったん人の踊り

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2015年10月28日 (水)

ドワイアンのセヴラック

昨日の天気予報では夜から雨の予定が結局降らずに今日は曇りながら暖かな1日。

新たな試練が続く毎日。こんな時にこそ気分転換が必要だろう。



今日も昨日に続いてジャン・ドワイアンのピアノを聴く。




フランス近代の作曲家セヴェラックとロパルツ、そしてショーソンの作品を集めたもの。


エラート原盤の国内盤LP.


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 ・「日向で水浴をする女たち」      

 ・「セルダーニャから」
         リヴィアのキリストの前の驢馬引き
         驢馬引きの帰還
 ・水の精と慎みのない牧神       :以上セヴラック
 
 ・「若い娘たち」  :ジョゼフ.ギイ.ロバルツ
 
 ・「いくつかの舞曲」  :エルネスト.ショーソン

     ピアノ:ジャン.ドワイアン 

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フランス音楽史上ではそれなりの存在感のある三人だが、世界的なレパートリーとして定着しているかというと、あくまでもマイナーな印象の三人。




軽快で親しみやすさが前面に出たセヴェラックの作品を含めて、ドワイアンはきっちり端正に弾いている。



中でも「水の精と慎みのない牧神」はドワイアンが発掘した作品だ。



使用ピアノは60年代のラヴェルの録音とは異なるようで、こちらは潤いのある美しい響き。



演奏もラヴェルの時よりも練れた美しさと微妙なテンポの揺れもあり、ドワイアン晩年の軽みのようなものがセヴェラックのサロン的な作品にはよく似合っているようだ。




Youtubeはドワイアンの弾くセヴラックの 「 水の精と慎みのない牧神」

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2015年10月27日 (火)

海瀬京子さん講演会

晴れのち曇り、出勤時に富士山に傘雲。これから天気は下り坂。

大きな山場は超えたものの、先週金曜の外部の調査の余波で対応に追われる一日。
しかも昨日はコンピューターシステムが突然のダウン。

復旧までに長時間を費やし現場はかなりのストレス。
本日システム関係の上層部が謝罪に来た。



昨日はピアニストの海瀬京子さんの講演会だった。

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場所は隣町の清水町地域交流センター。



夕方からの会議が予想外に早く終わり出席することができた。


会場には娘たちが世話になったピアノの先生もいてご挨拶。
この先生には京子さんも小さいころに師事している。


彼女は講演は初めてだとのことだが、なかなか堂々としたもの。




生い立ちからピアノへの出会いとお世話になった先生方の紹介、そして日本音楽コンクール1位からベルリン留学を経て現在まで。


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人生の節目節目で出会った先生方の個性的なキャラクターや、さまざまな人たちの出会いと感謝の気持ちが素直に表れていた。



中でもベルリン音大で彼女が師事したラヴィツカヤ先生の演奏は、録音が残っていたならば聴いてみたいと思った。



良い話を聞かせていただきました。






今日はフランスのピアニスト、ジャン・ドワイアンの弾くラヴェルを聴いていた。


仏アコールが出していた2枚組CD.

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ソロの曲はLP時代に日本コロンビアから2枚の廉価盤で出ていて、7年前に感想を書いていた。




このCDにはLPになかった小曲と2曲の協奏曲を収録。
協奏曲はフィリップスへの録音でこちらはモノラル。

ドワイアンのラヴェルはペダル少なめ、固い音色で音は短めの幾分古風なかなり独特なもの。

1音1音をはっきりとした朴訥なまでの固い音で紡ぎだしていく。

ひとつひとつのメロディラインをはっきり浮き出せているので曲の中身はレントゲン写真を見るように明快。

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ボソボソと呟くようなパヴァーヌなどかなり個性的だ。


ニヒルで硬派なラヴェル。

「クープランの墓」や「ソナチネ」などはアルカイックで良い雰囲気を出していた。

コンチェルトの伴奏はラムルー管だがホルンが抜群にうまい。

これはクリュイタンスの「亡き王女のためのパヴァーヌ」でソロを吹いていたルシアン・テーヴェではなかろうか。


Youtubeはドワイアンのフォーレ

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2015年10月25日 (日)

本日の練習、合唱合わせ

10月も最後の週、吹く風にも来る冬の気配。


この土日に上の娘は全日本吹奏楽コンクール一般の部を聴くために札幌に行っていた。

ちょうど寒波の到来とぶつかり札幌は初雪。

多少の厚着はしていたものの初体験の北海道の雪と寒さに驚いた様子。
娘がかつて所属していた川越奏和奏友会吹奏楽団は見事金賞受賞。

おめでとうございます。


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日曜は冬支度、
出しっぱなしの扇風機を物置に片付けストーヴを出したりしていた。

ついでに物置の不用物を大量に処分。
学生時代に使っていた古いヤマハのホルンケースも捨てることにした。


昼食は家内と二人で新しくできたブロンコビリーへ。
昼時は込みそうだったので2時過ぎの訪問。

オープンから三日目ということで店員の数が多く、「いらっしゃいませぇ!!」の声がエコーで聞こえてくる。


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メニューは全店共通だが、以前他の店で食べた時よりもサラダバーの野菜が新鮮だったような気がする。
季節限定の赤ブドウ白ブドウのゼリーが美味だった。


そして夜はオケの練習。


場所は沼津市民文化センター大ホール。
本番まで1ケ月を切った。

コンサートは入場無料の申込制だがすでに満席だとのこと。

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今回はエキストラもかなり入り「くるみ割り人形」で参加する児童合唱も参加。 指揮は団内指揮者のF君。


曲は「イーゴリ公」序曲に「くるみ割り人形」抜粋版と「ピーターと狼」をほぼ全曲通す練習だった。
降り番の「くるみ割り人形」は欠席団員がいて代奏で参加。


ハードな先週に精神的に疲弊していたので、オケの中に入ると気分は自然とリフレッシュ。

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ホルンセクションとしては比較的まとまりが出てきたように思う。


だがオケ全体としてはエキストラの初参加も多く、特に弦楽器のプルトの前と後ろの奏者のタイミングのずれが非常に気になった。

オケ全体に音程も良くない。 満席のお客様を満足させるには未だ完成度は低い出来だ。

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2015年10月24日 (土)

ジョージ・セルのピアノ

土曜休み、大きな波乱のあった10月も一息ついてやっと休日の気分。


朝、母を検診のために健康センターへ送って行った。

センターの近くに「桃屋」があったことを思いだした。

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「桃屋」は東京オリンピックの年に開店して50年余の年輪を重ねた惣菜屋さん。

コッペパンにカツやメンチを挟んだここのサンドは有名で、グルメ番組にも紹介されるほど。
手ごろな値段で高校時代からのソウルフード。


健康センターに車を置いてパンを買いに行った。

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定番のカツサンド甘いたれその他を家内の分も含めて4本。
母の事も考えてヨモギ団子も追加。


検診が終わる間に千本海岸に行ってみた。

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富士山は雲に隠れて見えないが穏やかな海だった。



今日は名指揮者ジョージ・セルのピアノでモーツァルトのヴァイオリンソナタ集。

ヴァイオリンはセル時代のクリーヴランド管のコンマスだったラファエル・ドルイヤン。
ソニークラシカルが出していた国内盤CD

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・ヴァイオリンソナタ第24番ハ長調 K.296

・ヴァイオリンソナタ第25番ト長調 K.301

・ヴァイオリンソナタ第28番ホ短調 K.304

・ヴァイオリンソナタ第32番ヘ長調 K.376


ヴァイオリン:ラファエル・ドルイヤン
ピアノ   :ジョージ・セル

1967年8月録音


モーツァルトのヴァイオリンソナタはヴァイオリン付きのピアノソナタのようなもので、この演奏も明らかに主導はピアノのジョージ・セル。

硬めの音色で隙なくカチリのまとめたセルのモーツァルト。

ドルイヤンのヴァイオリンも汁気の少ない線のはっきりしたもの。

窮屈にならずに音楽の流れも自然でモーツァルトの美しさを楽しませてくれるのさすがだ。

大好きな28番のソナタが特に名演だ。

沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」に、ワインガルトナーの初期の録音の感想をアップしました。
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Youtubeはセル指揮の「運命」リハーサル

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2015年10月23日 (金)

ボストリッジのブリテン

晴れ。今日は外部からの大規模な調査が入り昼食時間も取れぬほどの一日。

別件の大きな問題も発生、この2週間ほどはハードな毎日だった。
これで一段落したので穏やかな週末を過ごせれば良いのだが。


上の娘は所属していた川越奏和奏友会吹奏楽団が出場する全日本吹奏楽コンクール職場一般の部を聴きに札幌へ。




昨年までは自分もノコノコと一緒に行っていた。


さすがにこの状態では行くことはできない。

松山福岡青森新潟、に続いて、今年はかつて住んでいた札幌ということで楽しみにしていたのだが・・・・。




帰宅後聴いたのはイギリスのテノール、イアン・ボストリッジの歌うブリテン。


ホルンソロを伴なったセレナードのほかイギリス民謡編曲などの比較的軽めの歌曲の数々。

伴奏はたびたび来日しているメッツマッハーとハーディングの二人の指揮。

ホルンは女流のノイネッカー。


ブリテンのセレナードはもう20年近く前に、シカゴ響の名手クレヴェンジャーのホルンで実演を聴いた。

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テノールは日本人の歌手だったが誰だったかどうしても思い出せない。


それだけクレヴェンジャーの印象が強かったということだろう。

裾野市がフルーティストの金昌国を音楽監督に招いて主催していた富士山麓音楽祭の一環であったことは覚えている。

同じコンサートで、フルートのオーレル・ニコレとハープの吉野直子という豪華なメンバーの共演でデッソフのフルートとハープのための協奏曲もやっていた。

指揮は金昌国の臨時編成オケで、かなりの名手が集まっていた。



今にして思えばバブル最盛期の良き時代のコンサート。





ナチュラルホルンを楽々と吹いていたクレヴェンジャーのホルンは遠近を伴った見事なものだった。

 

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・セレナード Op. 31


・民謡編曲 第3集 「イギリスの歌」 - 第6番 流れは広く


・狩をする私たちの祖先


・民謡編曲 第1集 「イギリスの歌」 - 第7番 オリバー・クロムウェル


テノール:イアン・ボストリッジ

ホルン:マリー・ルイーズ・ノイネッカー


インゴ・メッツマッハー指揮

バンベルク交響楽団

ダニエル・ハーディング指揮*
ブリテン・シンフォニア


こちらのセレナードはホルンが前面に出すぎることはなく、品の良い柔らかなボストリッジの美声が楽しめる演奏になっている。

ボストリッジの歌は細かなところまで気持ちの通ったもの。
多少うますぎるような気もする。

とはいえ瑞々しいボストリッジの声は、ブリテンの初期の作品にはよく似合っているようだ。




Youtubeはボストリッジの歌うブリテンのセレナード、こちらのホルンはヴラドコヴィッチ。

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2015年10月22日 (木)

ヘンケマンスのドビュッシー、ハイドンを讃えて

晴天続く。通勤の車中は日差しだけで温かだ。

明日、外部から大切な来客がありその準備に追われる一日。


夜のオケの練習はバレエ団と合唱団との初顔合わせだが、今回「くるみ割り人形」は 降り番なので練習は休み仕事に専念することにした。



帰宅後は昨日届いたヘンケマンスのドビュッシーの再録音を聴いていた。

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・ベルガマスク組曲
 
・ハイドンを讃えて
 
・二つのアラベスク
 
・前奏曲集 第1巻から
         「とだえたセレナード」
        「沈める寺」


・前奏曲集 第2巻から
         「妖精たちはあでやかな踊り子」
        「ヒースの茂る荒地」  
        「風変わりなラヴィーヌ将軍」

ピアノ:ハンス・ヘンケマンス

日本コロンビア  OS2148RT(蘭ARTONE原盤による)



ヘンケマンス(1913~1995)は精神医学の医者で、音楽を学び始めたのは20歳からでかなり遅い。


医者を辞めてピアニストとしてデビューしたのが第二次世界大戦後の1945年、コンセルトヘボウ管との共演だという。
デビューがいきなり名門コンセルトヘボウ管との共演とは驚きだが、ピアニストとしては1969年に引退しているので、その活動期は30年に満たない。


引退後は再び医者となったが作曲は続けていたらしい。


20代後半から30代までの大切な時期が戦争と重なりデビューも遅く録音も少ないが、そのマルチな才能は広く知られても良いと思う。


録音はフィリップスと蘭ARTONEにドビュッシーのピアノ曲をほぼ全部とモーツァルトのピアノ協奏曲などがある程度。



このドビュッシーは知的で繊細、微妙な癖のようなものがあって万人向けではないが、自分としてはお気に入りのピアニスト。


ベルガマスク組曲の終曲、明るく軽快な「パスピエ」が終わったあとにそっと静かに始まる「ハイドンを讃えて」を聴いてゾクッと来た。


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この「ハイドンを讃えて」はフィリップスの旧録音には入っていない。


大好きな「ヒースの茂る荒地」があるのも嬉しい。


前奏曲集からの独自の選曲も秀逸。 アラベスク第2番の七色の虹のような色彩感も見事なもの。

「沈める寺」では表面的な効果を狙わずに淡々としたアプローチが、黒光りするような重量感を演出している。


選曲から曲順まで綿密な計算の上で録音されたことがよくわかる。



フィリップスへ録音はヘンケマンスにとって満足の出来ではなかったのだろう。


Youtubeはドビュッシーのオケ版「ヒースの茂る荒地」グレンジャーの素晴らしい編曲です。

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2015年10月21日 (水)

秋の宴のボエームの会

一日一日の密度が濃い一週間、三日目にしてちょっと息切れ気味。

午後からの組織内の会議には自分を担当とする重要な案件が2件。
1件はこの月曜に外部委員に緊急に報告したものと同じものだ。



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昨晩は定例ボエームの会。


昨日だけその時間がぽっかり空いていて、前後に一日予定がずれていれば欠席になるところだった。


場所はいつもの小料理「はちまき」。


このボエームの会が始まって8年余り。


この間に新たなメンバーの参加や転勤、二次会の隠れ家的な名店「梟」の閉店などの多少の変化はあった。


今回も大きな節目の会となりそうだったこともあり、フルメンバー7名の出席。



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メンバーの年齢が上がってきた分、食よりもお酒にしだいにシフトしてきた。


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今宵の酒は「初亀」本醸造、「初亀」吟醸、「喜久酔」に加えて「羽衣の舞」純米酒など、地元静岡の銘酒づくし。


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料理は、新鮮な刺身その他の魚介類に加え焼いた山芋のトリュフ添えその他。 いつもながらこれは一体何だろう?と考えさせられるものが出てくる。


メインはママの故郷の山形の芋汁。



そして〆は必殺の「はちまき」特製のカレー焼きそば。


この深みのある辛みが一度食べるとやみつきになる味。
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いつまでもこの味が健在であって欲しいと願いながらの秋の宴。


次回は12月の忘年会。

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2015年10月19日 (月)

The Hornist Nest

今日も晴れて秋の空、通勤時に富士も良く見えた。


週の始まりは朝から外部委員に特別に集まっていただき、先週顕在化した数年前の件についての緊急の報告。
午後からは通常の会議。 今週は大きな行事が続くハードな週だ。


先日ホルン吹きの友人が家に遊びに来たときに、手持ちのホルン関連のLPをいろいろと出したので、音楽部屋の床にはホルン関係のLP、CDが散乱した状態のままになっている。


少しずつ元の棚に戻しているうちに、購入したことすら忘れていた音盤のいくつかを発見。

つまみ聴きしたりしているのでなかなか片付かない。

今日はホルン合奏の曲集をいくつか出している「The Hornist Nest」のLPを聴いていた。


さまざまな形態のホルン合奏曲、「フリッパーズ」の作曲者として有名なロウエル・ショウが加わった1960年代のバッファローフィルのホルン奏者たちによるホルン4重奏曲集。


タイトルはそのまま「The Hornist Nest」

ショウが社長のThe Hornist Nest社が出していたLPだ。


曲はボアモルティエのソナタのほかバッハの鍵盤曲やモテットからのアレンジ、チャイコフスキーの交響曲第4番の第3楽章とフリッパリーズの四重奏曲から数曲。
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Bouree 2, English Suite No.2            Bach

Andante ,Motet Jrsu,Meine Freude        Bach

Gigue Suite for Harpsicord             Bach

Andantino ,Motet Jrsu,Meine Freude       Bach

Fugue 11, Well Tempered Clavier Vol 1      Bach

Sarabande,English Suite No.2             Bach

Pizzicato Ostinato ,Symphony No.4        Tchaikovsky

Sonata                         Boismortier

Fripperies for four horns No.6,4,12,8,5,9,7,2   Lowell Shaw


ホルン:Stephen Seiffert,    
         
           Charles L. Mcdonald, 
         
           Johon K.Park 
         
            Lowell E. Shaw


今や有名オケのホルンセクションによる同じような録音はいろいろと出ている。 それらに比べるとこの演奏の水準は中の下といったところかもしれないが、60年代としては貴重な音源。


やはり自作自演のポップな感覚のフリッパリーズが楽しい出来だ。


Youtubeはフリッパリーズ

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2015年10月18日 (日)

ヘンケマンスのベルガマスク組曲

本日快晴、下の娘は金曜から帰省中。

娘の車が最近異様なほど鳥のフンの洗礼を受けていたので、
車の中で張り込んでいたところ犯人が判明。

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黄色い小鳥がスモークフィルムを張ったガラスに映った自分の姿を敵だと思ってずーっと攻撃していたのであった。


日本野鳥の会の友人に写真を送ったところ「これはキセキレイで近くに川はありませんか」とのこと。

家の裏は山だが近くに小さなどぶ川があるくらい。この時期だけならばしばらくがまんかな

良い天気だがそれぞれ仕事があったので遠出はせずに昼食は家族で隣町の「毎日牧場」

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ちょうどポイントが溜まっていたので、厚切りジャンボステーキ300グラム一人分が無料。


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自分ひとりでは重いので娘たちに半分分けた。




最近音盤購入は控えていたが、ヤフオクを覗いたら長年探していたハンス・ヘンケマンスのドビュッシーの再録音を格安で見つけた。

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ヘンケマンスはドビュッシーのピアノ曲のほぼ全集をフィリップスにモノラル録音していて、数年前にCDが出ていたが、その後蘭ARTONEにちょうどLP2枚分をステレオで再録音している。



日本コロンビアから60年代後半にLP2枚分が出ていたものの、その後再発売された気配もなく、外盤はかなり高い値で出回っている。


そのうち第1集はかなり前に入手していて、これが非常に良かったので、フィリップスからCDが出た時に迷わず購入。



ところが聴くとフィリップス盤はLPとは別録音であることがわかった。

演奏は格段に再録音の方が良い。

そこで第2集を探していた。

ヤフオクで見つけたら即決だったので迷わずクリック。

1枚だけでは送料がもったいないのでメゾソプラノのリタ・ゴールの歌うオペラアリア集も併せて購入。


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こちらはクリュイタンス指揮パリオペラ座管伴奏の国内盤ステレオ録音。

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2015年10月17日 (土)

ピーター=ルーカス・グラーフのバッハ

土曜休み、本日午前中の降水確率70%。

起きると今にも振り出しそうな空模様。


とにかく降らないうちに畑作業をしようと襤褸に着替えると、熟して野鳥にやられはじめている庭の柿が目に入った。


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庭の柿は2本だが、数年前にウイルス性の病気に感染、実は付けても熟す前に落ちてしまうようになり昨年の収穫はゼロだった。


今年はそのうちの一本が久しぶりに熟すところまでやっと到達。


急遽計画変更で柿を採ることに。


脚立を出して収穫しているうちに、何も実がないと思っていたもう一本に1個だけ実が生っていた。

手の届かぬ高いところに適度に熟したうまそうな柿を発見。

見上げていたらメジロが2羽飛んできて突っついて去って行った。

一番良い部分は野鳥の餌。

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少ししか採れなかったが少ない分甘みが凝縮したようだ。

甘かった・・・・


結局、多少ぱらついたものの曇りの一日。



今日はピーター・ルーカス・グラーフのフルートと指揮でバッハを聴いた。

瑞西クラーヴェス原盤の国内盤LP。1972年録音

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・ 管弦楽組曲2番 BWV.1067

・チェンバロ、ヴァイオリン、フルートのための三重協奏曲 イ長調  BWV.1044


フルートと指揮:ピーター=ルーカス・グラーフ

イギリス室内管弦楽団

チェンバロ:ジョルグ・エヴァルド・デーラー

ヴァイオリン:ホセ・ルイス・ガルシア


組曲第2番は線が細く、期待したほどではなかったが、三重協奏曲が非常に良い。


この曲はチェンバロのための前奏曲とフーガとオルガンのためのトリオソナタを編曲したもので、ちょうどブランデンブルク協奏曲第5番のような趣。


終楽章がフーガなのが珍しい。


ちなみにひとつ前のBWV1043は二つのヴァイオリンのための協奏曲。


三者のソロがバランスよく絡み合い、音楽の流れにほど良く乗った名演だ。


Youtubeはピーター=ルーカス・グラーフの吹くフランクのヴァイオリンソナタのフルート版

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2015年10月15日 (木)

本日の練習、沼響牛歩の歩み

今日も晴れたが多少霞のようなものがかかった白い空。

来週に二つほど大きな山場あり。

ひとつは事前に予見できたもののもうひとつは一週間前までは想像もつかなかったイレギュラーなもの。
日程調整やら当日の出席者への事前説明やらで大忙し。


そんな中で文化センターの担当者から、来月のレコードコンサートの詳細な内容を知りたいとの打診あり。

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こちらは本業とは無関係なのでほどよい気分転換。

昼食を食べながら内容を考えたりしていた。

今年最後のレコードコンサートなので「第九」でも取り上げようかな・・・


そして夜はオケの練習日。

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仕事やらご近所のお通夜などで2週連続休んでしまった。

実は明日も仕事上の大きな山があり時間と気分の余裕はあまりないのだが、 リフレッシュも兼ねて遅れても参加することにした。

場所は沼津市民文化センター小ホール。

指揮はトレーナーの永原先生で「ピーターと狼」と「イーゴリ公」序曲。


2週間ぶりなのでウォーミングアップを長めに取って合奏に参加する。

あぁこの感触だ。

心地よい刺激が適度な気分転換。

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しばらくサボっているうちにオケ全体の完成度は上がったかなと思っていたが、あまり変わっていなかった。(・・;


本番まであと一か月あまり。

これで大丈夫だろうか。

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2015年10月14日 (水)

トゥールーズ管楽合奏団の「ルネ王の暖炉」

三連休も終えて新たな週は火曜始まりで早くも今日は水曜日。

日曜から蒼い空の広がる秋晴れは今日の午前中まで、午後から雲行きが怪しくなってきた。

日曜の雨の影響で11日に富士山は初冠雪。
これは例年よりも遅いのだという。


近くの静浦漁港から雪を被った富士がよく見えた。

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先週末に外部委員による定例の会議が終わったものの、来週末に外部のお偉方による調査が入ることが決まりその準備が本格化。

前回の調査は実に10年前のことらしく当時を知る職員はすでに全員退職。
かろうじて嘱託1名が残っているのみ。

昨日はそのことに加えて5年前の問題が突然湧き上がって顕在化。
これも大変なことになってきた。

腰はあい変らず重く多難な週の始まりだ。



昨晩、隣町のアマオケで活躍しているホルン吹きのS君から電話が入った。


チェコフィルのホルン奏者を招いたディナー付きのコンサートを企画したのでどうかという趣旨。
二つ返事で快諾してチケットを受け取りに家の近くのローソンで待ち合わせ。


ところがその日は今月入社した新人社員の歓迎会があったことを突然思い出した。

自分の空いている都合でその日に設定していた。


昨日に限ってダイアリーを職場に忘れていたのであった。

慌ててS君に電話したものの運転中なのか出ない。

ローソンまで走りS君に事の仔細を説明し平身低頭。


せっかくなので彼を自宅に招いて2人で手持ちのいろいろなホルンの音盤を聴いていた。

彼は吹奏楽の指導など音楽関係でも多方面で活躍しているので、1人で聴くときと異なる発見もあり非常に面白かった。


パリ管のアンドレ・カザレが好きだというので、確か何枚あったはずだとホルン棚を探したがどうしても見つからない。


いろいろと聴いたが、トゥールーズ管楽合奏団の1963年東京公演ライヴからミヨーの「ルネ王の暖炉」。
日本コロンビアのLP.

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「コロムビア 現代音楽シリーズ 第5集」


ミヨー:    ルネ王の暖炉

プーランク: 六重奏曲

イベール: 三重奏曲

ルーセル: ディベルティメント

ヒンデミット: 小室内楽曲 作品24の2


トゥールーズ管楽器合奏団

Fl:ジャック・カスタニエ。
Ob:クロード・ペリエ。
Cl:アルマン・メドゥーズ。
Fg:ユベール・ヴァンサン。
Cor:ルネ・ヴィダロ。
Pf:シモーヌ・サバティエ。


1963年9月16日、東京文化会館小ホール

日本コロムビア OS-3468


ライヴとはいえ 冒頭のオーボエがコケたり、それぞれの奏者が勝手なことをやっていてアンサンブルとしてはバラバラなのにそれでいてフランス独特のふくよかな香りが漂ってくる不思議な演奏だ。



他に彼が招く奏者も参加しているチェコフィルのホルンセクションによる六重奏曲など。


音楽談義その他で深夜におよぶ。

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ホルン合奏のための作品集 1.

1.B・D・ウェーバー(ヴェベル)/  ホルン六重奏曲第1番へ長調
2.  〃        /ホルン六重奏曲第2番へ長調
3.  〃       /ホルン六重奏曲第3番へ長調
4.  〃       /ホルン六重奏曲第4番へ長調
5.ミェフラ      /ホルン四重奏曲変ホ長調  


ズデニェク・ティルシャル(ホルン)(1~5)
インドゥジヒ・ペトラーシュ(ホルン)(1~5)
ズデニェク・ディヴォキー(ホルン)(1~5)
ベトジヒ・テイルシャル(ホルン)(1~5)
ルドルフ・ベラーネク(ホルン)(1~4)
イルジー・ハヴリーク(ホルン)(1~4)   

録音 1987年4月4~6日&7月5日


Youtubeは「ルネ王の暖炉」

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2015年10月11日 (日)

パイヤールの「音楽の捧げもの」

10月半ばの三連休、日曜の今日は朝から雨。

地域の鎮守の吉田神社の祭典だが、この天気のため模擬店と神輿のみで踊りは中止。

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雨が降る中で遠くからは祭囃子が聞こえてきた。

雨の合間を縫って子供たちがビニールを被せた神輿を担いで練り歩いていた。


昨日は午前中は床屋(意外と混んでた)の後静岡に行く家内を駅に送りながらハードオフに寄ったり図書館に寄ったりでなんとなく一日が終わり。


今日は自転車のパンクの修理なんぞをしていた。

家には娘たちや自分が一時通勤にも使っていた古い自転車が4台ほどある。


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しばらく使っていなかったので全て空気が抜けていた。

空気を入れてもスースーと抜けるばかりなので、100均へ行ってとりあえずバルブの虫ゴムを買ってきた。


予想通り3台は虫ゴム交換で復活。

残りの1台は完全にパンクしているようなので後日の修理とした。


昨日はハードオフのCDコーナーから2枚購入。

かつて大量にあった格安の400円均一輸入CDはほとんど姿を消していた。


その生き残りからBBC音源でクラウンが出していたヴォーン・ウイリアムスの交響曲第4番と第8番。


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オケはBBC響で4番がサージェント、8番はストコフスキーの指揮でいずれもライヴ。




そしてもう1枚はDENONの家庭シリーズもののCDでパイヤール指揮の「音楽の捧げもの」。

1974年のPCM録音第1号。

これは未開封で200円だった。


今日はこのバッハを聴いた。


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音楽の捧げもの BWV1079

ジャン・フランソワ・パイヤール指揮

パイヤール室内管弦楽団


ジェラール・ジャリ、 ブリジット・アンジェラス(ヴァイオリン)   

アラン・メイエ、レイモン・グラタール(ヴィオラ)   

アラン・クールモン、パトリック・ガバール(チェロ)   

マクサンス・ラリュー(フルート)   ロール・モラビト(クラヴサン)   

ジェラール・グラニエ(コントラバス)


パイヤールのバロックといえば、かつてはリヒターと並び定番の存在だったものの、今やすっかり過去の物になってしまった。と思っていたが。


このバッハは大変な名演だった。


軽く明るいラリューのフルートで曲は始まる。


明るく美しい音の粒が自然のテンポ感で絡んでいく。
音楽が生き生きと躍動していて、それでいて気品も感じられる素晴らしいバッハ。


今日は弦楽合奏で演奏される「六声のリチェルカーレ」を飽きもせず何度も聴いていた。


Youtubeは「6声のリチェルカーレ」

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2015年10月 9日 (金)

チェコフィル・コレギウム合奏団

今週ラストの金曜日。

腰痛は未だ癒えず昨日は鍼灸院で生まれて初めてお灸というものをやってみた。

他にご近所の不幸もあり、オケの練習は2週連続の痛恨の欠席。


実はパーヴォ・ヤルヴィ指揮のNHK音楽祭のチケットが知人から回ってきたのだが、こちらも涙を呑んで他の人に回すことに。



本日午前中に外部委員によるシビアな審議。


聞かれた内容は想定内であったものの腰が重く苦行の2時間余り。
自分の発言もキレを欠き、空は晴れたが気分は灰色。




幸いにして夜は、沼津法人会青年部主催「税を知る週間のチェコフィルメンバーによるチャリティコンサート」

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職場を早めに失礼して家内と娘と3人で聴きに行った。
場所は沼津市民文化センター大ホール。


メンバーは今年もチェコフィル。

毎年ありがたいことです。



チェコフィルハーモニーコレギウム合奏団ということで、

曲は

・モルダウ    

・G線上のアリア

・カヴァレリアルスティカーナ間奏曲

・ヴォカリーズ   :ラフマニノフ

・タイスの瞑想曲

・アイネクライネナハトムジーク

・家路    わが母の教え給いし歌

・夢のあとに

・アヴェマリア:カッチーニ

・リュートのための古風な舞曲とアリア第3番

・ジュピター

というもの。


肩の凝らない親しみやすい曲のオンパレード。


メンバーはチェロ奏者のみがプラハ室内フィルのメンバーで、他は全てチェコフィルの現役団員。
ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ1、コントラバス1の総勢8名


対向配置。



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弦楽合奏のオリジナルはアイネクライネとレスピーギのみということで、正直なところあまり期待していなかった。


だが「モルダウ」からしてしっとりと落ち着いたチェコフィル独特の音が聞こえてきた。

さすがに良い音。


プロフィールを見ると国際コンクールの入賞者やチェコフィルの副コンマスなどもいて選りすぐりのメンバーで水準は非常に高い。


「G線上のアリア」やラフマニノフの「ヴォカリーズ」、「タイスの瞑想曲」など、 大部分の曲は2人のヴァイオリン奏者が交代でソロを弾いていた。


その二人の音色が明らかに異なるのが聴いていて面白い。


聴いているうちに、このアンサンブルの要はヴィオラ首席のJaroslav Kroftであることが段々とわかってきた。

曲の合間に聞こえてくるヴィオラの音色の素晴らしさ。




最後の曲目に「ジュピター」とあったので、てっきりあの有名な旋律のみだと思っていたら、「木星」を弦楽合奏でほぼカットなしで全曲演奏したのには驚いた。
アレンジも良かった。


アンコールに「ユモレスク」が演奏され始めた時には、客席全体からハァーっとした暖かなため息のようなものが自然に立ち上がっていた。

メンバーの全員がプラハ音楽院かプラハ音楽アカデミー卒。



月並みだが、スメタナやドヴォルザークに聞かせる独特の歌い回しは、やはり他の追随を許さなかった。


ユモレスクにはホロリときました。


チェコフィルのメンバーはここ数年毎年のように来てくれているが今年は特に良かった。

きつかった一週間最後の夜のコンサートは干天の慈雨


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コンサートが終わったあと娘は職場の友人に誘われてカラオケへ。


「いい音を聴いて耳が清らかになっているのにカラオケで濁っちゃうな」などと言いながら出かけていった。


夕食がまだだったので、家内と函南にある「赤から」で赤から鍋とせせり焼きを食べて帰宅。

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Youtubeは「ユモレスク」

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2015年10月 7日 (水)

メニューインとシュナイダーハンのモーツァルト

本日秋晴れ。
腰の痛みは多少薄らいだもののそれが昨日の治療の成果かどうかは微妙なところ。

Em285_b_dai 慢性的な運動不足と筋力の低下が招いたことは明白なのでなんとかしなければと、とりあえず万歩計を買ってきた。(何個目かな?)










最近裏山にイノシシが頻繁に出没。


山続きの畑はかなりの被害を受けている。

昨晩などは家の至近距離まで来ていて、ゴゥゴゥという鼻息まで聞こえる始末。

夜になるとパチパチと花火の音が聞こえるので不審に思っていたらイノシシ避けの爆竹を鳴らしているらしい。


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愛犬ポコは小屋の中で眠りこけて番犬として役に立たないが、先代の雑種のポチはイノシシが来るとよく吠えてくれていた。


今日は昨日聴いたシュナイダーハンのヴァイオリンでイッセルシュテット指揮の旧録音も聴いてみた。

80年代初頭に日本グラモフォンが出した廉価盤LP.
伴奏はイッセルシュテットの指揮だが、オケは第4番はバイエルン放送響、第5番はベルリンフィル。


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かなり以前に購入したもので、どのような演奏だったか全く記憶がなかった。


聴き始めてしばらくして印象がなかった理由が判ってきた。

技巧は確実だし音もそこそこ美しいが、再録音に比べると表現が平板で特徴に乏しく、この曲をこの演奏で聴く意味が感じられない。

聴いているうちに退屈してきた。



ついでに同じ棚の横に並べてあったメニューインの演奏も聴いてみた。


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メニューインがしばらく面倒を見ていたバース音楽祭のオケで第3番、第5番のカップリング。

こちらもLPで東芝のセラフィムシリーズの廉価盤。


偽作の第6、第7番や「アデライーデ」コンチェルトも含んだ、全8曲のヴァイオリン協奏曲に協奏交響曲やK.190の2台のヴァイオリンのための協奏曲や「ハフナーセレナーデ」までを含んだ完全?全集中から2曲をピックアップしたもの。
1960年代初頭の録音。



メニューインには悪いが、シュナイダーハンの後で聴くとテクニックが悲しいほど聴き劣りがする。

古い録音なので当時のメニューインはまだ40代だったはずだが、音は鳴り切っていないし時々よろけたりしている。


だがこんな演奏なのに、生き生きとした躍動感の中にも憂いを含んだ郷愁のようなものが感じられる。

聴いた印象としてはこちらの方がよほど好ましい。


Youtubeはメニューインの弾くメンデルスゾーン、指揮は巨匠ポール・パレィ

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2015年10月 6日 (火)

シュナイダーハンのモーツァルト

本日快晴。
昼夜の温度差が大きく夕べは冷えて厚手のガウンを出したほど。

2日連続の日本人のノーベル賞受賞決定はまさに日本人の底力。

何か、ぱぁーっと日本が明るくなったような思い。


昨日受賞が決まった大村智博士、その人柄とその功績を知れば知るほど偉大な人だと思う。

映画「エレファントマン」に出てきた象皮病が、博士が開発した薬品が特効薬として使われていることも初めて知った。



日曜からの腰の痛みが強くなってきて長時間座っていると辛い。

金曜日には長時間の厳しい会議を控えている。
幸い今日は比較的時間の余裕があったので午後から早退して、近所の鍼灸整体院に行くことにした。

電気治療と鍼で多少は体が軽くなった。なんとか今週を乗り切りたいもの。


今日はウォルフガング・シュナイダーハンの指揮振りでモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番。
オケはベルリンフィル。

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ヴァイオリン協奏曲全集録音中の1枚だが、手持ちはご近所の方にいただいた日本グラモフォンの家庭名曲シリーズのモーツァルトの巻LP2枚組から。


シュナイダーハンは、この前に第4番と第5番を同じグラモフォンにイッセルシュテットの指揮で録音している。


柔らかで暖かな音色、それでいて艶もある素晴らしいシュナイダーハンのヴァイオリン。
うまくコントロールされたベルリンフィルの伴奏も良い。

録音も良く上質な音楽を聴いていることを実感させてくれる演奏だ。

第3楽章のカデンツァはシュナイダーハン作のまさにトルコ風のエキゾティックなもの。

イッセルシュテット指揮の旧録音ではヨアヒムのカデンツァを弾いていた。

これは残りの作品もシュナイダーハンのヴァイオリンで聴きたくなってきた。

Youtubeはシュナイダーハンの弾くモーツァルトの4番のコンチェルト

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2015年10月 5日 (月)

リヒターのバッハ、三位一体のカンタータ

10月第2週、薄曇りの肌寒い朝。日中は暑くなった。

土曜日に庭の整地を半日ほどやった影響で昨日からどうも腰が痛い。

運動不足で完全に体がなまっていたようだ。



座りっぱなしは辛いので、仕事の合間にできるだけ歩き回っていた。


今日は会議がなかったのが幸いした。



昨日の日曜は娘と図書館に行き調べものをしたりしていた。


昼時になったので図書館の前にある「とんちんかん」でランチ。

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ここはバラエティ豊富なハンバーグで知られるいわゆる町の洋食屋。


中心街から外れ駐車場もない商売としては難しい場所だが、かれこれ10年以上営業を続けている。

娘はゴルゴンゾーラ、自分は焼き肉ハンバーグ。

丁寧に作り上げた練達の味だ。

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サラダバー、スープ、ドリンク付きで千円。







日曜からバッハの「三位一体後の日曜日/カンタータ集」を聴いている。


演奏はカール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団と合唱団その他による
独逸アルヒーヴのLP6枚組。

今回聴いたのはその第2集。


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エディト・マティス(Sp) ペーター・シュライヤー(T) 


ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br) 他


カール・リヒター指揮


ミュンヘンバッハ管弦楽団、合唱団


5年ほど前に、不思議なご縁で譲り受けたレコードコレクション中の箱ものLP.



これから最初の3枚を聴いていた。 第1集は昨年の4月に聴いている。




ルター派の教会暦の三位一体節のカンタータをリヒターはひととおり録音していた。



第2集の曲は第1集よりも地味な曲が多いように思う。



リヒターの演奏はモダン楽器による古い世代の録音だが、峻厳にして真摯にバッハに向き合う姿勢が深い感動を誘う。



ちょうど3枚目のカンタータ第116番「汝、平和の君、主イエス・キリスト」

終曲のコラールの美しい旋律を聴いているうちに涙が出そうになってきた。


沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」
「出版社(スコア)による違い~第4楽章のin tempo指示について」をアップしました。

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Youtubeはカンタータ第116番「汝、平和の君、主イエス・キリスト」

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2015年10月 3日 (土)

伊福部昭の「リトミカ・オスティナータ」初演録音

今日は5時前に目が覚め、愛犬ポコと早朝の散歩。

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ポコは欠伸を連発。 眠いのかしらん。


午前中は母を病院まで送り、天気も良いので庭の駐車場を広げるために植木の移動や整地などをやっていた。

コンクリまで敷く予定が整地に思いのほか時間がかかり、適当なところで今日は切り上げた。


音楽は今日も邦人作品。


伊福部昭の「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オステナータ」 の日本初演録音を聴いていた。

TBSのライブラリー音源から、カップリングは石井歓の「シンフォニア・アイヌ」の初演録音。その他。

石井歓のインタヴュー付き。

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・ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ:伊福部昭


・抜頭によるコンポジション  :片岡良和

・石井歓インタヴュー

・シンフォニア・アイヌ      :石井歓


上田仁指揮

東京交響楽団   

ピアノ:金井裕 

ソプラノ: 奥村淑子    合唱団

1961年録音


伊福部作品は後に改訂されたが、荒削りながらこの初演版の方が良いと思う。


さらにこの版にはゴジラのあのテーマが挿入されていて、聞き手のノスタルジーと感動を誘うものになっている。

執拗に繰り返されるテーマが「ボレロ」のように大きなカーヴを描いて上昇していくのが圧巻。

初演の熱気がそのまま音になり、息詰まる興奮を盛り上げる。

この曲のベスト録音。

当時学校を卒業したばかりだったという金井裕のピアノも良く、録音はモノラルながら非常に良い。


手持ちの若杉弘指揮読売日本交響楽団の録音も聴いてみた。

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こちらはビクターから出ていたLPで、学生時代にカップリングされていた「木挽き歌」目当てで買ったもの。


初演の8年後の1969年にこのメンバーで再演されているが、この録音は1971年の録音。改訂版を使用。


演奏は整ってるものの初演の熱いライヴと比べるとかなり物足りない。


Youtubeは伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」指揮は石井歓の弟石井真木

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2015年10月 2日 (金)

新星日響「日本の響き」

昨晩からの雨は夜半過ぎから台風並みの暴風雨となった。
これは日本海海上から通過した爆弾低気圧の仕業。


あまりの風の強さに2時半過ぎに目が覚めた。


朝にはよく晴れたものの庭には落ち葉が散乱。
この土日は掃除に追われそうだ。


昼から気温も上昇、湿度も高く蒸し暑い一日。


本日は寝不足気味のまま外部委員による厳しい会議に臨むことになった。
自分の所属する部署関連の議題もあり出勤時から気が重い。


幸い審議は軽く済んだものの大きな山場は来週から。


昨日は今日の準備のためにオケの練習は休んでしまった。


本日帰宅後聴いたのは新星日本交響楽団による邦人作曲家による管弦楽曲集。


ビクターが出していた新星日響による「おもしろオーケストラ」というシリーズもののCDの最終巻。

題して「日本の響き」 ライヴ録音ということになっているが、演奏会のスケジュールに合わせてリハーサルを録音したものらしい。

聴衆ノイズは聞こえてこない。

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1. 管弦楽のための日本狂詩曲(伊福部昭)

2. 弦楽オーケストラのためのトリプティーク(芥川也寸志)

3. 九州幻想(池辺晋一郎)

4. 交響管弦楽のための音楽(芥川也寸志)

5. 管弦楽のための木挽歌(小山清茂)


(1)石丸寛,(2)佐藤功太郎,
(3)栗田博文, (4)小松長生,(5)三原明人指揮

新星日本交響楽団

1993年、1994年録音


今でもコンサートプログラムに載るような著名な邦人管弦楽曲ばかりだが「九州幻想」は初めて聴いた曲。


いずれもさらに優れた演奏はあるものの、選曲の良さで楽しい1枚。


中でも狂瀾怒濤の「日本狂詩曲第2部」は見事なもの。

やがて新星日響は東京フィルとの合併で消滅、石丸寛、佐藤功太郎も逝ってしまった。


Youtubeは芥川也寸志の交響管弦楽のための音楽

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