ヘンケマンスのドビュッシー、ハイドンを讃えて
晴天続く。通勤の車中は日差しだけで温かだ。
明日、外部から大切な来客がありその準備に追われる一日。
夜のオケの練習はバレエ団と合唱団との初顔合わせだが、今回「くるみ割り人形」は
降り番なので練習は休み仕事に専念することにした。
帰宅後は昨日届いたヘンケマンスのドビュッシーの再録音を聴いていた。
・ベルガマスク組曲
・ハイドンを讃えて
・二つのアラベスク
・前奏曲集 第1巻から
「とだえたセレナード」
「沈める寺」
・前奏曲集 第2巻から
「妖精たちはあでやかな踊り子」
「ヒースの茂る荒地」
「風変わりなラヴィーヌ将軍」
ピアノ:ハンス・ヘンケマンス
日本コロンビア
OS2148RT(蘭ARTONE原盤による)
ヘンケマンス(1913~1995)は精神医学の医者で、音楽を学び始めたのは20歳からでかなり遅い。
医者を辞めてピアニストとしてデビューしたのが第二次世界大戦後の1945年、コンセルトヘボウ管との共演だという。
デビューがいきなり名門コンセルトヘボウ管との共演とは驚きだが、ピアニストとしては1969年に引退しているので、その活動期は30年に満たない。
引退後は再び医者となったが作曲は続けていたらしい。
20代後半から30代までの大切な時期が戦争と重なりデビューも遅く録音も少ないが、そのマルチな才能は広く知られても良いと思う。
録音はフィリップスと蘭ARTONEにドビュッシーのピアノ曲をほぼ全部とモーツァルトのピアノ協奏曲などがある程度。
このドビュッシーは知的で繊細、微妙な癖のようなものがあって万人向けではないが、自分としてはお気に入りのピアニスト。
ベルガマスク組曲の終曲、明るく軽快な「パスピエ」が終わったあとにそっと静かに始まる「ハイドンを讃えて」を聴いてゾクッと来た。
この「ハイドンを讃えて」はフィリップスの旧録音には入っていない。
大好きな「ヒースの茂る荒地」があるのも嬉しい。
前奏曲集からの独自の選曲も秀逸。
アラベスク第2番の七色の虹のような色彩感も見事なもの。
「沈める寺」では表面的な効果を狙わずに淡々としたアプローチが、黒光りするような重量感を演出している。
選曲から曲順まで綿密な計算の上で録音されたことがよくわかる。
フィリップスへ録音はヘンケマンスにとって満足の出来ではなかったのだろう。
Youtubeはドビュッシーのオケ版「ヒースの茂る荒地」グレンジャーの素晴らしい編曲です。
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