ルーカス・フォス指揮ミルウォーキー響のアメリカ音楽
本日快晴、土曜日とはいえ今日は一日仕事だった。
かなりシビアな内容だったが、夜には知人の通夜が入っていたので夕方には仕事場を後にした。
今日はアメリカのメジャーオケのひとつミルウォーキー響の演奏で、現代アメリカの作曲家たちの作品。
米ProArteが録音したものでCD初期にビクターが国内発売。
定価3200円の表記があるが、これは20年ほど前に沼津駅前の富士急デパートのCDワゴンセールの時に1000円で買ったもの。
きっとどこかで売れ残っていたCDなのだろう。
未開封新品だったことを覚えている。
「アメリカ音楽の祭典」
・キャンディード序曲 :バーンスタイン
・ニュース映画 :ウイリアム・シューマン
・答えのない質問 :アイヴス
・もし・・・その時 :ルッジェリ
・市民のためのファンファーレ :コープランド
・「アパラチアの春」~シェーカー教徒の讃美歌による変奏曲
・弦楽のためのアダージョ :バーバー
・消防士の土曜の夜 :カウエル
・サーカスバンドマーチ :アイヴス
ルーカス・フォス指揮
ミルウォーキー交響楽団
1983年のデジタル録音
現代作品とはいえ比較的親しみやすい曲をそろえている。
ウイリアム・シューマンの「ニュース映画」のオリジナルは吹奏楽曲で、1960年代に天理高校がコンクールで取り上げていてこの時のライヴ録音がかつてLPで出ていた。
オケ版はこのCDが唯一の録音ではなかろうか。
ミルウォーキー響は1959年創設の若いオケ。
アメリカのメジャーオケのひとつとはいえ、来日したこともなく紹介されたレコーディングは少ない。
その実力の程度はほとんど知られてないように思う。
歴代の指揮者の中にはスクロヴァチェフスキーの名が見える。
現在の音楽監督はエド・デ・ワールト。
この面々を見ただけで並みのオケでないことは想像できる。
作曲家として著名なルーカス・フォスは、1981年と82年のシーズンの音楽監督で1986年にはこのオケを率いてのヨーロッパツアーも成功させている。
この録音を聴く限りではミルウォーキー響はシカゴやフィラデルフィア管などのアメリカのトップオケに引けを取らない実力を備えているようだ。
バーバーの「弦楽のためのアダージョ」で、ライナーノート出谷啓氏が書かれている「これほどまでに弦楽器のピッチが完璧に揃った演奏は聴いたことがない」という言葉に全面的に賛同する。
実際この「アダージョ」の精密なアンサンブルは鳥肌が立つほど凄いものだ。
フォスは短期間で辞任したために、ミルウォーキー響との録音はCD2枚分しかないとのことだが、これほどまでの完璧な音を出すには、1音1音のバランスとピッチを揃えるための気の遠くなるような練習を課したことが想像できる。
フォスがミルウォーキー響の音楽監督を短期間で辞任したのは、あまりにもシビアな練習にオケが音を上げてしまったのではなかろうか。
録音も驚くほど鮮明。
コープランドの「市民のためのファンファーレ」では目の覚めるような輝かしい世界が目の前に広がる。
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