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2015年12月に作成された記事

2015年12月31日 (木)

ブロムシュテット、1985年の「第九」

今年も暮れていきます。
娘も帰省してきて穏やかな大晦日。


昨日家の神棚の中から出てきた、私から数えて6代前の高祖父の祖父山本源右衛門が150年前に祈りを込めて書いた、「家内安全、子孫繁栄」の木の札をしみじみと眺めていた。

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今から数百年、数千年前の無数の先祖の偶然の出会いがあって、今の自分があるのだと思う。


今年の終わりにベートーヴェンの「第九」を聴いていた。


ブロムシュテット指揮ドレスデンシュターカペレによる、戦争で破壊されたドレスデンのゼンパーオーパー再建の杮落し1985年ライヴ。

廉価盤のレーザーライトレーベルのCDで駅売りのワゴンセールでひっそりと売られていたもの。



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交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』 [71:42]

イーディス・ウィーンズ(ソプラノ)

ウテ・ヴァルター(アルト)

ライナー・ゴルトベルク(テノール)

カール=ハインツ・シュトリチェク(バス・バリトン)


ドレスデン国立歌劇場合唱団

シュターツカペレ・ドレスデン

ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)

1985年3月30、31日

ドレスデン、ゼンパーオーパー


第4楽章でバリトンソロがコケるのが惜しいが、これほど燃えたブロムシュテットも珍しい。


演奏者が皆熱く燃えた感動的な演奏だった。


Youtubeはブロムシュテット指揮のバッハ「ロ短調ミサ」から終曲

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2015年12月30日 (水)

映画「杉原千畝」

今年の冬は暖かい。年末休みも今日で二日目。

今年の年末年始は休みが短いものの、直前の土日にある程度の事は済ませておいたので気分的に余裕の年の末。

朝は畑のネーブルを採っていた。

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暖かな日が続いたので粒は大きめだ。


愛犬ポコは柑橘系が苦手。
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ちょっと齧って古いガウンにもぐりこんでしまった。


そのあとは掃除やら神棚の掃除と正月飾り。

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新しい方の神棚の中には作った当時の書き物が入っている。

慶応2年、ちょうど今から150年前のもの。

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黒光りした古い方の神棚はいつのものかは見当がつかない。

奥には茶色く変色した江戸中期頃の伊勢神宮のお札がびっしり詰まっていた。



昨日は家内と映画「杉原千畝」を観てきた。


場所は「ジョイランド三島」。

映画館を見に行くのは久しぶり。

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1800円は高いよな、と思って自動券売機で2枚買い、シアターに入ると家内が受付でよこしたパンフレットを見て、「これ見て!」と指差している。


そこには夫婦割引二人で2000円の文字が・・・・
「あ!損した」
「言ってきなさいよ」と家内。

とはいえもう上映は始まっている。

渋い映画なので、お客はかなりお年を召したご夫婦と子連れの家族連れに中年の男性一人の10人ほどだった。


杉原千畝はユダヤ人を救ったヴィザの発給で有名だが、外務省を追われた一時期、沼津に家族で移り住んでいた。

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その頃の杉原家の居住地は自分の家のご近所らしいのだが、そのような偉い人が住んでいたことは何も伝わっていない。


杉原千畝の功績が知られ始めた頃に、奥様を沼津に招いて講演をしていただいたこともあった。


この映画では杉原千畝の大戦突入前の情報将校的な外交官としての活躍を見事に描きだしていた。

ソ連やゲシュタポから要注意人物としてマークされていた事実と、関係する人達の人間模様の面白さ。

セリフのひとつひとつに深い意味があり、千畝がリトアニアに赴任して初めての居酒屋でお勧めの飲み物を聞いたとき、後に千畝と深いかかわりを持つポーランドからの亡命者が横から「ミード(はちみつ)酒だ」と声をかけていた。

04701_l_2 「ミード酒」はポーランドで好んで飲まれている酒。

その後千畝がその男の素性をポーランドからの亡命者であることを当てるところなど、説明はなかったもののなかなか細かい。


オール海外ロケ、セットも豪華で相当お金がかかっている感じだ。

ユダヤ人のエキストラも数多く、演技の真剣さがスクリーンを通じて胸を打つ。

非常に重いテーマを取り上げながらも感動的な映画だった。

映画が終わってから受け付けの人に夫婦割のことを伝えたところ、差額を返金してくれました。

次は「海難1890」を家内と見に行くことにしよう。

映画の帰りは「赤から」で遅めの昼食。


焼肉バイキング食べ放題ランチに滑り込みセーフ。

その後正月の買い出しをして帰宅。

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2015年12月28日 (月)

ガエタノ・グアダーニのためのアリア集

曇りのち晴れ、朝は多少冷えて冬らしくなってきた。

本日仕事納め。


通勤時の道はいつもよりも空いていた。
学校が冬休みに入っただけではなく、土曜から年末年始休みに入った会社もあるのだろう。


今年最終稼働の日とはいえいつもと変わらぬどころか、新たな懸案事項もあり慌ただしい1日。


組織トップの年末のあいさつの終わった後、帰宅間際にトラブル発生で帰れなくなるというオマケ付き。

来年も前途多難な予感。


帰宅後は18世紀に活躍したカストラートのガエタノ・グアダーニ(Gaetano Guadagni  1725~1792年)にちなんだアリア集を聴いていた。
仏アコールのCD。


演奏はフランスのカウンターテナー、アラン・ゼーフェルにアンサンブル・ストラデヴァリア。

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「Pasticcio per Il Castrato Gaetano Guadagni」

・Récitatif "The body comes" (extrait de Samson) (0:46) ;
・Air "Return oh God of hosts" (extrait de Samson) (7:42) ;
・Air "Sweet rose and lily" (extrait de Theodora) (2:37) ;
・Récitatif "Unhappy, happy crew" (extrait de Theodora) (0:21) ;
・ Air "Kind Heaven" (extrait de Theodora) (2:37) ;
・Chœur "Go gen'rous pious youth" (extrait de Theodora) (5:36) / Haendel


・Récitatif accompagné & Air "Ah Cleopatra" (extrait de Tigrane) (5:25) /     Piccini

・Air "Resta cara" (extrait de Il Trionfo di Clelia) (5:43) / Hasse

・Instr. "Ballo" (extrait de Orfeo e Euridice) (1:52) ;
・Air "Che puro ciel" (extrait de Orfeo e Euridice) (5:57) / Gluck

・Scène avec chœurs : Oreste et les Furies (Iphigenie en Tauride) (10:13) /     Traetta



Alain Zaepffel, countertenor;

Ensemble Stradivaria ;

Ensemble vocal de Nantes.


Recorded in Château de Goulaine, near Nantes in November 1987.


イタリアのカストラート、グアダーニはヘンデルが「メサイア」をロンドンで再演するときに呼び寄せたほどの名手で、グルックの歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」の初演者としても名を残している。


このCDはグアダーニが活躍した時代のヘンデル、グルック、ピッチーニ、トレッタらのカストラートのためのアリアを集めたもの。


カウンターテナーのアラン・ゼーフェルついてはよくわからない。

軽やかで美しい声と正確な技巧。 ひたすら軽めな音楽で、高質なBGMとしても最適なアルバム。

フランスでは再発されているのでそこそこ売れたCDなのだろう。

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沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」にメンゲルベルクの1930年のスタジオ録音の感想をアップしました。


Youtubeはヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザー」からカウンターテナーのアリア、ホルンのオブリガードソロが見事です

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2015年12月27日 (日)

フィルハーニア・フンガリカのことなど

今年最後の土曜日曜は良く晴れた。

この2日間はお墓や庭と部屋の掃除、年賀状を書いたりと、慌ただしく過ぎて気が付くと日曜の夜。

今年の年末年始休みは短いものの、気分は早くも年末気分。


愛犬ポコは冬の装い。散歩の途中で何かを見つけたようだ。

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今日はドラティ指揮のバルトークやコダーイなどを効いていた。


ドラティの生誕100周年を記念して ユニバーサルから出ていた6枚組のCD。



ドラティ晩年のデトロイト響時代のデッカへの録音とコンセルトヘボウ管とのオケコンなどのフィリップス系、そしてフィルハーモニア・フンガリカを振った米マーキュリーレーベルへの録音など、かなり多彩な内容のBOXセット。

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この中のドラティが音楽監督だったフィルハーモニア・フンガリカを振ったバルトークの「舞踏組曲」を聴いた。



これは米マーキュリーがオリジナルで、録音の鮮明さとマジャール人の血が躍動するような指揮者とオケのメンバーが熱く燃えた名演として記憶に残っている。


ただこのユニバーサルから出た録音は、手持ちのマーキュリーのCDに比べると音はかなり落ちる。

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マーキュリーのオリジナルマスターを使用しているかどうか疑問の音だ。

それともマスターテープが劣化してしまったのだろうか。


ドラティの指揮で史上初のハイドン、交響曲全集録音という偉業を成し遂げたフィルハーモニア・フンガリカだが2001年に財政難のために解散している。



このバルトークやコダーイのほかには、ペーター・マーク指揮は指揮したシューベルト交響曲全集やモーツァルトの後期交響曲集など、このオケで親しんだ演奏は意外と多かった。


フィルハーモニア・フンガリカは21世紀に入ってからの解散直前に、自主レーベルで珍しい曲ばかりを集めた3枚のCDを出している。


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ある時期タワーレコードやHMVで山積みで見かけたが、その後ほとんど見かけていない。


その中のホルストのミリタリーバンドのための組曲第1番は、この曲のオケ版初録音だったと思う。

弦楽器が重層的に盛り上がって大きなクライマックスを築いていた第1曲「シャコンヌ」はなかなかのききものだった。



Youtubeはバルトークの舞踏組曲、I.フィッシャーの指揮

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2015年12月25日 (金)

ペーター・マークのサン・サーンス

晴れ、気温が高く、12月も下旬だというのにこの暖かさは今まで経験のないもの。 この冬はまだ一度もコートを着ていない。


本日午前中は今年最後の外部委員による監査。
その後は来年度の組織のありかたについての重い会議など、ノンキに年末年始を迎える気分にはほど遠い1日。


帰宅後聴いたのはスイスの名指揮者ペーター・マーク(1919~2001)でサン・サーンスの交響曲第3番。

オケはベルン交響楽団にダニエル・コルゼンパというもの。

ファンハウスから出ていた国内盤CD.


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若いころにDECCAに録音したモーツァルトやメンデルスゾーンで名演を聴かせ、何度か来日して都響を振ってくれたマークも逝って久しく、話題になることも少なくなった。

実演で聴いた都響とのモーツァルトの「プラハ」とレクイエムの作為のないごく自然体の音楽は今でも鮮明に思い起こされる。


晩年のマークは、ベルンやパドヴァなどのマイナーなオケを振ってマイナーレーベルにかなりまとまった量の録音を残している。


ベルン響とはこの録音のほかに得意のメンデルスゾーンの「イタリア」「スコットランド」といくつかの序曲があった。



このサン・サーンスはスペクタクルな音響の饗宴とは対極にある端正にして穏やかな演奏。


第一部アダージョの深い祈り、そして対位法的なメロディラインを明確に浮かび上がらせ、時としてバッハを思わせるような厳しさも感じられる、この曲の隠れた1面を浮き彫りにした名演だと思う。


Youtubeはモーツァルトの「劇場支配人」序曲、マークの指揮

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2015年12月24日 (木)

本日の練習、ホルンセクション力尽きる

晴れ夜になって一時雨。

昨夜のまとまった雨で湿度が高く山間部には霧が出ていた。

今年もあと3日ほど。
そのまま仕事はひと区切りがついて無事年末年始を迎えることができそうだと思いきや、本日トラブル発生。

残された日も少なく解決は年を越しそうな気配。

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夜はオケの練習。

クリスマスイヴで予想とおり出席は少ない。


今年の練習納めは「田園」にリストの「レ・プレリュード」「カレリア」組曲。

場所は沼津市民文化センター小ホール。

自分は実質3週間ぶりの練習参加で、この3曲を全部吹き通すのはかなりキツかった。


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本日参加したホルンの4人うち3人は「レプレ」と「カレリア」を20年ほど前に演奏したはずだが、その頃はこんなに苦労しなかったはず。


練習の終盤は疲弊して4人ともボロボロだった。

ホルンは頭数は8人と多いものの、この3曲のホルンは突っ込みどころが満載で前途多難。


Youtubeはバレンボイム指揮ベルリンフィルの「レ・プレリュード」ホルンソロの部分

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2015年12月23日 (水)

今年最後のボエームの会は山形の「どんがら汁」

曇り一時雨。年末前のこの時期の祝日休みはありがたい。


今日は年賀状を書くつもりがその前に庭の生垣を刈ることにした。

剪定用の電動バリカンで刈っていくものの昨年よりも植木の伸びが良く、結局3時間余りもかかってしまった。

刈り取った枝を片付けていると雨。


小雨になった時に隣家の植木屋職人が庭に入り、自分では手におえない大きな木などをクレーンを使って刈り始めた。

さすがに本職、シャキシャキと手際よく芸術的に仕上げていく。


結局すぐ下の虎刈り状態の自分が刈った部分と、絶妙のコントラストになってしまった・・・・・(恥ずかしくてとても写真はアップできない)

どっと疲れて何もやる気にならなくなって、結局年賀状は書けずじまい。



昨晩は今年最後の「ボエームの会」だった。


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場所は三島の小料理「はちまき」。



お酒は静岡の「初亀」と鳥取の「純米吟醸 天宝」、京都伏見の「玉之光 純米吟醸」、そして「白鶴 大吟醸」の4本。


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今回、この会最年少の酒豪女性クラリネット奏者が欠席だったので、かなりペースダウンして結局空けたのは2本。



料理は山形直送の寒鱈を使った庄内地方の郷土料理「どんがら汁」がメインだった。

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フォアグラのような肝としゃぶしゃぶ風に食べる白子は絶品。


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〆はほどよく焼いた丸餅で。



ここで12月と1月に誕生日を迎えるWさんとKさんのために、K美ちゃんからバースデーケーキの差し入れのサプライズ。

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シャンパンの栓も抜いて大いに盛り上がりました。


おみやげには、知る人ぞ知る「はちまき」の裏メニュー、カレー焼きそばのルーをいただきました。


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そこで 本日の昼食は家族でカレー。


さすがに次元の違うカレーで、自宅近所にある2件のカレー屋よりもよほどうまいと家族の意見は一致。


この味ならばカレー専門店でも「はちまき」は十分やっていけるのではなかろうか。

 

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2015年12月21日 (月)

E.フィッシャーの平均律

曇り、今年の実働最終の週の始まり。
師走もいつのまにか20日過ぎとなってしまった


今月はいろいろと慌ただしく、年末気分にならず年賀状も書いていない。


先週の土曜日は職場内の有志による泊まりの忘年会だった。


これはセクションと職種の垣根を越えた会で昨年から参加している。
現地集合、現地解散の気楽な会。


今年の場所は伊豆長岡温泉の「小川屋」

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伊豆長岡温泉までは自宅から車で20分ほど。


この旅館に泊まるのは20年ぶりくらい。
久しぶりの建物内はほとんど変わらず、なんとなく懐かしさの残る昭和の温泉宿の雰囲気。


館内には沼津出身の彫刻家、和田金剛の彫像や書などの作品がいくつか置いてある。

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和田金剛は今では地元でもほとんど知る人もないが、日展の評議員だった人で、今でも作品を静岡県内の各所で見ることができる。


自分が若いころの上司が和田金剛本人と親しく、この小川屋に晩年の和田金剛が長逗留していてよく遊びに行った、と言っていた。


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その上司は10数年前に不慮の事故で急逝し今はない。

作品を見ているうちにそんなことを思い出していた。


夕方に宿に着くと参加者のほとんどは早めに到着、もう宴会のようなものが始まっていて杯盤狼藉状態。

自分はひと風呂浴びてから参加しその流れで宴会にそのまま突入。

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オリオンの輝く寒空を、〆のラーメンを食べに木製サンダルをカラコロ鳴らしながら伊豆長岡の温泉街を歩くと、煌々と明るい射的場に客の姿は見えないが、向いのラーメン屋は人でいっぱいだった。


同室者の鼾で寝不足のまま翌日曜日の朝にチェックアウトを済ませ、帰宅は午前9時前。


日曜は畑作業。そして音楽部屋とは別の部屋にダンボール箱に無秩序に入れたままになっているレコードの整理をしたりしていた。



聴いた音楽は、エドウィン・フィッシャーの弾くバッハの平均律クラヴィーァ曲集第1巻の途中まで。


手持ちはパテレファランスシリーズの外盤LP5枚組。


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これは数年前にいただいたLP。


さる音楽好きの方が亡くなり、私が文化センターでレコードコンサートの解説をやっていることを知った故人のご子息から譲り受けた。


引き取りに伺うと、ご子息は私と同年配。


故人は偶然にも私が知っている方だった。



さらに故人とその奥様はかつて私の祖父の部下だったという不思議。


故人の残されたレコードは、ヨーロッパ盤中心の大変質の高いものだった。




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平均律ピアノ曲集の演奏は、長い間リヒテルの残響豊かな録音にロマンティックな演奏で慣れ親しんでいた。


このフィッシャーの平均律を若いころ初めて聴いた時に、最初の第1巻第1番の速いテンポでスタッカート気味で弾かれる乾いた音にはかなりの違和感を覚えたもの。


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以後世評の高さに係らずこのフィッシャーの演奏は敬して遠ざけていた。


新たにこの演奏に虚心に耳を傾けてみると、その端正にしてストイックなまでの真摯な演奏に惹かれ、それがしだいに大きな感動に変わっていった。


1930年代の録音だがこのパテのLPの音は非常に良い。

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2015年12月18日 (金)

本日の練習、遅刻して音楽談義

年の瀬の週末、今日も晴れた。

朝出かけるときに見送るポコに近寄ろうとした時にコケて手を負傷、痛みはあったが傷口がわからないので放置していた。
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帰宅して腕を見たら5センチほどパックリ切れて乾いた血がこびりついていた。

なんとなく朝からツイテナイ金曜日。

午前中に予期せぬトラブル1件。



昨日は今年最後の山場も越えて特に大きな予定もなく、ぽかりと空いたエアポケットのような1日が終わり、気分は夜からのオケの練習に飛んでいた定時過ぎ、 本部からの突然の電話。


先月組織トップまで回した報告に関しての緊急の案件が勃発。

直接の担当はすでに帰宅し翌日の休暇が出ている。

手持ちの控えを取り出し内容を確認してみると、誤解を招くような部分があることに気が付いた・・・・

対応策を考え、資料を整えているうちに時間は刻々と過ぎていく。

なんとか目途がつき時計を見るとオケの練習に間に合うかどうかの微妙な時間。
先週の練習も仕事で休んでいるので、とにかく行きたい・・・・


仕事場から練習会場の沼津市民文化センターまでは車を飛ばして、到着は練習終了の15分前。


リハーサル室の廊下には「田園」の長閑な調べが流れ、ホルンのメンバーの1人がぽつりと座っていた。

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現在沼響のホルンセクションは8名。

練習を覗くとすでに6名が吹いていた。


もうこの時間だし入り込む余地もなく、廊下に出てきた「田園」はヒマなティンパニ奏者のOさんと先日の富士フィルの「復活」談義。


Oさんは打楽器のエキストラとして「復活」の演奏に参加していた。

本番中にいろいろなことが勃発しているのは聴いていて気が付いていていたが、演奏に加わった人から直接聴くと「あぁ。やっぱり・・・」と納得する部分もあり、意外な部分もあり面白かった。


オルガンはなかったと思っていたが、実際は入っていたとのこと・・・ 全然聞こえなかった。

クライマックスで、シンバルがオチョコになっていたことも気が付かなかった。

M71uj02g_l 念のために予備のシンバルを用意していたという。

さすがに百戦錬磨のOさん。

コンサートで弦が切れた時 のために予備のヴァイオリンを準備するのは常識だが、オチョコ対策の予備シンバルまで準備していたとはすごい。



仕事のことを忘れ、楽しいオケ談義のうちに練習は終わり団員が廊下にゾロゾロと出てきた。

結局、丸々2週間練習に参加できなかった。


Youtubeはドウダメルの「復活」

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2015年12月16日 (水)

デ・ワールトの「復活」

晴れ、今日も気温が高い。 どうやら今年は暖冬のようだ。

畑のミカン類の実が色づき始めた。
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金柑から温州ミカン、レモン、柚子、ネーブル、夏ミカンにザボンまで7種類。

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一番楽しみにしていたザボンは先週の強風で落ちてしまった。(T^T)


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さまざまなミカン類のフレッシュな果物ジュースが飲みたくて手動のジューサーをAmazonから購入。


どうせなら良いものを、と業務用にしたら、届いたものは予想外に巨大なものであった。

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また邪魔なものを買ったと家族から大顰蹙。

だが使ってみたらさすがに雑味のない上品な味のジュースが簡単にできる。

柚子を絞って炭酸水で割ってみたら絶品。



今日は先日富士フィルで聴いた「復活」。


取り出したのは、エド・デ・ワールト指揮のオランダ放送フィルハーモニーの交響曲全集からの1枚。
1993年のコンセルトヘボウでのライヴ録音。



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交響曲第2番ハ短調「復活」


エド・デ・ワールト指揮

オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団

オランダ放送合唱団

シャルロッテ・マルジョーノ(S)

ブリギット・レンメルト(A)


ライヴ録音/93年9月


奇を衒わずルーティンにも陥らずに落ち着いたマーラー演奏。


合唱の登場し始めの黄泉の国から聞こえるような暗い響きが印象的だ。


一転して最後の最後の爆発は感動的に盛り上がるまさに「復活」の音楽。

コンセルトヘボウのホールの柔らかで温かな響きが良い。



Youtubeは「復活」第5楽章から終盤、チョン・ミョンフム指揮フランス国立管

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2015年12月15日 (火)

バックハウスのベートーヴェン

通勤途中に見えた富士山に傘雲。


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「富士山に傘雲がかかると雨」のことわざの的中率は70%を超える。

かつて地元の漁師が「富士山にかかる雲の種類と時間で、およそその日の天気と風がわかる」と言っていたことを思い出した。

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昼間は晴れて温かく、夜から雨が降り始めた。


今日は今年最後の大きな山場、外部委員による会議。

予想通り発言の機会は多かったものの、論点は予想されたポイントから離れていわば山が外れた感じ。
結局念のため直前に準備しておいた簡単な資料が役立った。



帰宅後はバックハウスのピアノでベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と第2番。

昭和43年にキングレコードが創立35周年として発売したベートーヴェンのピアノ協奏曲全集中の1枚。


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ベートーヴェン:

・ピアノ協奏曲第1番ハ長調 op.15

・ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 op.19  

ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)  

ウィーンフィルハーモニー管弦楽団  

ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)  

録音時期:1958~59年  
録音場所:ウィーン、ゾフィエンザール


ぶ厚い解説書と全曲スコア、そして肉厚レコード盤の入ったずしりと重いLP3枚組。
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伴奏はハンス・シュミット=イセルシュテット指揮のウィーンフィルによる人口に膾炙した名盤だ。



鍵盤の獅子王と呼ばれたバックハウスの、強靭でいてしなやかで艶のある打鍵とイッセルシュテットの雄弁な伴奏に聴き惚れる1枚。

特に第1番が良い演奏だ。

ウィーンの名器ベーゼンドルファーの深く黒光りするような響きを見事に捉えた録音も非常に良い。





Youtubeはバックハウスの弾くベートーヴェンの4番のコンチェルト。
指揮は巨匠クナッパーツブッシュ

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2015年12月13日 (日)

富士フィルハーモニーの「復活」

雨の日曜日。

今日は近隣都市のアマオケや合唱団の演奏会が集中した日。

西の隣町富士市では、富士フィルの創立30周年記念演奏会。
十束尚宏さん指揮でマーラーの大曲「復活」


一方東の三島市では沼響もお世話になっている伊豆新世紀合唱団がN響の茂木大輔さんの指揮でプーランクの「グローリア」その他。

南の伊豆フィルも創立20周年を祝って、沼響も振っていただいた和田一樹さんの指揮で「惑星」全曲。


富士フィルと伊豆フィルには沼響のメンバーも大勢エキストラとして参加している。

結局迷った末に富士フィルの「復活」に行くことにした。
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「富士フィルハーモニー管弦楽団 創立30周年 記念演奏会」



交響曲第2番 「復活」    :マーラー

指揮:十束 尚宏

独唱:井岡 潤子 (ソプラノ)    

児玉 祐子 (アルト)



   午前中は職場に寄り、明日から始まる大きな会議の資料を整えたりしていた。


休日出勤している女性職員に声をかけていたりしていたら、いつのまにか正午過ぎ。

今日はホールでの催しが多く駐車場が早くにいっぱいになるとの情報を得ていたので、急ぎ会場の富士ロゼシアターへ。


開演1時間前に着いたものの、中央公園の駐車場は満車状態でやむなく会場から離れた場所に見つけて駐車。

外は雨だった。

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ロビーではホルンアンサンブルのロビーコンサートがあり、フンパーディンクの「夕べの祈り」のあとに、「復活」初体験のお客様向けに「復活」のさわり部分を演奏していた。

そして「復活」。


ステージを見るとおなじみの沼響のメンバー多数。

ヴィオラパートは外側のプルトに沼響のメンバーが1列に座っている。
   
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終演後の立ってのあいさつでは知っている顔がずらりとならんでいた。


演奏は、楽章によって練習量の差が音に出ていたものの慎重で冷静な十束さんの指揮の下、フィナーレへ向かってヴォルテージが熱く上がって行くのが良かった。


オケと合唱の奥行き感も良く、宇宙的な空間が会場いっぱいに広がっていて、聴いていてやはり「復活」は生にかぎることを実感。

録音では気がつかないような音も聞こえてきて新たな発見も多かった。

1時間30分の長丁場でもお客さん達は集中して聴き入っていた。


創立30周年おめでとうございます。

熱き壮大なフィナーレには感動しました。

ありがとうございました。


終演は4時少し前。
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すっかり気分が高揚して外に出たら昼食を食べていないことに気が付き、腹も減ったのでホール近くの店で角煮ラーメン。

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2015年12月12日 (土)

モートン・エストリンのピアノ小品集

晴れのち曇り土曜休み。

畑の柑橘類の実が色づいてきたが、昨日の強風で一番楽しみにしていたザボンが落ちてしまってがっかり。

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今日は 特に予定もなかったので床屋や図書館に行ったりしていた。


家内がたこ焼きを買ってきた。

ごく普通のたこ焼きだが、これに「峯松ソース」をかけると絶品たこ焼きに早変わり。

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「峯松ソース」は沼津の戸田地区にある民宿「磯の宿 峯松」特製のソース。

独特のコクが千切りキャベツやとんかつによく合いファンも多い。


  図書館の帰りに寄ったリサイクルショップのジャンクコーナーでLPを3枚ほど救出。


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スヴェトラーノフの若い頃の全集からチャイコフスキーの交響曲第1番、ロシアメロディア盤。



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ピーター・ゼルキン率いる「タッシ」のメンバーに当時のボストン響のコンマス、シルヴァースタインとロスアンゼルス室内管の首席コントラバス、ナイトリンガーが加わったシューベルトの「鱒」、国内盤。


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若き日の清水和音が「ラ・カンパネラ」のほかタウジッヒ編の「軍隊行進曲」やワイルド編の「白鳥の湖」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」などを集めた小品集。


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そして最大の収穫が幻のピアニスト、モートン・エストリンの小品集。
国内盤LP.

アマチュアのピアノ初心者が弾くような曲も含んだ曲集。

全く無名の人で、このレコードの解説文でも演奏家の紹介は全くない。

おそらく発売時の担当者もごく普通の家庭向き名曲ピースのつもりだったのではなかろうか。


優秀録音で鳴らしたコニサーソサエティ録音ということで買ってみて聴いてびっくりだった。

これは凄いピアニストだと直感。
冴えた技巧と独特の音色感。



詳細な感想は別に書きます。


ネットで検索したらアリアCDの記事が出てきた。

アメリカでは大家の扱いらしい。
かのビリー・ジョエルもピアノを学んでいる。


タスキの公告によるとこのレコードはシリーズ物で他に3枚出ていたらしい。


著名な演奏家はともかく、無名演奏家のこの種の家庭名曲集ものは粗末に扱われることが多く、いざ探すとなるとなかなか見つからない。


Youtubeはエストリンの弾くラフマニノフのプレリュード

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2015年12月11日 (金)

プレートルのシベリウス

昨晩からの雨は朝には強風をともなった大雨。
まもなく大雨洪水警報発令となった。

昼過ぎには雨は止んだものの、エルニーニョのピークとやらで熱風のような風の吹き荒れた1日。 最高気温は20度を超えた。


本日午前中の重要な会議は特に問題なく終了。
結局、昨日オケの練習を休んで準備した資料はほとんど出番がなかった。

さらに午後からは同じメンバーが見学にやってきてその応対も有り気疲れした1日。

明日が土曜日なのが気分的に救い。


今日はプレートルのシベリウス。

交響曲第5番に交響詩「夜の騎行と日の出」のRCA録音の国内盤LP。

プレートルのシベリウスほかに交響曲第2番の録音もあり、この5番とのカップリングで タワーレコードからCD復刻されていた。

オケはニューフィルハーモニア管弦楽団で1967年の録音。
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フランスの指揮者のシベリウスは珍しく、思い浮かぶのはモントゥーの交響曲第2番くらい。

正直なところあまり期待はしていなかったが、各楽器をバランス良く鳴らし山場の造り方も老練な落ち着きのある演奏だった。

演奏の出来は交響曲よりも、交響詩「夜の騎行と日の出」が騎行と日の出の部分を明快に描き分けて良い出来だと思う。

プレートルの演奏では、小粋で躍動感に満ちたEMIへの一連のプーランクや雄大なサンサーンスの交響曲第3番などを録音していた60年代の頃のプレートルが好み。

ジャケット解説の音楽評論の老大家の一文は時代を感じさせるもの。


Youtubeは「夜の騎行と日の出」から日の出の部分


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2015年12月10日 (木)

スタインバーグの「田園」

曇りのち夜から雨。
明日から外部委員による重い会議。 今回直接影響する案件が2件ほど。


今日はオケの練習だが、ノンキにホルンを吹いているわけにもいかず明日に備えて欠席。


自宅のマシンをWindows10にアップデートしたものの、いろいろな不具合が出てきて結局Windows7に戻すことにした。


2日ほどWindows10を使ってみたが、さほどの進化は実感できなかった。

中でもいままで再生できていたDVDが再生できないのは疑問。

ブルーレイを再生するには有償ソフトを購入しなければならない。

手持ちのマシンは東芝のQosmioという5年ほど前のパソコンで、harman/kardonのステレオスピーカー付き。

パソコンとしてはノイズ対策もしっかりしていて音も良く、おまけの画像編集ソフトも良いものだったがWindows10に代えたら画像関連は全てだめになった。


Windows7に戻してから、東芝からWindows7のままの使用を推奨する旨のメッセージが届いていたことに気が付いた。


Windows7に戻している作業中にタブレットを操作していたら、突然フリーズして動かなくなった。

どこかで連動しているのだろうか?




スタインバーグ指揮ピッツバーグ響の「田園」を聴いていた。


手持ちは米コマンドへの交響曲全集から。 St-Laurent Studioから出ているCDで米コマンドのLPからの板起こし。

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スタインバーグのベートーヴェンの交響曲録音では50年代に米キャピトルへ5曲の交響曲が有るがコマンドへの録音は60年代の全集もの。

LPからのCD化の音は幾分バランスが高音寄りだがきれいな音で鳴っている。


かなり速いテンポの不純物を取り除いた純水のようなベートーヴェン。
楽器バランスは完璧に近いがもう少し遊びがあっても良いように思う。


管楽器、特にオーボエとクラリネットは非常にうまい。

続きを読む "スタインバーグの「田園」"

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2015年12月 8日 (火)

ドラティの「ローマの祭り」

曇り。
朝、車の免許の更新のために帰省していた娘を駅まで送りながら出勤。
途中で雨がぽつりぽつりと降り始めた。

今週は後半に本年最後の大きな山場がある。
今年もあとわずかだが、それなりに重い残り3週間。


昨晩パソコンのセキュリティソフトを、マカフィーからカスペルスキーに乗り換えるついでにOSをWindows10に入れ替えてみた。

Windows7でも支障はなかったのだが、帰省した娘が持ち帰ってきたパソコンのWindows10の画面を見て変えたくなった。

乗りかえに意外と時間がかかり、古いソフトの中には対応できないものが出たりと、いろいろとやっているうちに午前1時。


Windows7と勝手が違うためにシャットダウンするのにもモタモタだが、今のところ正常に動いている。
だがWindows10ではブルーレィのDVDがこのままでは再生できないようだ。



今日はドラティの指揮で「ローマの祭」。

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聴いたのは米マーキュリー音源のキングレコードが出していた国内盤LP.

カップリングは同じレスピーギの「教会のステンドグラス」。
オケはミネアポリス響(現ミネソタ響)のモノラル録音。


ドラティはマーキュリーレーベルにレスピーギの作品の多くを録音していて、 ローマ三部作のほか「ブラジルの印象」、「鳥」「リュートのための古風な舞曲とアリア」全曲などがあった。

中でもフィルハーモニア・フンガリカを振った「リュートのための古風な舞曲とアリア」は、マリナーの演奏が出るまでは貴重なステレオ全曲録音だった。

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三部作では「ローマの松」がモノラル、ステレオの2種と「ローマの噴水」もあり、オケはいずれもミネアポリス響。


「ローマの松」についてはだいぶ前に沼響のHPの聴き比べ「ローマの松を聴く」で言及しているが、今聞くとまた印象が変わるかもしれない。



このキング盤はモノラルとはいえマーキュリーオリンピアンシリーズの優秀録音で、DENON製モノラルカートリッジDL102で聴くと、オルガンの重低音も含め驚くほどリアルな音響が迫ってくる。


演奏も凄絶、「チェルチェンシス」は落ち着いて聴いていられないほどのド迫力だ。


ミネアポリス響の演奏とはとても思えないほど各楽器が見事に鳴り切っている。

初演者トスカニーニに匹敵する名演についに出会ったという興奮。



実はこの演奏では、このキングの古いモノラル盤のほか蘭フィリップスのGolden Importシリーズの疑似ステレオ盤も手持ちであって、「教会のステンドグラス」は3年ほど前にこのブログで言及している。

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が「ローマの祭」については書いていない。


今回この国内盤と蘭フィリップス盤を聴き比べてみて、「ローマの祭」について書かなかった理由がわかった・・・・・


蘭フィリップスの疑似ステレオは、音像が曖昧で音にコシがなくてふにゃふにゃ。


演奏の印象を大きく変えてしまうほど疑似ステレオ化が悪い出来だったのだ。


Youtubeはプロムスでの「ローマの祭り」

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2015年12月 6日 (日)

シュトゥットガルト室内合唱団のシューマン

晴れのち曇り。


散歩の前のポコは出かける前に必ずおすわりをする。

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今日も富士山がよく見えた。


午前中は畑の境界に植えてある槇の木を切ったりしていた。

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昨日、桃屋のパンが食べたくなり、パンを買った帰りになじみのオーディオショップ「電気堂」に寄ってみた。



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馴染みとはいえここ数年足が遠のいていたのだが・・・・。



店に入るとヴィンテージオーディオがずらり、壁面にはLPがびっしり。
店の様子は変わっていないがお客は誰もいない。



店主さんと久しぶりに話し込んだ。


店に来るお客は、ほとんど高級オーディオには興味をしめさないという。


今の時代、オーディオショップを営むことの難しさは想像していた以上。


「レコードは売れるの?」


「それが売れる。ほとんどロックだけれどね。」

意外だった。若者がロックのレコードを買いに来るのだという。

「でも、高級オーディオには全く興味をしめさないよ。今はレコードプレーヤーも安く買えるしね」




ついでにレコード棚も眺めてみた。


かつてこの店の主流だった初期盤のLPはほとんどなくなっていて、国内盤がほとんど。


ちらほら珍しい盤も見かけたが大部分は所有済み。


久しぶりにこの店で買ったのは2枚ほど。


80年代初頭に東芝から出ていたセラフィム合唱名曲シリーズから、フリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団によるシューマンの「ロマンスとバラード集」

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・合唱曲「ロマンス」第1集Op.69の1~6

・「ロマンスとバラード」第4集Op.145、146

・3声の女声のための「三つの歌」Op.114

「ロマンス」第2集Op.91の1~6


指揮:フリーダー・ベルニウス

合唱:シュトゥットガルト室内合唱団

ピアノ:ハルトムート・ヘル
 
ソプラノ:クリスツィーナ・ラキ(「ロマンスとバラード」第4集Op.146の5)

フルート:コンラート・ヒルツェル(同)

ホルン:ヨハネス・リツコフスキー(同)


LP:東芝EMI EAC‐40146


ホルン奏者のリツコフスキーのクレジットが入っていたので購入したのだが、聞いていて驚きの名演だった。


菅野弘和氏がこのLPの解説で、初めて聴いたこの演奏家たちの来日を熱望する絶賛の記事を書いている。



このLPがベルニウスとシュトゥットガルト室内合唱団が日本で紹介された最初の音盤ではなかろうか。

今や世界最高の合唱団としての名声を確立したベルニウスとシュトゥットガルト室内合唱団は今年5月に3度目の来日を果たしている。



そしてもう一枚は、チェコスプラフォン原盤のヤナーチェクの「女声のための合唱曲集」。


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・ フラッチャニの歌

・ 狼の足跡

・ わらべ唄*

・ カシュパル・ルツキー

ヨゼフ・ヴェセルカ指揮

プラハフィルハーモニー合唱団
チェコフィルハーモニー管弦楽団員*

1972年8月21日~12月5日、プラハ、ドモヴィナ・スタジオ



沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」にアーベントロートの1928年録音の演奏の感想をアップしました。

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Youtubeはベルニウス指揮シュトゥットガルト室内合唱団の「ハレルヤ」

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2015年12月 5日 (土)

パウムガルトナーの「ジュピター」

本日快晴、温かく過ごしやすい一日。

前日まで強風が吹き空気も澄み土曜日の朝の千本海岸は富士山が美しかった。

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強風の影響なのか海上には船は見えない。


面白い犬が散歩していた。


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飼い主のおじさんもそっくりだったのがおかしい。



ザルツブルク・モーツァルテウム管の創設者、ベルンハルト・パウムガルトナーのモーツァルト。




70年代の廉価盤LP、日本コロンビアの「ヒストリカルレコーディングシリーズ」中の1枚。



このシリーズは希少な録音を世界中のレーベルから集めていて、レイヴォビッツの指揮したルーセルの「眠りの精」や作曲家ドホナーニのベートーヴェンのピアノソナタ集、ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲の初演者ウィットゲンシュタインのコンチェルトを含んだ左手のための作品集、ここでしか聞けない音源がいっぱいあった。


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この古色蒼然たるジャケットデザインを中古レコード店で目にすると必ず手に取っていた。



聴いたのは「ハフナー」と「ジュピター」。
オケはザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団。


同シリーズのパウムガルトナーでは他に「リンツ」と「プラハ」があった。

日本コロンビアの他の廉価盤シリーズではハイドンの交響曲もあったと思う。


これらは日本コロンビアからオイロディスク・ヴィンテージコレクションとしてCD化されていた。



「ジュピター」から聴いたが堂々たる風格の非常な名演だ。


音の響きの密度が濃く、音楽は巨大でありながら流れが軽快で自然。

一昔前のワルターやシューリヒトのモーツァルトにも共通するタイプだが、演奏は両者に匹敵する大きな感銘を受ける。


Youtubeは「ジュピター」のフィナーレ、チェリビダッケの指揮

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2015年12月 4日 (金)

本日の練習、田園初見

曇りのち晴れ。昨日午後からの家を揺らすほどの強風は一日止まず。
12月に入り吹く風も冷たくなってきた。

今年最後の山場が来週から始まる。今日は提出案件の資料の精査と打ち合わせ。



    昨晩は来年の定演へ向けての新たなオケの練習の日。
場所は沼津市民文化センター地下のリハーサル室。 団内指揮のF君の指揮。


曲はベートーヴェンの「田園」の初見。


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「田園」は有名曲ながらアマオケであまり演奏されていないようで、沼響内では演奏したことのある団員はほとんどいなかった。

自分も実際に演奏するのは初めてだ。


ベートーヴェンの交響曲の中で「第九」は別格として、「田園」だけは他の曲と違い異形の交響曲だということを感覚的に持っていたが、実際に演奏してそのことを確信。


9つの交響曲のうち唯一の5楽章。
さらに各楽章にベートーヴェン自身の標題が付けられている。



散りばめられた楽想の数々がリラックスしていて、「運命」の緻密で隙のなさに比べると緩くもあり、吹いているうちに気楽な気持ちでベートーヴェンがこの曲を書いたようにも思えてくる。


「運命」と「田園」という全く異なる性格の交響曲がほぼ同じ時期に書かれたのにも驚きだ。


ホルン奏者としては記譜が第2楽章B管、他がF管なので読み替えが無くて良い。

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第2楽章を吹いているうちに、30年ほど前に散策したウィーン郊外のハイリゲンシュタットの小径を思い出した。

あの時目の前をリスが横切った。


ちなみにベートーヴェンよりも前に30曲の交響曲を書いたフランスの作曲家ゴセックにも「田園交響曲」がある。


ベートーヴェンは知っていたのだろうか?


Youtubeはベネズエラ・シモンボリーバルオケの「田園」フィナーレ

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2015年12月 2日 (水)

ミケランジェリのモーツァルト

曇り、明日は雨のようだ。

本日夕方から上層部を交えて業務改善に係る提案を含んだ会議。
充分に準備したはずだが議論は前へ進まず。

結局再度の仕切り直しになったものの、問題提起ができただけでもよしとしよう。
今までの慣習を打破することには大きなエネルギーが必要であることを痛感。




帰宅後聴いたのはモーツァルトのト短調。


シンフォニーではなくてピアノ四重奏曲第1番。


アマチュアが演奏できるように軽いものを、という作曲の依頼者の申し入れに反してモーツァルトが書いたのは悲劇的で密度の濃い孤高の音楽だった。


演奏はヘブラーのピアノにシュワルベ、ヴォルヴィツキーら、ベルリンフィルのトップ奏者たちによる鉄骨のような名演。


手持ちはフィリップス原盤の国内盤LP.

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ピアノ四重奏曲ト短調  K 478

イングリット・ヘブラー(pf)

ミシェル・シュヴァルベ(vn)

ジュスト・カッポーネ(va)

オトマール・ボルヴィツキー(vc)


そして同曲の演奏でもう一枚。
こちらはミケランジェリの演奏。

1972年のライヴで、フランスの弦楽器奏者たちとの共演。

手持ちはAURAから出ていた出所不明の録音を集めたCD10枚組


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・ピアノ四重奏曲変ホ長調 K 478


ジャン=ピエール・ワレーズ(vn)

クロード=アンリ・ジュベール(va)

フランク・ダリエル(vc)

1972年録音

コロコロと水玉が葉の上を転がるようなミケランジェリ独特の純で美しい音。

こちらはあくまでもミケランジェリが主導と思いきや、弦楽器三人と見事なアンサンブルで聴かせてくれる。

ミケランジェリの室内楽曲は少ないように思う。

これは小さなサロン的な会場でのライヴを隠し撮りしたような音。

ゴソゴソとしたノイズが妙にリアルだ。


カップリングのコンチェルトはミケランジェリが好んで弾いた第15番。



・ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K 450

チューリヒ室内管弦楽団

エドモンド・デ・シュトルツ(指揮)

1974年録音


きりりと引き締まったシュトウツの伴奏が非常に良い。

  録音状態も良好なステレオだ。


Youtubeはト短調のピアノ四重奏曲

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2015年12月 1日 (火)

ホルスト・シュタインのジークフリート牧歌

12月になった。1年の経つのが年々早くなる。

今日は昨日他部署の長を交えて協議をした内容の精査。 制度上の谷間に落ちてしまった内容で、5年間懸案となっている難しい案件。

お互いの部署の立場を主張すると解決の見通しは見えてこない。なんとか妥協点を探り前進したいもの。



沼響の団員のIさんからバイロイト音楽祭のチケットが当たったという話を聞いた。


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毎年申し込んで8年めで当たったらしい。


Iさんのバイロイト訪問は今度で2度目。
いいなぁ・・・


私も今から申し込んでみようかな・・・



バイロイトの常連だったホルスト・シュタインのワーグナーを聴いた。

独逸オイロディスク録音の国内盤CD.


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・歌劇「タンホイザー」序曲(パリ版)

・歌劇「リエンチ」序曲

・ジークフリートの牧歌


ホルシュト・シュタイン指揮
バンベルク交響楽団、合唱団

1986年


CD初期の常として収録曲は少ない。

その後この3曲はバラされて、他のシュタインのCDの余白に入れられてしまったがこちらがオリジナル。

LPも出ていたかもしれない。


ちょうどこの録音の直前にシュタインとバンベルク響は来日していて、この時の公演は静岡で聴いた。


曲は「エロイカ」をメインとしたベートーヴェンプロだったと記憶している。



バンベルク響はその数年前にヨッフムと来日した沼津公演以来。

その時はヨッフムではなくレオポルド・ハーガーの指揮だった。
(ヨッフム本人が自分の席のすぐ目の前に座っていて、演奏よりもそちらの印象の方が強く残っている。)

さすがにシュタインはハーガーとは格が違うと思った。


今思い起こしても、オケの渋くいぶし銀の響きと木管と弦楽器が絶妙のバランスで鳴っていたことが思い浮かぶ。

まさに正統派のベートーヴェンを聴かせてくれた。



そしてこのワーグナー、「タンホイザー」序曲が合唱付きなのはシュタインのこだわりだろうか。


この中ではじっくりゆっくりと暖かに歌い上げた「ジークフリート牧歌」が素晴らしい。

かなり遅いテンポなのに音楽は弛緩せず、聞き手を幸福に包んでくれるクナッパーツブッシュ以来の名演だ。


Youtubeは水戸室内管の「ジークフリート牧歌」

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