ブーレーズのバロック音楽
本日天気晴朗なれども波高し。放射冷却で冷えた朝を迎えたものの、今年の冬は未だ氷を見ていない。
連日仕事帰りに入院中の母を見舞と頗る元気で毎日退屈の様子。
今日はブーレーズの演奏でバロック音楽。
ブーレーズは比較的早い時期にバロック期の作品をいくつか録音している。
その中の1枚から、「春の祭典」と同時期の1964年、コンサートホールソサエティへの録音でヘンデルの「水上の音楽」を聴いた。
オケはハーグフィルで手持ちはDENONが出していたCD.
ここでブーレーズはその頃多かったハーティ編による近代オーケストラのための編曲版ではなく、3つの組曲からなるクリサンダー版で演奏している。
同時期の同じような録音としてはボールトやベイヌム、フェレンチックなどの録音もあったがブーレーズとしては意外なレパートリーだ。
ニューヨークフィルとの再録音もあるので、お好みの曲だったのだろう。
録音もオケも最上の状態ではないものの、きっちり整頓されたアンサンブルに音のメリハリも十分な演奏だ。
ただ自分の好みとしては、大編成オケならばベイヌム指揮コンセルトヘボウ管に聞かれたコクのあるいくぶんロマンティックな演奏が好み。
そしてブーレーズのバロック音楽で大バッハの息子、CPE.バッハによるフルート協奏曲。
ソリストは名手ランパル。
オケの実体はわからない。
こちらもハーグフィルとの「水上の音楽」とほぼ同じ時期の録音だが仏ハルモニア・ムンディへの録音なので音は良い。
手持ちは70年代にキングレレコードが出した「バロック名曲1000シリーズ」の廉価盤のB面。
このレコードは、そのころ一般のお店で買えるブーレーズ唯一の廉価盤だった。
(コンサートホール盤も安かったけれど会員制の通信販売だった)
ランパルのソロはあい変らずの達者なものだが、第3楽章の猛烈なスピードの中でランパルのソロにピタリとつけていたブーレーズの鮮やかな伴奏が印象深い。
このLPのA面はラリューのフルートとシャンボンのオーボエによるクヴァンツとシュターミッツのトリオソナタで、特にクヴァンツのハ長調の曲に美しさに陶然としたのも懐かしい思い出だ。
この演奏はフルートパートをオーボエに、ブロックフレーテパートをフルートに入れ替えた珍しい版だった。
Youtubeはクヴァンツのトリオソナタ
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