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2016年3月11日 (金)

杉本裕乃&海瀬京子コンサート

曇り時々雨。


気温は昨日よりもさらに下がり最高気温7度。


本日外部委員による大きな会議。


英気を養おうと昨晩早くに床に入ったものの、逆に寝過ぎて朝起きたら頭はぼうっと飽和状態。会議の始まる直前まで眠気が落ちなかった。

会議終了後に別部署の長と組織内の会議。





今日は3.11。



ちょうどあの日も金曜日で、今日のような小雨まじりの寒い日だった。


地震発生の2時46分頃にオフィス内で自然と5年前の話になった。

5年前のその時に何をしていたのか(皆仕事中だったのだが)
帰宅後どう行動したのか、原発事故とのかかわりなど・・・・

自分は↓
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2011/03/post-5c74.html 

夥しい犠牲者のことを思い皆しんみり。


今日は定時に退社し隣町長泉町の音楽ホール、ベルフォーレへ。


海瀬京子さんとアメリカ在住のヴァイオリニスト、杉本裕乃さんのコンサート。
 
場所はベルフォーレ内のイベントホール。キャパは200名ほど。

S20160311_183729

曲は


・ピアノソナタ 変ホ長調 K.282  第1楽章 :モーツァルト

・春の歌     ヴァイオリンとピアノ版   :メンデルスゾーン


・スケルツォ                 :ブラームス


・シャコンヌ                 :バッハ~シャコンヌ


・5つのメロディから第1曲          :プロコフィエフ


・ヴァイオリンソナタ第5番「春」       :ベートーヴェン



~アンコール


・シンコペーション              :クライスラー


・愛の挨拶                  :エルガー



S20160311_183738 最初に震災の犠牲者への追悼の思いを込めてモーツァルトのピアノソナタK.282の第1楽章が演奏された。


しみじみとした良い演奏だった。

杉本さんのヴァイオリンは一本芯の通った鋭さでぐいぐいと引っ張る力強いもの。
プロコフィエフのメロディには妖艶さも垣間見える。


あの細い体から放射される生き生きとした音の輝きは見事なもの。




海瀬さんのシャコンヌは6年前にトッパンホールで聴いている。

テクニックだけでなくより深いバッハの世界を探り出そうとする姿勢が今回はより鮮明に見えてきた。

ピアノの音も粒立ちのはっきりした硬質な響きでバッハの各声部の動きが浮き彫りになっている。

S20160311_183522



「春」は若々しさから大人の世界に脱皮していく過程のベートーヴェン演奏といった趣。



二人ともテクニックは申し分ない。



互いの個性を丁々発止とぶつける過程で音楽の同じ方向性を見い出だして、1+1が2以上になる室内楽の面白さを聴き手に示すことができれば、さらに勧興深い演奏になるだろう。



アンコールで演奏されたクライスラーの「シンコペーション」は実演では初めて聴いた。


アメリカンスタイルの軽妙な演奏で、杉本さんはこの種の音楽がすごく得意なんだろうな、と感じた。


二人のトークも楽しく、聴きごたえのあるコンサートでした。

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