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2016年7月に作成された記事

2016年7月30日 (土)

クレンペラーの「魔笛」

7月最後の週末は快晴。

最高気温は30度を超えたものの、気力の充実するような良い天気だった。

今日明日は沼津夏祭り。


家内は下の娘が通う大学の父母会で不在、上の娘は午後から夏祭りに出かけて行った。


家内を駅まで送るとスマホ片手の人たちが多数たむろしていた。


ポケモンGOの影響か・・・ちょっと異様な景色。



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図書館に寄った後、海が見たくなって昼下がりの我入道海岸へ。


海岸がきれいに清掃されてバーベキューを楽しむ人々。

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マリンレジャーを楽しむ人々など、駿河湾を背景に沼津ならではの景色が広がっている。


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夜に家内を駅まで迎えに行くとビルの屋根越しに花火が見えた。

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今年の夏祭りは例年よりも人出が多かったようだ。




帰りに見た歩行者天国も凄い人出。

これもポケモン効果なのだろうか。



今日はクレンペラーの指揮で「魔笛」ハイライツ。国内盤LP。

この全曲盤は台詞を全てカットし音楽だけ収録したものとして知られる。


タミーノのニコライ・ゲッダ、パミーナはクンドラ・ヤノヴィッツ、
そしてデビューしたばかりのルチア・ポップの初々しい夜の女王が素晴らしい。



三人の侍女はシュワルツコップ、クリスタ・ルードウィッヒ、マルガ・ヘフゲンという驚きのキャスト。


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・歌劇『魔笛』 ハイライト


タミーノ:ニコライ・ゲッダ
パミーナ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ
パパゲーノ:ヴァルター・ベリー
夜の女王:ルチア・ポップ
ザラストロ:ゴットロープ・フリック
弁者:フランツ・クラス
第1の侍女:エリーザベト・シュヴァルツコップ
第2の侍女:クリスタ・ルートヴィヒ
第3の侍女:マルガ・ヘフゲン
パパゲーナ:ルート=マルグレット・ピュッツ
モノスタトス:ゲルハルト・ウンガー

フィルハーモニア合唱団(コーラス・マスター:ヴィルヘルム・ピッツ)

フィルハーモニア管弦楽団

オットー・クレンペラー(指揮)

録音時期:1964年3月、4月録音
録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール


豪華なキャストを誇るこの録音の時期に、プロデユーサーのウォルター・レッゲはフィルハーモニア管の解散を宣言しクレンペラーと徹底的に対立してしまう。


結局この録音がレッゲの最後の仕事となってしまった。





演奏は非常に充実した内容で、聴いているうちにハイライトでは物足りなくなってきた。


Youtubeはルチア・ポップの歌う夜の女王のアリア

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2016年7月29日 (金)

中村紘子さんのことなど

晴れ、今日は早くも金曜日。

仕事は煮詰まり懸案事項多数。

朝出勤の身支度をしていると、娘が「お父さん、中村紘子さんが亡くなった!」

テレビを見るとニュースに訃報が流れていた。

がんを患っていたことは知っていたが、もう復帰したはず・・・・

最近の「題名のない音楽会」にも出ていたので驚いた。


中村紘子さんは長いキャリアの中で、地方都市でも精力的に演奏していた。

日本全国津々浦々で、実演に接した人は膨大な数になるだろう。



最後のステージは5月8日の洲本でのコンサートだったという。




沼津や隣町の三島にも何度も来てくれて、自分も何回聴いたかわからないほど。


初めて聴いたのは中学生の時だったような気がする。


演奏会の細部までは覚えていないけれど、中村さんのステージには独特の華があって、男勝りの力強さと輝かしさの印象が残っている。


それでいて訃報に接して最初に思い浮かんだのは、ショパンのピアノ協奏曲第1番第2楽章の淡々とした演奏だった。


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マーラーの娘婿、名指揮者フィストラーリの伴奏も良かった。



80過ぎの母から自分の娘まで、
家でその訃報が話題になるほど広い世代に愛されていたピアニストだった。 


ご冥福を祈ります。




今日は、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49のアンダンテを聴いた。


手持ちはCBSから出ていたLP.


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・ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 作品49
                    :メンデルスゾーン

・ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 作品11「街の歌」
                    :ベートーヴェン

      堤剛(チェロ)

      中村紘子(ピアノ)

      海野義雄(ヴァイオリン)


淡々として美しいピアノが身に染みる。


沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの1番を聴く」に、
トスカニーニの1937年録音の感想をアップしました。

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Youtubeは中村紘子の弾くショパン、「別れの曲」

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2016年7月26日 (火)

聖母マリアの子守歌

曇り時々雨。

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父方の祖母の実家から今年も箱根山麓のジャガイモをいただいた。

三島コロッケの原料として有名な良質のジャガイモで、品種はキタアカリとメークィーン。



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祖母が我が家に嫁いで80年あまり、代が変わっても今でも毎年この時期に持ってきてくれる。


今年は特に出来が良いなぁと思っていたら、先日NHKテレビのローカルニュースで、その親戚のジャガイモ畑が紹介されていた。

ありがとうございます。


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じゃがバターでいただきました。



今日はいささか季節外れのクリスマスソング、「聖母マリアの子守歌」


内容は13世紀から18世紀までのイタリアの教会で歌われた、クリスマスソングを集めたもの。



女子パウロ会が出しているCDで、つのだたかしほか日本を代表する古楽奏者たちによる演奏。




つのだたかしは他のグループでの実演を沼津で聴いたことがある。
もう解散してしまったクラシック鑑賞団体、沼津楽友協会の例会だった。

会員の大部分は古楽など聴いたことがない人たちばかり。


明るく楽しげだが、無国籍風のどのカテゴリーにも属さないような曲と構成に、当日の会場内に漂う、なんともいえない戸惑いの雰囲気を今でも鮮明に覚えている。



このCDは、古い時代のクリスマスにイタリアの教会で歌われた芸術性の高い宗教歌曲や、民衆のための素朴なクリスマスソングを集めたもの。


素朴であり親しみやすい曲の数々、合間に器楽曲が入る。


多種多様な編成、独唱あり合唱あり、突然聞こえる少年合唱のような曲など、よくぞこれだけバラエティに富んだ曲を集めたものだ。


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「聖母マリアの子守歌 Canti Di Natale」


01.み言葉は処女マリアにより肉体となられた (14c.)

02.天には栄光、地には平和 (13c.)


03.喜びの歌へ (14c.)


04.リチェルカーレ (ボッシネンシス)


05.美しき処女 (トロンボンチーノ)


06.フェラーラ風パヴァーナとピーヴァ (ダルツァ)


07.ピーヴァ、ピーヴァ (ロンバルディア地方の古謡)


08.チャコーナ (メルラ)


09.聞け、人々よ (グランディ)


10.さあ、起きよ、羊飼いたち (ガリアーノ)


11.喜べ、シオンの娘よ (モンテヴェルディ)


12.二人の天使の対話風コンチェルト (バンキエリ)


13.カプリッチョ・パストラーレ (フレスコバルディ)


14.さあ、眠りなさい(聖母マリアの子守歌) (メルラ)


15.おお、善きイエスよ (モンテヴェルディ)


16.おお、聖なるかな、幸いなるかな (シチリア地方の古謡)



演奏:つのだたかしとアンサンブル・エクレジア



つのだたかし(リュート)、

波多野睦美(ソプラノ)、田崎瑞博(フィドル)、


江崎浩司(リコーダ、ショーム)、近藤郁夫(パーカッション、ダルシマー)



米良美一(カウンターテナー)、濱田芳道(コルネット)、

今井奈緒子(ポジティヴ・オルガン)、サラ・アリエンティ(歌)、

ジョイア・アリエンティ(歌)、


合唱、川島尚幸(テノール)、川久保浩志(テノール)、

辻康介(バリトン)、熊谷隆彦(バス)



youtubeはつのだたかし率いる「タヴラトゥーラ」の演奏

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2016年7月25日 (月)

ポリーニとベームのブラームス

快晴、北海道のようなさわやかな夏の一日。

早朝にウグイスのさえずりが聞こえてきた。いわゆるホーホケキョと異なる複雑なさえずりだ。

美しい声と芸術的な歌い方にしばらく聞き惚れていた。


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金曜日に登場したポケモンgoはたちまちのうちに巷を席巻。
この週末にはあちらこちらで立ちスマホの人を見かけた。

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夜には家の近くのお寺の山門の前に女子高生らしき数人がスマホを持って立っていた。

どうやらここはポケストップということらしい。



こんなことは今までなかった。

自分もダウンロードしてやってみると、これが面白い。

昨日夕方に海辺の牛臥山公園に行ってみると、こちらでも立ちスマホの人多数。

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自分もヒトデマンをゲット。

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これは単なるゲームとしてではなく、これからのコミュニケーションのありかたや多くのビジネスに大きな影響を与えていくのではなかろうか。



今日はブラームスのピアノ協奏曲。

第1番をポリーニのピアノで聴く。手持ちは独逸グラモフォンのLP。


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・ピアノ協奏曲 第1番ニ短調 op.15

 
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

カール・ベーム(指揮)

録音:1979年12月

ベームにはバックハウスとのモノラル録音がありそちらもドスの効いた名演だった。


張りつめた緊張感と集中力、ポリーニの強靭な打鍵にベーム指揮ウィーンフィルのスケールの巨大な伴奏のまさに横綱相撲の演奏。


ポリーニにはアバドとティーレマンとの2種の再録音もある。



Youtubeはツィマーマンのピアノでブラームスのピアノ協奏曲第1番、バーンスタインの指揮

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2016年7月23日 (土)

復興を支えるコンサート「筝とピアノの饗宴」

土曜休み。ここ数日過ごしやすい夜。

金曜に良いことが有ったので夜更かしをしてしまい、今日はちょいと寝坊気味。



午後、家内と長泉町のベルフォーレでおこなわれた復興を支えるコンサート「筝とピアノの饗宴」に行ってみた。

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内容はピアニスト、海瀬京子さんと三島北高筝曲部、山田流筝曲の草間路代さんによるコンサート。



県立三島北高筝曲部は、高校生の文化の祭典である全国高等学校総合文化祭で同じ静岡県東部の県立沼津西高筝曲部と並び全国大会出場の常連。

今年も広島でおこなわれる全国大会に出場予定だという。

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下の娘は高校時代に筝曲部に属し、三島北高ではないが全国大会で最優秀賞(1位)を受賞している。


筝曲合奏を聴くのは娘が現役の時以来の久しぶりのこと。


現代邦楽を演奏する人たちは非常に水準が高く、いわゆる西洋音楽に対する造詣も非常に深い。


草間さんは三島北高筝曲部のコーチ。

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海瀬京子さんは、日本音楽コンクール1位の後、海外で各種のコンクールに入賞しベルリン留学を終えて現在国内で活躍中。


沼響でも三回ほど共演していただいているお馴染みのピアニスト。

コンサートは二部構成で、前半は三島北高筝曲部と草間さんの筝と唄。



後半は海瀬京子さんによる「東洋との憧憬」と題するコンサート。


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現代邦楽曲と、ピアノはドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、山田耕筰らのかなりマニアックながら会場はほぼ満席。


第一部の筝曲部の演奏は、学年ごとに分かれての合奏。

最初の音が会場に響いた瞬間、数年前娘が現役で弾いていた時のことが次々と頭に浮かんできた。


3年生になるとさすがに完成度は高い。



曲は新実徳英の「ODYSSEY」。
ドビュッシーの「海」にも似たスケールの大きな曲だ。


草間さんは筝と唄。


伝統的な手法の「赤壁賦」(中能島欣一作曲)と、
現代的な感覚の「はる なつ あき ふゆ」(北爪やよい)から「なつ」。

矢川澄子の遊び心のあふれた詩とポップな感覚の現代風の曲が面白い。

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そして後半の海瀬さんは、「東洋への憧憬」をテーマにドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、山田耕筰、そして最後に沼響の定演でアンコールに弾いていただいたヴォロドス編によるモーツァルトのトルコ行進曲というもの。

合間に京子さんのトーク。

地方ではなかなかこのような凝った内容のプログラムでは聴けないので感謝です。



最初にプログラムにない西村朗のピアノのための《三つの幻影》から「水」が演奏された。

長泉町のベルフォーレはベーゼンドルファーが置いてあるので、当然今日はベーゼンだろうな。と思っていたら。

響がなんとなく違う。

ベーゼンドルファーの華やかでありながらのしっとり感とは異なる、暖色系の甘い音が響いている。
残響豊かなホールが原因でもなさそうだ。


そしてドビュッシーは「映像第Ⅱ集」。

前半の筝曲の東洋的なティストが何の違和感もなく響いてくるドビュッシー。

全体の印象として、スクリャービンから山田耕筰の作品に至る部分がこのプログラムのクライマックス。

最初、低音部と高音部での音色のつながりに多少の違和感があったが、ラフマニノフの2曲目あたりから払拭されて、スクリャービンでは統一されたトーンで響いていて非常に良かった。

スクリャービンに大きな影響を受けた山田耕筰の作品も良かった。

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聴きながら、あの時代にあって西洋音楽を見事に消化してこれほどの音楽を書いていた山田耕筰という人物はやはり天才だったのだなとつくづく思う。



最後の難曲ヴォロドスも、完全に手の内に入った手練れの演奏。

アクロバット的な技巧も冴えて会場は大いに沸いていた。

アンコールは山田耕筰のピアノ曲「からたちの花」。

最後に出演者全員と会場のお客さんとの「花は咲く」の合唱でコンサートは閉じた。


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相当苦心して練り上げられたプログラムと演奏で非常に楽しめました。



いわゆるモーツァルトやショパンの名曲オンパレードでなく、このような内容でお客の心をつかむのは大変なこと。



京子さんの解説もわかりやすく、おそらくこの種の音楽になじみが薄かったであろうお客さんたちにも理解できたようだ。


地方では、このような格調高い凝った内容と、高水準の演奏ができる音楽家が少ないだけに非常にありがたい。


コンサート終了後京子さんに聞いたら、ベーゼンドルファーがオーバーホール中で使用できなくてヤマハを使ったとのこと。

これで納得。


ロビーで、かつての職場のパートさんと、娘たちのピアノの先生に久しぶりに会うことができた。


Youtubeは山田耕筰作曲「スクリャービンに捧ぐる曲」

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2016年7月22日 (金)

本日の練習、デュリュフレ2回目

曇りのち雨。
仕事は懸案事項をひとつひとつ潰しながらの煮詰まり状態。


夜、家内と上の娘は職場の飲み会で帰りが遅い。



昨晩はオケの練習だった。場所は市民文化センター地下のリハーサル室。


先週に続いてデュリュフレの譜読み。


前回の練習ではこの種の音楽に慣れていない沼響、合唱が入っていないだけになおさらの混迷状態。


団員の中に、曲に対する戸惑いが半端ではない感じだったのが、今回の練習ではなんとなく曲の雰囲気が見えてきた。


「あれ?いい曲じゃない・・・」などの声がチラホラと聞こえ始めてきた。


自分は2曲目のキリエでのオルガンパートを代奏している木管パートに絡むトランペットとトロンボーンのグレゴリオ聖歌の響きに陶然と酔っていた。




完全に自己満足の世界。


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・スペイン交響曲ニ短調op.21

・ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調op.61

千住真理子(vn)

チャールズ・グローヴズ指揮
ロイヤルフィルハーモニック管弦楽団


1990年1月録音 ロンドン・ヘンリーウッド ホール

ビクターから発売されていたCD.



海外のオケにも盛んに客演した千住真理子が最も輝いていた時期の録音。




この頃はちょうどバブル景気の只中で、日本のレーベル盛んに海外録音をおこなっていた。



この演奏の興味はもっぱら伴奏のサー・チャールズ・グローヴスの指揮にあった。



千住のヴァイオリンは、瑞々しい音色とキリリと引き締まった感性で良い演奏を展開している。


ではあるもののお上品な雰囲気で、ラロではもう少しジプシー風のスレて崩れた演奏が自分としては好み。


じっくり歌い上げた第4楽章以降が良い出来だと思う。


千住は昨年のデヴュー40周年の記念コンサートでも取り上げているので、ラロは得意としている曲なのだろう。


サン・サーンスも良く歌っている。線の細さが多少気にはなった。

自分としてはフランチェスカッティやパールマンの演奏が刷り込みになっているので、比べるのも酷かもしれない。


第2楽章のフラジョレットの扱いでその差が歴然だ。



ソリストとは親子以上の年の差のグローヴスの伴奏は大きく包み込むような懐の深さが暖かだ。




Youtubeはデュリュフレのレクイエムから「キリエ」、ラニクルズ指揮ベルリンフィル

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2016年7月20日 (水)

豊増昇のことなど

晴れ時々薄曇り。

畑をポコと見回るとナスがカラスにだいぶやられていた。

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本日夕方から重要な会議2連発。




今日は先日聴いた原 智恵子(1914 - 2001)と同世代のピアニスト、豊増 昇(1912 - 1975)のハイドンとモーツァルト。




最近図書館から借りて「ピアノの巨人 豊増昇」(小沢征爾・幹雄共著)を読んだ。



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小沢征爾と豊増昇との意外な組み合わせに興味を持ったのが手に取った理由。



豊増昇は東京音楽学校卒。1936年に渡欧。

ベルリン高等音楽大学でレオ・シロタ、フレデリック・ラモンドに師事。



ちょうどこの時期は原智恵子がパリに留学し、ラザール・レヴィに師事しショパン国際コンクールに出場していた時期と重なっている。

ドイツでオールバッハプロのリサイタルを開き、1956年には日本人として初めてベルリンフィルの定期に出演、カイルベルトの指揮でフランクの交響的変奏曲を演奏している。


小澤征爾、園田高弘、舘野泉のピアノの師としても知られているが録音は少ない。


ピアニストを目指していた小沢征爾が少年時代にラグビーで指を痛め、ピアニストとしての道を閉ざされて落胆していた時に、「小沢君、指揮の道もあるよ」とアドバイスをしてくれたのが豊増昇だったという。



今までオーケストラを聴いたこともなく、指揮者になることなど全く考えていなかった小沢征爾にとってこの一言が天からの啓示となった。


そのあたりが本書で詳しく触れられている。



小沢征爾にとって齋藤秀雄とならぶ音楽上の恩師への敬愛の心を込めて記した著。



自分には豊増昇の名は比較的なじみのある名前だった。


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というのは小学館から出ていた「世界の音楽」というフォノシートの音楽全集が幼い頃から家にあって、ここでベートーヴェンの「悲愴」ソナタを弾いていたのが豊増昇だった。



自分にとって「悲愴」の刷り込みは豊増昇。


このシリーズの中で他にクレメンティのソナチネも入れていた。



今日聴いたのは豊増昇が教育用に録音したソナタアルバム全曲から、
ハイドンとモーツァルトのソナタを集めたもの。

東芝から出ていたLP。



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・ピアノソナタ第34(53)番 ホ短調 Hob.XVI.34 op.42 :ハイドン


・ピアノソナタ第15(16)番 ハ長調 K.545 :モーツァルト


・ピアノソナタ ヘ長調 K.547a(偽作)   :モーツァルト


・ピアノソナタ第12番ヘ長調K.332    :モーツァルト


      ピアノ:豊増昇


教育用ということでテンポを揺らさず無骨で堅実、ぶっきらぼうに思えるほどの素朴な演奏。

だがずしりと重い存在感に、ここで弾いているピアニストが音楽を知り尽くした大家であることが自然に伝わってくる。

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2016年7月19日 (火)

原智恵子のショパン

連休明け長かった梅雨も明けて今日は快晴。

クマゼミの盛大な鳴き声の中ツクツクホウシやヒグラシの声も聞こえている。

連休最終日の昨日は、庭の手入れと片付け、読書などで無為の一日。

横浜の娘の所から帰ってくる家内を駅まで迎えに行ったりしていた。



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夕方迎えに行き家に帰ると、ツバメのヒナが車庫の近くの空に乱舞していた。



飛行訓練の最中らしい。


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飛び方は覚束ないが外見は親鳥とほとんど変わらない。



音楽は原智恵子のショパンを聴いていた。
コロンビアから出ているCD.



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・ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 :ショパン
 [1962年ステレオ・ライヴ録音]

・組曲《子供の領分》        :ドビュッシー
 [1959年ステレオ録音・日本コロムビア原盤]

・スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31 :ショパン-
 [録音:1937年録音SP復刻・仏HMV盤

   原 智恵子(ピアノ)

   渡邊暁雄指揮、
   日本フィルハーモニー交響楽団


原智恵子はパリ音楽院入学、1937年の第3回ショパン国際コンクールに日本人として初めて参加し特別聴衆賞を受賞している。

世界的なチェリスト、ガスパール・カサド夫人。
フェレンツェ在住が長かったので、国内で顧みられることはなく、録音はカサドの伴奏で日本コロンビアから廉価盤が出ていた程度と記憶している。

聴いたのは日本コロンビアから出ていたCDで、1962年に一時帰国した際、文化放送でオンエアされた東急ゴールデンコンサートのライヴと、スタジオ録音では教材用に録音されたドビュッシーの「子供の領分」、戦前のSP復刻でショパンのスケルツォ第2番というもの。

このショパンのコンチェルトが非常に良かった。

原智恵子の清純にして瑞々しいピアノ大阪から運んだというプレイエルの艶のある響きも美しい。

しみじみと歌う第2楽章など実に感動的だ。

渡辺暁雄指揮日本フィルの伴奏も気合の入った出来で、ライヴながら完成度は非常に高い。

真空管アンプによる若林俊介氏による録音も良い。


Youtubeは原智恵子の弾くショパンのピアノ協奏曲第1番第2楽章

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2016年7月17日 (日)

クリップスのモーツァルト、オペラ序曲集

三連休の中日の日曜日は曇り。

連休初日の昨日は家内と横浜の娘の所へ行っていた。

沼津駅前そばの駐車場に車を置き東海道線に乗ると電車は満員。

結局乗り換えの熱海まで座れなかった。



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横浜駅で娘と待ち合わせ、崎陽軒のビアレストラン「亜利巴″巴″(アリババ)」でランチバイキング。

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車なのでビールはなし。



もっぱらシウマイとカレーを食べたりしていた。

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娘と話し込んだりしているうちに時間が過ぎ、娘の所に泊まる家内を残して自分は帰ることにした。

帰宅は10時過ぎ。


帰宅すると、家内から娘のお腹の調子が悪いとのLINE。Orz
どうやら食べ過ぎてしまったらしい。

結局、娘は今日になって熱が出て当番医のところで診察を受けてきたという。

家内を残しておいてよかった。



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今日は町内のお地蔵さんのお祭りの日。


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ささやかながら、町はずれの道祖神脇の広場に模擬店や抽選大会などで人が集まっていた。


音楽はモーツァルトのオペラの序曲集を聴いていた。

演奏はヨゼフ・クリップス指揮のチューリッヒ・トーンハレ管。
コンサートホールレーベルのLP.

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・歌劇「フィガロの結婚」序曲


・歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲


・劇音楽「劇場支配人」序曲


・歌劇「魔笛」序曲


・歌劇「後宮よりの逃走」序曲


・歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」序曲


・歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲


・歌劇「偽の女庭師」序曲


・歌劇「イドメネオ」序曲


 
ヨゼフ・クリップス指揮


チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団


モノラル録音


モーツァルトのオペラの大部分の序曲を集めた好選曲のLP.

クリップスのモーツァルトの序曲集にはロンドン響を振ったものもある。



トーンハレ管のいくぶん古風な響きの中に、クリップスの手慣れた雅びな曲運びが楽しめる演奏だ。


だがいろいろと考えさせられたアルバム。


ちょっと聴いただけでも、「フィガロの結婚」の装飾音の扱いなど、
いろいろな箇所で通常の版とは異なる音が鳴っている。 

特に「ドン・ジョヴァンニ」の終結部などは、今まで聴いたことのない長大なコーダが付いている。

これはブゾーニ版ではなかろうか。

これはスコアを見ながらもう一度聴いてみよう。



Youtubeはクリップス指揮ウィーンフィルの「ドン・ジョバンニ」序曲。オペラの全曲録音からのもの。終結部はコンサートホール盤と異なる。

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2016年7月15日 (金)

本日の練習、デュリュフレ初見

曇り一時雨。蒸し暑い一日。

夜は文化センターの視聴覚室で「レコードコンサート」の解説。

今回のテーマは、今日から始まったロンドンの夏の風物詩、


「ラストナイト・オブ・プロムス」。

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BBCプロムスを紹介。

1994年のアンドリュー・デーヴィス指揮の100周年を迎えた「ザ・ラストナイトプロムス」の模様を中心にセレクトし、あとはサー・マルコム・サージェントのスピーチなど。


小雨模様で、カバレフスキーや三木稔などの馴染みの薄い作曲家の作品が多かったものの、多くのお客さんに来ていただきました。


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そして木曜の夜はオケの練習。



その日の夕方に重要な会議が重なり新たな課題の出現に気が萎えたものの、大好きなデュリュフレのレクイエムの練習初日なので、夕食抜きで早めの参加。


場所は沼津市民文化センター地下のリハーサル室。


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合唱なしの練習で未知の曲、しかも沼響があまり経験のない現代フランスもの。




オケのメンバーでこの曲を知っていたのは自分一人だった。




奇しくもデュリュフレは、今沼響が練習中の「魔法使いの弟子」の作曲者デュカスの弟子。




完全初見大会、曲を知らない手探り状態の練習。



縦線のないグレゴリオ聖歌のネウマ譜をそのままの現代の楽譜に落としたような曲だ。


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8分の9や8分の7拍子が小節ごとに変化して出て来るので数えにくい。



弦楽器はディヴィジが多く大変な苦戦となった。




この曲の美しさがどの程度団員に伝わっただろうか。



youtubeはデュリュフレのレクイエム

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2016年7月13日 (水)

プリッチャード最後の録音

曇り時々雨。

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天井のツバメのヒナが6羽ほど孵って元気に鳴いている。


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盛んな年は3回ほどヒナが孵っていたが、今年はツバメが来るのが遅かったのでおそらくこの1回分のみだろう。




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暑さで車庫に避難していたポコが見上げている。




今日はモーツァルトの歌劇「劇場支配人」全曲。

全曲とはいえモーツァルトが書いたのは序曲のほかソロと重唱4曲のみで、演奏時間にして30分あまりの曲。


ジングシュピールというよりも台詞に音楽が少し付属している劇のようなものだ。



シェーンブルン宮殿内の催しで、時の皇帝ヨーゼフ2世が、イタリア語によるオペラとドイツ語によるオペラを同時に上演させ競わせようとした思いつきの産物。


イタリア語オペラはサリエリが担当しドイツ語オペラはモーツァルトが担当。


ところが用意された台本がモーツァルト分のものが不出来で、しかも前半がセリフのみ。

後半にようやく音楽が必要となるという内容。




サリエリに用意された台本は、後にR.シュトラウスが作曲したオペラ「カプリチオ」の原作となった。



結局モーツァルトが得たギャラはサリエリの半分だった。


といういわくつきの作品。



曲は29歳のモーツァルトの作品なだけに特に序曲が素晴らしい。


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この曲の手持ちには、プレヴィンの英語台詞版、RCAのLPと、先日ブックオフで購入したプリッチャードのCDの2枚。


今日はこのプリッチャードの演奏を聴いた。

A


・歌劇『劇場支配人』全曲

・歌劇『フィガロの結婚』序曲

キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)
ウヴェ・ハイルマン(T)
マンフレート・ユングヴィルト(B)、他

ジョン・プリッチャード(指揮)
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

コンサートアリア集

・レチタティーヴォ『あわれ、ここはいずこ』 K.369*

・アリア『私の心は喜びにおどる』 K.579*
・アリア『すでにやさしき春はほほえみ』 K.580*
・アリア『私は行ってしまうわ、でもどこへ?』 K.583
・劇唱とアリア『私のうるわしき恋人よ、さようなら』 K.528
・アリア『わが感謝を受けたまえ、優しき保護者よ』 K.383

キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)

ジョルジ・フィッシャー(指揮)
ウィーン室内管弦楽団*

・歌劇『後宮からの逃走』~アリア「Ah, Wie will ich triumphieren」**

マンフレート・ユングヴィルト(B)

イシュトヴァーン・ケルテス(指揮)
ウィーン=ハイドン管弦楽団**


イギリスの指揮者プリッチャードはすぐに代表的な演奏が思い浮かばないほど、自分にとっては影が薄い指揮者。

だがグルベローヴァとキリ・テ・カナワという当代超一流の歌手と、ウィーンフィルとのこの録音は、今までのプリッチャードの印象を大きく覆す名演だった。

生き生きとしてよどみのない流れの序曲からして、ウィーンフィルの演奏家たちが嬉々として演奏している様子が浮かんでくる。
コンマスはゲルハルト・ヘッツエルではなかろうか。

おまけの「フィガロの結婚」序曲も非常に良い。

名指揮者フリッツ・ブッシュの下で長い間アシスタントを務めていたプリッチャードの現場たたき上げの集大成のような名演だ。

このモーツァルトがプリッチャード最後の録音になった。


youtubeはそのプリッチャードの「劇場支配人」

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2016年7月11日 (月)

キース・ジャレット、「ケルンコンサート」

庭の古い楠が大きくなりすぎ切ることしていたが、雨ばかりで延び延びになっていた。

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ここ数日良い天気が続き、日柄もよいのでようやく今日切ることになった。


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幸い仕事も落ち着いてきたので一日休みとした。



この楠は、曾祖父が、孫が嫁に行くときに箪笥が作れるようにと植えた2本のうちの1本で、樹齢は80年余り。

1本は箪笥になっている。



切りそびれているうちに巨大になって、根が家の土台に入り込んでしまっている。


朝早くに来た職人さんはクレーン車の運転手も含めて7人ほど。


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予想外に大事になった。



枝を払いクレーン車で持ち上げて地上1メートルあたりから切断。


切り口から楠独特の樟脳の強い匂いが漂っている。

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中心部が腐っていて、職人さん曰く、「このままだと台風が来たら危なかった」とのこと。




ちょうど切るには良いタイミングだったようだ。


作業は夕方まで。

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切った後には畳2畳分ほどの切り株が残っていた。




夜はキース・ジャレットの「ケルンコンサート」を聴いていた。



あまりにも有名な1975年、ドイツでの即興演奏の記録。

手持ちはECMのLP.


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大河の源流の最初の一滴のような絶妙な冒頭。


時には激しく、そして時には滔々と流れる雄大な大河の如く壮大な宇宙が広がっていく人類の至宝。



当日のキースは、前日のローザンヌでのコンサートの疲労が抜けぬままコンサート会場のケルンのオペラハウスに到着、しかも用意されたピアノは調律が万全でなかったという。


この奇跡のような瞬間が記録された幸福を思う。


Youtubeはケルンコンサート

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2016年7月 9日 (土)

マイケル・ジャクソンとデュリュフレのレクイエム

土曜の早朝、雨音で目が覚めた。

昨晩飲み過ぎて、帰宅してそのまま寝入ってしまったようだ。

時計を見るとまだ4時。

さすがに暗かった。

二度寝する気にもなれずそのまま起きて朝風呂。
幸い二日酔いでなく頭はすっきりしている。


外はかなり強い雨でそのうち大雨洪水警報となった。

母を病院に連れて行き、その後は漫然と読書したり、冬に演奏するデュリュフレのレクイエムのスコアを眺めたりしていた。

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デュリュフレのレクイエムは、グレゴリオ聖歌をベースとして、フォーレのレクイエムにも似た清楚さの中に壮大さも兼ね備えた、20世紀に作曲されたレクイエム中屈指の名作。



マイケル・ジャクソン自作の「リトル・スージー」の導入部に、このデュリュフレのレクイエムの一部が使われていることを知ったのはごく最近の事。

導入部にデュリュフレの作品を選んだマイケル・ジャクソンが、いかにいろいろなジャンルの音楽に精通していたかがわかり凄みさえも感じている。

まさにキング・オブ・ポップ。




沼響のほとんどのメンバーがこの曲について知らないようなので、沼響のホームページの聴き比べコラムに、短期集中連載としてデュリュフレのレクイエムについて紹介していくことにした。

もともと音源が少ない曲なので、聴き比べというよりも曲の紹介のようなものになりそうだ。



午後は横浜の娘の所へ行く家内を駅まで送って行った。

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ついでにハードオフにフラリと寄ったらもういけない。


ミケランジェリとジュリーニによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番の独逸盤LPとギレスベルガーその他ウィーンのメンバーによるブルックナーのミサ曲を見つけて買ってしまった。420円。

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Youtubeはマイケル・ジャクソンの「リトル・スージー」

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2016年7月 8日 (金)

本日の練習、定期総会

猛暑再び。昨日は県内の川根本町で38.6度。
今日は夕方から曇り始めた。週末は雨の予報。梅雨は未だ開けず。

夜は東椎路の伊酒屋「(めぐる)」で暑気払い。

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中トロ鮪のカルパッチョ バルサミコソース、赤海老の鬼瓦焼き、

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合鴨のロースト 赤ワインソースフォアグラのせ、その他

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本格的なイタリアンのお店。珍しいワインやお酒の種類も豊富。

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添地にある姉妹店のイタリアン「めぐる」が先日テレビの取材を受けて来週オンエアだそうだ。


10数名のメンバーで和気藹々の1次会。


美味しいワインを飲みすぎて、家にたどり着きそのままバタンキュー。




そして昨日はオケの年一回の定時総会。


仕事が長引き欠席の可能性もあったので委任状は出しておいた。

なんとか間に合い、結局8時過ぎには文化センターに到着。

楽器を車に残し練習会場のリハーサル室に行くと「魔法使いの弟子」の練習中だった。

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部屋の隅で先日の定演のアンケートの集計結果を見ながら練習を聴いていた。


気になるホルンセクションのへ感想もいくつかあって、「素晴らしい!」「ヒドイ!」と
評価はまっぷたつ。

いずれにせよ不快に感じた人がいるということは、未だ精進が必要ということだろう。


そして練習後半は定時総会。出席は50名余り。

役員改選に、昨年度の事業報告と決算報告、今年の事業案と予算案の提示など。


役員はここ10年ほぼ同じメンバーだが、今回役員の選出方法についての大きな提案があり、組織として一歩前進。

今までの総会では、自分からあえて発言することを控えていたが、会計報告が旧態依然のままだったので、内容についていくつか疑問な点の質問を出しておいた。

沼響も創設後30年を過ぎて今は大きな曲がり角。




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2016年7月 6日 (水)

ライナーの「はげ山の一夜」

昨晩は霧雨もあり過ごしやすい一夜。

今日は曇り。さほど気温は上がらず。

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昨日のポコ。


最近物思う事が多くなった。

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我が家のオーディオがすこぶる良い音で鳴っている。

こんな日はフルオーケストラの壮大な音に浸りたい。

レコード棚から取り出したのはフリッツ・ライナー指揮シカゴ響のムソルグスキー。

組曲「展覧会の絵」と交響詩「はげ山の一夜」のカップリングの国内盤LP。

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・組曲「展覧会の絵」


・交響詩「はげ山の一夜」



フリッツ・ライナー指揮
シカゴ交響楽団

1957年録音

「展覧会の絵」は14年ほど前に沼響の聴き比べコラムで言及している。


聴いた印象派はさほどの変化はないものの、ストイックな中にも緩急自在の柔軟な歌わせ方にあらためて感心。

それよりもシカゴ響のパワー全開の「はげ山の一夜」が、かのムラヴィンスキーの「ルスランとリュドミュラ」序曲の名演を思い起こさせる驚異的な凄演だった。

ショルティ時代の物量で圧倒するある種の空虚さを感じさせる音ではなく、音のひとつひとつに生命力漲る躍動感が見事。

穏やかな終結部に到達する直前、弦楽器群の嵐のようなパッセージが一糸乱れぬアンサンブルでむくむくと湧き上がってくる様は圧巻だった。

Youtubeはバレー版「はげ山の一夜」

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2016年7月 4日 (月)

ボエームの会、痛恨の欠席

7月に入り朝から強烈な日差し。本日最高気温34度。
仕事場の外の並木では早くもクマゼミが盛大に鳴き始めている。


先週までの多忙モードから仕事は一つのヤマを越えて小康状態に。

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6月はいろいろなことが起きて、先月末の定例ボエームの会は夜に緊急の会議が入り痛恨の欠席となってしまった。Orz



台風直下でも強行してきたこの会を欠席したのは6年前に交通事故で身動きできなくなった時くらい・・・・・・

今回の欠席者は自分一人(T^T)。



出席したメンバーから詳細な会の様子とメニューの写真が送られてきた。

それがなんともうらやましい内容。


その日出てきた品は「はちまき」入魂のフルコース。

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季節のジュンサイのお通しに始まり、いつもの刺身から「鰆の西京焼き」を経て
「三島の箱根山麓豚の冷しゃぶ」。


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極めつけは、富士山由来の滾々と湧き出る三島の湧水で身を〆た、三島うなぎの串焼き。



はちまき独特の濃いめのタレの味が写真を見ているうちに思い浮かんできた。

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〆の「テールそうめん」もうまそうだなぁ。


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今回メンバーの二人が誕生月であったので、バースディーケーキの差し入れもあり、

スペシャルな夜だったようだ。

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お酒は「八海山」、「菊姫」、「辛丹波」



今宵は、当日自分が持参するつもりの「出羽桜 特別吟醸」を一人でちびりちびりとやっている。

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6年前に欠席した時のメニューを今でも覚えているほどなので、この日のメニューもしばらく忘れられなくなりそうだ。










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沼響のHPの聴き比べコラム、「巨人を聴く」に、クーベリック指揮ウィーンフィルのスタジオ録音の感想をアップしました。

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2016年7月 2日 (土)

プリッチャードの「劇場支配人」

7月最初の土曜休みは快晴。

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朝の散歩で田んぼの中にポコが何かを見つけた。



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良く見るとカブトエビ


子どもの頃は普通に見かけたカブトエビも、最近めっきり見かけなくなっていた。

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すぐそばでカルガモがこちらを見ている。


しばらくして近くの小川で亀を見つけた。

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外来種のミシシッピーアカミミガメのようだ。怖い顔。



夕方、縁があって江戸時代初期の三枚橋城主、大久保忠佐の慰霊祭に家内と一緒に行っていた。


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道喜塚と呼ばれる墓碑の前で沼津空襲で亡くなった方と忠佐の慰霊祭。

地区の納涼祭もやっていた。


そのまま沼津駅前の「久兵衛」で夕食。




昼間は娘を駅まで送るついでに久しぶりにハードオフに寄ってみた。

LPコーナーが拡張されていてビックリ。
しかも中国製の格安レコードプレーヤーの新品が山積み。

ちゃんとジャンル分けされていて見やすくなっていた。
店員さんに聞いたら最近LPは良く売れるという。

100円均一のジャンクコーナーで、探していたモートン・エストリンのピアノ曲集「ピアノの四季」第1巻を見つけてニンマリ。

先日ヤフオクでエストリンのLPが数千円で出ていた。

他にコステラネッツの映画音楽集など。

その足でブックオフへ。

500円以下コーナーから、金昌国指揮アンサンブルトウキョウによるモーツァルトの協奏交響曲2曲。ソリストは特に管楽器が国内の名人がずらり。
マイスターミュージックから出ているCD.

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・ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)
・管楽器のための協奏交響曲変ホ長調K.297b

大林修子 (ヴァイオリン)
大野かおる (ヴィオラ)
青山聖樹 (オーボエ)
山本正治 (クラリネット)
山岸 博 (ホルン)
前田信吉 (ファゴット)

金 昌国 (指揮)
アンサンブル of トウキョウ



そしてもう一枚モーツァルト。

プリッチャード指揮ウィーンフィルによる歌劇「劇場支配人」全曲
DECCA原盤国内盤
全曲と言っても50分足らずの曲なので、コンサートアリアとのカップリング


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・歌劇『劇場支配人』全曲

・歌劇『フィガロの結婚』序曲

キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)
ウヴェ・ハイルマン(T)
マンフレート・ユングヴィルト(B)、他

ジョン・プリッチャード(指揮)
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団



コンサートアリア集
・レチタティーヴォ『あわれ、ここはいずこ』 K.369*
・アリア『私の心は喜びにおどる』 K.579*
・アリア『すでにやさしき春はほほえみ』 K.580*
・アリア『私は行ってしまうわ、でもどこへ?』 K.583
・劇唱とアリア『私のうるわしき恋人よ、さようなら』 K.528
・アリア『わが感謝を受けたまえ、優しき保護者よ』 K.383

キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)

ジョルジ・フィッシャー(指揮)
ウィーン室内管弦楽団*


・歌劇『後宮からの逃走』~アリア「Ah, Wie will ich triumphieren」**

マンフレート・ユングヴィルト(B)

イシュトヴァーン・ケルテス(指揮)
ウィーン=ハイドン管弦楽団**


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2016年7月 1日 (金)

本日の練習、DVDができた。

今日から7月、久しぶりの快晴。
ここ2週間ほど密度の濃い日々で時間の経過が早い。今日は早くも金曜日。

今週火曜日から続く外部委員による重要な会議は、昨日は場所と内容を変えて外部の偉い人たちを招き、社長も同席する大きな内容となった。


昨晩はオケの練習があり、場所は沼津市民文化センター小ホール。

曲は秋のファミリーコンサート向けてディズニー、スターウォーズに「トッカータとフーガニ短調」そして「魔法使いの弟子」。

「魔法使いの弟子」に苦戦。

特に弦楽器にとっては非常に厳しい。

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そして次回の練習は年に一度の総会。


創立30年を超えた沼響は、コアメンバーの固定化と高年齢化が進み、世代交代がうまく進んでいない。


どのアマオケも同じようなものなんだろうか?


定演のDVDが出来上がってきた。

撮影が秀逸、奏者のアップも多く楽しめる。

本番を聴いた直後、家内と娘からホルンパートについて強烈な批判の集中砲火を浴びた。


DVDを聴くと、確かに音のタイミングは合っていない部分もあるし、音程のフラ付きも感じられるけれど・・・

「そんなにボロボロに言われるほどひどいかなぁ」。

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