プリッチャード最後の録音
曇り時々雨。 
天井のツバメのヒナが6羽ほど孵って元気に鳴いている。
盛んな年は3回ほどヒナが孵っていたが、今年はツバメが来るのが遅かったのでおそらくこの1回分のみだろう。
暑さで車庫に避難していたポコが見上げている。
今日はモーツァルトの歌劇「劇場支配人」全曲。
全曲とはいえモーツァルトが書いたのは序曲のほかソロと重唱4曲のみで、演奏時間にして30分あまりの曲。
ジングシュピールというよりも台詞に音楽が少し付属している劇のようなものだ。
シェーンブルン宮殿内の催しで、時の皇帝ヨーゼフ2世が、イタリア語によるオペラとドイツ語によるオペラを同時に上演させ競わせようとした思いつきの産物。
イタリア語オペラはサリエリが担当しドイツ語オペラはモーツァルトが担当。
ところが用意された台本がモーツァルト分のものが不出来で、しかも前半がセリフのみ。
後半にようやく音楽が必要となるという内容。
サリエリに用意された台本は、後にR.シュトラウスが作曲したオペラ「カプリチオ」の原作となった。
結局モーツァルトが得たギャラはサリエリの半分だった。
といういわくつきの作品。
曲は29歳のモーツァルトの作品なだけに特に序曲が素晴らしい。
この曲の手持ちには、プレヴィンの英語台詞版、RCAのLPと、先日ブックオフで購入したプリッチャードのCDの2枚。
今日はこのプリッチャードの演奏を聴いた。
・歌劇『劇場支配人』全曲
・歌劇『フィガロの結婚』序曲
キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)
ウヴェ・ハイルマン(T)
マンフレート・ユングヴィルト(B)、他
ジョン・プリッチャード(指揮)
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
コンサートアリア集
・レチタティーヴォ『あわれ、ここはいずこ』 K.369*
・アリア『私の心は喜びにおどる』 K.579*
・アリア『すでにやさしき春はほほえみ』 K.580*
・アリア『私は行ってしまうわ、でもどこへ?』 K.583
・劇唱とアリア『私のうるわしき恋人よ、さようなら』 K.528
・アリア『わが感謝を受けたまえ、優しき保護者よ』 K.383
キリ・テ・カナワ(S)
エディタ・グルベローヴァ(S)
ジョルジ・フィッシャー(指揮)
ウィーン室内管弦楽団*
・歌劇『後宮からの逃走』~アリア「Ah, Wie will ich triumphieren」**
マンフレート・ユングヴィルト(B)
イシュトヴァーン・ケルテス(指揮)
ウィーン=ハイドン管弦楽団**
イギリスの指揮者プリッチャードはすぐに代表的な演奏が思い浮かばないほど、自分にとっては影が薄い指揮者。
だがグルベローヴァとキリ・テ・カナワという当代超一流の歌手と、ウィーンフィルとのこの録音は、今までのプリッチャードの印象を大きく覆す名演だった。
生き生きとしてよどみのない流れの序曲からして、ウィーンフィルの演奏家たちが嬉々として演奏している様子が浮かんでくる。
コンマスはゲルハルト・ヘッツエルではなかろうか。
おまけの「フィガロの結婚」序曲も非常に良い。
名指揮者フリッツ・ブッシュの下で長い間アシスタントを務めていたプリッチャードの現場たたき上げの集大成のような名演だ。
このモーツァルトがプリッチャード最後の録音になった。
youtubeはそのプリッチャードの「劇場支配人」
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