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2016年7月23日 (土)

復興を支えるコンサート「筝とピアノの饗宴」

土曜休み。ここ数日過ごしやすい夜。

金曜に良いことが有ったので夜更かしをしてしまい、今日はちょいと寝坊気味。



午後、家内と長泉町のベルフォーレでおこなわれた復興を支えるコンサート「筝とピアノの饗宴」に行ってみた。

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内容はピアニスト、海瀬京子さんと三島北高筝曲部、山田流筝曲の草間路代さんによるコンサート。



県立三島北高筝曲部は、高校生の文化の祭典である全国高等学校総合文化祭で同じ静岡県東部の県立沼津西高筝曲部と並び全国大会出場の常連。

今年も広島でおこなわれる全国大会に出場予定だという。

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下の娘は高校時代に筝曲部に属し、三島北高ではないが全国大会で最優秀賞(1位)を受賞している。


筝曲合奏を聴くのは娘が現役の時以来の久しぶりのこと。


現代邦楽を演奏する人たちは非常に水準が高く、いわゆる西洋音楽に対する造詣も非常に深い。


草間さんは三島北高筝曲部のコーチ。

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海瀬京子さんは、日本音楽コンクール1位の後、海外で各種のコンクールに入賞しベルリン留学を終えて現在国内で活躍中。


沼響でも三回ほど共演していただいているお馴染みのピアニスト。

コンサートは二部構成で、前半は三島北高筝曲部と草間さんの筝と唄。



後半は海瀬京子さんによる「東洋との憧憬」と題するコンサート。


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現代邦楽曲と、ピアノはドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、山田耕筰らのかなりマニアックながら会場はほぼ満席。


第一部の筝曲部の演奏は、学年ごとに分かれての合奏。

最初の音が会場に響いた瞬間、数年前娘が現役で弾いていた時のことが次々と頭に浮かんできた。


3年生になるとさすがに完成度は高い。



曲は新実徳英の「ODYSSEY」。
ドビュッシーの「海」にも似たスケールの大きな曲だ。


草間さんは筝と唄。


伝統的な手法の「赤壁賦」(中能島欣一作曲)と、
現代的な感覚の「はる なつ あき ふゆ」(北爪やよい)から「なつ」。

矢川澄子の遊び心のあふれた詩とポップな感覚の現代風の曲が面白い。

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そして後半の海瀬さんは、「東洋への憧憬」をテーマにドビュッシー、ラフマニノフ、スクリャービン、山田耕筰、そして最後に沼響の定演でアンコールに弾いていただいたヴォロドス編によるモーツァルトのトルコ行進曲というもの。

合間に京子さんのトーク。

地方ではなかなかこのような凝った内容のプログラムでは聴けないので感謝です。



最初にプログラムにない西村朗のピアノのための《三つの幻影》から「水」が演奏された。

長泉町のベルフォーレはベーゼンドルファーが置いてあるので、当然今日はベーゼンだろうな。と思っていたら。

響がなんとなく違う。

ベーゼンドルファーの華やかでありながらのしっとり感とは異なる、暖色系の甘い音が響いている。
残響豊かなホールが原因でもなさそうだ。


そしてドビュッシーは「映像第Ⅱ集」。

前半の筝曲の東洋的なティストが何の違和感もなく響いてくるドビュッシー。

全体の印象として、スクリャービンから山田耕筰の作品に至る部分がこのプログラムのクライマックス。

最初、低音部と高音部での音色のつながりに多少の違和感があったが、ラフマニノフの2曲目あたりから払拭されて、スクリャービンでは統一されたトーンで響いていて非常に良かった。

スクリャービンに大きな影響を受けた山田耕筰の作品も良かった。

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聴きながら、あの時代にあって西洋音楽を見事に消化してこれほどの音楽を書いていた山田耕筰という人物はやはり天才だったのだなとつくづく思う。



最後の難曲ヴォロドスも、完全に手の内に入った手練れの演奏。

アクロバット的な技巧も冴えて会場は大いに沸いていた。

アンコールは山田耕筰のピアノ曲「からたちの花」。

最後に出演者全員と会場のお客さんとの「花は咲く」の合唱でコンサートは閉じた。


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相当苦心して練り上げられたプログラムと演奏で非常に楽しめました。



いわゆるモーツァルトやショパンの名曲オンパレードでなく、このような内容でお客の心をつかむのは大変なこと。



京子さんの解説もわかりやすく、おそらくこの種の音楽になじみが薄かったであろうお客さんたちにも理解できたようだ。


地方では、このような格調高い凝った内容と、高水準の演奏ができる音楽家が少ないだけに非常にありがたい。


コンサート終了後京子さんに聞いたら、ベーゼンドルファーがオーバーホール中で使用できなくてヤマハを使ったとのこと。

これで納得。


ロビーで、かつての職場のパートさんと、娘たちのピアノの先生に久しぶりに会うことができた。


Youtubeは山田耕筰作曲「スクリャービンに捧ぐる曲」

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