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2016年11月に作成された記事

2016年11月29日 (火)

ミュンシュ、パリ音楽院管とのボレロ

曇りのち晴れ、11月も今週で終わり、サラリーマン生活何度目かの師走も間近。 本日定時退社。

Musicaのフォノアンプ購入以来、手持ちの古いモノラルLPを集中的に聴いている。

フォノアンプとしてさほど良い出来だとは思わないが、3万円ほどで入手できる各種イコライザーカーヴに対応しているアンプは他に見当たらないのでしばらく重宝しそうだ。

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ちなみに定価は15万円ちょっと。

この造りではとても定価で買う気にならないが、今までぼやけた印象だった古いLPが新鮮な響きで聞こえてくるのが嬉しい。


今日はDECCA録音でミュンシュ指揮パリ音楽院管による「ボレロ」とアンセルメ指揮同オケによる「ラ・ヴァルス」

手持ちは米ロンドン盤LP。プレスは英プレス。

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「ボレロ」は1946年、ミュンシュが首席指揮者であった最後の年のパリ音楽院管のロンドン楽旅の際の録音で、この演奏がミュンシュのDECCAデビューとなった。
当時ミュンシュは53歳。



後のミュンシュのボストン響とパリ管との演奏に比べるとテンポは遅め。

あの手放しの熱狂ではなく、じわりじわりと慎重に興奮のカーヴを上り切ったところで堰を切ったような怒涛の終結部に到達する老練な演奏。

名手揃いの管楽器のカラフルな音色も素晴らしい。

特にソプラノサックスとトロンボーンが相当な名手だ。


アンセルメの「ラヴァルス」は1947年録音。

パリ音楽院管との「ラ・ヴァルス」は1953年録音もあるようだ。

フォノアンプのつまみをffrrに切り替えて視聴。

とてもSP録音とは思えないほど鮮明な響きに変わった。


管楽器の艶めかしい響きも十分なもの。


Youtubeはプリセツカヤが踊る「ボレロ」

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2016年11月28日 (月)

レスピーギ編曲のバッハ

曇りのち晴れ。

昨日ピアノを再調整してからタッチが軽くなり、かなり弾きやすくなった。



今日はジェラルド・シュワルツ指揮シアトル響によるバッハ作品集。

 

バッハのオルガン曲やコラールの数々を、レスピーキとエルガーがオケ用に編曲した曲を集めたもの。

DELOSから出ていたCDで、今はNAXOSで聴ける。



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J.S.バッハ/レスピーギ編曲:


・3つのコラールプレリュード P167

  『いざ来ませ、異邦人の救い主』 BWV.659:レント・アッサイ


  『私の魂は主をあがめ』 BWV.648:
              アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド 


  『目覚めよと呼ぶ声あり』 BWV.645:アンダンテ



・ヴァイオリンソナタ ホ短調 P85(原曲:BWV.1023)


・前奏曲とフーガ ニ長調 P158(原曲:BWV.532)


・パッサカリアとフーガ ハ短調 P159(原曲:BWV.582)


J.S.バッハ/エルガー編曲:

・幻想曲とフーガ ハ短調 Op.86(原曲:BWV.537)


  イルッカ・タルヴィ(ヴァイオリン)
  シアトル交響楽団
  ジェラード・シュウォーツ(指揮)

録音時期:1989年、1990年、1991年
録音場所:シアトル・センター・オペラ・ハウス


「パッサカリア」では、かつて音楽評論家の属啓成氏がウィーン留学中に聴いたトスカニーニ指揮ウィーンフィルのオルガンを加えた終結部の感動的な演奏を紹介する記事があった。

だが残されているトスカニーニの「パッサカリア」の録音を聴く限りでは、テンポが速すぎて録音も悪く、期待したほどの出来ではない。

オケ版パッサカリアでは、ストコフスキーがチェコフィルを振ったライヴの方がが大きな感銘を受ける。




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ヴァイオリンソナタは第2番のソナタの伴奏部分をレスピーギが編曲したもので、こちらはクレーメルが76年にメロディアに録音していた。

伴奏は若き日のマリス・ヤンソンス指揮レニングラードフィル。



レスピーギは、古い時代の音楽を素材として小編成から大編成までの近代オケ編曲作品を比較的多く残している。


レスピーギの職人的な技が良い効果を上げ、近代的な装いに生まれ変わった組曲「リュートための古風な舞曲とアリア」や組曲「鳥」に比べ、これらバッハ作品の編曲はバッハの個性にレスピーギが呑みこまれているようにも思える。


それだけバッハの存在が偉大だということだろうか。


一方のエルガーは華やかで軽いノリの編曲。

こちらは19世紀の大英帝国の繁栄を謳歌するような趣に、幾分押しつけがましさが感じられなくもない。


シュワルツの演奏はオケも良く、編曲の響きの豊かさを十分に引き出したもの。

ただしヴァイオリンソナタの演奏は、ソロがオケに埋没してしまいクレーメルの雄弁さに及ばない。
ヤンソンスの伴奏も見事だった。


Youtubeはレスピーギ編曲の「パッサカリア」A.リットンの指揮

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2016年11月27日 (日)

伊豆長岡温泉でクラス会

時々雨模様の日曜日。


先週末から寒波襲来。
金曜の出勤時の外気温は4度。

この日の車のフロントガラスが凍結していた。放射冷却で冷えたようだ。

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山間部では雪。富士山手前の愛鷹山の山頂も雪化粧だった。

土曜日は一日仕事でそのまま夜は伊豆長岡泊まりの中学のクラス会。
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宿は伊豆長岡温泉「いづみ荘」


ここは長岡1号温泉として武者小路実篤が逗留していた老舗温泉宿。
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中には実篤文学館も。


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実はここの女将が中学の同級生で、そんな縁で集まったのは15人。


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近況報告に加えて、この年になると薄くなった髪の毛や健康の話題が主なもの。

熟年離婚の危機などの生々しい近況などなど・・・

話は尽きず深夜まで及ぶ。

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〆のラーメンを食べようと温泉街に繰り出そうと玄関まで下りたところ、午前1時が門限だという。

時計を見たところ1時5分前。

開けるのは午前5時とのことで一同諦め再び部屋で飲見直し。


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そして本日5時起床。早朝の朝風呂が気持ち良い。

そのまま流れ解散。

昼前に帰宅して午後からはピアノの調律師さんが来て再びピアノの調律。



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2016年11月24日 (木)

本日の練習、デュリュフレ再び

朝から冷たい雨。

今日は今シーズン一番の寒さで、東京は11月として54年ぶりの積雪。
午前中外部委員による監査。


夜は日曜日のファミリーコンサートの余韻を残しながら、12月11日の伊豆新世紀合唱団との本番へ向けての練習。



練習に参加する前に、駅前のキッチンボルカノで夕食。

メニューは焼肉ランチ。

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時間の余裕があるときの練習前のボルカノでの夕食が30年前からの定番だ。




練習はデュリュフレの「レクイエム」。

11月3日の合唱合わせ以来の練習。


指揮は本番を振っていただく名島先生。

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今回からハープが入った。


先日の合唱合わせで、合唱がオケにマスクされてほとんど聞こえないことがわかったので、 吹く場所の大部分が2ランクほど音量を控えることになった。


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合唱が入らなくてもどこかのパートが合唱と重なっているので曲の輪郭はよくわかる。

アニュスディの美しさにしみじみと聴き入っていた。

本番まで練習はあと4回ほど。




Youtubeはデュリュフレのレクイエムから「アニュスデイ」

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2016年11月23日 (水)

フォノアンプで古いレコードを聴く

晴れのち曇り、午後から冷えてきた。
北海道は吹雪。明日の東京は積雪の可能性あり。

昨日は6時前に緊急地震速報で目が覚めた。

しばらくして微かな揺れ。

テレビをつけると福島県沖で大きな地震だった。
津波警報も出ていて、全てのチャンネルはこのニュース。

東日本大震災のあの日の悪夢を再び思い起こした人も多かっただろう。

今年は大きな地震が多かった。

全国に頻発する地震が徐々に巨大化しているようにも思える。

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勤労感謝の日の今日は家族を連れて内浦漁協直営「いけすや」で昼食。


予想通り混んでいる。

それでも40分待ちは休日としては早い方だ。

前日に〆めて熟成させた鰺と、直前〆めの活け鰺の食べ比べ「二食感活あじ丼」。
単品でほくほくのアジフライを追加。

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内浦漁協は養殖マアジの生産量日本一。


味も天然ものにひけを取らない。





最近我が家の初期LPの再生環境が気になっている。

先日聴いたテオ・オロフのバッハのLPが、初期LPで聴いた時とその後の復刻LPで聴いた時の印象があまりにも異なっていた。




今のLP再生のイコライザーカーヴは1954年に規格化されたRIAAにほぼ統一されているものの、初期のものは各社独自のカーヴが使用されていた。

現在のRIAAに標準化されたアンプで古い初期LPを再生すると、ある帯域が強調されたり減衰していたりと不自然な再生音になってしまう。


ぶりちょふさんから貴重なアドバイスをいただき、パソコンで試してみようと思っていた矢先、ヤフオクでMUSICAのpho62というフォノアンプを見つけた。

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RIAA、ffrr、Columbia、American78sのイコライザーカーヴに対応だという。
出品されていたのは未使用、定価のほぼ5分の1.


MUSICAの製品はネットではあまり評判が良くなく、事実に自宅で使用しているibukiというフォノアンプは工作も雑で最初は盛大なハム音に悩まされた。

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それでも音がナチュラルで、自宅のスペンドールのスピーカーとは比較的相性が良く鳴っている。




結局半ば衝動買いでこのフォノアンプを購入してしまった。

さっそく自宅の古いLPを取り出してイコライザーをいくつか変えながら聞いてみた。
Ibukiで気になったハム音は全く聞こえない。

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聴いたのはクラスナーのヴァイオリンでシェーンベルクとベルクのヴァイオリン協奏曲、

米コロンビア盤。

ストコフスキー指揮のグレンジャー曲集米RCA盤。



そしてフルトヴェングラー指揮ウィーンフィルの「田園」米HMV盤など。



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いろいろイコライザーカーヴを変えてみるとRIAAカーヴでは聞こえなかった音がスピーカーから飛び出してきたのには驚いた。


中でもフルトヴェングラーの「田園」は今まで聴いたどの盤よりも音が良い。

うーむ、アナログは奥深い。

これはしばらく遊べそうだ。

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2016年11月20日 (日)

「ぬまきようオータムコンサート」本番終わる

「ぬまきようオータムコンサート」の本番当日の日曜日。

良く晴れて富士山も美しい雪化粧。

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音出しは10時。

本番への余力を保持するためにゲネプロは休み休みに適度に流すつもりが、
上がってきた皆のテンションに自分も自然に気合が入り吹きすぎた。

女性団員たち今回は華やかなカラードレス。

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客層はディズニー関係の曲ということで幼い子連れの親子が多かった。


入りも良く、久しぶりに入場者が1,000人を超えた。


おなじみの小料理「はちまき」の女将も来てくれたのも嬉しい。


そして本番。

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第1部


・トッカータとフーガ ニ短調    バッハ~Lopez
・交響詩「魔法使いの弟子」
・「眠りの森の美女」からワルツ

第2部
・スターウォーズからメインタイトル
・ディズニーメドレー
・アナと雪の女王から

アンコール 
 ・It’s a Small World


喜古先生の自然体のMCは幼稚園の先生のよう。
幼い子供たちが比較的静かに聞いてくれている。

このような肩の凝らないコンサートも良いものだな。

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終演は16時前。

イタリアから帰国した娘の誕生祝いをするので打ち上げは参加せずに帰宅。



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2016年11月19日 (土)

本日の練習、本番前日

このところ業務多忙の上体調も芳しくなく久しぶりのブログ更新。

先週金曜午後は県内同業者と隣町富士市での会議。
帰りの電車でちょうど静岡に出張だった上の娘と同じ電車になった。

土曜は朝から雨。


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午前中に床屋に行き、午後は「ぬまきょうオータムコンサート」の前日練習。

場所は市民文化センター大ホール。

練習は午後3時から。


会場の文化センターの駐車場はあいにくの満車。

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近くの市営駐車場に車を停めて小雨のぱらつく中にホールまで歩く道で楽器が重かった。


近いうちにこの重いホルンのハードケースを軽いソフトケースに変えることにしよう。



沼響は創立30年を越えて世代交代の時期。



今回のコンサートは主に若手団員が中心になっての企画運営。



いろいろと新鮮なアイディアが盛り込まれていた。

指揮も沼響初の女性指揮者の喜古恵理香先生。

こちらも若くハキハキした指導が気持ち良い。


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そんな中で良くも悪くも本番慣れしてしまった自分。

気軽に本番直前の緊張感を楽しむ境地といえば聞こえが良いが、本番にひたむきに向き合う若手の真剣さに自分の甘さを思う。

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練習では、ストコフスキー版に比べ軽すぎるアレンジが気になっていた「トッカータとフーガニ短調」が充実した響きで鳴っていた。


やはりバッハは偉大だった。


19時練習終了、楽器をホールに預けて外に出ると雨は上がっていた。

Youtubeはストコフスキー指揮チェコフィルの「トッカータとフーガ ニ短調」

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2016年11月16日 (水)

バックハウスとナットの「田園」ソナタ

曇りのち晴れ。

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昨日午後に外部で会議があり、帰りに見えた静浦漁港からの中空の富士。

そして漁港内の瓜島の風景。


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休日には市内外の釣り人でにぎわうこの場所も、平日の夕方はさすがに人影はまばらだ。




バックハウスとイーヴ・ナットの弾くベートーヴェンの「田園」ソナタを聴いた。


バックハウスはモノラルの第1回目の全集録音から国内盤MZ番号の廉価盤LP.

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このシリーズはメンゲルベルクの「悲愴」を聴き比べた時に音の悪さに気が付いたものの、この演奏はモノラルとはいえDECCAの優秀録音でさほど音は気にならなかった。



ナットはディスコフィルフランセ原盤の国内盤LP。


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70年代後半に発売された10枚ばら売りの廉価盤で、当時の国内の音楽ライター10人がライナーノートを書いていた。



それぞれのライターによるイーヴ・ナット演奏論になっているのが興味深い。



ベートーヴェンのピアノソナタの中でこの第15番のソナタが一番好きだ。

牧歌的なのびやかな第1楽章冒頭、続く淡々とわが道を行くような第2楽章。

いずれも聞いていて遥かな異国を連想させるような夢幻の音楽。

バックハウスはがっちりとした隙のない強面の演奏を展開している。


一方のナットの演奏は端正にして柔らかなベートーヴェン。


バックハウスに比べると技巧に甘さはあるが、「田園の」曲想にはこちらの方が似合っているかもしれない。



モノラル専用に使用しているDENONのモノラル専用カートリッジDL102を使用しているビクターの古いダイレクトドラブのプレーヤーと、トーレンスのTD302とで聴き比べてみたらトーレンスが幾分ピッチが低いのに気が付いた。

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多少音もふらついているようだ。

ターンテーブルのゴムベルトが交換時期に来ているのかもしれない。
前回替えたのは2年と3か月前。

その前は3年半でベルトを交換している。


Youtubeはナットの弾く「田園ソナタ」

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2016年11月14日 (月)

ルス・スレンチンスカの弾くピアノ

曇り時々雨。

期待した68年ぶりのスーパームーンは雨のため見ることができない。

今日は仕事の合間を縫って血管造影剤を入れたCT検査。
造影剤が体に入った瞬間全身がかーっと熱くなった。

休みたいところだが夜にはこの業界の全国的に有名な方々を集めた会議。

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昨日、日曜の朝の牛臥山公園からの淡島。

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穏やかな海だった。


岩礁がネッシーに見える。

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今日はアメリカの女流、ルス・スレンチンスカの弾くピアノ。


スレンチンスカは4歳でデビュー。
かのラフマニノフ、シュナーベル、ホフマンなどの20世紀前半を代表する大ピアニストたちに教えを受けたことで知られるが、14才で一時ピアノから離れている。


聴いたのはシレンチンスカ楽壇生活25周年記念アルバム。


米DECCA原盤のLP.



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・半音階的幻想曲とフーガ      :バッハ


・夜想曲 変ロ短調         :ショパン

・アンダンテとロンド・カプリチオーソ:メンデルスゾーン

・前奏曲 嬰ハ短調         :ラフマニノフ

・ソナタ ト長調          :スカルラッティ

・ルーマニア民族舞曲        :バルトーク

・献呈               :シューマン~リスト

・亜麻色の髪の乙女         :ドビュッシー

・ハンガリー狂詩曲第15番     :リスト

ピアノ:ルス・スレンチンスカ


リストやバッハは、古色蒼然たるレコードジャケットの1952年の演奏がNMLでも聴けるが。このLPはステレオなので、再録音だと思う。

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テクニシャンではないけれど、まるで時代が固定されたかのような19世紀風のひたすら後ろ向きの音楽。

だが独特の味わいのあるピアニストだ。


中では独特の揺れが美しいスカルラッティとバルトークが非常に良い。


Youtubeはスレンチンスカの弾くラフマニノフ

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2016年11月12日 (土)

ピアノの調律師さんと

爽やかな晩秋の青空。

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母を病院に送りながら千本海岸へ行ってみた。


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空の青と一体化した穏やかな駿河湾、富士山は厚い雲に隠れている。


ポケモンGoのフィーバーも落ち着いたようで車の数もひところほどではなかった。
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午後にピアノの調律師さんが静岡市から来てくれた。

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しばらく調律を怠けていて最近鍵盤が重くなっている。


調律師はピアニストの海瀬京子さんの弾くピアノを長い間調律しているKさん。




ピアノの状態は最悪だった。

湿気のために、ハンマーシャンクを止めるピンに酸化の被膜ができていて重くなっているとのこと。

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ピンを全て取り換えることになってしまい、後日再調整することになった。



そしてKさんとしばらく音楽談義。


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調律師としてのプロの現場からの苦心談と、著名ピアニストのピアノの調律の具体的な裏話などなど。



中でもミケランジェリの弾くピアノの、調律上の工夫の話は非常に面白かった。

Kさんが帰った後にミケランジェリのドビュッシーとスカルラッティを聴いてみた。

前奏曲集第1巻とスカルラッティのソイナタ数曲。

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D.Gのとロンドンの国内盤LP。

調律の現場の話を聞いた後で聴くと、今まで聞こえなかった音が聞こえてくる。


Youtubeはミケランジェリの弾くスカルラッティ

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2016年11月10日 (木)

本日の練習、本番近し

どんより冷えた曇り空。

先月末に沼津市長選挙があった。


3期目を目指す現職に、ほとんど無名の政治には素人の会社経営者が挑む構図。

現職は自民、民進、公明から連合、商工会関係諸団体の推薦を受けてまさに万全の布陣。

知名度も比べものにならず、まさに巨人と子供。

誰の目にも勝敗は明らかに見えた。


ところが結果は大差で新人候補が当選。

まさに巨人ゴリアテに挑んだ羊飼いの少年ダビデのような結果に。



新聞には桶狭間の戦いとまで書かれるような意外な結末だった。


昨日のトランプ当選のニュースを見ていて、この市長選のことが頭に浮かんできた。


同じようなことを感じた人も多かったようで、今日会った知り合いの新聞記者さんも同じようなことを言っていた。

「何か世界が大きな力で変わりつつあるようだ。流動化する世界。イギリスの国民投票によるEU離脱とアメリカ大統領選挙がマクロの世界のものならば、ミクロの世界の沼津市長選挙も根っこは同じのように見える」と。



今日はオケの練習日。

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本番が近づいた。

曲はデュカスの「魔法使いの弟子」から、
そして「トッカータとフーガニ短調など。

指揮は本番をふっていただく喜古先生。
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自分としては練習不足のまま。


沼響のHPの聴き比べコラム「デュリュフレのレクイエムを聴く」
「聖歌の変遷、グレゴリオ聖歌の成立から現代まで」をアップしました。



Youtubeはスコラフンガリカの「グレゴリオ聖歌」

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2016年11月 9日 (水)

シモン・ゴールドベルクの「四季」

昨晩の雨は朝には上がり今日は一日晴れ。

立冬も過ぎてなにやら本格的な冬の気配。昨日最低気温5度。

このところ体調すぐれず体に力が入らない。
先週大きな難題にぶつかり先日の日曜日も出勤。
昨日は裾野市へ出張しそのまま直帰。

米大統領選挙はトランプ氏が当選。日経平均株価大幅下落。

イギリスのEU離脱に始まり世界は混迷の時代へ。

下の娘は今日からイタリア旅行。
地震に会わず無事に帰って欲しいと願うのみ。



今日はあまり重い音楽は聴く気にならず、棚から出したのはビバルディの「四季」


シモン・ゴールドベルクのヴァイオリンと指揮によるオランダ室内管の演奏。



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・協奏曲集「四季」op.8

・協奏曲集    op.9-5

シモン・ゴールドベルク :指揮、ヴァイオリン
オランダ室内管弦楽団


この録音はゴールドベルク夫人の山根美代子著「20世紀の巨人―シモン・ゴールドベルク」 に特に紹介されている録音。

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がっしりとした鋼のような響きのビバルディ。









まるでバッハを聴いているかのような峻厳な演奏だ。




Youtubeはゴールドベルクの弾くモーツァルト

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2016年11月 5日 (土)

レコードコンサートのサティ

秋から冬にかけての穏やかな土曜日。


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今日の昼ごろ。韮山からの富士。


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家内と娘と韮山へ行き函南の「かつ政」で食事。

旬のカキフライ、松茸が中心のメニューだった。

そのまま来週イタリア旅行に出かける娘の旅行鞄を清水町のサントムーンで購い帰宅。
途中店内で腹の具合が悪くなった。


昨晩は市民文化センターでレコードコンザートの解説。

どうも体調が芳しくなく午後から休みをとって入念な準備。


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内容は生誕150年のサティを中心としたプログラムとした。


著名な「ジムノノペディ」や「ジェ・トウー・ヴー」などの初期の作品から、比較的晩年の「官僚的なソナチネ」のピアノ曲。

演奏は、お気に入りのフランク・グレイザーのVOX盤LP。

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単調で終わりの見えない静かな音楽に心地よい眠りの世界に入る方多数。



ちょいと凝った内容かなとは思ったものの、アンケートの内容は概ね好評だった。

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良かった。

Youtubeはグレイザーの弾くサティ

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2016年11月 3日 (木)

本日の練習、合唱あわせ

文化の日の休日は良い天気だった。

畑の蜜柑を間引いたりお墓の草を取ったりと、ボツネンと日中を過ごして夜はオケの練習。


今回は伊豆新世紀合唱団との待望の合唱合わせ。

場所は長泉町のコミュニテイ長泉。

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指揮は本番を振っていただく名島マエストロ。


駐車場が早めに満車になりそうだというので、練習開始5時の2時間近く前に会場入り。

ちょいと早く着き過ぎたので、会場に併設されている町立図書館の郷土史関係の書類を見せていただいていた。


練習開始の5時前には合唱団の方々、沼響の団員も続々到着してウォーミングアップ。

この会場は以前にも何回か練習で使っていたものの合唱団が入っての練習は初めてのこと。


かなり狭い。

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マエストロの指導は、合唱と重なるパートを取り出しての指導が中心。


正直なところオケがフォルテで強奏すると合唱はほとんど聞こえない。


合唱パートは音域も高めでかなり難しそうだ。

合唱パートの難しさが最近まであまり演奏されていなかった理由かしらん。

それにしても美しい曲だ。

初めて合唱が入り、アニュスディやキリエなど、演奏していてあまりの美しさに涙が出そうになってきた。

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この曲の練習開始時に沼響のメンバーでこの曲を知っていたのは私一人のみ。


最初の2度目くらいの練習時までは皆の反応も鈍く、いったい何のためにこんな訳のわからない曲を練習するのかという雰囲気だったのが、今は全然変わってきた。


デュリュフレという作曲家さえ知らなかった皆が、熱烈なファンと化している。



キリエの部分の練習が終わった時名島先生が。

「あぁぁ・・何度聴いてもいい曲ですね・・・・」との言葉が印象的だった。


8時解散。

JR御殿場線で帰ろうと下土狩駅へ向かった女性団員が、「駅のシャッターが閉まっていて、切符が買えない・・・」と困った顔で引き返してきたので、彼女を自宅まで送りながらの帰宅。


Youtubeはデュリュフレのレクイエム、 オルガン伴奏版


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2016年11月 2日 (水)

マタチッチの「ハーリ・ヤーノシュ」

曇り、夜から冷たい雨。

寒くなってきた。職場の暖房への切り替えが間に合わないほど。
今日は予期せぬトラブルへの対応に追われた1日。


今日はマタチッチのN響ライヴを聴いていた。

キングインターナショナルから出ているCD2枚組

316


ディスク1

1. ウェーバー:「魔弾の射手」序曲

2. ワーグナー:「リエンツィ」序曲


3. ワーグナー:「さまよえるオランダ人」序曲


4. ワーグナー:「タンホイザー」序曲


5. ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲


ディスク2


1. ヤナーチェク:シンフォニエッタ


2. コダーイ:組曲「ハーリ・ヤーノシュ」


3. ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」(1945年版)




ロヴロ・フォン・マタチッチ 指揮

NHK交響楽団

[Disc 1] 収録:1969年5月27日 (M-1)、73年12月27日 (M-3~5)、75年12月4日 (M-2)/東京文化会館、NHK ホール (ライヴ)

[Disc 2] 収録::1973年12月5、14日/NHK ホール (ライヴ)


1枚目のワーグナーは今のN響とは性格の異なる荒っぽさが魅力的な演奏。
マタチッチらしい巨大な演奏であるものの、オケの粗さが多少気になった。



2枚目の3曲が凄い。


3曲とも1973年のライヴ。


「シンフォニエッタ」は当時テレビ中継で聴き、この演奏で曲そのものを知った思い出の演奏。


曲冒頭のずらりと並んだ多数のブラス群の咆哮に魂消たのも懐かしい思い出。

年末の音楽番組の「クラシックハイライト」でこの演奏の一部が紹介されて、音楽評論の長老野村光一氏の「N響もうまくなりましたねぇ」という言葉を今でも覚えている。


「火の鳥」は珍しい1945年版。


フィナーレの冒頭で、絶妙の音量とタイミングで入ってくるホルンソロは千葉馨さんだろうか。



子守歌から終曲までの、消え入るようなピアニッシモから巨大なフォルテシモまでのダイナミックレンジの広さに感動。



きわめて雄大な演奏で、この曲フィナーレ後半で興奮したのは久しぶりだ。





「ハーリ・ヤーノシュ」もこれほど巨大で豪快な聴いたことがない。



民族楽器チンバロンが大変な名手で、「間奏曲」ではオケとチンバロンの丁々発止のやりとりが実にスリリング。



マタチッチの大胆なルバートの連続に、手に汗握る演奏になった。




Youtubeはマタチッチのブルックナー、交響曲第8番フィナーレ

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