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2016年11月28日 (月)

レスピーギ編曲のバッハ

曇りのち晴れ。

昨日ピアノを再調整してからタッチが軽くなり、かなり弾きやすくなった。



今日はジェラルド・シュワルツ指揮シアトル響によるバッハ作品集。

 

バッハのオルガン曲やコラールの数々を、レスピーキとエルガーがオケ用に編曲した曲を集めたもの。

DELOSから出ていたCDで、今はNAXOSで聴ける。



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J.S.バッハ/レスピーギ編曲:


・3つのコラールプレリュード P167

  『いざ来ませ、異邦人の救い主』 BWV.659:レント・アッサイ


  『私の魂は主をあがめ』 BWV.648:
              アンダンテ・コン・モート・エ・スケルツァンド 


  『目覚めよと呼ぶ声あり』 BWV.645:アンダンテ



・ヴァイオリンソナタ ホ短調 P85(原曲:BWV.1023)


・前奏曲とフーガ ニ長調 P158(原曲:BWV.532)


・パッサカリアとフーガ ハ短調 P159(原曲:BWV.582)


J.S.バッハ/エルガー編曲:

・幻想曲とフーガ ハ短調 Op.86(原曲:BWV.537)


  イルッカ・タルヴィ(ヴァイオリン)
  シアトル交響楽団
  ジェラード・シュウォーツ(指揮)

録音時期:1989年、1990年、1991年
録音場所:シアトル・センター・オペラ・ハウス


「パッサカリア」では、かつて音楽評論家の属啓成氏がウィーン留学中に聴いたトスカニーニ指揮ウィーンフィルのオルガンを加えた終結部の感動的な演奏を紹介する記事があった。

だが残されているトスカニーニの「パッサカリア」の録音を聴く限りでは、テンポが速すぎて録音も悪く、期待したほどの出来ではない。

オケ版パッサカリアでは、ストコフスキーがチェコフィルを振ったライヴの方がが大きな感銘を受ける。




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ヴァイオリンソナタは第2番のソナタの伴奏部分をレスピーギが編曲したもので、こちらはクレーメルが76年にメロディアに録音していた。

伴奏は若き日のマリス・ヤンソンス指揮レニングラードフィル。



レスピーギは、古い時代の音楽を素材として小編成から大編成までの近代オケ編曲作品を比較的多く残している。


レスピーギの職人的な技が良い効果を上げ、近代的な装いに生まれ変わった組曲「リュートための古風な舞曲とアリア」や組曲「鳥」に比べ、これらバッハ作品の編曲はバッハの個性にレスピーギが呑みこまれているようにも思える。


それだけバッハの存在が偉大だということだろうか。


一方のエルガーは華やかで軽いノリの編曲。

こちらは19世紀の大英帝国の繁栄を謳歌するような趣に、幾分押しつけがましさが感じられなくもない。


シュワルツの演奏はオケも良く、編曲の響きの豊かさを十分に引き出したもの。

ただしヴァイオリンソナタの演奏は、ソロがオケに埋没してしまいクレーメルの雄弁さに及ばない。
ヤンソンスの伴奏も見事だった。


Youtubeはレスピーギ編曲の「パッサカリア」A.リットンの指揮

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