ベルリンフィル八重奏団 in 三島
曇り一時晴れ、再び気温が下がってきた。
仕事は来月から始まる大きな会議を控えて小康状態。
今年は不確定要素が多くいつ始まるかもわからない。
日曜の午後はベルリンフィル八重奏団の演奏会へ上の娘と娘の友人とで行っていた。
場所は三島市民文化センター。三島市制75周年行事。
地方には稀な超一流の演奏家の来演にもかかわらず、チケット売上はかなり苦戦だっという。
ホールに向かったところ周辺駐車場はどこも満車。
娘とその友人をホール前で降ろし、比較的広い駅前駐車場に向かうも満車で楽寿園近くの駐車場を紹介されたがそこも満車。
その時点で開演15分前を切っていた。
結局ホールから500メートルほど離れた三島大社近くの立体駐車場に止めて、そこから猛然とダッシュ。
開演すでに8分前。
近道の源兵衛川の石畳を2段跳びしているうち手術跡が痛くなってきた。
ホール到着は開演時間2時を過ぎた2時3分。
あぁ!間に合わなかった・・・・(T^T)
ホールドア前の職員に聞くと、まだ入れそうですとのこと。
そーっとドアを開けると千人キャパのホール内はほぼ満席。
チケット片手で自分の席を探すとホール客席のほぼ真ん中だった。(・・;
出演者登場寸前の静まり返ったホール内で、「すいませーん」とささやきながら手前の席の方に次々とどいてもらう瞬間の周囲の視線が痛い。
娘たちは後ろの席だった。
そして開演。
出演メンバーは
樫本大進(第1ヴァイオリン)
ロマーノ・トマシーニ(第2ヴァイオリン)
アミハイ・グロス(ヴィオラ)
クリストフ・イゲルブリンク(チェロ)
エスコ・ライネ(コントラバス)
ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
シュテファン・ドール(ホルン)
モル・ビロン(ファゴット)
プログラムは
ニールセン:軽快なセレナード
ドヴォルザーク:5つのバガテル Op.47
(ウルフ・グィド・シェーファー編)
シューベルト:八重奏曲 D.803
というもの。
最初のニールセンは初めて聴く曲。
(と思っていたらバボラークのCDが家にあった)
急いでいたので有料プログラムを買う余裕はなかった。
(娘が買っていた)
渡されたチラシ類の中にもこの公演の情報がないので、音が鳴った時に誰の曲かわからない。
これでは500円の有料プログラムを買わなければ、演奏されている曲も演奏者のプロフィールもわからない。
公演主催者のアンケートにこの配慮のなさを書いておいた。
とはいえ誰の曲か想像しながら聴くのも楽しいもの。
ニールセンの編成はクラリネット、ファゴット、ホルンにチェロとコントラバス。
後ろの席から「8人いないじゃないか」などの声が聞こえてきた。
この特異な編成、しかも現代風にして民族的なテイストが散りばめらた曲を聴いていて、バランスを取るのが難しそうな曲だなというのが第一印象。
だが演奏の見事さは想像以上。
たった5人なのにオケを聴いているかのような充実した響き、しかも各楽器の音が均質に溶け合っている。
名手シュテファン・ドールのホルンの自由に飛翔するホルンも惚れ惚れするほど。
作曲者が想像していた以上の音で鳴っているのではないかとも思える。
ある意味馴染みのない曲なのにホール内のお客さんたちも静まり返って聴いていた。
隣の席にいた、友人で音楽好きの市議会議員さんが持っていた本公演のチラシを見せていただいてニールセンと判明。
2曲目のドヴォルジャークはこの編成のためにアレンジした版。
明るく懐かしい響き、それでいて音楽は暖かだ。
休憩時間にロビーに出ようとしたら、ピアニストの海瀬京子さんに呼び止められた。
「お見かけしたので」とのこと。
やはり開演直前に飛び込んだ自分は目立っていたのか。
演奏を聴いていてベルリン留学時代を思い出したとのこと。
そして後半のシューベルト。
ヴァイオリンの樫本大進の大活躍を見ていて誇らしい気持ちにもなってきた。
ホルンのドールのタフさにも舌を巻く。
ベルリンフィル八重奏団の歴史は古く80年を越えるという。
当然メンバーは固定しているわけでないが、いくつかの録音を聴いてみると、その時点でのベルリンフィルの特質がそのまま出ているのが面白い。
自分の中でベルリンフィル八重奏団といえば、グラモフォンから出ていた60年代録音のLP。この団体の看板曲であるシューベルトの八重奏曲のディスクが思い出深い。
こちらはカラヤン時代の猛者たちによるがっちりとした演奏。
今回のメンバーはラトル時代の結成メンバー。
透き通るように透明でいて柔らかな響き、それでいて適度な緊張感も清潔感のあるまさに今のベルリンフィルの音だった。
アンコールはシューベルトの八重奏曲から第3楽章。
Youtubeはニールセンの「カント・セリオーソ」、バボラークのホルン
最近のコメント